![【書評】チーム・ビルディング[新版] 人と人を「つなぐ」技法|要約と感想](https://arasuji-book.com/wp-content/uploads/2026/08/image-2-722x1024.jpg)
目標を共有しているのにメンバーが動かない、話し合っても行動につながらない――そんなとき、問題は個人の意欲だけにあるとは限りません。『チーム・ビルディング[新版] 人と人を「つなぐ」技法』は、関係性や場づくり、会話・対話・議論の設計からチームを見直す実践書です。
この記事では、本書の内容と構成、読んで印象に残った点、実践への活かし方や注意点まで整理します。最後まで読むことで、自分の抱えるチーム課題に役立つ本なのか、購入して読む価値があるのかを判断しやすくなります。
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結論|この本はどんな人に向いている?

この本をひとことで言うと
『チーム・ビルディング[新版] 人と人を「つなぐ」技法』は、メンバーが主体的に動かない、話し合いが機能しないといった悩みを、関係性・会話・対話・議論の設計から立て直すための実践書です。
チームづくりを単なるレクリエーションや交流イベントとして扱うのではなく、人と人のつながりに働きかけながら、メンバーそれぞれの力を引き出していく方法を体系的に学べます。考え方だけでなく、問い、アクティビティ、場づくりまで扱っているため、「チーム論を知りたい」というより「現場で何をすればいいのか知りたい」人に適しています。
向いている人
特に向いているのは、メンバーの主体性や協働を引き出したい管理職やチームリーダーです。目標は決めているのに一体感が生まれない、発言する人が偏る、会議をしても行動につながらないといった課題を抱えている場合、本書の「関係性から見直す」という視点が判断材料になります。
また、会議や研修、ワークショップを設計するファシリテーターや人材開発担当者にも相性がよいでしょう。本書は、互いを知るための「会話」、意味や目的を共有するための「対話」、結論や行動につなげるための「議論」を分けて扱っています。話し合いを何となく進めるのではなく、目的に応じて設計したい人に向いています。
向いていない人
一方で、チーム研究の理論を専門的に深掘りしたい人や、心理的安全性、MVVなど一つのテーマだけを集中的に学びたい人には、やや方向性が異なります。本書は特定理論の専門書ではなく、チームづくり全体を実践的に扱う本だからです。
また、短時間で要点だけを知りたい人には、情報量が多く感じられる可能性があります。問い、アクティビティ、場づくり、対立への対応、チームの停滞まで幅広く扱うため、コンパクトな入門書を求める人より、現場で繰り返し参照したい人のほうが活かしやすいでしょう。
先に結論(買う価値はある?)
チームを任されていて、「人をどう動かすか」ではなく「どうすれば人が力を発揮できる関係性をつくれるか」を学びたいなら、読む価値は十分あります。
理由は、チームづくりの考え方だけで終わらず、会話・対話・議論の使い分けから、問い、場づくり、実際の活動、停滞したチームへの対応まで一連の流れとして整理されているからです。読むだけでチームが変わる本ではありませんが、実際の職場やプロジェクトで一つずつ試していきたい人にとっては、手元に置いて使いやすい一冊です。
要約|この本の内容を3分でつかむ

重要ポイント3つ
1つ目は、チームが機能するかどうかを、個人の能力だけでなく「人と人との関係性」から考えることです。目標を共有したり、コミュニケーションの量を増やしたりするだけでは、メンバーが主体的に動くとは限りません。本書は、互いに力を発揮しやすい関係や場をつくり、メンバー同士の相互作用を高めることをチームづくりの土台に置いています。
2つ目は、話し合いを「会話」「対話」「議論」に分け、それぞれの役割を明確にしていることです。会話では互いを知って関係を築き、対話ではミッション・ビジョン・バリューなど活動の意味や目的を探り、議論では問題や打ち手を整理して行動へつなげていきます。何となく話し合うのではなく、「今のチームにはどの種類のコミュニケーションが必要なのか」を考えられる構成です。
3つ目は、チームビルディングを知識ではなく実践まで落とし込んでいることです。問いやアクティビティだけでなく、メンバー構成、座席やスペースといった場づくり、役割分担、振り返りまで扱います。さらに、会議や研修、プロジェクトなどへの応用から、難しいメンバーへの対応、チームの停滞や再活性化まで視野に入っているのが特徴です。
著者が一番伝えたいこと
