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【書評】電話応対はこわくない!知っておきたい仕事のルールとマナー|要約・感想

会社の固定電話が鳴ると、「誰からか分からない」「敬語を間違えそう」「取り次ぎ方が分からない」と、いくつもの不安が一度に出て受話器を取るのをためらうことがあります。『電話応対はこわくない!』は、そんな怖さを心がまえ、声や姿勢、メモ、電話機能、敬語、受け方・かけ方へ分けて確認できる入門書です。

この記事では、要約と読後の感想をもとに、330フレーズをどう使うと実務につながりやすいか、読む前の注意点、向いている人・向いていない人、似た本との違いまで整理します。この本が自分の電話への不安に合う一冊か、選ぶ前に確認していきます。


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もくじ
  1. 要約|どんな本か・何が学べるか
  2. 感想|実際に読んで分かったこと
  3. 330フレーズは「暗記」より「戻れる型」として使いやすい
  4. 注意点|読む前に知っておきたいこと
  5. 向いている人・向いていない人
  6. 似た本との違い|選び分けのポイント
  7. 次に読む本|次の課題から選ぶ
  8. このテーマの本をもっと探す

要約|どんな本か・何が学べるか

電話の怖さを「次にすること」へ分けて学べる

『電話応対はこわくない!知っておきたい仕事のルールとマナー』は、会社の固定電話に慣れていない人が、電話応対の基本を一つずつ確認するための実務入門書です。冒頭では、知らない相手から電話がかかってくることへの怖さや、「何を言えばいいのか分からない」「失敗したくない」という不安が描かれています。

本書は、その不安を「慣れるしかない」とまとめず、電話を取る理由、姿勢、声、メモ、保留・転送、敬語、受け方・かけ方へ細かく分けていきます。電話応対の基本として示されるのは、迅速に・ていねいに・正確にの3点です。敬語を完璧にすることだけが電話応対ではなく、相手を待たせない、情報を正しく受け取る、必要な人へつなぐといった仕事の流れ全体を整える構成になっています。


受け方・かけ方・敬語を場面別に確認できる

STEP1では電話応対の心がまえ、STEP2では敬語、STEP3では電話の受け方、STEP4では電話のかけ方を扱います。その後は、外国人からの電話、英語電話、名前や住所、メールアドレスの伝え方など、困りやすい場面へ範囲を広げます。

敬語では、尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分けだけでなく、二重敬語や要注意フレーズ、社外の人へ社内の上司をどう表現するかといった実務上の迷いやすい点まで整理されています。受け方・かけ方も、名乗る、復唱する、取り次ぐ、不在時に対応する、用件を確認するという流れに沿って確認できます。


見開きで必要な場面を探しやすい

出版社公式では、本書に電話応対で使える330フレーズが掲載されていると案内されています。情報は見開き完結を基本とし、マンガやイラスト、NG/OK例を使いながら、必要な場面を探しやすい構成です。

そのため、最初からすべてのフレーズを覚えるというより、電話で困った場面があったときに該当ページへ戻り、使いやすい言い回しを選ぶ参照本として使いやすい一冊です。電話応対全体の地図を持ちたい初心者にとって、どこを練習すればよいかを見つけやすい構成だといえます。


目次|本書の構成を確認する


著者について

本書を監修した松本昌子さんは、人財育成コンサルタントとして、ビジネスマナーやコーチング、キャリアデザインなどの研修に携わってきた人物です。ビジネスマナーを含む人材育成研修に携わってきた経歴があり、本書の電話応対・敬語というテーマともつながります。本書では、電話応対や敬語をはじめとするビジネスマナー領域の監修を担当しています。




感想|実際に読んで分かったこと

電話は「敬語のテスト」だけではないと気づいた

読んでいて最も見方が変わったのは、電話応対を「正しい敬語を瞬時に出すテスト」のように考えなくてよいことでした。電話で詰まると、つい「敬語が苦手だから」と原因を一つにまとめたくなります。

しかし本書では、まず「迅速に・ていねいに・正確に」という基本が示されます。電話が鳴ったら出る、相手の話を聞く、メモを取る、復唱する、必要なら保留や転送を使う。こうした行動の骨組みが見えると、完璧な敬語を一瞬で出せないことと、電話応対そのものができないことは別だと考えられるようになりました。


電話が鳴る前の準備で考える量を減らせる

実際に意識してみたいと思ったのは、電話が鳴ってから考え始める量を減らすことです。机の上にメモとペンを置く、受話器は利き手と反対の手で持つ、保留や転送の操作を先に確認しておく。どれも小さな準備ですが、電話中に同時処理することを減らしてくれます。

