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【書評】成功するチームは「遊び」でつくる 新感覚チームビルディング|要約と感想

【書評】成功するチームは「遊び」でつくる 新感覚チームビルディング|要約と感想

会議や話し合いを増やしても、なぜかチームの距離が縮まらない。『成功するチームは「遊び」でつくる』は、そんな状態に対して、まず安心して共有できる「遊び」の体験をつくり、その後の対話や気づき、行動につなげるという独自の切り口を示す本です。

この記事では、本書が描くチームの成長プロセスや「ゲームダイアログ」の考え方、読んで印象に残った点、実践するときの注意点まで整理します。読み進めることで、自分のチームの課題に合う内容か、購入して読む価値がありそうかを判断しやすくなるはずです。


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もくじ
  1. 結論|この本はどんな人に向いている?
  2. 要約|この本の内容を3分でつかむ
  3. 内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ
  4. 感想|読んで印象に残ったことと注意点
  5. 実践編|この本を読んだあと、どう行動する?
  6. 比較|似ている本とどう違う?
  7. 著者はどんな人?|この本の信頼性を確認する
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|結局、この本を読む価値はある?

結論|この本はどんな人に向いている?

結論|この本はどんな人に向いている?

この本をひとことで言うと

『成功するチームは「遊び」でつくる』は、会議や説明だけでは動かないチームの関係性を、「遊びによる共通体験」と「その後の対話」から立て直すための本です。遊びを単なるレクリエーションとして紹介するのではなく、チームの不調を捉え直し、メンバー同士の気づきや相互理解につなげる「ゲームダイアログ」という考え方を軸にしています。


向いている人

特に向いているのは、メンバー同士で会話はしているのに、本音が出ない、一体感が生まれない、助け合いが広がらないと感じているリーダーやマネージャーです。理念や目標を伝えてもチームに十分浸透しない場合にも、言葉だけではなく体験から関係性をつくるという別の角度を得られます。

また、人事・研修担当者など、座学中心ではなく参加者同士が関われる研修やワークショップを考えている人にも相性がいいでしょう。本書はチームを一度に完成させるものではなく、段階を経て育つものとして捉えているため、継続的なチームづくりを考えたい人にも使いやすい内容です。


向いていない人

一方、人事制度や評価制度、組織構造そのものを設計する方法を知りたい人には、求めている内容と少し方向が違います。統計データや実証研究を中心に組織行動論を学びたい人も、著者の経験や独自の考え方、潜在意識やポリヴェーガル理論などを取り入れた説明に距離を感じる可能性があります。

また、「すぐ使えるゲーム集」だけを求めている人にも注意が必要です。本書は遊び方だけを並べた本ではなく、チームがなぜ崩れるのか、どう成長するのか、リーダーはどう関わるのかを順に考えたうえで、遊びを位置づけています。


先に結論(買う価値はある?)

チームの関係性を、話し合い以外の方法から変えてみたい人には、読む価値があります。 理由は、「遊べば仲良くなる」という単純な話ではなく、チームの状態を理解し、共通体験をつくり、その体験を対話へつなげるところまで一つの流れとして扱っているからです。

会議を増やしても空気が変わらない、説明しても腹落ちしない、そんな状況で別のアプローチを探しているなら、本書はチームづくりを見直すきっかけになります。「遊び」という言葉への先入観を外して読めるかどうかが、この本を活かせるかの分かれ目になりそうです。


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要約|この本の内容を3分でつかむ

要約|この本の内容を3分でつかむ

重要ポイント3つ

本書の重要ポイントは、まず「遊び」を単なる息抜きやレクリエーションではなく、チームの関係性を変えるための入口として捉えていることです。普段の役割や緊張から少し離れ、安心していつもとは違う行動を試せる共同体験をつくる。その体験をきっかけに、メンバー同士の距離を縮めていくという考え方が土台になっています。

2つ目は、遊んで終わりではなく、体験の後に対話を重ねることです。著者は、遊びやゲームを楽しみ、その経験を振り返りながら気づきや行動につなげる流れを「ゲームダイアログ」と位置づけています。つまり、本書の中心はゲームそのものではなく、遊び→体験→対話→気づき→行動までを一つのプロセスとして扱う点にあります。

