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【書評】THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法|要約と感想

【書評】THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法|要約と感想

優秀な人材をそろえているのに、なぜか意見が出ない、助け合いが生まれない、チームとして力を発揮できない。『THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法』は、その原因を個人の能力ではなく、「安全な環境」「弱さの共有」「共通の目標」というメンバー同士の関わり方から捉え直す本です。

この記事では、本書が示すチーム文化の仕組みや具体的な行動、読んで印象に残った点、注意したい部分まで整理します。内容と実用性の両面から確認することで、自分の悩みに合う本なのか、購入して読む価値があるのかを判断しやすくなるはずです。


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もくじ
  1. 結論|この本はどんな人に向いている?
  2. 要約|この本の内容を3分でつかむ
  3. 内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ
  4. 感想|読んで印象に残ったことと注意点
  5. 実践編|この本を読んだあと、どう行動する?
  6. 比較|似ている本とどう違う?
  7. 著者はどんな人?|この本の信頼性を確認する
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|結局、この本を読む価値はある?

結論|この本はどんな人に向いている?

結論|この本はどんな人に向いている?

この本をひとことで言うと

『THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法』は、強いチームを「優秀な人材を集めること」ではなく、メンバー同士の関わり方からつくり直したい人に向く本です。安全な環境、弱さの共有、共通の目標という3つの要素を軸に、帰属意識や信頼、協力がどのように生まれるのかを具体的に理解できます。チーム文化という抽象的なテーマを、日々の会話や行動、リーダーの振る舞いまで落として考えられるのが特徴です。


向いている人

特に向いているのは、メンバーの能力は高いのに連携がうまくいかない、本音や相談が出てこない、会議で一部の人しか発言しない、といった課題を抱えているリーダーや管理職です。また、心理的安全性に関心があり、安全な職場とは単に衝突のない職場ではないことまで理解したい人にも合います。

リーダーだけでなく、チームの一員として関係性をよくしたい人にも使える内容です。聞き方、弱さの示し方、発言機会のつくり方、優先順位の伝え方など、日常の振る舞いに置き換えて考えられるため、「組織文化を変えたいが、何から手をつければいいかわからない」という人にも判断材料を与えてくれます。


向いていない人

一方で、心理的安全性だけを学術的に深く学びたい人や、組織心理学の理論・統計を体系的に学びたい人には、やや方向が異なります。本書は研究書というより、多様な組織の事例を通して強いチーム文化の共通原理を探る構成です。

また、すぐに使える短いチェックリストや即効性のあるテクニックだけを求める人には、少し長く感じるかもしれません。Google、ピクサー、ネイビーシールズなどの事例をたどりながら、なぜその行動が重要なのかを理解していく本なので、結論だけを素早く拾いたい読者には向きにくいでしょう。


先に結論(買う価値はある?)

チームづくりを「優秀な人を集めること」ではなく、「集まった人がどう関わるか」という視点から学びたいなら、読む価値は十分にあります。安全なつながり、弱さを共有できる信頼関係、共通の目的という3段階で整理されているため、チームがうまくいかない原因を漠然とした相性や雰囲気だけで考えずに済むからです。

特に、チームの関係性を改善したいけれど何から考えればよいのかわからない人にとっては、文化を日々の小さな行動として捉え直すための土台になります。「誰がいるか」ではなく「どう関わっているか」を見直したい人なら、手に取る意味のある一冊です。


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要約|この本の内容を3分でつかむ

要約|この本の内容を3分でつかむ

重要ポイント3つ

1つ目は、強いチームを決めるのは、個々のメンバーの能力だけではないという点です。本書は冒頭で、ビジネススクールの学生と幼稚園児が同じ課題に挑む実験を取り上げ、知識や経験で上回る集団が必ずしも高い成果を出すわけではないことを示します。そこで焦点になるのが、メンバー同士がどのように関わり、助け合い、問題に向き合っているかという「相互作用」です。

2つ目は、良い相互作用を生み出す土台を「安全な環境」「弱さの共有」「共通の目標」という3つの要素に整理していることです。まず、メンバーが自分もこの集団の一員だと感じられる環境をつくる。次に、わからないことや助けが必要なことを出せる関係を築く。そのうえで、何を大切にし、どこへ向かうのかを共有するという順番で話が進みます。

