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【書評】60分でわかる! 1on1ミーティング実践 超入門|要約と感想

【書評】60分でわかる! 1on1ミーティング実践 超入門|要約と感想

1on1を続けていても、業務報告で終わる、テーマが定まらない、本音が出てこない。『60分でわかる! 1on1ミーティング実践 超入門』は、そんな行き詰まりを会話の小手先ではなく、関係性・思考・行動の流れから捉え直させる入門書です。

この記事では、この本が1on1を単なる面談術ではなく、相手の思考と行動を引き出す実務としてどう組み立てているのかを確かめていきます。あわせて、入門書としてどこまで頼れるのか、どんな読み方をするとズレにくいのかも整理しながら、手に取る価値を判断しやすい形で見ていきます。


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結論|この本はどんな人に向いている?

結論|この本はどんな人に向いている?

この本をひとことで言うと

1on1をうまく回す小手先の技法ではなく、相手が考え、動ける状態をどう支えるかを、関係性から順に整えていく本です。実践の型や質問法はもちろん入っていますが、重心はそこだけにありません。心理的安全性、承認、自己開示といった土台を先に押さえたうえで、思考の整理やGROWによる行動支援へ進むので、「何を話すか」以前に「どう向き合うか」を立て直したい人に効く一冊だといえます。


向いている人

向いているのは、まず1on1の全体像を短時間でつかみたい管理職やチームリーダーです。一般的な面談との違い、導入目的の共有、進行の流れまで整理されているので、ゼロから始める際の入口として使いやすいはずです。

次に、すでに1on1を続けているものの、会話が報告で終わる、本音が出ない、沈黙が続く、ネガティブなフィードバックが難しいといった実務上の詰まりを感じている人にも向いています。困りごと別の論点まで押さえているため、通読用としても、必要な箇所を引き直す本としても使えます。

さらに、テレワーク併用で対話の質が落ちやすい環境にいる人にも相性がいいです。1on1を単なる制度ではなく、関係の質から組み立て直す視点があるので、従来のやり方が機能しにくくなっている現場ほど役立ちやすいでしょう。


向いていない人

一方で、制度設計や評価制度との連動、上級のコーチング理論まで深く掘りたい人には、やや入門寄りに感じられる可能性があります。短時間で全体像をつかむ構成なので、理論を重層的に掘り下げる専門書とは役割が違います。

また、「これをやればすぐ成果が出る」という即効性のある成功法則を求める読み方にもあまり向きません。本書が重視しているのは、質問のテクニックだけではなく、1on1が成立する前提としての関係づくりだからです。万能の正解を探す本というより、自分の現場に合わせて選び取りながら使う本と考えたほうがずれません。


先に結論(買う価値はある?)

結論からいえば、1on1をこれから始める人、または続けているのに質を立て直したい人には買う価値があります。理由は、背景理解から運用、つまずきへの対応までが一通りそろっているうえに、単なるノウハウ集ではなく、関係性を土台にした対話として1on1を整理しているからです。

特に価値があるのは、上司が答えを与える場ではなく、相手の気づきと主体的な行動を支える場として1on1を捉え直せる点です。1on1を前向きに始めたい人にも、少し行き詰まりを感じている人にも、最初の一冊として選びやすい本です。




要約|この本の内容を3分でつかむ

要約|この本の内容を3分でつかむ

重要ポイント3つ

第一に、本書は1on1を「上司と部下が定期的に話す場」としてではなく、変化の大きい時代に人材育成を支える対話として捉えています。序盤では、価値観の多様化やテレワークの広がりを背景に、従来の指導や面談だけでは育成が機能しにくくなっていることを整理し、なぜ今1on1が必要なのかを押さえます。

第二に、1on1の成否は話す内容より前に、関係の質に左右されるという立場が一貫しています。心理的安全性、承認、尊重、自己開示、アサーションといった要素を先に置き、そのうえで質問や対話が機能する流れになっているため、本書の重心はテクニック集ではなく、対話の土台づくりにあります。

第三に、本書は1on1を「考えて終わる場」にせず、行動につなげるところまで視野に入れています。中盤以降では、問いかけによる思考整理、GROWを使った目標設定と行動支援、さらに終盤では沈黙、本音が出ない、ネガティブフィードバックが難しいといったつまずきへの対応まで扱い、実務で回すための形に落とし込んでいます。