本書を貫いているのは、リーダーが人を直接動かそうとするのではなく、メンバーが自ら力を発揮しやすい関係性と状況をつくることが重要だという考え方です。強く指示したり、叱咤激励したりして一時的に動かすのではなく、一人ひとりが活動を自分事として捉え、互いに協力できる状態を目指します。
そのため、チームビルディングは一度きりのイベントでは終わりません。本書は、関係を築き、意味を共有し、話し合って行動し、振り返りながらチームを育て続ける一連のプロセスとして説明しています。多数の技法が紹介されていますが、中心にあるのは技法そのものではなく、それらをどう組み合わせて人と人のつながりを変えていくかです。
読むと得られること
本書を読むと、チームがうまくいかないときに、原因を「やる気のない人がいる」「能力が足りない」と個人だけに求めるのではなく、関係性・話し合い方・場のつくり方まで含めて考え直せるようになります。
また、会議やワークショップの前にどんな問いを用意するか、今必要なのは会話・対話・議論のどれなのか、MVVをどう話し合うか、行動だけでなく振り返りまでどう設計するか、といった実践上の視点も得られます。読み終えて知識を増やすだけではなく、自分のチームで何か一つ試してみるところまでつなげやすい。そこが本書の大きな実用価値です。
内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

全体の設計(章の流れをざっくり)
本書は、いきなりチームづくりのテクニックを並べるのではなく、なぜ関係性が重要なのかを理解し、準備を整え、会話・対話・議論を使い分け、最後に現場での応用とチームの維持・再生へ進む構成です。
前半でチームビルディングの基本と「人・場」の条件を押さえ、第3〜5章で本書の中核となる話し合いの技術を段階的に学びます。その後、第6章で複数の実践場面へ落とし込み、第7章では難しいメンバーへの対応や観察、停滞したチームの立て直しまで扱います。技法を単発で覚えるのではなく、チームを育て続ける一連の流れとして理解できる設計です。
大見出し目次(短い目次)
- 第1章 【基礎編】 優れたチームをつくるには
- 第2章 【準備編】 「人組み」と「場づくり」がチームの決め手
- 第3章 【技術編(1)】 関係性を築く「会話」
- 第4章 【技術編(2)】 意味を探求する「対話」
- 第5章 【技術編(3)】 行動を変革する「議論」
- 第6章 【実践編】 チームづくりを促進させる
- 第7章 【熟達編】 チーム・ビルディングを極めるために
各章の要点
第1章は、本書全体の土台です。チームを良くするには個人を直接変えようとするだけでなく、メンバー同士の関係性へ働きかける必要があるという考え方を整理し、後の実践につなげます。
第2章では、チーム活動が始まる前の条件を扱います。誰を何人集めるかだけでなく、座席配置など物理的な環境も含めて「力を発揮しやすい場」を整える章です。
第3章は、まず互いを知って関係性を築く段階です。傾聴やリアクション、個性・状況・心理を知る問い、多数のアクティビティが用意され、以降の対話や議論の土台になります。
第4章では、関係ができたところから一歩進み、活動の意味を共有します。ミッション・ビジョン・バリューや心理的安全性も扱われ、関係形成から意思決定へ進む橋渡しとなる章です。
第5章は、話し合いを実際の行動へ結びつける段階です。問題や打ち手を考えるだけで終わらせず、合意、役割分担、振り返りまで含めて実行につなげます。
第6章では、それまでに学んだ技法を、会議、研修、プロジェクトなどの具体的な場面でどう組み合わせるかを扱います。個別の技法から「現場で使う」段階へ進む章です。
第7章は、つくったチームをどう維持し、停滞からどう立て直すかを扱います。難しいメンバーへの対応、場を読む観察力、チームの疲労や沈滞まで射程に入っており、継続的なチームづくりへつながります。
忙しい人が先に読むならここ
全部を最初から読めない場合は、まず第1章、その次に第3〜5章を優先すると、本書の核をつかみやすいでしょう。
第1章で「個人を直接動かすのではなく、関係性からチームを変える」という基本的な考え方を押さえたうえで、第3章の会話、第4章の対話、第5章の議論へ進むと、なぜ話し合いを3つに分けているのかが理解しやすくなります。特に第3〜5章は、互いを知ることから意味共有、意思決定、行動までをつなぐ本書の中心部分です。
すでに現場の課題が明確なら、その後に第6章・第7章へ進む読み方も実用的です。会議やプロジェクトへの応用を知りたいなら第6章、難しいメンバーやチームの停滞に悩んでいるなら第7章を優先すると、自分の課題に近いところから読み進められます。
感想|読んで印象に残ったことと注意点

特に印象に残ったポイント