3つ目は、チームを一度に完成させるのではなく、段階を経て育っていくものとして捉えていることです。本書は、会話不足やすれ違い、理念・目的の不共有、一体感の弱さなど、チームがうまく機能しない状態から出発します。そのうえで、コミュニケーションの回復、目指すチーム像、ゴールの共有、リーダーからファシリテーターへの転換、チームの成長段階へと話を進め、後半で遊びの作用や具体的な実践へつなげています。


著者が一番伝えたいこと

本書を貫いているのは、チームづくりは、言葉で正しいことを伝えるだけでは十分ではないという考え方です。まじめに話し合い、目的や理念を説明しても、緊張や人間関係の壁が残ったままでは、本音や協力が生まれにくい。そこで著者が重視しているのが、安心して参加できる遊びを通じて、まず一緒に体験することです。

ただし、「遊べばチームがよくなる」という単純な主張ではありません。本書は、チームが崩れる原因を整理し、目指す方向を共有し、成長の段階を理解したうえで、遊びによる体験を対話へつなげるところまでを一つのプロセスとして扱っています。タイトルの「遊び」は目を引く言葉ですが、本当に重視されているのは、その先にある関係性と相互理解です。


読むと得られること

本書を読むことで、まず自分のチームがどこでつまずいているのかを整理しやすくなります。会話が少ないのか、目的が共有されていないのか、助け合いが弱いのか、一体感が生まれていないのか。チームを漠然と「雰囲気が悪い」と捉えるのではなく、課題を分けて考える視点が得られます。

さらに、目標やゴールの共有、対話を促すファシリテーターとしての関わり方、チームを段階的に育てる考え方まで学べます。後半では「あうんじゃんけん」のような身近な実践にも触れるため、理論だけで終わらず、「実際に何から始めるか」までイメージしやすい構成です。

特に大きいのは、チームづくりを「何を話すか」だけで考えなくなることです。話し合いを増やしてもうまくいかないときに、まずどんな体験を共有し、どんな場をつくるかという別の視点を持てるようになります。


内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

全体の設計(章の流れをざっくり)

本書は、いきなりゲームのやり方を紹介するのではなく、「なぜ今のチームはうまく機能しないのか」から出発し、チームの立て直し方と成長の仕組みを整理したあとで、「遊び」という方法へ進む構成です。タイトルからゲーム集を想像すると意外ですが、前半から中盤にはチーム論そのものにかなりの比重が置かれています。

第1〜2章では、変化の大きい時代に必要なチーム像を考えながら、恐怖心、目的や理念の共有不足、働く意味の喪失など、チームが弱っていく要因を整理します。第3〜4章では、コミュニケーションの回復や目指すチーム像、リーダーの関わり方、チームの成長段階へと話を進めます。

その土台を踏まえて、第5章でようやく「なぜ遊びなのか」を心理や身体の側面も含めて掘り下げ、第6章ではじゃんけんを使った実践へ落とし込みます。つまり、問題の把握→関係の立て直し→成長プロセス→遊びの意味→実践という順番で、読者が「遊び」をチームづくりの一部として理解できるように設計されています。


大見出し目次(短い目次)

  • 第1章 「遊び」にたどり着くまで
  • 第2章 何がチームを崩壊させたのか?
  • 第3章 チームをつくる鍵は何だろう?
  • 第4章 成功するチームをつくるプロセス
  • 第5章 「遊び」がチームを変える
  • 第6章 実例 〈じゃんけん〉が起こすミラクル


各章の要点

第1章は、「遊び」とチームビルディングがなぜ結びつくのかを理解するための導入です。変化する時代の組織やチームの成長、対話まで扱い、本書独自の発想へ入る準備を整えます。

第2章では、恐怖心、働き方、目的や理念の共有不足など、チームが機能しにくくなる原因を整理します。プロローグの「チームの健康診断」と合わせて、自分たちの課題を考えるパートです。

第3章は、問題分析から立て直しへ移る橋渡しとなる章です。コミュニケーションを取り戻し、目指すチーム像を描き、リーダーが一方的に動かすのではなく、対話を支える立場へ変わる考え方が扱われます。

第4章では、チームを完成品ではなく、時間をかけて育つものとして捉えます。「春夏秋冬」という整理も使いながら、ゴールの共有から成長、評価、継続までを一連のプロセスとして考えていきます。