著者が一番伝えたいこと

本書全体を貫いているのは、1on1には唯一の正解があるわけではなく、上司が答えを与える場でもないという考え方です。大事なのは、相手の気づきや主体性を引き出し、自律的な成長を支える対話として設計すること。そのために必要なのは、質問のうまさだけではなく、相手が安心して話せる関係と、考えを深めて行動に移せる流れです。

この本が丁寧なのは、その考え方を抽象論で終わらせず、背景理解から基本、関係構築、思考支援、行動支援、実践、困りごと対応へと順番に組み立てているところです。読み手に全部をそのまま当てはめることを求めるのではなく、自分の現場に合うものを選び取りながら、自分なりの1on1を作っていく姿勢を促しています。


読むと得られること

この本を読むと、1on1を何のためにやるのか、どこでつまずきやすいのか、どう組み立てれば面談や業務報告で終わらせずに済むのかが見えやすくなります。目的の共有、テーマ設定、進行の型、質問の方向、頻度や時間の考え方、オンラインでの進め方まで一通り整理されているため、初学者は全体像をつかみやすく、実施中の人は詰まりどころを点検しやすいはずです。

特に得られるのは、「何を話すか」だけでなく、「どう関係をつくるか」「どう思考を深めてもらうか」「どう行動につなげるか」という見取り図です。すぐに使える実践項目を拾える一方で、即効性だけをうたう本ではありません。1on1を前向きに始めるための入口としても、続けているやり方を立て直すための整理役としても役立つ一冊です。


内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

全体の設計(章の流れをざっくり)

本書の流れは、1on1をいきなり実践論から語るのではなく、「なぜ必要なのか」から始めて、「どう進めるか」「何を土台に成り立たせるか」「どう思考と行動につなげるか」へと順番に積み上げていく設計です。序盤で時代背景や育成観の変化を押さえたうえで、一般的な面談との違いと基本の進め方を整理し、その後に信頼関係、質問による思考整理、行動支援、運用上の工夫、困った場面への対応へ進みます。

この順番がうまいのは、1on1を単なる会話術として扱っていないからです。まず前提をそろえ、次に関係を整え、そのうえで考えてもらい、最後に動いてもらう。本書はその流れで読者を導くので、途中の章だけを拾い読みしても役立ちますが、全体を通すと「なぜこの技法が必要なのか」がつながりやすくなっています。とくに中盤の、関係づくりから思考支援、行動支援へ進む流れが、本書全体の背骨になっています。


大見出し目次(短い目次)

  • Part 1 なぜやるべきか? 1on1ミーティングが必要とされる社会環境
  • Part 2 はじめよう! 自律的な成長を支援する1on1ミーティング
  • Part 3 人材育成の土台となる「関係性」の構築
  • Part 4 建設的に課題を考える「思考」の活性化
  • Part 5 主体的に解決に取り組む「行動」の活発化
  • Part 6 レベルアップ!効果が表れる1on1ミーティングの実践
  • Part 7 こんなときどうする?困ったときの対応方法


各章の要点

序盤の2パートは、1on1の必要性と基本設計を固める役割です。変化の大きい時代に、従来の指導型の関わり方だけでは足りないという問題意識を置いたうえで、1on1とは何か、どう始めるか、どんな流れで進めるかを整理します。ここが後半の土台になる橋渡しです。

中盤の3パートは、本書の中心です。まず信頼関係や心理的安全性、承認、自己開示などを通じて、対話が成り立つ土台を整えます。そのうえで、質問によって相手の思考を深め、最後に目標設定やGROWを使って行動へつなげていくので、「関係性→思考→行動」という一本の流れがぶれません。

終盤の2パートは、現場で実際に使うときの補強とトラブル対応です。質問の実践、テーマ設定、時間の確保、オンラインでのやり取り、振り返りの方法といった運用面を押さえたあと、沈黙、本音不足、テーマ切れ、ネガティブフィードバックの難しさなど、導入後に起きやすい詰まりを個別に扱います。読む順番としても、前半で設計を理解し、中盤で本質をつかみ、終盤で実務に落とす構成になっています。


忙しい人が先に読むならここ

ガイドさん
ガイドさん
全部を通して読むのが理想ですが、時間がないなら「始め方」と「中盤の核」から入ると、この本の価値をつかみやすいです。

まず優先したいのは、Part 2です。1on1の定義、面談との違い、進行の型、テーマ設定までがまとまっているので、今の1on1が何となく回っているだけになっている人ほど、ここを読むだけで軸が整いやすくなります。