3つ目は、チーム文化を抽象的な理念ではなく、日々の行動として扱っている点です。話をよく聞く、全員に発言の機会をつくる、リーダー自身が弱さを認める、率直な意見交換と個人攻撃を区別する、優先順位を繰り返し伝えるなど、文化を実際の振る舞いへ落とし込んでいます。Googleやピクサー、ネイビーシールズなど異なる集団の事例も、その共通原理を考えるために使われています。


著者が一番伝えたいこと

本書全体を貫いているのは、強いチーム文化は特別な人材が偶然生み出すものではなく、メンバー同士が繰り返す小さな行動によって形成される、という考え方です。誰を集めたかだけを見るのではなく、その人たちがどんなシグナルを送り合い、失敗や疑問にどう反応し、何を大切だと共有しているのかを見る必要があります。

そのため、本書が目指しているのは「優秀な人をそろえる方法」ではありません。安心して参加できる関係をつくり、弱さを隠さず協力できる状態を整え、最後に共通の目的へ力を合わせる。その積み重ねによって、個人の能力をチームとしての成果につなげようとする本です。


読むと得られること

この本を読むと、「チームの雰囲気が悪い」「本音が出ない」「相談されない」「能力の高い人がいるのに連携できない」といった問題を、個人の性格や能力だけに原因を求めずに考えられるようになります。帰属意識、会話の仕方、弱さの示し方、発言機会、目的や優先順位の伝え方など、改善できる具体的な要素へ分解して見られるのが大きな利点です。

また、心理的安全性を「衝突のない穏やかな職場」と誤解しにくくなる点も重要です。本書が目指す安全な環境は、異論や問題を隠さず扱える関係に近く、弱さの共有も単なる自己開示ではなく協力を始めるための行動として描かれます。チーム文化を漠然とした社風ではなく、毎日の関わり方から変えていく視点を得られる一冊です。


内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

全体の設計(章の流れをざっくり)

本書は、最初に「優秀な人を集めれば、強いチームになるとは限らない」という問題を示し、その原因を個人の能力ではなくメンバー同士の相互作用から考えていきます。その後は、まず安心して参加できる土台をつくり、次に弱さを見せられる関係から協力を生み、最後に価値観や目的を共有して行動の方向をそろえる、という順番です。

各パートでは、研究やさまざまな集団の事例から仕組みを理解し、最後に具体的な行動へ落とし込む流れが繰り返されます。そのため、単独のテクニックを拾うより、「安全→信頼と協力→目的」というつながりを意識して読むと全体像をつかみやすくなります。


大見出し目次(短い目次)

  • スキル1 安全な環境をつくる

    第1章 チームに必要な環境
    ──腐ったリンゴとおいしいリンゴ

    第2章 チームの化学反応
    ──「いつものこと」が10億ドルのビジネスを生む

    第3章 結束力のあるチーム
    ──クリスマス休戦、1時間の実験、核ミサイル発射台

    第4章 帰属意識の育て方
    ──チームの関係性をつくる人

    第5章 帰属意識の高いチームをつくる
    ──温室のつくり方

    第6章 行動のためのアイデア1
    ──正しいシグナルの送り方

  • スキル2 弱さを共有する

    第7章 弱さを見せる
    ──私にしてほしいことがあったら言ってくれ

    第8章 弱さのループ
    ──自分には弱点があり、助けが必要だ

    第9章 驚異のチームワーク
    ──ネイビーシールズ、コメディと窃盗の集団

    第10章 小さなチームで協力関係を築く方法
    ──シールズ・チーム6指揮官のルール

    第11章 個人間の協力関係を築く方法
    ──相手に全神経を集中させる

    第12章 行動のためのアイデア2
    ──弱さを見せられるようになる方法

  • スキル3 共通の目標を持つ

    第13章 チームの価値観と目標の共有
    ──311語の言葉が持つ力

    第14章 目的意識の高いチーム
    ──フーリガンの制圧と外科医の学習

    第15章 「熟練したチーム」のつくり方
    ──価値を言葉にして伝え続ける

    第16章 「創造的なチーム」のつくり方
    ──苦しい作業を協力して乗り切れるシステム

    第17章 行動のためのアイデア3
    ──価値や目標を共有する方法


各章の要点

第1章は、チームの成果を左右する環境とは何かを考える入口です。第2章では、日常的なシグナルが帰属意識に与える影響へ進み、第3章で距離やつながりと結束の関係を広げます。