電話が苦手だと、話し方や敬語ばかり直そうとしがちです。ところが本書を読むと、苦手意識の一部は会話能力だけでなく、準備不足や電話機操作への不安から生まれている可能性も見えてきます。自分の弱点を「話す力」だけに決めつけないことは、電話への負担を整理するうえで大切だと感じました。


全部覚えるより、困った場面から戻る方が使いやすい

一方で、姿勢、声量、トーン、スピード、敬語、相手の名前、用件、メモ、復唱までを一度に意識すると、かえって頭がいっぱいになります。知識が多いほど安心できるとは限りません。

この本は、通読してすべて覚えるより、その日に困っている場面を一つ選び、必要なページへ戻る使い方が合いそうです。今日は「名乗る」、次は「取り次ぐ」、慣れたら「不在時の伝言」というように練習単位を小さくする。「電話に自信を持つ」より「困ったときに戻れる型を持つ」という方が、この本の使い方を表しているように思いました。


330フレーズは「暗記」より「戻れる型」として使いやすい

まずは頻繁に使う表現を少数に絞る

本書には多くの敬語や定型フレーズが載っていますが、最初から330個を覚える必要はありません。むしろ、NG敬語や言い換えを大量に意識すると、「これは二重敬語ではないか」「この言い方は失礼ではないか」と考えすぎて、口が止まりやすくなります。

たとえば「かしこまりました」「承知いたしました」など、自分の職場で頻繁に使う表現から数個を選び、自然に出るようにしてから増やしていく方が実践しやすいでしょう。330フレーズの価値は、覚える量の多さではなく、必要な場面で使える候補を持てることにあります。


失敗した場面のあとに該当ページへ戻る

電話中にうまく言えなかったことがあれば、その直後に該当場面のページへ戻る使い方もできます。「名指し人が不在だった」「折り返しをお願いされた」「名前を聞き取れなかった」といった具体的な出来事から探せるので、自分の失敗と次に使う型を結びつけやすくなります。

見開き完結と場面別フレーズという構成は、最初から順番に読むためだけではなく、仕事の最中や振り返りで参照するためにも向いています。


注意点|読む前に知っておきたいこと

電話機や社内ルールに合わせて置き換える

本書の内容を、そのまま職場の絶対ルールにしないことは重要です。保留や転送の操作は電話機によって違い、名乗り方、不在時の伝え方、営業電話の扱いも会社ごとに異なります。

本書自身も電話機種による違いに触れています。基本を覚えたら、「自分の会社ではどうするのか」を上司や先輩に確認し、「本の基本+自社ルール」へ置き換えることが必要です。


数値の目安を絶対ルールにしない

本書には、電話を取るタイミングや通話時間など、具体的な数値の目安も出てきます。数字があると行動へ移しやすい一方、数字だけを守ることが目的になると、本来の意味を見失います。

大切なのは、相手を必要以上に待たせないこと、話す内容を整理してお互いの時間を使いすぎないことです。数値は現場の絶対規則ではなく、その目的を理解するための目安として受け取る方が使いやすいでしょう。


敬語・クレーム・英語電話を深く学ぶなら専門書も検討する

本書は守備範囲が広い反面、敬語だけを徹底的に学ぶ、クレーム対応で交渉や判断まで掘り下げる、英語電話を継続的に練習するといった専門学習のための本ではありません。

まず電話応対全体を見渡し、自分の弱点を見つけるための入口として使い、その後に必要なテーマを専門書で深める使い方が向いています。また2018年刊の本なので、通信ツールや職場運用の現在性を重視する場合は、最新の社内ルールや新しい資料も合わせて確認した方が安全です。




向いている人・向いていない人

向いている人

電話への不安を、まず基本の型と場面の地図に変えたい人に向いています。

  • 会社の固定電話を初めて担当する人
  • 電話が鳴ると、最初に何をすればよいか分からない人
  • 敬語・聞き取り・操作のどこが弱点かまだ分からない人
  • 受け方・かけ方・敬語・困り場面を一冊で広く確認したい人
  • 困った場面からすぐ引ける本がほしい人

全部を通読して暗記するより、必要な場面から少しずつ使う方が、本書の見開き構成やフレーズ量を活かしやすいでしょう。


向いていない人

すでに課題が専門領域へ絞れている人は、別の本の方が目的に近い場合があります。

  • 高度なクレーム対応や交渉判断まで深く学びたい人
  • 英語電話を継続的に専門訓練したい人
  • 敬語理論だけを集中的に深めたい人
  • 基本動作は身についており、高度な応対判断だけを求めている人

