
新人研修やOJTで電話応対を教えることになったとき、「新人向け」と書かれた本を選ぶだけでは、教材として使いにくいことがあります。研修担当者が説明する本、新人へ配って自習してもらう本、電話のそばに置いて困ったときに確認する本では、教材に求める役割が違うからです。
電話応対というテーマが決まっているなら、次に見るべきなのは「誰が読む本か」だけではなく、その一冊を研修のどこで、何のために使うのかです。この記事では、自習用・OJT用・現場参照用の違いから教材を選び、教える側の本と新人向けの本、市販本と社内ルールの役割まで整理します。
電話応対を教える本は、教材に持たせる役割から決める

新人研修で使う本を選ぶときは、最初に「この本を誰に、いつ、どう使わせるか」を決めます。同じ電話応対の本でも、自習しやすい本、練習へつなげやすい本、実務中に必要な箇所を探しやすい本では、強みが違います。
一冊を配布教材・講師用資料・ロールプレイ教材・現場の逆引き資料のすべてにしようとすると、かえって使いどころが曖昧になります。まず主な役割を一つ決め、その役割に合う本を選ぶ方が研修へ組み込みやすくなります。
| 研修での使い方 | 本で重視する点 | 候補 |
|---|---|---|
| 新人へ配って自習 | 基本から順に追いやすい・電話以外の基礎も確認できる | 『新版 電話応対&敬語・話し方のビジネスマナー』 |
| OJT・ロールプレイ | 手順・チェック・練習へつなげやすい | 『ゼロから教えて 電話応対』 |
| 実務中の確認 | 場面別に探しやすい・言い回しを参照しやすい | 『電話応対はこわくない!』 |
新人に配って自習してもらうなら、流れを追いやすい本
研修前後に新人自身へ読んでもらうなら、電話の受け方・かけ方だけを断片的に調べる本より、基本動作から敬語、困りやすい場面まで順に追える本が使いやすくなります。文章量だけでなく、図やイラストがあり、初めて電話応対を学ぶ人でも「次に何をすればよいか」を見失いにくいことが重要です。
電話だけでなく敬語や話し方まで一緒に学ばせたい場合は、『新版 電話応対&敬語・話し方のビジネスマナー』が候補になります。電話応対を新人研修全体の一部として扱い、職場で使う言葉づかいまで共通教材にしたい場合に合わせやすい一冊です。
OJTで練習するなら、ロールプレイへつなげやすい本
指導者が説明したあと、実際に受け答えを練習させるなら、読むだけで完結する本より、基本手順を確認しながら練習へ移れる本が向きます。受け方・かけ方の流れ、チェック項目、ケース別の応対がそろっていると、指導者と新人が同じ基準で振り返りやすくなります。
この使い方なら、『ゼロから教えて 電話応対』を確認しておきたいところです。受け方・かけ方の基本に加え、チェックリストやロールプレイングにつながる構成があるため、「読ませる教材」より「教えて、やらせて、振り返る教材」が必要なOJTと相性がよいと判断できます。
現場で困ったときに確認させるなら、逆引きしやすい本
研修が終わったあとも新人の手元に置き、実務中の確認に使わせるなら、最初から順番に読む構成より「今困っている場面」を見つけやすいことが重要になります。敬語、聞き返し、名前や連絡先の確認など、つまずいたときに必要な箇所へ戻れる本は、現場の補助教材として使いやすくなります。
『電話応対はこわくない! 知っておきたい仕事のルールとマナー』は、多くの言い回しを確認でき、必要な情報を探しやすい構成です。研修の主教材というより、実務に出たあとに自分で確認できる参照用の一冊を持たせたい場合に向いています。
教える側が使う本と、新人に配る本は同じでなくてもよい