第4章は、メンバー同士の関係をどう育てるかに焦点を移し、第5章では物理的・心理的な距離やコミュニケーションを含めて、帰属意識の高い環境を具体化します。第6章が、この第1パートを実際の行動へ落とす橋渡しです。

第7章からは「弱さ」が中心になります。第8章では、弱さを示すことと相手の応答が協力を循環させる仕組みへ進み、第9章では複数の集団の事例からチームワークを掘り下げます。

第10章は小さなチームの意思決定、第11章は一対一の関係へ焦点を絞ります。その後の実践項目では、リーダー自身の弱さ、聞き方、率直な意見交換などを通じて、第2パートを行動へつなげます。

第13章以降は、チームがどこへ向かうのかという目的の共有が中心です。第14章で日常的なシグナルによる目的意識を扱い、第15章と第16章では、熟練が必要な仕事と創造性が必要な仕事の違いまで踏み込みます。第17章で、価値観や優先順位を具体的な行動へ変える方法を整理して締めくくります。


忙しい人が先に読むならここ

時間が限られているなら、まずIntroductionを読んで本書全体の前提をつかむのが効率的です。なぜ「優秀な人材を集める」だけでは足りず、相互作用を見る必要があるのかがここで整理されるため、その後の3つのスキルが理解しやすくなります。

次に、第6章と弱さを扱う第7〜8章を優先すると、本書ならではの考え方が見えやすくなります。特に、安全な環境は衝突のない場所を意味しないこと、弱さは単なる自己開示ではなく協力を始める行動として扱われていることが重要です。

さらに余裕があれば、第15〜17章まで進むと、安心感や信頼だけで終わらず、チームを共通の方向へ動かすところまで全体像がつながります。短時間で読む場合でも、「相互作用→安全→弱さ→目的」という流れを押さえると、本書の骨格をつかみやすくなります。


感想|読んで印象に残ったことと注意点

感想|読んで印象に残ったことと注意点

特に印象に残ったポイント

読んでいて特に印象に残ったのは、「安全」と「弱さ」を、一般的に想像しやすい意味とは少し違う角度から捉えているところです。安全なチームというと、意見がぶつからず穏やかに仕事が進む状態を思い浮かべがちですが、本書が重視するのは、異論や問題を隠さず表に出せる関係です。衝突そのものをなくすのではなく、率直に話してもチームから排除されない環境をつくるという考え方は、心理的安全性を理解するうえでも重要だと感じました。

さらに興味深かったのが、「弱さ」を協力の出発点として扱っていることです。わからないことを認めたり、助けが必要だと示したりすることは、普通なら能力不足と受け取られることを恐れて避けたくなります。本書では、そうした弱さを適切に示すことで相手からの応答を引き出し、信頼や協力につなげていきます。とくにリーダー自身が先に弱さを見せるという考え方まで含め、強いリーダー像を単純に「何でも知っていて迷わない人」と捉えていないところが心に残りました。

また、冒頭のスパゲティ・タワーの実験から最後まで、「強いチームは誰を集めたかだけでは決まらない」という軸がぶれません。読み終えてみると、チーム文化を理念や社風のような大きな言葉ではなく、誰が話し、誰が聞き、困ったときにどう反応し、何を繰り返し大切だと伝えるのかという、小さな行動の積み重ねとして考えるようになりました。


すぐ試したくなったこと

すぐ試したいと思ったのは、何か新しい制度を導入することより、まず日常のコミュニケーションを見直すことです。本書では、十分に相手の話を聞くこと、全員に発言の機会をつくること、わからないことを認めること、重要な優先順位を繰り返し伝えることなど、文化を日々の振る舞いへ落とし込んでいます。

こうした行動を試してみたくなったのは、チーム文化を変えるために必ずしも大掛かりな改革から始める必要はない、と受け取れたからです。特に、リーダー側から助けを求めたり、率直な意見交換ができる状態をつくったりすることは、メンバーにだけ変化を求めるのとは違います。「文化を変える」と考えると大きすぎるテーマですが、自分の聞き方や反応、言葉の選び方なら振り返ることができます。その距離の近さが、本書の実践面で良かったところでした。


読んで気になった点

一方で、タイトルから短時間で使えるチームづくりのテクニック集を想像すると、少し印象が違うかもしれません。出版社公式では416頁とされるボリュームがあり、Googleやピクサー、ネイビーシールズ、スポーツチーム、コメディ集団など、性質の異なる多くの事例をたどりながら「安全」「弱さ」「目的」という共通原理を理解していく構成です。結論だけを早く知りたい読者にとっては、この事例の厚みを遠回りと感じる可能性があります。