こうした場合は、次の類書比較や次読本から、現在の課題に絞った本を選ぶ方が学びやすくなります。


似た本との違い|選び分けのポイント

電話応対の入門書でも、得意な学び方は異なります。本書は、電話業務を広く見渡し、必要な場面へ戻れる参照性が強い一冊です。ここでは、同じ初心者向けの本と比べたときの違いを整理します。

比較軸 電話応対はこわくない! 電話応対 これができればOKです! どんなに苦手でもうまくいく電話応対 [新版]一生使える「電話のマナー」
向いている悩み 何が苦手かまだ分からず、電話業務全体を見たい 場面ごとの受け答えを具体的に知りたい とっさに言葉が出ない不安を減らしたい 基本から応用・クレームまで広げたい
学び方 見開きから必要場面を参照 場面別会話例で型を確認 定型フレーズに慣れる 基本から応用まで長く参照
守備範囲 敬語・受発信・携帯・英語電話・伝達実務まで広い 電話応対の基本を総合的に扱う 困りやすい具体場面のフレーズに強い 基本・応用・クレームまで広い
強み 電話の怖さを小さな準備へ分解しやすい 会話例から実際のやり取りを想像しやすい その場で使える言葉を見つけやすい 2025年新版で現在性と応用範囲がある
注意点 専門テーマの深掘りは別書が必要 自社ルールへの置き換えは必要 フレーズだけでは業務判断全体は補えない 最初の一歩だけなら情報量が多い場合がある


場面別会話例で型を覚えたいなら『電話応対 これができればOKです!』

電話でのやり取りを会話の流れとして確認したいなら、『電話応対 これができればOKです!』が比較しやすい一冊です。心がまえ、受け方、かけ方、敬語、クレームまで幅広く扱う点は本書と近い一方、場面別の会話例から「何と言うか」をつかむ性格がより強くなっています。

電話業務を広く見渡して必要箇所へ戻るなら本書、実際の会話例を追いながら型を覚えたいなら『電話応対 これができればOKです!』という選び分けができます。


定型フレーズで言葉の不安を減らしたいなら『どんなに苦手でもうまくいく電話応対』

電話中に言葉が出てこないことが一番の不安なら、『どんなに苦手でもうまくいく電話応対』が候補になります。相手不在や遅刻、クレームなどの場面で、あらかじめ定型フレーズへ慣れることに重点があります。

本書は、言葉だけでなく操作や姿勢、声、メモまで含めて怖さを分解するタイプです。自分の不安が「何と言うか」に絞れているなら前者、まだ原因を切り分けられていないなら本書の方が使いやすいでしょう。


新しい実務と応用まで広げたいなら[新版]『一生使える「電話のマナー」』

基本を超えて応用やクレームまで長く参照したいなら、『ソツのない受け答えからクレーム対応まで [新版]一生使える「電話のマナー」』も比較対象になります。2025年の新版で、基本から応用までを222ページで扱う本です。

まず電話への怖さを軽く分解して最初の型を持ちたいなら本書、より新しい実務常識も含めて応用まで広げたいなら[新版]『一生使える「電話のマナー」』が向いています。


次に読む本|次の課題から選ぶ

敬語の言い換えを場面別に増やすなら『敬語サクッとノート』

本書を読んで、電話そのものより敬語の言い換えが弱点だと分かったなら、『すぐに使えて、きちんと伝わる 敬語サクッとノート』へ進むと学習テーマを絞れます。電話対応だけでなく、社内・社外、接客、会議、面接などの場面へ敬語を広げられる本です。

電話の型をもう一冊重ねるのではなく、見つかった弱点を敬語という専門テーマへ切り出したい人に向いています。


電話からビジネスの話し方全体へ広げるなら『新版 電話応対&敬語・話し方のビジネスマナー』

電話応対を入口に、仕事での話し方やコミュニケーション全体へ広げたいなら、『新版 電話応対&敬語・話し方のビジネスマナー』が次の候補になります。電話だけでなく、敬語、会話術、ビジネスコミュニケーションまで扱います。

本書で電話場面の基本を確認したあと、「電話では話せるようになったが、仕事全体でもっと伝わる話し方を身につけたい」と感じた人に接続しやすい一冊です。




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兼松 学

書評サイト「本のものさし」運営者。ビジネス書・実用書を中心に年間約80冊を読み、採用・面接・人材育成に約9年携わった実務経験も踏まえて執筆しています。実際に読んだ本の要点だけでなく、向いている人や類書との違いまで整理し、自分に合う一冊を選ぶための判断材料を届けることを大切にしています。

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