読んで最も印象に残ったのは、チームがうまく機能しない原因を、個々のメンバーの能力や意欲だけに求めていないことです。本書は、目標を共有したりコミュニケーションを増やしたりするだけでは十分ではなく、メンバー同士がどのような関係を築いているかに目を向けます。「どうすればこの人を動かせるか」ではなく、「このチームでは人と人がどうつながっているか」を考える。その視点の切り替えが、読み終えたあとまで強く残りました。
特に分かりやすかったのが、第3章から第5章で「会話」「対話」「議論」を分けている構成です。会話では互いを知って関係性をつくり、対話ではミッションやビジョン、バリューなど活動の意味を探り、議論では問題や打ち手を考えて行動につなげていきます。普段は一括りにしがちな「話し合い」に異なる役割があると整理されることで、チームづくりを単にコミュニケーション量の問題として考えなくてよいことが腑に落ちました。
もう一つ印象的だったのは、チームビルディングを一度きりのイベントとして扱っていない点です。人や場を整えるところから始まり、関係を築き、意味を共有し、行動し、さらに難しいメンバーへの対応やチームの停滞、再活性化まで扱います。扱うテーマは広いのですが、「関係性に働きかけながらチームを育て続ける」という軸があるため、全体がばらばらには感じませんでした。
すぐ試したくなったこと
読後にまず試したくなったのは、話し合いを始める前に、その目的が会話・対話・議論のどれなのかを意識することです。これまで何となく一つの「会議」として捉えていたものも、互いを知る時間なのか、意味を共有する時間なのか、結論を出す時間なのかで必要な進め方は変わります。この整理なら、大がかりな制度変更をしなくても、自分たちの話し合いを見直すきっかけにしやすいと感じました。
また、参加者へどんな問いを投げるか、座席やスペースをどうするかといった「場」の設計にも目を向けたくなりました。本書は、チームの問題をメンバー本人だけの問題にせず、人の集め方や環境、問いかけ、関係性まで含めて考えます。そのため、「もっと積極的に発言してほしい」と相手に求める前に、発言しやすい状況をこちらがつくれているかを考える視点を持ちやすくなります。
読んで気になった点
気になったのは、扱う範囲がかなり広いことです。関係性や場づくりに始まり、傾聴、MVV、心理的安全性、合意形成、アクティビティ、観察、難しいメンバーへの対応、チームの再活性化まで一冊で扱います。チームビルディング全体を俯瞰したい人には長所ですが、心理的安全性やMVVなど特定のテーマだけを理論的に深く学びたい場合は、求めている深さとは違う可能性があります。
また、「チームビルディング」という言葉から、すぐ使えるゲームやレクリエーションを集めた本を想像すると、内容とのギャップがありそうです。実際には、問いやアクティビティの数以上に、関係性を築き、意味を共有し、議論して行動し、さらにチームを維持していく一連のプロセスに重心があります。個別の技法だけを拾うこともできますが、この本らしさをつかむなら、技法集としてではなく、チームをどう育て続けるかを考える実践書として読んだほうが内容を受け取りやすいと感じました。
実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

今日からできること
本書は、知識として理解するだけでなく、実際のチームで小さく試すことを前提にした実践書です。最初から大がかりな施策を始める必要はなく、普段の会議やメンバーとの関わり方を一つ変えるところから始められます。
- チームの問題を誰かの性格や能力だけで考えず、メンバー同士の関係性にも原因がないか見直す。
- 次の話し合いが、互いを知る「会話」、意味を探る「対話」、結論を出す「議論」のどれなのか整理する。
- 会議を始める前に、参加者から考えや気持ちを引き出すための「問い」を一つ決めておく。
- 発言しやすい場になっているかを考え、人数だけでなく座席やスペースのつくり方も見直す。
- メンバーが何を考えているのかを決めつけず、普段の反応や発言、場の状態を意識して観察する。
- ミッション・ビジョン・バリューを一方的に示すだけでなく、メンバー自身が意味を考える時間をつくる。
- 議論では結論だけで終わらせず、誰が何をするのか、いつ振り返るのかまで確認する。
- チームが停滞しているときは、すぐに人を替える発想へ進まず、関係性や活動の進め方から状態を見直す。
最初の一歩として取り組みやすいのは、次の会議で「今日は何のために話すのか」を整理することです。会話・対話・議論を意識するだけでも、何となく続けていた話し合いを見直すきっかけになります。
1週間で試すならこうする
Day1:チームの現状を観察する。