もう一つ気になったのは、登場する成功組織の方法を、そのまま自分の職場へ移せるわけではない点です。本書の価値は個別の事例そのものより、異なる集団に共通している関係性や行動を見つけるところにあります。そのため、事例を「正解集」として読むよりも、自分たちの状況なら安全、弱さの共有、共通目標をどう表現できるかを考えながら読む本だと感じました。


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実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

今日からできること

本書を読んだあとに大切なのは、いきなりチーム全体を変えようとすることではなく、日常の小さな関わり方を見直すことです。「安全な環境」「弱さの共有」「共通の目標」の3つを、まず自分の行動から試してみると取り組みやすくなります。

  • 会話では自分が話す量だけでなく、相手の話を最後まで十分に聞けているか意識する。
  • 会議では発言者が偏っていないか確認し、話していない人にも発言の機会をつくる。
  • リーダーなら、わからないことや助けが必要なことを必要に応じて自分から示してみる。
  • 問題や異論が出たときは、発言者ではなく「何が問題なのか」に意識を向ける。
  • 率直な意見交換と個人への攻撃を混同せず、意見そのものを扱うようにする。
  • チームで今もっとも優先することを、曖昧にせず言葉にして共有する。
  • 掲げている価値観が、実際の判断や行動に結びついているか振り返る。
  • 仕事が「正確な習熟」を求めるのか「新しいものを生む創造性」を求めるのか考えてみる。
ガイドさん
ガイドさん
全部を一度に変える必要はありません。まずは「よく聞く」「発言の偏りを見る」など、自分だけでも始められる行動を1つ選ぶと取り組みやすくなります。


1週間で試すならこうする

Day1:チームの相互作用を観察する
誰がよく話し、誰が聞き役になり、質問や異論がどの程度出ているかを見ます。まず人の能力ではなく、関わり方を見ることから始めます。

Day2:聞き方を変える
自分から結論や助言を急いで出すのではなく、相手の話を十分に聞くことを意識します。

Day3:発言の偏りを確認する
会議や対話の中で、一部の人だけが話していないかを確かめ、参加しやすい機会をつくります。

Day4:弱さを隠さない
わからないことや助けが必要な場面があれば、無理に知っているように振る舞わず、適切に言葉にしてみます。

Day5:率直に話せる状態を意識する
異論や問題が出たときに、それを個人への批判に変えず、課題そのものを話せているか振り返ります。

Day6:優先順位を言葉にする
チームが今何をもっとも大切にするのかを明確にし、理念だけでなく日々の判断と結びつけます。

Day7:1週間の変化を振り返る
何が話しやすくなったか、どこではまだ遠慮が残っているかを確認し、続ける行動を1つ決めます。


つまずきやすい点と対策

まず注意したいのは、「安全な環境」を衝突のない状態だと考えてしまうことです。本書が扱う安全性には、率直な意見交換や気まずい瞬間と向き合うことも含まれます。意見の違いをなくそうとするのではなく、「人ではなく問題について話す」という小さなルールから始めるほうが、本書の考え方に近いでしょう。

次に、リーダーが弱さを見せることを、一度だけの特別な行為にしてしまう点です。本書では、リーダー自身が繰り返し弱さを認めることが実践項目に含まれています。大げさな自己開示をするのではなく、分からないことは分からないと認めたり、必要なときに意見を求めたりすることから続けるのが現実的です。

もう一つは、共通目標を掲げただけで共有できたと思ってしまうことです。本書の後半では、価値観や目的を日々の優先順位や判断基準まで落とし込むことが重視されています。まずは「今、このチームで何を優先するのか」を短い言葉で確認し、実際の行動と結びついているかを見るところから始めるとよいでしょう。


比較|似ている本とどう違う?

比較|似ている本とどう違う?