第5章で、ようやく「遊び」そのものが主役になります。遊びが意識や心身、チームの状態にどう関係すると著者が考えているのかを掘り下げ、第6章の実践へつなぎます。

第6章は、これまでの考え方をじゃんけんという身近な遊びへ落とし込む実践編です。ただ遊ぶのではなく、体験した後に対話するところまで含めてチームづくりと考えるという本書の核が、具体的に見えやすくなります。


忙しい人が先に読むならここ

全部を順番に読む時間がないなら、まず第2章で自分のチームが抱えている問題を整理し、次に第3〜4章で「どう立て直し、どう育てるか」を押さえるのが効率的です。そのうえで本書ならではの特徴を知りたいなら、第5〜6章へ進むと「なぜ遊びなのか」「遊びをどう対話につなげるのか」が理解しやすくなります。

特に実践を急いでいる人は第6章に目が向きやすいですが、遊びだけを切り取ると本書の意図をつかみにくくなります。少なくとも第3〜4章を先に読んでおくと、ゲームを余興ではなく、チームの成長を支える共同体験として使う理由まで理解しやすくなるでしょう。


感想|読んで印象に残ったことと注意点

感想|読んで印象に残ったことと注意点

特に印象に残ったポイント

いちばん印象に残ったのは、「遊び」を単なるレクリエーションではなく、人と人が同じ体験をし、その体験を材料に対話するための入口として捉えていることです。タイトルだけなら、職場で使えるゲームを紹介する本にも見えます。しかし読み進めると、中心にあるのは遊びそのものではなく、遊びによる共通体験から気づきや相互理解、次の行動へつなげる「ゲームダイアログ」だと分かってきます。

その考え方に説得力を持たせていたのが、本題のゲームへ急がない構成でした。恐怖心や目的・理念の共有不足といったチームが崩れる要因を整理し、コミュニケーションの回復、目指すチーム像、リーダーからファシリテーターへの転換、さらにチームの成長過程を経てから「遊び」へ進みます。「遊べば仲良くなれる」という単純な話ではなく、チームの状態を理解したうえで遊びと対話を位置づけているところが腑に落ちました。

もう一つ残ったのが、チームを完成された組織ではなく、変化しながら育つものとして見る視点です。冒頭では会話不足ややらされ感、理念共有、一体感などから自分たちの状態を確認し、中盤ではチームの成長を段階的に捉えていきます。葛藤や停滞も含めてチームの変化を見るため、「今うまくいっていない=メンバーが悪い」と単純に考えない見方につながるのが印象的でした。


すぐ試したくなったこと

まず試してみたいと思ったのは、遊びそのものよりも、自分のチームの状態をいったん客観的に振り返ることです。冒頭の健康診断では、会話の少なさ、助け合いの不足、やらされ感、理念や目的の共有、一体感など、普段は感覚的に捉えがちな問題が整理されています。何となく「雰囲気が悪い」で済ませず、どこに問題があるのかを考える入口として使いやすいと感じました。

もう一つは、チームで何かをするときに「話し合いから始める」以外の選択肢を持つことです。まず一緒に体験し、そのときに起きたことを振り返って対話する。特に、会議を増やしても距離が縮まらないチームでは、この順番を試してみる価値がありそうです。本書を読んでいると、重要なのは高度なゲームを用意することではなく、メンバーが同じ体験を共有し、それを材料に互いを知ることなのだと見えてきます。


読んで気になった点

一方で、本書の説明には、読み手によって評価が分かれそうな部分もあります。特に第5章では、遊びと潜在意識、心身の状態、ポリヴェーガル理論などを結びつけて説明しており、このあたりをどこまで納得して読めるかで印象は変わりそうです。著者自身の経験や独自の考え方も説得材料として多く使われているため、組織心理学の実証研究や定量的なデータを中心に読みたい人には、理論と事例のバランスが気になるかもしれません。

そのため、「遊びによってチームが必ず変わる」という効果の証明を求めるよりも、著者が現場で実践してきた一つのチーム形成アプローチとして読むほうが、本書の良さを受け取りやすいと感じました。遊びをきっかけに、体験と対話の関係をどう捉え直すか。そこに価値を感じられるかどうかが、本書の評価を分けるポイントになりそうです。


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実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