次に読むべきなのは、Part 3からPart 5です。この本らしさが最もよく出ているのはこの部分で、関係づくりを先に置き、そのうえで思考を深め、最後に行動へつなげる流れが見えてきます。特に、1on1を会話術ではなく成長支援として捉えたいなら、この中盤は飛ばさないほうがいいところです。

困りごとがすでに明確なら、Part 7から先に拾い読みする方法もあります。本音を話してくれない、沈黙が続く、テーマが見つからないといった悩みを抱えている人には、ここがいちばん実務に直結します。そのうえでPart 2と中盤に戻ると、表面的な対処だけで終わらず、なぜその問題が起きるのかまで理解しやすくなります。


感想|読んで印象に残ったことと注意点

感想|読んで印象に残ったことと注意点

特に印象に残ったポイント

いちばん印象に残ったのは、この本が1on1を単なる面談の技法として扱っていないことでした。タイトルだけを見ると、短時間で手順を覚えるための入門書にも見えますが、実際にはもっと土台の部分、つまり上司とメンバーがどう向き合うかに重心があります。読み終えたあとに残るのも、うまい質問の仕方より先に、関係性をどう整えるかという視点でした。

その印象が強くなったのは、本書の流れがはっきりしているからです。必要性や背景を押さえたあと、基本の進め方を確認し、そこから関係性、思考、行動へと進んでいくので、1on1を会話テクニックの寄せ集めとして読ませません。特に、関係の質、心理的安全性、自己効力感、GROW、行動と振り返りの循環といった論点が一つの流れに並んでいることで、1on1を継続的な成長支援として捉えようとする姿勢がよく見えました。

本書は冒頭で、1on1には明確な正解があるわけではないという立場を置いています。この考え方も印象的でした。やり方を断定しすぎず、それでも必要な要素はきちんと整理して渡してくれるので、読む側としては「正解を当てにいく」より、「自分たちに合う形を探していく」本として受け取りやすかったです。


すぐ試したくなったこと

読みながらすぐ試したくなったのは、まず「今やっている1on1が本当に1on1になっているか」を見直すことでした。業務報告や評価面談の延長になっていないか、目的を共有できているか、テーマ設定が曖昧なまま進んでいないか。そうした基本を整えるだけでも、対話の質はかなり変わるはずだと感じました。

もう一つ試したくなったのは、質問のうまさを求める前に、承認や自己開示の不足を点検することです。本書を読んでいて、相手が話しやすい状態になっていなければ、どんな質問も届きにくいのだろうと思わされました。沈黙や本音の出にくさを技法の不足だけで片づけず、関係の土台から見直す発想は、そのまま現場で使いやすい視点だと思います。

さらに、行動につなげる流れを意識したくなりました。考えを深めるだけで終わらず、目標、現状、資源、選択肢、意志確認へと進めていく見取り図があるので、1on1が「話して少し楽になる場」で止まらず、次の一歩に結びつく場として組み立てやすいからです。読むだけで終わらせず、流れそのものを現場で試したくなる本でした。


読んで気になった点

気になった点を挙げるなら、「超入門」という位置づけゆえの射程の限界はあります。全体像をつかむにはとても便利ですが、制度設計そのものを深く掘り下げたい人や、研究ベースの厳密な議論、高度なケーススタディを求める人には、少し物足りなさが残ると思います。あくまで導入と見直しのための整理本として読むほうが、この本の良さは活きます。

もう一つは、出版社側の打ち出しでは組織パフォーマンス向上まで視野に入っていますが、読後の実感としては、そこへ一直線に成果を出す本というより、まず1on1の質を整えるための本だということです。即効性のある一つの正解を求めて読むと、少し肩透かしに感じる人もいるかもしれません。

ただ、この引っかかりは弱点だけではないとも思いました。1on1を万能な施策として持ち上げず、関係性や感情の扱いまで含めて丁寧に考えようとするからこそ、結果として信頼しやすい本になっているからです。読み終えてみると、うまくやるための答えを急ぐ本ではなく、どういう対話を育てたいのかを静かに考え直させる本として残りました。




