基準・比較から選ぶ 本の選び方

電話応対の本の選び方|学びたい内容と仕事で使う場面から一冊を絞る

電話応対の本を探すと、受け方・かけ方の基本を扱う入門書から、敬語や言い回し、クレーム対応、研修で使える練習素材まで、内容の重点がかなり違います。「電話応対を学びたい」と決まっていても、書名やおすすめ順位だけでは、自分に必要な一冊を絞りにくいところです。

選ぶときは、まず今の仕事で困っている電話場面を一つ決め、その場面を本がどこまで扱っているかを確認します。さらに、会話例をそのまま使いたいのか、理由から理解したいのか、練習に使いたいのかまで見ると候補を減らせます。この記事では、電話応対本を選び分ける基準を、具体本とともに整理します。


電話応対の本は、まず「今困っている場面」から選ぶ

電話応対本を選ぶとき、最初から「一番おすすめの本」を探す必要はありません。同じ電話応対でも、電話を取ること自体に慣れていない人と、基本の流れは分かるものの敬語や言い換えに迷う人、クレームや難しい問い合わせまで任される人では、必要な内容が違うからです。

まずは、直近の仕事で困った場面を一つ思い出してください。受電の第一声で固まるのか、担当者不在時の伝言で迷うのか、相手の名前や用件を正確に聞き取れないのか、言葉遣いに自信がないのか。困っている場面を先に決めると、「有名な本」ではなく「自分が使う章が厚い本」を比較できるようになります。

今困っていること 優先する本の特徴 購入前に確認する場所
受け方・かけ方の流れに迷う 場面別の会話例と基本手順が多い 受電・発信・取り次ぎ・伝言の目次
敬語や言い換えに迷う 電話応対と敬語・NG表現を一緒に扱う 敬語章、言い換え例、会話サンプル
問い合わせ・クレームが不安 難しい電話を独立した章や複数ケースで扱う 応用編・問い合わせ・クレーム章の厚み


受け方・かけ方の流れがまだ不安なら、場面別の基本が厚い本

電話を取るところから、名乗る、用件を聞く、担当者へ取り次ぐ、伝言を残す、こちらからかける、といった基本の順序に迷うなら、場面ごとの会話例が多い本から入ると使いやすくなります。知識を広く増やすより、「次に何を言うか」を具体的に確認できることが重要です。

この段階では、敬語やクレーム対応まで広く載っていることより、普段よく起こる場面が細かく分かれているかを優先します。受電の基本だけで数ページしかない本より、取り次ぎ、不在、伝言、聞き返しなどが分かれている本の方が、つまずいた場面へ戻って確認しやすくなります。

この方向で候補になるのが、実務の場面別に基本対応を確認しやすい『電話応対、これができればOKです!』です。初めて電話を任された人や、電話が鳴ると手順が飛んでしまう人は、難しい応用まで広げる前に、普段よく使う受け答えを反復できる本を優先した方が実務へつなげやすくなります。


流れは分かるが言葉遣いに迷うなら、敬語・言い換えまで扱う本

取り次ぎや伝言の手順は分かっていても、「この敬語で失礼ではないか」「相手を待たせるときにどう言えばよいか」と迷うなら、電話の流れだけでなく、敬語や話し方まで一緒に扱う本が合います。

ここで見るべきなのは、正しい敬語の一覧があるかだけではありません。よくある誤用、クッション言葉、相手を待たせるときの言い換えなど、電話口で迷いやすい状況と結びつけて説明されているかを確認します。電話の手順には困っていない人なら、基本動作の説明が厚い本より、言葉選びの違いにページを使っている本の方が学び直しやすくなります。

新版 電話応対&敬語・話し方のビジネスマナー』のように、電話応対と敬語・言い回しを同じ一冊で確認できる本なら、定型フレーズだけを覚えるのではなく、職場で使う言葉遣い全体を見直せます。電話以外でも敬語に迷う場面が多い人は、電話だけに絞った本より、この範囲の広さが選ぶ理由になります。


問い合わせやクレームまで任されるなら、難しい場面を独立して扱う本

基本の取り次ぎだけでなく、すぐ答えられない問い合わせ、相手が強い不満を示している電話、判断に迷うケースまで任されるなら、入門的な会話例だけでは足りないことがあります。候補本の目次を見て、問い合わせやクレームが短い補足ではなく、独立した章やまとまりとして扱われているかを確認してください。

さらに、単に「クレーム対応」という見出しがあるだけで決めず、状況確認、謝罪、担当者への引き継ぎ、すぐに回答できない場合など、自分が実際に担当するケースまで分かれているかを見ます。基本から一冊で広く学びたい人と、すでに基本はできていて難しい電話だけを重点的に見直したい人では、必要な本の厚みが違います。