今日からできること

本書を読んだあとに、いきなり大がかりなゲームや研修を導入する必要はありません。まずは自分たちのチームの状態を確認し、「共通体験→対話」という考え方を小さく試すところから始めると取り入れやすいでしょう。

  • 会話量やすれ違い、助け合い、一体感などを振り返り、今のチームで気になる点を整理する。
  • 問題を特定のメンバーの能力だけに求めず、目的共有や関係性、コミュニケーションの状態から考え直す。
  • メンバーと「どんなチームを目指したいか」を話し、方向性にズレがないか確認する。
  • 指示や説明だけで終わらせず、メンバーの考えを引き出す時間を意識してつくる。
  • 会議ばかり増えているなら、対話の量ではなく、本音や相互理解につながっているかを振り返る。
  • 簡単な遊びを取り入れる場合は、遊んで終わらず、感じたことや気づきを話す時間までセットにする。
  • 本書で紹介される「あうんじゃんけん」のような身近な遊びを、体験型の関係づくりの候補として検討する。
  • 一度の取り組みで成果を判断せず、チームの関係性がどう変化するかを継続して観察する。

最初に一つ選ぶなら、「今のチームはどんな状態か」を整理するところからで十分です。状態をつかんでから遊びや対話を取り入れたほうが、本書の考え方を単なるレクリエーションにせず使いやすくなります。


1週間で試すならこうする

Day1:現状を確認する
会話不足、目的共有、助け合い、一体感などの観点から、自分のチームで気になる部分を書き出します。まず問題を曖昧な印象のままにしないことが出発点です。

Day2:問題の見方を変える
「誰が悪いか」ではなく、関係性やコミュニケーション、目的の共有にどんなズレがあるかを考えます。

Day3:目指すチーム像を考える
今の不満だけではなく、「どういう状態になればよいのか」を言葉にしてみます。メンバーと共有できそうな問いも考えておきます。

Day4:対話の機会をつくる
普段の会話やミーティングの中で、一方的に伝えるのではなく、相手の考えを聞く時間を意識して増やします。

Day5:小さな共通体験を試す
本書で扱われる遊びの考え方を参考に、チームで無理なくできる簡単な体験を一つ試すことを検討します。

Day6:体験を対話につなげる
体験そのものの成功・失敗ではなく、「何を感じたか」「相手について何に気づいたか」を振り返ります。本書らしさが出るのは、この対話まで含めた部分です。

Day7:変化を振り返る
一週間でチームが劇的に変わったかではなく、自分の見方や関わり方に変化があったかを確認します。続けられそうな一つだけを次週にも残します。


つまずきやすい点と対策

一つ目は、遊びを取り入れること自体が目的になってしまうことです。本書の軸は、単に楽しい時間を増やすことではなく、共同体験をその後の対話や気づきにつなげることにあります。最初は一つの短い体験を選び、終了後に「何を感じたか」を話すところまでをセットにすると、本来の狙いから外れにくくなります。

二つ目は、リーダーがチームを良くしようとして答えを先に決めてしまうことです。目指すチーム像や課題を整理することは大切ですが、それを一方的に与えると、メンバー同士の対話を重視する本書の考え方とはずれてしまいます。まず問いを投げかけ、相手の考えを聞くところから始めるほうが取り入れやすいでしょう。

三つ目は、一度の実践で大きな変化を期待することです。本書はチームを固定された完成形ではなく、段階を経て育つものとして捉えています。最初から成果を求めるのではなく、「以前より話しやすかったか」「新しい気づきがあったか」といった小さな変化を確認しながら、続けられる取り組みを一つ残していくのがよいでしょう。


比較|似ている本とどう違う?

比較|似ている本とどう違う?

