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【書評】C3チームビルディング 結果をもたらす「コーチング」と「リーダーの思考改革」|要約

【書評】C3チームビルディング 結果をもたらす「コーチング」と「リーダーの思考改革」|要約

部下や選手が思うように動かないとき、つい相手の意欲や能力に原因を求めてしまいがちです。『C3チームビルディング』は、そこから一歩引き、まずリーダー自身の関わり方を見直しながら、観察・対話・役割設定を通して個の力を引き出す考え方を扱います。

この記事では、本書の要点や章構成、読んで印象に残った点、実践へのつなげ方、似た本との違いまで整理します。内容や注意点を踏まえて読むことで、自分の悩みに合う本か、購入して読む価値がありそうかを判断しやすくなります。


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もくじ
  1. 結論|この本はどんな人に向いている?
  2. 要約|この本の内容を3分でつかむ
  3. 内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ
  4. 感想|読んで印象に残ったことと注意点
  5. 実践編|この本を読んだあと、どう行動する?
  6. 比較|似ている本とどう違う?
  7. 著者はどんな人?|この本の信頼性を確認する
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|結局、この本を読む価値はある?

結論|この本はどんな人に向いている?

結論|この本はどんな人に向いている?

この本をひとことで言うと

『C3チームビルディング』は、メンバーをどう動かすかではなく、一人ひとりの力が発揮されるようにリーダー自身の考え方と関わり方を見直すための本です。スポーツ心理学を背景にしたC3の考え方を軸に、観察や対話、アクティビティ、フォローアップ、役割設定などを通して、個の力を引き出しながらチーム全体を機能させる方法を扱っています。


向いている人

特に向いているのは、部下やメンバーが自主的に動かない、以前と同じ指導ではうまく伝わらない、チームの力をもっと引き出したいと悩んでいる管理職やチームリーダーです。スポーツチームの監督・コーチ・キャプテンにも内容をつなげやすく、従来型の上意下達の指導に限界を感じている人ほど得るものがあります。

本書はリーダーの心構えだけで終わらず、相手を観察・分析すること、会話を重ねること、助言するタイミングや伝え方を考えること、適切な役割を与えることまで扱います。さらに、C3のアクティビティとフォローアップを通して、自分と相手への理解を深め、それを実際のチーム運営へつなげていきます。チームビルディングを理念だけでなく、日々の指導に落とし込みたい人と相性のよい内容です。


向いていない人

一方、組織心理学の研究データや統計、実証研究を中心に体系的に学びたい人は、求めている内容と少し違う可能性があります。スポーツ心理学の知見をベースにしていますが、学術書というより、著者の経験やC3.Japanでの取り組みを実際の指導へつなげる実践書として読むほうが適しています。

また、すぐに成果が出るテクニックや、誰にでも当てはまる成功法則を求める人にも向きにくいでしょう。本書が重視しているのは、人をよく見て関係を築き、時間をかけて成長を支えることです。短期的な即効性より、チームとの関わり方を根本から見直したい人向けの一冊です。


先に結論(買う価値はある?)

部下やメンバーとの関わり方に悩み、「相手をどう変えるか」ではなく「自分の指導をどう変えるか」まで考えたい人なら、読む価値は十分にあります。カリスマ的な一人のリーダーに頼るのではなく、観察、対話、アクティビティ、振り返りを通して、個々の力を生かすチームをつくるという軸が一貫しているからです。

特に、昔ながらの指導方法が通じにくくなったと感じている管理職やスポーツ指導者には、自分の関わり方を点検する材料になります。即効性のある万能メソッドではありませんが、人が力を発揮できる環境をじっくりつくりたいなら、手に取る理由のある本です。


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要約|この本の内容を3分でつかむ

要約|この本の内容を3分でつかむ

重要ポイント3つ

1つ目のポイントは、強いチームは一人のカリスマ的なリーダーだけではつくれないという考え方です。本書が目指しているのは、リーダーがすべてを決めてメンバーを従わせる組織ではありません。一人ひとりが自分で考え、それぞれの力を発揮できる状態をつくることが、結果としてチーム全体の強さにつながると捉えています。