誰がよく発言しているか、誰と誰のやり取りが多いかなど、個人を評価するのではなく関係性や場の状態に目を向けます。
Day2:普段の話し合いを整理する。
直近の会議やミーティングを振り返り、互いを知る時間、意味を共有する時間、結論を出す時間がどう扱われているか考えます。
Day3:一つだけ「問い」を用意する。
次の話し合いで何を引き出したいのかを決め、それに合った問いを事前に考えてから臨みます。
Day4:場のつくり方を見直す。
話す内容だけでなく、人数や座席、参加しやすい雰囲気など、コミュニケーションを支える環境にも注意を向けます。
Day5:チームの意味を話す時間をつくる。
何のために活動しているのか、何を目指すのか、何を大切にするのかについて、メンバーが考えられる対話を意識します。
Day6:議論を行動までつなげる。
結論を出したら、役割分担や次の行動だけでなく、振り返るタイミングまで確認します。
Day7:1週間を振り返る。
何が変わったかを大きな成果だけで判断せず、発言の仕方や関わり方、話し合いの進み方に変化がなかったかを見直します。
つまずきやすい点と対策
一つ目は、チームに問題があると、すぐに特定のメンバーを変えようとしてしまうことです。本書が重視しているのは、個人だけでなく関係性や場も見る視点です。最初から人を問題の中心に置かず、「どんな関わりが起きているか」を一度観察してから考えるほうが、本書の考え方を実践しやすくなります。
二つ目は、会話・対話・議論を区別せず、すべて同じ話し合いとして進めてしまうことです。関係性を築く必要があるのに結論を急いだり、逆に意思決定が必要なのに対話だけを続けたりすると、目的とのズレが生まれます。まず次の一回だけでも、話し始める前に「今日は何のために話すのか」を確認するところから始めるとよいでしょう。
三つ目は、問いやアクティビティを使うこと自体が目的になってしまうことです。本書は具体的な技法を多く扱っていますが、その前提には関係性や目的があります。新しい技法をたくさん導入するより、今のチームに必要なものを一つ選び、「何のために行うのか」を確認して使うことが、本書を実践につなげるうえで大切です。
比較|似ている本とどう違う?

まず違いを一覧で整理
3冊はいずれもチームを扱いますが、学び方の入口が異なります。『チーム・ビルディング[新版]』は関係性を起点に、会話・対話・議論、問いやアクティビティまで現場で使うことに重心があります。『THE TEAM 5つの法則』はチームを5つの法則から整理し、『チームが機能するとはどういうことか』はチーミングや組織学習、心理的安全性を理論・事例から掘り下げる本です。
| 本 | 重心 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 『チーム・ビルディング[新版]』 | 関係性と具体的な実践技法 | 現場でチームづくりを試したい人 |
| 『THE TEAM 5つの法則』 | チームを5つの法則で整理 | チーム全体を別の整理枠で捉えたい人 |
| 『チームが機能するとはどういうことか』 | チーミング・組織学習・心理的安全性 | 理論と事例から深く理解したい人 |
『THE TEAM 5つの法則』との違い
『チーム・ビルディング[新版]』は、人と人の関係性をどう整え、会話・対話・議論をどう使い分けるかという流れでチームづくりを扱います。さらに、問いやアクティビティ、場づくりから、チームの停滞や再活性化まで扱うのが特徴です。一方、『THE TEAM 5つの法則』は、チームづくりを5つの法則で整理するため、チームというものを異なる切り口から俯瞰できます。
そのため、会議やプロジェクトなどで「実際に何を問い、どう働きかけるか」まで知りたいなら『チーム・ビルディング[新版]』が合います。チームを構成する要素を整理された枠組みから捉えたいなら、『THE TEAM 5つの法則』のほうが目的に合いやすいでしょう。
『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』との違い
『チーム・ビルディング[新版]』は実践寄りです。関係性を築く会話、意味を共有する対話、行動へつなげる議論に加え、問いやアクティビティ、具体的な利用場面まで扱います。対して『チームが機能するとはどういうことか』は、チーミング、組織学習、心理的安全性を理論や事例から扱うため、チームが機能する仕組みをより深く理解する方向に重心があります。
現場ですぐ試せる材料を増やしたい管理職やファシリテーターには『チーム・ビルディング[新版]』が向いています。実践の背景にあるチームの学習や心理的安全性まで理論面から理解したい人には、『チームが機能するとはどういうことか』が適しています。
迷ったらどれを選ぶべき?