まず違いを一覧で整理

『THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法』は、さまざまな高業績集団の事例から、強いチーム文化に共通する仕組みを「安全・弱さ・目的」の3つに整理する本です。近いテーマを扱う本でも、『チームが機能するとはどういうことか』はチーミングや組織学習を理論的に深める方向、『THE CULTURE PLAYBOOK 最強チームをつくる方法 実践編』は具体的な行動へ移す方向に重心があります。

重心 向いている人
『THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法』 事例から強いチーム文化の共通原理を理解 チームづくりを広く学びたい人
チームが機能するとはどういうことか 心理的安全性・学習・チーミングを理論的に理解 組織が学ぶ仕組みまで深めたい人
『THE CULTURE PLAYBOOK 最強チームをつくる方法 実践編』 3つの原理を具体的なアクションへ展開 実行方法を増やしたい人


『チームが機能するとはどういうことか』との違い

『THE CULTURE CODE』は、Googleやピクサー、ネイビーシールズなど幅広い集団を横断し、強い文化に共通する行動を探っていく構成です。これに対して『チームが機能するとはどういうことか』は、心理的安全性や学習、チーミングを組織論の文脈から掘り下げる本です。同じ「成果を出すチーム」を扱っていても、前者は多様な事例を通じてチーム文化全体を捉え、後者は学習する組織の仕組みをより理論的に考える方向へ進みます。

チームづくりについて初めに広い地図を持ちたいなら『THE CULTURE CODE』が入りやすく、心理的安全性や組織学習を含めて理論面まで深めたいなら『チームが機能するとはどういうことか』が合います。


『THE CULTURE PLAYBOOK 最強チームをつくる方法 実践編』との違い

この2冊は同じ著者が、同じ「安全な環境・弱さの共有・共通の目標」という3つの要素を土台にしています。ただし、『THE CULTURE CODE』は豊富な事例を追いながら「なぜその行動がチームを強くするのか」を理解することが中心です。『THE CULTURE PLAYBOOK』は、その考え方を60の具体的なアクションへ展開した実践編です。

まず仕組みや背景まで納得してから行動したいなら『THE CULTURE CODE』、考え方は理解していて実践方法を増やしたいなら『THE CULTURE PLAYBOOK』が選びやすいでしょう。原理を学ぶ本と、実行に比重を置いた本という違いです。


迷ったらどれを選ぶべき?

特に「優秀な人材はいるのにチームとして力を発揮できない」「心理的安全性だけでなく、信頼や共通目標まで含めて考えたい」という人なら、まず『THE CULTURE CODE』が合います。チーム文化の仕組みを広く理解してから、理論を深めるか、実践へ進むかを選びやすい一冊です。


著者はどんな人?|この本の信頼性を確認する

著者はどんな人?|この本を書いた背景

著者プロフィール

ダニエル・コイル氏は、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー作家として紹介されている著述家です。著書には『THE CULTURE CODE』のほか、『The Talent Code』『The Little Book of Talent』『The Secret Race』などがあります。タイラー・ハミルトン氏との共著『シークレット・レース』では、2012年のウィリアム・ヒル・スポーツ・ブック・オブ・ザ・イヤーを共同受賞しています。

また、クリーブランド・ガーディアンズの特別顧問を務め、Navy SEALs、Microsoft、Googleなどの高業績組織への助言経験も持っています。大学で組織心理学を研究する学者というより、取材・著述と組織への助言を通じてチームの実態を追ってきた人物として捉えるのが適切です。


著者の経験が本書にどう活きているか

コイル氏の経験は、本書が一つの企業や業界だけに依存せず、異なる集団を横断してチーム文化の共通点を探る構成に活きています。Googleやピクサー、ネイビーシールズ、スポーツチームなどを扱いながら、安全なつながり、弱さの共有、共通する目的という3つの要素へ整理していくのが本書の特徴です。

そのため、本書の信頼性は「組織心理学の専門研究書だから」というより、幅広い高業績組織への取材や助言経験を踏まえ、複数の現場に共通する行動パターンを具体的に示している点にあります。理論だけでなく、実際のチームで何が起きているのかを事例から理解したい読者に向いたアプローチです。


よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

要約だけ読めば十分?

本書の大枠を知りたいだけなら、「安全な環境」「弱さの共有」「共通の目標」という3つの柱を押さえれば、基本的な主張はつかめます。購入前に自分の関心と合うかを判断する段階でも、まずはこの全体像を理解すれば十分です。

一方、実際のチームづくりに活かしたいなら、本文まで読む価値があります。本書の特徴は、Googleやネイビーシールズなど性質の異なる集団をたどりながら、なぜ特定の行動が協力や信頼につながるのかを考えていく点にあります。各パートの実践的な項目まで読むことで、単なる理念ではなく日常の行動へ落とし込みやすくなります。


初心者でも読める?