実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

今日からできること

ガイドさん
ガイドさん
最初から全部やる必要はありません。まずは1つか2つだけ選んで、今の1on1の空気を少し変えるところからで十分です。

本書は、読んで理解して終わるより、今の1on1を小さく整えながら使っていく本です。今日から始めるなら、次のような行動に落とし込むと動きやすいです。

  • 次の1on1の前に、「この時間で何を支援したいのか」を一文で書く
  • 業務確認と1on1を混同していないか、今の面談の目的を見直す
  • 話すテーマを事前に1〜3個だけ決めておく
  • 進行を「入り口→対話→振り返り」の3段階で考える
  • 相手の話を結論だけでなく、感情や迷いまで受け取る意識を持つ
  • すぐ助言する前に、相手がどう考えているかを一度問い返す
  • 承認やねぎらいを、成果だけでなく取り組み方にも向ける
  • 自分の考えを伝えるときは、責める言い方ではなく自分の感じ方として伝える
  • 次回までの行動を、曖昧な気合いではなく一つの具体的な動きに落とす
  • 終わったあとに、「本音は出ていたか」「こちらが話しすぎていないか」を短く振り返る

大事なのは、会話をうまく回すことより、関係性を土台にして相手の思考と行動を支える方向へ少しずつ寄せることです。本書が繰り返し示しているのも、その順番でした。


1週間で試すならこうする

一気に全部を変えようとすると続きません。1週間なら、次のように分けると実践しやすいです。

  • Day1:今の1on1の目的を書く。「進捗確認」だけになっていないかを見直す
  • Day2:次回のテーマ候補を整理する。仕事の課題だけでなく、悩みや今後の方向も含めて考える
  • Day3:最初の5分をどう使うか決める。いきなり本題に入らず、話しやすい入口を作る
  • Day4:質問を3つだけ準備する。現状確認用、内省を促す用、次の行動につなげる用で分ける
  • Day5:承認、自己開示、Iメッセージのどれか一つを意識して使ってみる
  • Day6:1on1を実施し、最後に次回までの行動を一つだけ確認する
  • Day7:実施後に振り返る。相手の思考が深まったか、こちらが答えを急ぎすぎなかったかを点検する

このくらいの進め方なら負担が大きすぎず、本書の考え方をそのまま日常に持ち込みやすいはずです。特に、関係性を整えてから思考を深め、最後に行動へつなげる流れを崩さないことが、この本の使い方としては重要です。


つまずきやすい点と対策

いちばんつまずきやすいのは、質問や進行の型だけを先に使おうとしてしまうことです。本書を読んでいても、重心はそこではなく、相手が話せる状態をどうつくるかにあります。沈黙や本音の出にくさを技法不足だけで片づけず、承認や尊重、自己開示が足りているかを先に見直すほうが、実際には近道になりそうです。

もう一つの難所は、1on1をきれいにやろうとしすぎることです。正解を探し始めると動けなくなりますが、本書の姿勢はむしろ逆で、使いやすいものから取り入れて、自分の現場に合わせて整えていくことにあります。最初は進行を完璧に守るより、「目的を共有する」「テーマを決める」「最後に次の一歩を確認する」の3点だけでも十分です。

また、考えるところまでは進んでも、行動につながらず終わることも起こりやすいはずです。その場合は、話を広げすぎず、次に試すことを1つだけ決めるほうが使いやすいと思います。1on1を特別な場にしすぎず、関係を整え、考えを深め、行動につなぐ流れを少しずつ回していく。そういう使い方が、この本にはいちばん合っています。


比較|似ている本とどう違う?

比較|似ている本とどう違う?

『実践!1on1ミーティング』との違い

比較軸は、テーマの重心深さです。本書は、1on1を始める前提から実践、困ったときの対応までを一冊で俯瞰できる入門書で、関係づくりから思考支援、行動支援までを順番に整理しているのが特徴です。一方で『実践!1on1ミーティング』は、同じ1on1の実務書でも、短時間での運用やマネジャー側のあり方をもう一段掘り下げて考えたい人に向いています。

そのため、まず全体像をつかみたいなら本書のほうが入りやすいです。なぜ1on1が必要なのか、一般的な面談と何が違うのか、心理的安全性や承認のような土台がなぜ大事なのかまで流れで押さえられるからです。反対に、すでに1on1を回していて、限られた時間の中でどう実践精度を上げるか、マネジャーとしてどう関わるかをもう少し深めたいなら、『実践!1on1ミーティング』のほうが合いやすいでしょう。