まず違いを一覧で整理

『成功するチームは「遊び」でつくる』の特徴は、チームづくりを「遊びによる共同体験→対話」という流れから考える点です。『チーム・ビルディング[新版] 人と人を「つなぐ」技法』は対話や問い、アクティビティなどを広く扱い、『チームが機能するとはどういうことか』はチーミングや組織学習といった理論寄りの理解を深める方向に重心があります。

重心 向いている人
『成功するチームは「遊び」でつくる』 遊びによる共同体験と対話 会話だけでは関係性が変わらないと感じる人
チーム・ビルディング[新版] 人と人を「つなぐ」技法 対話・問い・アクティビティなどのファシリテーション チームづくりの技法を幅広く学びたい人
チームが機能するとはどういうことか チーミング・組織学習・実行 チームが機能する仕組みを理論面から深めたい人


『チーム・ビルディング[新版] 人と人を「つなぐ」技法』との違い

『成功するチームは「遊び」でつくる』は、遊びを単なる余興ではなく、普段とは違う体験を共有する場として使い、その後の対話や気づきへつなげることを中心にしています。一方、『チーム・ビルディング[新版] 人と人を「つなぐ」技法』は、関係性や会話だけでなく、対話、議論、問い、アクティビティまでをファシリテーションの技法として広く扱う本です。

そのため、会議や話し合いを増やしても距離が縮まらず、「まず一緒に何かを体験する」という別の入口を探しているなら本書が合います。遊びに限定せず、チームビルディングで使える対話や問いなどを幅広く整理して学びたいなら、『チーム・ビルディング[新版]』のほうが目的に近いでしょう。


『チームが機能するとはどういうことか』との違い

本書は、チームの状態確認から成長段階、遊びの作用、じゃんけんを使った実践まで進むため、体験を実際のチームづくりへつなげやすい構成です。『チームが機能するとはどういうことか』は、変化する環境のなかで学習しながら実行する「チーミング」を扱っており、組織学習を含めてチームが機能する仕組みをより理論寄りに掘り下げます。

まず自分たちの関係性を見直し、共同体験や対話を試してみたいなら本書が入りやすいでしょう。反対に、個別の遊びや体験よりも、変化するチームがどう学び、どう機能するのかを深く理解したいなら、『チームが機能するとはどういうことか』が合います。


迷ったらどれを選ぶべき?

とくに本書を選びたいのは、チームビルディングを「もっと話し合うこと」だけで終わらせたくない人です。遊びを入口に共同体験をつくり、そこから対話へ進むという発想に興味があるなら、3冊のなかでも本書の特徴が最もはっきり生きてきます。


著者はどんな人?|この本の信頼性を確認する

著者はどんな人?|この本を書いた背景

著者プロフィール

梅村武史氏は1976年生まれ、東京大学卒。大学卒業後はナポレオン・ヒル財団アジア太平洋本部で脳力開発インストラクターとして活動し、営業でトップの成績を収め、年間ベストマネージャー賞も受賞しています。2012年にはマレーシアでACHIEVUSの開発者と出会い、その後、日本での普及に取り組みました。本書刊行時はアチーバス協会会長、アチーバスジャパン株式会社代表取締役。現在は株式会社遊びるど代表として紹介されています。


著者の経験が本書にどう活きているか

本書のチームビルディング論には、梅村氏自身がチームの力を実感してきた経験と、ACHIEVUSの普及に携わってきた活動が強く反映されています。とくに、勝ち負けを競うのではなく、協力するゲームをチーム形成へ生かす発想は、ACHIEVUSとの出会いが大きな背景になっています。

そのため本書は、一般的な組織論を整理しただけの内容ではありません。梅村氏が実際に関わってきた「遊び」とチームづくりを接続し、共同体験のあとに対話を行う「ゲームダイアログ」という方法へ発展させています。著者自身の実践経験を土台にした一つのチーム形成のアプローチとして読むと、本書の立ち位置がつかみやすくなります。


よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

要約だけ読めば十分?

本の大枠を知りたい人や、購入するか判断したい人なら、要約だけでも「遊びと対話を組み合わせてチームづくりを考える本」という特徴はつかめます。チームの不調を整理し、共同体験から対話、気づき、行動へつなげるという全体像が分かれば、方向性は判断しやすいでしょう。

一方、実際のチームづくりに取り入れたい人は本文まで読んだほうがよいです。チームの状態を振り返る診断、目指すチーム像、リーダーからファシリテーターへの転換、遊びの後の対話などが段階的につながっているため、要点だけでは実践までの流れをつかみにくいからです。


初心者でも読める?