OJT担当者が「なぜこの言い方なのか」「どこまでを基本として教えるか」を確認したいときと、新人が「この場面では何と言えばよいか」を知りたいときでは、必要な深さが違います。そのため、研修担当者自身が読む一冊と、新人に配る一冊を必ず同じにする必要はありません。
新人向けには、行動へ移しやすい説明や場面別の例が重要です。教える側には、それに加えて、説明の順序を組み立てやすいこと、基本と応用の境界が分かること、練習後に何を確認するかを拾えることが役立ちます。
「一冊で全員に同じ深さまで読ませる」ことを前提にすると、研修担当者にも新人にも過不足が出る場合があります。たとえば指導者は体系を確認できる本を持ち、新人には会話例を引きやすい本を渡す、という分け方でも問題ありません。
予算や運用上、一冊に統一する必要があるなら、優先するのは「最も多く使う人」です。新人が常時使うなら読みやすさと参照性を重視し、指導者が研修を設計するために使うなら、体系性や練習へのつなげやすさを優先すると判断しやすくなります。
研修範囲と本の範囲はそろえるが、全部を読ませる必要はない

教材の役割が決まったら、次に研修でどこまで教えるかを確認します。電話の受け方・かけ方を中心に短時間で教えるのか、敬語・話し方まで新人研修に含めるのかで、必要な本の広さは変わります。
大切なのは「広い本ほどよい」「電話特化本ほど実践的」と決めることではなく、担当する研修範囲と本が扱う範囲をそろえることです。電話の基本だけを教えるなら、その場面に十分なページを使っている本を優先します。敬語や話し方まで扱うなら、周辺のコミュニケーションまで同じ基準で説明している本が使いやすくなります。
ただし、範囲の広い本を選んだからといって全章を新人に読ませる必要はありません。「研修で扱う章」「事前・事後に自習する章」「実務で困ったときに参照する章」と分ければ、一冊の広さを研修時間の長さと同じに考えずに済みます。
市販の本で教える共通部分と、社内ルールは分けて考える

新人教育で市販の本を使うときは、「本にどこまで任せるか」も先に決めておきたいところです。電話の受け方・かけ方、敬語、聞き取り方、取り次ぎといった広く共通する基本は本でそろえやすい一方、実際の職場では自社独自の決まりがあります。
- 会社名・部署名・担当者名を含めた名乗り方
- 保留・転送・折り返しの具体的な手順
- 担当者不在時にどこまで伝えるか
- 電話内容を残す場所や記録方法
- 判断に迷ったときの相談先やエスカレーション
こうした内容まで市販本と完全に一致することは期待しにくいため、市販本を「社内マニュアルの代わり」にせず、電話応対の共通の型を学ぶ教材として使う方が運用しやすくなります。
本で共通原則を学び、自社固有の部分は社内マニュアルや研修資料で上書きする、と役割を分けておけば、新人にも「本と職場で言っていることが違う」という混乱が起こりにくくなります。逆に、市販本へ自社固有の手順まで求めると、選択肢を狭めすぎることがあります。
最後は「研修のどこで使う一冊か」を一文で言えるか確認する

電話応対の教材を選ぶときは、「新人向けか」「分かりやすいか」だけで決めるより、研修での役割を一文にしてみると迷いが減ります。
- 研修前後に新人が自分で基本を学ぶための本
- OJTで受け方・かけ方を練習し、振り返るための本
- 実務に出たあと、困った場面をすぐ確認するための本
- 電話に加えて敬語や話し方まで新人研修で扱うための本
この一文が決まれば、必要な入口・範囲・深さも決まりやすくなります。複数の役割が必要なら、一冊へ無理に詰め込まず、講師用・配布用・参照用を分ける方法もあります。
候補をさらに広げて各書籍の違いを見たい場合は、電話応対について学べるおすすめの本ランキングも確認できます。まず研修での使い方を決め、その条件に合う本だけを比較すれば、単に人気順で選ぶより自社の教育に合わせやすくなります。
-
-
電話応対のおすすめ本ランキング 10選【2026年】
続きを見る