『5日間で身につく!上司も部下も成長する1on1ミーティングの神メソッド』との違い

比較軸は、読みやすさアプローチの違いです。本書は、背景理解から関係構築、思考、行動、運用上の工夫までを体系立てて整理するタイプで、教科書的に全体をつかみたい人に向いています。一方で『5日間で身につく!上司も部下も成長する1on1ミーティングの神メソッド』は、物語形式で対話の空気づくりに重心を置いた実践書なので、理屈だけでなく場の感覚もつかみたい人に合います。

本書のよさは、1on1を単なる会話術ではなく、関係の質から組み立てるものとして整理していることです。心理的安全性、承認、自己開示といった土台を先に置き、そのうえで質問やGROWによる行動支援へ進むので、頭の中を整理しながら読み進めやすい構成になっています。反対に、1on1が形骸化しやすい現場で、まずは対話の空気をどう変えるかを具体的に感じ取りたいなら、『5日間で身につく!上司も部下も成長する1on1ミーティングの神メソッド』のほうが入りやすいはずです。


迷ったらどれを選ぶべき?

結論からいえば、1on1の全体像を最初に押さえたい人、または続けているのに手応えが薄い人には本書がいちばん選びやすいです。背景、基本設計、関係づくり、思考支援、行動支援、つまずきへの対処まで一通りそろっているので、「何が足りなくてうまくいかないのか」を見つけやすいからです。

一方で、1on1の基礎はある程度わかっていて、運用の密度やマネジャー側の実践をもう少し深めたいなら『実践!1on1ミーティング』、空気づくりや対話の進め方を体感的につかみたいなら『5日間で身につく!上司も部下も成長する1on1ミーティングの神メソッド』が向いています。迷ったときの判断基準はシンプルで、「まず整理したいなら本書」「もう一歩深めたいなら『実践!1on1ミーティング』」「場の感覚から入りたいなら『5日間で身につく!上司も部下も成長する1on1ミーティングの神メソッド』」です。


著者はどんな人?|この本を書いた背景

著者はどんな人?|この本を書いた背景

著者プロフィール

島田友和は、青山学院大学卒業、グロービス経営大学院MBA修了。「ワ☆ノベーション」代表であり、総合心理教育研究所学術客員研究員も務めています。公認心理師、社会保険労務士有資格者、社会福祉士などの資格を持ち、1on1ミーティング、心理的安全性、アサーティブコミュニケーション、ストレスマネジメントに関する研修を行っています。

寺内健朗は、東京デザイナー学院グラフィックデザイン学科卒業、グロービス経営大学院MBA修了。株式会社グロービスで、内定者・新人向け事業の責任者としてオンライン学習サービスの設計・開発・運営・ブランディングを担当し、グロービス人材マネジメント・組織行動研究グループ研究員も務めています。産業カウンセラー資格とGCS認定コーチ資格を持っています。


このテーマを書く理由

1on1は、単なる面談の進め方ではなく、心理的安全性、対話、内省支援、人材育成、組織行動が重なるテーマです。その点で本書の共著体制は分かりやすく、島田氏は心理支援やコミュニケーション研修の実務を担い、寺内氏は人材育成サービスの設計と組織行動研究の側面を補っています。

この組み合わせによって、本書は質問や傾聴の技術だけに寄らず、関係づくりから思考支援、行動への接続までを一つの流れとして扱える内容になっています。1on1を現場の会話術としてだけでなく、成長支援の仕組みとして整理している背景には、こうした著者それぞれの専門性があります。


この本が信頼できる理由

この本が信頼できるのは、1on1を「話し方のテクニック」としてだけではなく、対話の土台と人材育成の両方から扱っているからです。島田氏は心理的安全性やアサーティブコミュニケーションの研修に携わり、寺内氏はグロービスで学習サービスの設計や人材マネジメント・組織行動の研究に関わっています。

そのため本書は、現場で何をすればよいかだけでなく、なぜ関係性を先に整えるのか、なぜ思考と行動を分けて支援するのかという順番まで説明しやすい立場にあります。1on1を感覚論ではなく、実務と育成の両面から整理している点が、この本の土台になっています。


よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

要約だけ読めば十分?