「クレーム対応も載っている」ことと、「クレーム対応を十分に学べる」ことは同じではありません。購入前に目次や試し読みを確認し、自分が困っている難しい場面に複数のケースや説明が割かれているかまで見ておくと、表面的なタイトルだけで選びにくくなります。


仕事中に引くのか、理解・練習に使うのかでも選ぶ本は変わる

同じ内容を扱う本でも、説明のしかたによって使いやすさは変わります。電話応対は知識を理解するだけでなく、必要な場面で言葉を思い出し、実際に声に出せることが大切です。そのため、通読するのか、仕事中に引くのか、研修で反復するのかまで考えて選ぶと、内容が似た本の違いを判断しやすくなります。


仕事中にすぐ確認したいなら、会話例を引きやすい本

デスクの近くに置き、取り次ぎ、折り返し依頼、伝言、聞き返しなどを必要なときに確認したいなら、文章を順番に読む本より、場面別に探しやすい本が向いています。内容が詳しくても、必要なフレーズへたどり着くまで時間がかかる本は、参照用としては使いにくいことがあります。

目次だけでなく、見開きで一つの場面が完結しているか、見出しから必要な状況を探しやすいか、会話例がまとまっているかを確認してください。「情報量が多い本」と「仕事中に引きやすい本」は別なので、使い方に合わせて優先順位を変えます。

この使い方なら、『電話応対はこわくない! 知っておきたい仕事のルールとマナー』のような本が候補になります。見開きで情報を探しやすく、多くのフレーズを必要な場面から確認できるタイプは、最初から全部暗記するより、実務の合間に繰り返し参照したい人と相性がよいでしょう。


新人研修やOJTで使うなら、チェックと反復がしやすい本

自分一人で読むのではなく、新人研修やOJTで使うなら、会話例の多さだけでなく、学んだ内容を声に出して試し、あとから振り返れる仕組みがあるかを確認したいところです。受け方・かけ方のチェック項目、ロールプレイ、自己確認の仕組みなどがあると、「読んで分かった」で終わらせず、教える側と学ぶ側で確認点を共有しやすくなります。

研修用では、情報の広さだけでなく、練習単位を作りやすいことも重要です。たとえば「受け方を読む→二人で練習する→チェックする」という流れに使える本なら、研修担当者が別に練習項目を一から作る負担を減らせます。一方、個人が仕事中に少し確認するだけなら、こうした教材的な機能を最優先にする必要はありません。

この方向で候補になるのが『ゼロから教えて 電話応対』です。基本の受け方・かけ方にチェックリストやロールプレイがあり、応用編やクレーム対応まで段階的に確認できるため、個人の学び直しだけでなく、新人教育で反復しながら使いたい場合にも比較しやすい一冊です。


理由から理解したいなら、フレーズだけでなく解説も確認する

決まり文句を覚えても、想定外の電話になると応用できないと感じる人は、「何と言うか」だけでなく「なぜその言い方にするのか」まで説明されている本を選ぶと理解しやすくなります。特に、敬語や取り次ぎの判断で迷う人は、正解例だけを集めた本より、言い換えの理由や注意点がある方が自分で判断しやすくなります。

逆に、目的が「次の電話ですぐ使える言い回しを確認したい」ことであれば、長い背景説明が多い本より、短い会話例を素早く引ける本の方が合う場合もあります。どちらが優れているかではなく、今必要なのが「即参照」なのか「応用できる理解」なのかで選択が変わります。

購入前にサンプルを見られる場合は、自分が苦手な場面を一つ探し、会話例だけで終わっているか、理由や別の言い方まで説明されているかを比べてください。そこで「この説明なら自分で別の場面にも応用できそうか」を見ると、本の使い方が想像しやすくなります。


電話だけを深く学ぶか、敬語やビジネスマナーまで広げるかを決める

ここまでは、「どの電話場面で困っているか」と「本をどう使うか」を整理してきました。次に決めたいのは、その課題を電話応対の中だけで深く学ぶのか、敬語・話し方・報連相など周辺のビジネスマナーまで一緒に広げるのかです。

範囲が広いほど良いわけでも、電話に特化しているほど良いわけでもありません。今の課題が電話に集中しているか、職場での言葉遣いやコミュニケーション全体に広がっているかで、本に求める守備範囲を変えます。


電話だけで困っているなら、特化本で必要場面の厚みを見る

敬語や報連相には大きく困っていないのに、電話だけで言葉が出なくなる、聞き取りや取り次ぎで迷うという場合は、電話応対に多くのページを使っている特化本が選びやすくなります。広いビジネスマナー本では電話の説明が一章だけということもあるため、自分が必要な場面をどこまで掘り下げているかを目次で確認してください。