2つ目は、チームを変える前に、まず指導する側が自分の関わり方を見直すことです。本書は、日本のスポーツ界に残る暴力やパワハラを含む旧来型の指導への問題意識から始まります。その視線は企業にも向けられており、部下や若い世代が動かない理由を相手側だけに求めるのではなく、指導者自身が観察の仕方や伝え方、関係性を振り返る必要があるとしています。

3つ目は、チームビルディングを単発のイベントではなく、継続的なプロセスとして考える点です。C3では、アクティビティを行って終わりにせず、そこで表れた行動を観察し、対話やフォローアップにつなげていきます。さらに、アドバイスのタイミング、役割やポジションの与え方、目標設定まで扱い、日常のマネジメントそのものをチームづくりとして捉えています。


著者が一番伝えたいこと

本書全体を貫いているのは、メンバーを思いどおりに動かすことより、本人の力が発揮される環境をリーダーがつくることが大切だという考え方です。そのために求められるのが、相手をよく観察し、対話を重ね、適切な役割を与えながら、一人ひとりが自立していけるよう支える姿勢です。

話の流れも、この主張が理解しやすいように組まれています。まず従来型の指導や一人のリーダーに依存する組織の限界を示し、そこから新しいリーダー像、観察や分析、コミュニケーション、アクティビティとフォローアップへと具体化していきます。最後は、決まった方法を人に当てはめるのではなく、本人を見ながら長い目で育てること、そして指導者自身も学び続けることへとつながります。


読むと得られること

読むことで得られるのは、「部下をどう動かすか」という発想から、「どう関われば本人の力を引き出せるか」という発想への切り替えです。自分のチームが一人のリーダーに依存していないか、助言する前に相手を十分に理解できているか、伝えるタイミングや言い方は適切か、現在の役割はその人に合っているか、といった具体的な点を見直せるようになります。

また、チームビルディングを単発のイベントで終わらせず、アクティビティの後に振り返りを行い、日常の仕事や競技へつなげる視点も得られます。すぐに成果が出る万能な方法ではありませんが、メンバーの自主性や成長を引き出したい管理職やリーダー、従来型の指導に限界を感じているスポーツ指導者にとって、日々の関わり方を具体的に見直す材料になる一冊です。


内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

全体の設計(章の流れをざっくり)

本書は、いきなりチームビルディングのテクニックを並べるのではなく、まず「これまでの指導の何が問題なのか」を問い直すところから始まります。日本とアメリカの指導の違いや、一人の強いリーダーに頼る組織の限界を示したうえで、メンバー自身が力を発揮できるリーダーシップへと視点を切り替えていく構成です。

そこから、観察・分析・対話・目標設定といったチームづくりの土台へ進み、さらにアクティビティ、助言のタイミング、役割の与え方など現場での実践へ落とし込んでいきます。後半では日本の指導者教育を科学的な視点から捉え直し、最後は「方法に人を当てはめる」のではなく、本人を見ながら時間をかけて育てる姿勢へ着地します。問題提起から考え方を整え、その後に実践へ進むため、各章のつながりが分かりやすい設計です。


大見出し目次(短い目次)

  • 序章 あなたはいつから「リーダー」になるのか?
  • 第1章 リーダーに"カリスマ性"は不要--1人だけが率いる組織はもろい
  • 第2章 新しい時代のチームビルディング
  • 第3章 チームの力を最高に引き出すために
  • 第4章 対談:日本は遅れを取り戻さなければならない
  • 第5章 さらに強いチームをつくるために


各章の要点

序章は、本書全体の問題設定を理解するための入口です。旧来型の指導への疑問からC3の考え方までをつなぎ、なぜチームビルディングを見直す必要があるのかを整理します。

第1章では、強い一人のリーダーが引っ張る形から、メンバー一人ひとりが力を発揮する形へ視点を移します。ここで示されるリーダー観が、第2章以降の実践を理解する前提になります。

第2章は理論と実践をつなぐ橋渡しです。観察・分析、人の認知と行動、自他理解、会話、アクティビティとフォローアップを通して、チームづくりをどのように進めるかが整理されます。

第3章は最も実践寄りのパートです。アクティビティだけでなく、相手の観察、助言する前のコミュニケーション、タイミングや伝え方、評価と役割配置まで扱い、日常の指導へ落とし込んでいきます。

第4章では、日本のスポーツ界における指導者教育や科学的アプローチの課題を対談形式で掘り下げます。ここまでのC3の考え方を、日本の指導環境という広い文脈から捉え直す章です。