- 現場でチームづくりを実践したい:『チーム・ビルディング[新版]』
- チームを5つの法則から整理したい:『THE TEAM 5つの法則』
- チーミングや心理的安全性を深く学びたい:『チームが機能するとはどういうことか』
特に、メンバーが主体的に動かない、話し合いが行動につながらない、チームが停滞しているといった悩みがあり、「考え方だけでなく次に何をすればよいか」まで知りたいなら、『チーム・ビルディング[新版]』を選ぶ意味があります。チームの問題を個人だけに求めず、関係性や場、話し合い方から見直したい人に合う一冊です。
著者はどんな人?|この本の信頼性を確認する

著者プロフィール
著者の堀公俊氏は、1960年神戸生まれ。大阪大学大学院工学研究科を修了し、大手精密機器メーカー勤務を経て、ファシリテーションの分野で活動してきました。2003年には有志とともに日本ファシリテーション協会を設立し、初代会長を務めています。現在は堀公俊事務所代表、組織コンサルタント、日本ファシリテーション協会フェローとして、ビジネス、教育、まちづくりなどの分野でファシリテーションの普及・啓発に携わっています。
著者の経験が本書にどう活きているか
本書が扱うのは、単なるチーム論ではなく、人と人の関係性や相互作用に働きかけながら、チームを機能させていくための考え方と技法です。堀氏が長く取り組んできたファシリテーションは、まさに人が集まる場で対話や協働を支援・促進する領域であり、本書のテーマと直接つながっています。
また、ビジネスだけでなく教育やまちづくりにも活動領域を広げてきた経歴は、本書が会社の会議やプロジェクトだけでなく、研修、イベント、地域の集会など幅広い場面を扱っていることとも重なります。著者自身がファシリテーションと組織に関わる実務を続けてきた背景が、本書を現場で使うことを意識した実践書として支えています。
よくある質問(FAQ)

要約だけ読めば十分?
本の大枠をつかむだけなら、要約でも十分です。 本書が「関係性を起点にチームを育てる本」であり、会話・対話・議論を分けて考えることや、場づくりから停滞への対応まで扱うことは要約でも把握できます。購入前に自分に合うかを判断する目的でも、まずは全体像を知れば十分でしょう。
一方、実際の会議やプロジェクトで使いたい人は本文まで読んだほうがよいです。本書の価値は、考え方だけでなく、問い・アクティビティ・傾聴・場づくり・合意形成などを具体的な場面へ落とし込んでいる点にあるためです。
初心者でも読める?
チームビルディングや組織開発を初めて学ぶ人でも入りやすい内容です。基礎的な考え方から始まり、人の集め方や場づくりを経て、会話・対話・議論へ進む構成なので、専門知識があることを前提にはしていません。
特に、会議がうまく進まない、メンバーが主体的に動かないなど、身近なチームの悩みがある人は内容を結びつけやすいでしょう。一方で、心理的安全性やMVV、組織開発まで扱うため、簡単なチームゲームだけを知りたい人には想像より内容が広く感じられるかもしれません。
どこから読むべき?