チームビルディングを初めて学ぶ人でも入りやすい構成です。序盤から、会話不足や目的・理念の共有不足、一体感の弱さといった身近な問題を扱い、そこからコミュニケーションやチームの成長へ話を広げていきます。

一方、第5章では潜在意識やポリヴェーガル理論など、心理や身体に関わる考え方も登場します。こうした部分よりも、まずチームづくりの考え方や実践方法を知りたい人は、全体の流れを押さえながら必要な部分を重点的に読む方法でもよいでしょう。


どこから読むべき?

初めて読むなら、プロローグから順番に読むのが分かりやすいです。最初に自分たちのチーム状態を振り返り、第1〜4章で問題点と成長の条件を理解してから、第5〜6章の「遊び」へ進むことで、本書の狙いを誤解しにくくなります。

時間がない場合は、まずプロローグで現状を確認し、第3章で目指すチーム像やリーダーの関わり方、第6章で具体的な実践を見る順番がおすすめです。そのうえで「なぜ遊びが必要なのか」を深めたくなったら、第4〜5章へ戻ると全体をつかみやすくなります。


読む前に注意点はある?

ゲームやレクリエーションのアイデア集を期待すると、少しイメージが違うかもしれません。本書の中心は、遊びそのものよりも、チームの状態を理解し、共通体験をつくり、その後の対話につなげる一連のプロセスにあります。

また、第5章には著者の経験や心理・身体に関する考え方も含まれています。組織行動論の実証研究や統計データを中心に読みたい人とは相性が分かれるところです。「ゲームをすれば心理的安全性が生まれる」と単純化せず、遊び・対話・チーム理解をセットで扱う本として読むと、本書の特徴をつかみやすいでしょう。


まとめ|結局、この本を読む価値はある?

まとめ|結局、この本を読む価値はある?

この本の価値を3つで言うと

1つ目の価値は、チームづくりを「何を話すか」だけでなく、「話す前にどんな体験を共有するか」から考え直せることです。会議や対話を増やすだけでは関係が変わらない場面に対して、安心して普段とは違う自分を出せる共同体験を先につくるという発想を示しています。チームの距離が縮まらないときに、別の入口を持てるのが大きな収穫です。

2つ目の価値は、遊びを単なる余興で終わらせず、対話・気づき・行動までつなげて考えられることです。「ゲームダイアログ」の考え方を通して、楽しい時間をつくること自体ではなく、その体験をどう振り返り、メンバー同士の理解へつなげるかが見えてきます。研修やチーム活動に体験型の要素を取り入れたい人には、持ち帰りやすい視点です。

3つ目の価値は、チームを一度につくり上げるのではなく、状態を確かめながら段階的に育てる視点を得られることです。会話不足や目的の不共有といった問題から始まり、コミュニケーション、目指すチーム像、ファシリテーション、成長段階へと話がつながっています。遊びだけを切り取らず、「チームそのものをどう育てるか」まで考えられる一冊です。


この本をおすすめできる人・合わない人

特におすすめできるのは、会議をしても本音が出ない、メンバー同士の距離が縮まらない、理念を伝えても一体感につながらないと感じているリーダーや管理職です。研修や教育などで、説明だけではなく体験と対話を使った関係づくりを試したい人にも合っています。

一方、ゲームやレクリエーションのアイデアだけを大量に知りたい人や、人事制度・組織構造の設計を中心に学びたい人とは期待がずれる可能性があります。また、実証研究や統計データを中心とした組織論を求める場合、第5章の潜在意識やポリヴェーガル理論など、著者の経験や考え方に比重を置いた部分は好みが分かれるでしょう。


読むならどう活かす?

まず持ち帰りたいのは、いきなり遊びを導入するのではなく、現在のチームがどんな状態なのかを先に見る姿勢です。今日できることとして、会話、目的共有、助け合い、一体感という観点から、自分のチームで気になる部分を書き出してみるだけでも、本書の考え方を実務につなげられます。

そのうえで遊びを試すなら、体験そのものをゴールにせず、終わったあとに感じたことや気づきを話すところまでをセットにします。本書の価値は「遊ぶこと」より、共通体験を対話へつなげる発想にあります。


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兼松 学

ビジネス書・実用書を中心に、年間約80冊を継続して読んでいます。採用・面接・人材育成に関わる実務経験をふまえ、実際に読んだ本をもとに要約・感想・比較レビューを執筆しています。本の内容だけでなく、向いている人、得られる学び、仕事や日常への活かし方まで伝わる記事を心がけています。

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