第5章では、方法論だけに頼らず、指導者自身が学び続けること、相手本人を見ること、成長を急がないことへと話をまとめます。本書の実践を一時的なテクニックで終わらせないための締めくくりです。


忙しい人が先に読むならここ

時間が限られているなら、第1章→第2章→第3章の順で読むのが分かりやすいです。第1章でリーダー観を見直し、第2章で人を観察・理解する考え方を押さえ、第3章で具体的な関わり方へ進めるため、本書の中心部分を短い流れでつかめます。

特に、部下や選手への接し方をすぐ見直したい人は、第2章と第3章を優先するとよいでしょう。観察・会話・助言のタイミング・役割の与え方までつながっているため、「相手をどう動かすか」ではなく、「相手をどう理解し、力を引き出すか」という本書の核が見えやすい部分です。

そのうえで時間があれば第5章まで読むと、実践を急ぎすぎず、人の成長に時間をかけるという本書の着地点まで理解できます。


感想|読んで印象に残ったことと注意点

感想|読んで印象に残ったことと注意点

特に印象に残ったポイント

読んで最も印象に残ったのは、チームがうまくいかないときに、メンバーより先にリーダー側へ視線を向けていることです。部下や選手の意欲や能力を問題にするのではなく、指導する側が相手をきちんと見ているか、適切に関われているかを問い直していきます。チームビルディングの本でありながら、チームを変える方法より先に「リーダー自身がどう変わるか」を置いているところが強く残りました。

その考え方が、理念だけで終わらない点も印象的でした。前半で一人の強いリーダーに依存する組織や、上下関係を前提にした指導を見直したあと、中盤では観察や分析、会話、アクティビティと振り返りへ進み、さらに助言するタイミングや役割の与え方まで具体化されていきます。読み進めるほど、チームビルディングとは単にメンバーをまとめることではなく、一人ひとりが力を発揮できる環境を整えることなのだと受け取れる構成でした。

また、最後まで万能な方法を提示して終わらないところにも納得感がありました。人を決まった型にはめず、本人を見ながら時間をかけて育てること、そして指導者自身も学び続けることへ話がつながります。方法論を学ぶ本でありながら、最終的には「方法だけでは人は育たない」という方向へ戻ってくる点に、一貫性を感じました。


すぐ試したくなったこと

特に試してみたいと思ったのは、アドバイスを急ぐ前に、まず相手を観察することです。何か問題が起きると、つい伝え方や指示の内容を先に考えがちですが、本書はその前段階として、相手をどれだけ理解しているかを重視しています。助言そのものより、相手を見るところから始めるという順番は、日常の指導にも取り入れやすいと感じました。

もう一つは、メンバーに与えている役割が本当にその人の力を生かしているかを見直すことです。本書では、コミュニケーションだけでなく、役割やポジションの与え方までチームづくりの一部として扱っています。本人を変えようとする前に、リーダー側が環境や役割を見直せる余地がないか考える。その視点は、チームの問題を捉え直すうえで使いやすいと感じました。


読んで気になった点

一方で、タイトルやスポーツ心理学を背景にしたC3という説明から、心理学の研究や理論を体系的に学べる本を想像すると、期待とのズレはありそうです。実際には、プロ野球やMLBに関わってきた著者の経験を背景に、リーダーの考え方や観察、対話、アクティビティ、役割設定などを現場へつなげる実践書としての性格が強くなっています。スポーツ心理学そのものを深く学びたい人より、指導やマネジメントにどう生かすかを考えたい人のほうが読みやすいでしょう。

また、具体的な方法が扱われていても、短期間でチームが変わることを約束する内容ではありません。むしろ終盤では、人を型にはめずに見ることや、成長には時間が必要だという考えへ着地します。そのため、即効性のある成功法則を期待すると物足りなさを感じる可能性がありますが、時間をかけて指導そのものを見直したい人には、その慎重さも本書の特徴だと感じました。


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実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

今日からできること

本書の考え方は、いきなり大きなチーム改革を始めなくても試せます。まずは、メンバーを変えようとする前に、自分の見方や関わり方を少し変えるところから始めるのが取り入れやすいでしょう。