特化本の利点は、電話という一つのテーマの中で場面差を比べやすいことです。受電、発信、伝言、折り返し、聞き返し、問い合わせなどが細かく分かれていれば、「電話が苦手」という大きな悩みを、実際に直したい場面まで分解できます。

ただし、電話特化本でも、自分が必要な場面が薄ければ意味はありません。「電話のページ数が多いか」だけでなく、「自分が困る場面に情報量が割かれているか」まで確認するのがポイントです。


電話以外でも言葉遣いに迷うなら、周辺まで扱う本を候補にする

電話だけでなく、来客対応や社内外の会話、報告・相談でも敬語に迷うなら、電話特化本だけで完結させるより、周辺の話し方やビジネスマナーまで扱う本の方が一冊で整理しやすい場合があります。

この場合は、電話の章が少し薄くなっても、敬語や言葉遣いの共通ルールを別場面にも使えることがメリットになります。反対に、電話以外では困っていないなら、周辺テーマの多さは必ずしも得ではありません。読む範囲が広がるほど、今すぐ必要な電話場面へたどり着きにくくなることもあります。

また、「新社会人だから広いビジネスマナー本」と機械的に決める必要もありません。自分が必要としているのが電話応対なのか、職場コミュニケーション全体なのかを分けて考えます。まだ学ぶ範囲自体を決めきれていない場合は、新社会人のコミュニケーション本の選び方で、仕事場面から入口を整理できます。


候補が残ったら、目次とサンプルで「自分が使う場面」を最終確認する

ここまでで候補が二、三冊に絞れたら、最後は書名や「新人向け」という表示ではなく、出版社の紹介、目次、試し読みなどで自分が使う場面を確認します。似た書名でも、電話の基本を広く扱う本と、敬語や難しい場面にページを割く本では、読み終えた後に得られるものが違います。


目次では「あるか」だけでなく「どこまで分かれているか」を見る

たとえばクレーム対応を学びたいなら、目次に「クレーム」という言葉が一度あるだけで決めず、どのような状況まで分けて扱っているかを確認します。敬語なら、敬語の基本だけなのか、電話で迷いやすい言い換えや避けたい表現まであるのかを見ます。

自分の目的に関係する章が細かく分かれていれば、そのテーマにどの程度ページを使っているかを推測する材料になります。逆に、必要な内容が付録や短い補足にとどまるなら、別の本を優先した方がよいこともあります。

目次を比べるときは、項目数の多さだけでなく、自分が困っている場面が独立して扱われているかを見てください。情報が多くても、自分の課題が一つの項目にまとめられている本より、困る場面ごとに章や項目が分かれている本の方が使いやすい場合があります。


サンプルでは、実際に自分が使える説明かを一場面だけ試す

試し読みができるなら、最初から全体を評価しようとせず、自分が困っている一場面の説明を見ます。会話例をすぐ使えそうか、理由まで理解したい自分に説明量が足りるか、研修で使うなら声に出して練習しやすいか。ここを一場面で試すと、本との相性を具体的に判断できます。

たとえば「担当者が不在のとき」のページだけを見ても、会話例中心なのか、判断理由まで説明するのか、練習課題まであるのかで本の性格は分かります。自分の使い方に合わないサンプルなら、ほかの章が充実していても優先順位を下げる判断ができます。

電話応対本は「一番評価が高い本」より、「今使う場面を十分に扱い、自分が実践しやすい形で説明している本」を選ぶ方が目的に合いやすくなります。


迷ったら「場面→範囲→使い方」の順で一冊を絞る

電話応対本で迷ったら、最初に今困っている電話場面を一つ決め、次にその場面をどこまで扱う本が必要かを考えます。基本の受け答え、敬語、難しい電話のどこを優先するかが決まれば、必要な本の範囲が見えやすくなります。

そのうえで、仕事中に会話例を引いて使いたいのか、理由から理解したいのか、研修やOJTで練習に使いたいのかを確認します。「新人向け」「おすすめ1位」といった表示だけで決めると、自分が必要な場面の説明が薄い本を選ぶことがあります。最後に目次やサンプルで、自分の場面が十分に扱われているかを確かめてください。

具体的な候補を横並びで比べたい段階になったら、電話応対について学べるおすすめの本ランキングから、ここで決めた条件に合う本を確認できます。順位をそのまま答えにせず、「自分は何を優先して選ぶか」を持った状態で比べるのがポイントです。


電話応対について学べるおすすめの本ランキング 10選【2026年】

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兼松 学

書評サイト「本のものさし」運営者。ビジネス書・実用書を中心に年間約80冊を読み、採用・面接・人材育成に約9年携わった実務経験も踏まえて執筆しています。実際に読んだ本の要点だけでなく、向いている人や類書との違いまで整理し、自分に合う一冊を選ぶための判断材料を届けることを大切にしています。

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