結論から言うと、全体像だけを知りたいなら要約だけでも役立ちます。1on1の必要性、面談との違い、関係づくりから思考・行動へ進む流れまでは、要約でも十分つかめるからです。

ただし、実際に運用を見直したいなら要約だけでは足りません。本書の価値は、進行の型、質問の考え方、つまずきやすい場面への対応まで含めて、自分の現場に当てはめて考えやすいところにあります。読む目的が「知ること」なら要約でよく、「変えること」まで含むなら本文も読んだほうがよい本です。


初心者向け? 中級者向け?

基本的には初心者向けです。1on1の必要性、一般的な面談との違い、進行の型、質問、頻度、フィードバックまで順を追って整理されているので、これから体系的に学びたい管理職やチームリーダーには入りやすい構成です。

一方で、すでに1on1を実施している中級者にも向いています。理由は、関係性の土台から見直せるうえに、本音が出ない、テーマが見つからない、行動に移らないといった停滞場面にも触れているからです。ただし、制度設計や評価制度との連動、上級のコーチング理論まで深く知りたい人には、やや入門寄りに感じられると思います。


どこから読むべき?

これから始める人なら、まずは1on1の基本設計を扱う前半から読むのが近道です。特に、必要性、面談との違い、導入準備、進行の型を押さえるパートを先に読むと、その後の内容が入りやすくなります。

すでに実施していて悩みがある人は、中盤と終盤を優先すると使いやすいです。関係づくり、思考支援、行動支援を扱う中盤は本書の核で、沈黙や本音不足、テーマ切れなど具体的な詰まりがあるなら終盤から入っても構いません。全体を順に読む本でもありますが、悩みが明確なら必要なところから拾い読みしやすい作りです。


忙しくても実践できる?

結論としては、忙しくても実践しやすい本です。理由は、最初から全部を変える前提ではなく、目的の共有、テーマ設定、進行の流れ、頻度や時間の調整など、今の1on1に少しずつ足していける内容になっているからです。

特に、承認や自己開示を見直す、最後に次の行動を一つだけ確認する、オンラインでの進め方を整えるといった使い方なら、負担は大きくありません。この本は、完璧に型どおり進めるより、自分の現場に合う形を選び取りながら続けることに向いています。


まとめ|結局、この本を読む価値はある?

まとめ|結局、この本を読む価値はある?

この本の価値を3つで言うと

一つ目は、1on1を単なる面談のやり方ではなく、相手の気づきと主体性を支える対話として捉え直せることです。進行の型や質問のコツだけで終わらず、その前提になる関係性まで含めて整理されているので、読み終えたあとに見える景色が変わります。

二つ目は、背景理解から実践、つまずきへの対応までを一冊で見渡せることです。1on1の意味、進め方、心理的安全性、GROW、オンライン運用、本音が出ないときの対応までつながっているので、始める前にも、続けながら見直すときにも使えます。

三つ目は、正解を押しつけないところです。この本は万能の成功法則を示すタイプではなく、自分の現場に合う形を選び取りながら育てていく前提で書かれています。だからこそ、即効性だけを求める読み方には向きませんが、長く使える土台としては信頼しやすい一冊です。


この本をおすすめできる人

おすすめしやすいのは、まず1on1を体系的に学びたい管理職やチームリーダーです。必要性、進め方、質問、頻度、フィードバックまで短時間で整理できるので、全体像をつかみたい人には特に合います

もうひとつは、すでに1on1を続けているのに手応えが薄い人です。話すテーマが見つからない、本音が出ない、沈黙が続くといった悩みを、関係づくりから見直せる点にこの本の強みがあります。逆に、制度設計や評価制度との連動、上級のコーチング理論まで深く掘りたい人には、やや入門寄りに感じられるはずです。


今すぐやること

ガイドさん
ガイドさん
最初から全部変えなくて大丈夫です。まずは次の1回を整えるだけでも、この本の価値は十分に生きます。

今日やることは一つです。次の1on1の前に15分だけ取り、「この1on1で何を支えたいか」を1文で書き、そのうえで話すテーマを3つ、最後に振り返りで聞く質問を1つだけメモしてください。目的・テーマ・締めの一言が決まるだけで、1on1が業務報告に流れにくくなり、本書が重視している関係性と思考の支援に入りやすくなります。


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兼松 学

ビジネス書・実用書を中心に、年間約80冊を継続して読んでいます。採用・面接・人材育成に関わる実務経験をふまえ、実際に読んだ本をもとに要約・感想・比較レビューを執筆しています。本の内容だけでなく、向いている人、得られる学び、仕事や日常への活かし方まで伝わる記事を心がけています。

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