  • 部下やメンバーの問題だと決めつける前に、自分の指示や関わり方に見直せる点がないか考える。
  • アドバイスをする前に、相手の普段の行動を観察し、自分がどこまで理解できているか整理する。
  • 一方的に指示を出すだけでなく、相手がどう考えているのかを会話の中で確認する。
  • 助言するときは内容だけでなく、今伝えることが適切なタイミングかも意識する。
  • 現在任せている役割やポジションが、その人の力を生かせているか改めて考える。
  • 目標をリーダー側だけで決めず、本人が何を目指すのかを考える機会をつくる。
  • チームで何か活動をしたあとは、やって終わりにせず、そこで何を感じ、何を学んだかを振り返る。
  • 短期間で変化が見えなくても、すぐに方法や相手を否定せず、継続して観察する。

最初からすべて変える必要はありません。特に取り入れやすいのは、「助言する前に観察する」「相手の考えを確認する」という2点です。

兼松 学
兼松 学
まずは一人のメンバーとの関わり方を見直すだけでも十分です。大きな仕組みを変える前に、自分の接し方から試せます。


1週間で試すならこうする

Day1:自分の指導を振り返る
最近うまくいっていない場面を一つ選び、原因を相手だけに求めていなかったか、自分の伝え方や関わり方も振り返ります。

Day2:すぐに助言せず観察する
対象となるメンバーの行動を意識して見ます。何ができていて、どこで困っていそうなのかを、先に決めつけず確認します。

Day3:会話で理解を深める
指示を増やすのではなく、相手がどう考えているのかを確認する時間をつくります。観察だけでは分からなかった部分を埋める日です。

Day4:役割を見直す
現在任せている仕事やポジションが、その人の力を生かせているか考えます。本人を変えることだけでなく、環境側を見直す視点を持ちます。

Day5:アドバイスの仕方を変える
ここまでの観察と会話を踏まえ、必要なことだけを伝えます。内容だけでなく、相手に伝えるタイミングも意識します。

Day6:目標への関わり方を考える
リーダーが一方的に目標を与えるのではなく、本人が何を目指すのか、どのように成長したいのかを考える余地をつくります。

Day7:1週間を振り返る
相手がすぐ変わったかではなく、自分の見方や関わり方に変化があったかを振り返ります。続けたい行動を一つ決めて、翌週につなげます。


つまずきやすい点と対策

観察しようとして、すぐに評価してしまう。
相手を見るつもりでも、「やる気がない」「自主性がない」と早い段階で結論を出すと、観察より評価が先になります。まずは一人に絞り、普段どのように行動しているかを確認するところから始めると、本書が重視する「本人を見る」姿勢につなげやすくなります。

対話を増やそうとして、結局リーダーばかり話してしまう。
コミュニケーションを意識するほど、説明やアドバイスが増えることがあります。最初は一度の会話で全部を伝えようとせず、相手がどう考えているのかを確認することを一つの目的にすると取り入れやすいでしょう。

役割を見直すことを、すぐ配置変更することだと考えてしまう。
本書が扱うのは、相手を理解したうえで適切な役割を考えることです。いきなり大きく変えるのではなく、まず現在の役割がその人の力を生かしているかを考えるところから始めれば十分です。

数日で結果を求めてしまう。
本書は人の成長を短期的な変化だけで判断する立場を取っていません。1週間の実践でも成果を急がず、まず自分が観察・対話・役割の見方を変えられたかを確認し、その一つを続けていくことが現実的です。


比較|似ている本とどう違う?

比較|似ている本とどう違う?

まず違いを一覧で整理

『C3チームビルディング』の特徴は、スポーツ心理学とコーチングを背景に、リーダー自身の関わり方を変えながら、メンバー一人ひとりの力を引き出していくところにあります。似たテーマの本でも、『チーム・ビルディング[新版] 人と人を「つなぐ」技法』は対話やファシリテーションの技法、『チームが機能するとはどういうことか』はチームが学び機能する仕組みの理解に、より重心があります。

重心 向いている人
『C3チームビルディング』 指導者の思考改革と個を生かす関わり方 部下育成や指導方法を見直したい人
チーム・ビルディング[新版] 人と人を「つなぐ」技法 対話・問い・ファシリテーション チームづくりの具体技法を広く学びたい人
チームが機能するとはどういうことか 学習・心理的安全性・チーミング チームが機能する理論を深く理解したい人