本書の考え方をきちんと理解したいなら、第1章から順番に読むのが向いています。関係性を重視する理由を押さえたうえで、準備、会話、対話、議論、現場への応用へ進むため、各技法が何のために使われるのか理解しやすくなります。
時間がない場合は、まず第1章で基本的な考え方をつかみ、第3〜5章の「会話・対話・議論」を優先すると、本書の中核が見えやすいでしょう。すでに具体的な悩みがあるなら、第6章の実践場面や、第7章の停滞したチームへの対応を必要に応じて参照する読み方もできます。
読む前に注意点はある?
注意したいのは、「チームビルディング=レクリエーションやゲームの本」と思って読むと、期待とのズレが出やすいことです。本書は関係性づくりだけでなく、MVVを考える対話、合意形成、行動、観察、チームの維持や再活性化まで幅広く扱います。
また、心理的安全性やMVVを一つのテーマとして深く掘り下げる専門書でも、研究や実証データを中心にした学術書でもありません。特定の概念を深く学ぶより、チームづくり全体を見渡しながら、現場で使える考え方や働きかけを知りたい人に合う本です。
まとめ|結局、この本を読む価値はある?

この本の価値を3つで言うと
1つ目の価値は、チームの問題を見る視点を「個人」から「関係性」へ広げられることです。メンバーが動かない原因を能力や意欲だけに求めず、人と人のつながりや相互作用、話し合いのあり方まで見直します。「どうすればこの人を動かせるか」だけでは解決できないときに、別の角度からチームを捉え直せるのが大きな収穫です。
2つ目の価値は、会話・対話・議論を目的の異なるものとして整理し、現場の話し合いを設計しやすくなることです。互いを知って関係性を築くこと、活動の意味を考えること、問題や打ち手を決めて行動につなげることを分けて考えられます。何となくコミュニケーションを増やすのではなく、「今このチームにはどんな話し合いが必要か」を考えやすくなります。
3つ目の価値は、考え方を知るだけで終わらず、実際のチームづくりへつなげやすいことです。問いやアクティビティ、場づくりに加え、会議、研修、プロジェクト、定常組織などへの応用まで扱っています。さらに、チームの立ち上げだけでなく、停滞や再活性化まで視野に入っているため、継続的にチームを育てるための手引きとして使えます。
この本をおすすめできる人・合わない人
特におすすめできるのは、管理職やプロジェクトリーダー、ファシリテーターなど、実際に人が集まる場をよりよくしたい人です。目標はあるのに一体感がない、発言する人が偏る、話し合っても行動につながらないといった悩みがあるなら、実務に持ち帰れる材料を見つけやすいでしょう。
一方、チーム研究や実証データを中心に学びたい人、心理的安全性やMVVだけを専門的に掘り下げたい人には、期待と少しズレる可能性があります。簡単なゲームやレクリエーションだけを探している場合も、本書が扱う範囲はそれよりかなり広めです。
読むならどう活かす?
最初に持ち帰りたいのは、チームで問題が起きたとき、すぐ誰か個人の問題にせず、関係性や場、話し合い方にも原因がないかを見る視点です。
今日できることなら、次の会議を「会話・対話・議論のどれを目的にした時間なのか」と考えてみるだけでも十分です。そのうえで、参加者に何を問いかけるか、最後に行動や役割、振り返りまで決める必要があるかを整理すると、本書の考え方を現場へつなげやすくなります。
次に読むならこの本
- 『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』:関係性や協働について、チーミングや組織学習、心理的安全性の理論面からさらに理解を深めたい人に。
- 『恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』:本書で触れられる安全に話せる場というテーマを、心理的安全性に絞って深掘りしたい人に。
- 『THE TEAM 5つの法則』:目標、人員、意思疎通、意思決定、共感という別の整理からチームを捉え直し、本書で得た実践知を俯瞰したい人に。
チームビルディングについて学べるおすすめ書籍

チームビルディングについて学びたい人におすすめの書籍です。
本の「内容・感想」を紹介しています。
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- THE TEAM 5つの法則
- 宇宙兄弟「制約主導」のチームワークで、仕事が面白くなる! チームの話
- チームが機能するとはどういうことか ― 「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ
- THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法
- チーム・ビルディング[新版] 人と人を「つなぐ」技法