チームビルディングや組織心理学の専門知識がなくても読み進められる本です。冒頭から実験や具体的なチームの事例を使って話を進めるため、「会議で本音が出ない」「メンバー同士の連携が弱い」といった身近な問題意識があれば内容を追いやすいでしょう。

ただし、短い入門書ではありません。出版社公式では416頁あり、複数の事例を通して考え方を理解していく構成なので、要点だけを短時間で知りたい人には長く感じる可能性があります。


どこから読むべき?

できればIntroductionから読むのがおすすめです。幼稚園児とビジネススクールの学生によるスパゲティ・タワーの実験を通して、「能力の高い人を集めれば強いチームになる」とは限らないという本書の出発点が示されるため、その後の議論を理解しやすくなります。

時間が限られているなら、まずIntroductionを読み、その後に自分の悩みに近いパートへ進む方法もあります。本音や異論が出ないなら前半、相談や助け合いが弱いなら中盤、理念や目標が行動につながらないなら後半を優先すると、必要な論点を拾いやすくなります。


読む前に注意点はある?

タイトルから、即効性のあるチーム運営テクニックを次々に紹介する本を想像すると、少しズレを感じるかもしれません。本書は多くの実験や組織の事例をたどりながら、個別の方法よりも、その背後にある「安全」「弱さ」「目的」という原理を理解していく本です。

また、「安全」を衝突のない仲良しの状態、「弱さを見せる」を無制限な自己開示と捉えないことも大切です。本書が重視するのは、必要な異論や問題を表に出し、助けを求め、協力できる関係性です。心理的安全性だけを体系的に学びたい人より、チーム文化全体を広く考えたい人のほうが本書の射程と合いやすいでしょう。


まとめ|結局、この本を読む価値はある?

まとめ|結局、この本を読む価値はある?

この本の価値を3つで言うと

1つ目の価値は、強いチームを見る視点を「優秀な人がそろっているか」から「集まった人たちがどう関わっているか」へ変えられることです。冒頭のスパゲティ・タワーの実験から一貫して、個人能力だけでは説明できない相互作用に焦点を当てています。人材の問題だと思っていたチームの不調を、日々の関係性や行動から見直すきっかけになります。

2つ目の価値は、チーム文化を「安全な環境」「弱さの共有」「共通の目標」という3つのつながった要素で理解できることです。安心して所属できる土台をつくり、問題や助けを必要としていることを表に出し、そのうえで同じ方向へ進むという流れがあるため、単に雰囲気をよくするだけのチーム論ではありません。会議、相談、異論、失敗への反応など、普段の職場を見る視点が増えます。

3つ目の価値は、抽象的な文化論を日常の行動まで落として考えられることです。Googleやピクサー、ネイビーシールズなど幅広い集団を扱いながら、聞き方、発言機会、助けの求め方、優先順位の伝え方といった行動へつなげています。成功組織のやり方をそのまま真似するのではなく、その背後にある共通原理を自分のチームに置き換えて考えられる点に意味があります。


この本をおすすめできる人・合わない人

特におすすめできるのは、能力の高いメンバーがいるのに連携が弱い、本音や相談が出ない、理念を掲げても日々の行動につながらない、と感じているリーダーやメンバーです。心理的安全性だけでなく、帰属意識、信頼、協力、目的共有まで含めてチーム文化を広く理解したい人にも合います。

一方、組織心理学の理論や統計を体系的に学ぶことが第一目的の人や、短時間で使えるテクニックだけを求める人は期待とずれる可能性があります。出版社公式で416頁あり、多くの実験や事例をたどりながら「なぜその行動が重要なのか」を理解していく本だからです。


読むならどう活かす?

読後は、まず自分のチームで交わされている小さな行動に目を向けるのがよいでしょう。誰がよく話し、誰が聞き、誰が助けを求められているかを見るだけでも、文化を抽象的な言葉ではなく実際の関係性として捉えやすくなります。

今日できる一歩としては、次の会話や会議で、自分が話す量より相手の話を十分に聞けているかを意識してみることです。そのうえで、発言機会が偏っていないか、チームの優先事項が明確に伝わっているかへ少しずつ視野を広げると、本書の内容を現場につなげやすくなります。


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兼松 学

ビジネス書・実用書を中心に、年間約80冊を継続して読んでいます。採用・面接・人材育成に関わる実務経験をふまえ、実際に読んだ本をもとに要約・感想・比較レビューを執筆しています。本の内容だけでなく、向いている人、得られる学び、仕事や日常への活かし方まで伝わる記事を心がけています。

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