『チーム・ビルディング[新版] 人と人を「つなぐ」技法』との違い

『C3チームビルディング』は、リーダーがメンバーをどう見て、どう関わるかという「指導する側の変化」が中心です。観察や会話、助言のタイミング、役割の与え方、アクティビティと振り返りを通じて、個人の能力や自主性を引き出す方向へ進みます。一方で『チーム・ビルディング[新版]』は、ファシリテーションや問い、会話・対話・議論、アクティビティなど、人と人をつなぐ技法をより体系的に扱う本です。

部下が動かない、昔の指導方法が通用しないといった悩みからリーダー自身の関わり方を見直したいなら、『C3チームビルディング』が合います。チームの場づくりや対話の進め方まで、チームビルディングの具体技法を幅広く身につけたいなら、『チーム・ビルディング[新版]』のほうが目的に近いでしょう。


『チームが機能するとはどういうことか』との違い

『C3チームビルディング』は、観察・対話・助言・役割配置・アクティビティなど、日々の指導へつなげやすい内容が中心です。それに対して『チームが機能するとはどういうことか』は、学習する組織や心理的安全性、変化するチームでのチーミングなどを扱い、チームが機能する仕組みを理論面から深める方向に強みがあります。

まず自分の指導や部下との接し方を具体的に変えたいなら、『C3チームビルディング』から入りやすいでしょう。実践方法だけでなく、なぜチームが学び、変化し、機能するのかまで理論的に掘り下げたい人には、『チームが機能するとはどういうことか』が向いています。


迷ったらどれを選ぶべき?

特に『C3チームビルディング』を選びやすいのは、「メンバーをどう変えるか」より先に、自分の指導や関わり方を見直したい人です。チーム論を広く学ぶというより、観察・対話・振り返りを通じて個々の力を引き出すリーダーシップを身につけたい人に適した一冊です。


著者はどんな人?|この本の信頼性を確認する

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著者プロフィール

小島圭市氏は1968年生まれ。1986年に読売巨人軍へ入団し、その後はアメリカのマイナーリーグ、中日ドラゴンズ、台湾プロ野球でプレーしました。2000年からはMLBスカウトへ転身し、LAドジャースのアジア担当スカウトを13年間務め、斎藤隆投手や黒田博樹投手の獲得にも関わっています。現在はC3.Japan合同会社代表として、コーチングやコンサルティング、チームビルディングに携わっています。


著者の経験が本書にどう活きているか

小島氏の経歴で本書のテーマと特に結びついているのは、日本のプロ野球とアメリカの野球組織の双方に長く関わってきた点です。本書は、日本の従来型の指導を見直しながら、スポーツ心理学の知見を日本の組織文化に合わせて取り入れたC3を軸に、リーダーとメンバーの関係やチームづくりを考えています。

そのため、単なる一般的なリーダー論ではなく、選手として現場を経験し、その後はMLB球団のスカウトとして組織に関わってきた背景が、日米の指導やチームづくりを考える土台になっています。さらにC3.Japanでの活動が、観察・対話・アクティビティ・フォローアップといった実践的な内容につながっており、このテーマを扱う背景が明確な著者といえます。


よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

要約だけ読めば十分?

本書の大枠を知りたいだけなら、要約でも「メンバーを変える前に、まず指導する側が自分のあり方を見直す」という中心的な考え方はつかめます。購入するか迷っている段階でも、リーダーシップやチームビルディングを扱う実践書だと理解できれば、ある程度は判断できます。

一方、実際の職場やチームで活かしたいなら本文まで読む価値があります。本書は、観察・分析・会話・役割の与え方・目標設定に加え、アクティビティ後の振り返りまで話をつなげているためです。考え方だけでなく、日々の指導をどこから見直せばよいかまで知りたい人は通読したほうが理解しやすいでしょう。


初心者でも読める?

チームビルディングやコーチングを初めて学ぶ人でも入りやすい本です。専門的な研究を詳しく解説する学術書というより、リーダーのあり方から観察・会話・振り返りなどの実践へ進んでいく構成なので、部下育成やチーム運営に関心があれば読み進めやすいでしょう。

一方で、スポーツ心理学という言葉から研究データや理論を体系的に学べる本を想像すると、期待とは少しずれる可能性があります。心理学的な考え方を実際の指導へどう生かすかに重心を置いた本として読むほうが内容をつかみやすいです。


どこから読むべき?

初めて読むなら、序章から第1章、第2章、第3章へ順番に進むのが分かりやすいです。従来型の指導への問題提起から始まり、リーダー像を見直したうえで、観察・分析・対話、さらに具体的なアクティビティや助言へ進むため、考え方と実践のつながりを理解できます。

時間がない場合は、第1章でリーダーとメンバーの関係を押さえたあと、第2章・第3章を優先するとよいでしょう。さらに本書全体の考え方を自分の指導へ落とし込みたいなら、最後に第5章まで読むと、人を短期的な方法だけで変えようとしない姿勢まで見えてきます。


読む前に注意点はある?

まず、「スポーツ心理学をベースにしている」という紹介を、掲載されているすべての方法の効果が個別に科学的実証済みという意味で受け取らないほうがよいでしょう。また、アメリカの取り組みをそのまま日本へ持ち込む内容でもなく、日本の組織や文化に合わせて活用する立場が取られています。

もう一つは即効性です。本書は短期間でチームを変える万能な方法を提示する本ではなく、相手を観察し、対話し、適切な役割を考えながら時間をかけて成長を支える考え方を扱っています。すぐ使える決まり文句や成功法則だけを求めるより、自分自身の指導の仕方まで見直すつもりで読むほうが、本書の狙いと合いやすいでしょう。


まとめ|結局、この本を読む価値はある?

まとめ|結局、この本を読む価値はある?

この本の価値を3つで言うと

1つ目の価値は、チームの問題をメンバー側だけに求めず、リーダー自身の関わり方から見直せることです。部下や選手が思うように動かないとき、一人の強いリーダーが指示して従わせる発想から離れ、個々が力を発揮できる関係や環境へ視点を移していきます。部下の自主性や成長を引き出したい人にとって、自分のマネジメントを振り返るきっかけになります。

2つ目の価値は、考え方だけで終わらず、日常の指導へつなげる視点が得られることです。観察・分析・会話から、助言するタイミングや伝え方、役割の与え方、アクティビティ後の振り返りまで扱われています。「どう人を動かすか」ではなく「どれだけ相手を理解できているか」を基準に、普段の関わり方を見直しやすくなります。

3つ目の価値は、スポーツ心理学を背景にしたチームづくりを、スポーツ指導だけでなく企業のマネジメントにもつながる形で考えられることです。C3のアクティビティやフォローアップを紹介しながら、最終的には方法を機械的に当てはめるのではなく、一人ひとりを見て時間をかけて成長を支える姿勢へ着地します。即効的なテクニック集とは違うところに、本書ならではの読みどころがあります。


この本をおすすめできる人・合わない人

特におすすめできるのは、部下が自主的に動かないと悩んでいる管理職、これまでの指導方法に限界を感じているリーダー、選手の力をもっと引き出したい監督やコーチです。観察・対話・振り返りをチーム運営に取り入れたい人にも向いています

一方、組織心理学の研究や統計を中心に体系的に学びたい人や、短期間で成果が出る成功法則を求める人は、期待とずれる可能性があります。本書は「科学的に証明された万能な方法」を提示する本ではなく、指導者自身が学びながら、人との関わり方を変えていくための実践書として読むほうが合っています。


読むならどう活かす?

まず持ち帰りたいのは、「チームを変えたいとき、最初からメンバーだけを変えようとしていないか」という視点です。今日から始めるなら、助言や指示を増やす前に、一人のメンバーについて普段の行動を観察し、自分がその人をどこまで理解できているかを振り返ってみるだけでもよいでしょう。

そのうえで、会話を通じて本人の考えを確かめ、現在の役割が力を生かせているかを見直していく。本書は一度読んで終わらせるより、実際のチームを見ながら自分の関わり方を振り返るために使うと、内容を活かしやすくなります。


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兼松 学

書評サイト「本のものさし」運営者。ビジネス書・実用書を中心に年間約80冊を読み、採用・面接・人材育成に約9年携わった実務経験も踏まえて執筆しています。実際に読んだ本の要点だけでなく、向いている人や類書との違いまで整理し、自分に合う一冊を選ぶための判断材料を届けることを大切にしています。

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