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【書評】ポイント図解 プロジェクトマネジメントの基本が面白いほど身につく本|要約と感想

【書評】ポイント図解 プロジェクトマネジメントの基本が面白いほど身につく本|要約と感想

プロジェクトを任されたとき、最初に何を決め、どこまで計画し、どう進捗を見ればよいのかで迷う場面があります。『ポイント図解 プロジェクトマネジメントの基本が面白いほど身につく本』は、プロジェクト管理を難しい理論ではなく、制約の中で目標へ近づく「やりくり」として整理する一冊です。

この書評では、本書の要約だけでなく、章の流れ、読んで残ったポイント、実務で試しやすい使い方まで見ていきます。読み進めることで、この本が自分の仕事や学びたい範囲に合うかを購入前に判断しやすくなるはずです。


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もくじ
  1. 結論|この本はどんな人に向いている?
  2. 要約|この本の内容を3分でつかむ
  3. 内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ
  4. 感想|読んで印象に残ったことと注意点
  5. 実践編|この本を読んだあと、どう行動する?
  6. 比較|似ている本とどう違う?
  7. 著者はどんな人?|この本の信頼性を確認する
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|結局、この本を読む価値はある?

結論|この本はどんな人に向いている?

結論|この本はどんな人に向いている?

この本をひとことで言うと

『ポイント図解 プロジェクトマネジメントの基本が面白いほど身につく本』は、プロジェクトを任された人が「何から始め、何を見える化し、どう進めるか」を、目標設定・計画・実行・リーダーシップの順で整理できる入門書です。単にガントチャートやWBSの使い方を覚える本というより、制約のある状況で未来の目標に近づくための「やりくり」を学ぶ本として読むと、役割が分かりやすくなります。


向いている人

まず合うのは、初めてプロジェクトを任されて、どこから手をつければよいか迷っている人です。本書は、プロジェクトと通常業務の違いから入り、6W2H、要求事項、プロジェクト憲章、ステークホルダー管理へ進むため、いきなり細かい管理ツールに入る前に「何を達成するのか」を整理できます。

WBS、ガントチャート、進捗管理、リスク管理などの基本ツールを一度まとめて学びたい人にも向いています。さらに、計画だけでなく、キックオフ、週次の進捗確認、変更対応、チーム育成、終了後の教訓化まで扱うため、プロジェクトを最初から最後まで見通したい人にも使いやすい内容です。

DX、新規事業、業務改善など、通常業務とは違う進め方が必要な仕事に関わる人にも相性がよい本です。不確実な状況を前提に、目標・計画・進捗・リスク・人の動きをどう見える化するかを学べるため、専門書に入る前の基礎固めとして役立ちます。


向いていない人

一方で、PMP試験対策やPMBOKの詳細な体系理解を目的にしている人には、やや物足りない可能性があります。本書は実務導入向けの入門書であり、資格試験用に細部まで網羅するタイプではありません。

また、アジャイルやスクラムを重点的に学びたい人も、期待値を調整したほうがよいでしょう。本書はプロジェクトマネジメント全般に触れつつも、中心はウォーターフォール型、つまり予測型の進め方です。大規模プロジェクトの高度な契約管理やリスク管理を深く学びたい上級者にも、最初の一冊としては易しく感じられるかもしれません。


先に結論(買う価値はある?)

プロジェクトマネジメントをこれから学ぶ人、または現場で急にプロジェクトを任された人なら、読む価値はあります。理由は、プロジェクトの基本、目標設定、計画、実行、思考法、リーダーシップまでを、実務で使う順番に近い流れで整理できるからです。

特に良いのは、プロジェクトを「完璧に管理するもの」ではなく、不確実な状況の中で調整し続けるものとして捉えられる点です。計画表を作って終わりではなく、異変を見つけ、変更に対応し、人を巻き込みながら進める感覚がつかめます。




要約|この本の内容を3分でつかむ

要約|この本の内容を3分でつかむ

重要ポイント3つ

1つ目のポイントは、プロジェクトマネジメントを「未来の不確実な目標に向けたやりくり」として捉えていることです。プロジェクトは、通常業務のように同じ作業を繰り返すものではなく、独自の目標と期限を持つ活動です。そのため本書では、完璧な正解手順を探すのではなく、制約条件の中で目標・計画・進捗・リスクを見える化しながら進める考え方を重視しています。

2つ目は、目標設定から計画、実行までを一連の流れで学べることです。序盤ではプロジェクトの基本や目標設定を扱い、6W2H、要求事項、プロジェクト憲章、ステークホルダー管理などを通じて、そもそも何を達成する活動なのかを明確にします。中盤では、WBS、ガントチャート、マイルストーン、コスト計画、リスク管理表、役割分担表など、計画を具体化するための道具が整理されています。

3つ目は、プロジェクトを動かすにはツールだけでなく、人を巻き込む力も必要だと示していることです。後半では、週次の進捗管理、是正措置、変更対応、チーム育成、終了後の教訓化に加え、バックキャスティング、ボトルネック、クリティカルパス、リーダーシップ、モチベーションまで扱われます。計画表を作るだけで終わらず、実行中に起きるズレや人の動きまで視野に入れている点が、本書の大きな特徴です。


著者が一番伝えたいこと

本書全体を貫いているのは、プロジェクトには画一的な成功マニュアルがないからこそ、合理的・論理的に考え、制約の中で計画し、関係者を巻き込みながら実行する力が必要だという主張です。DX、新規事業、業務改善のように、正解が見えにくく変化の速い仕事では、未来に向けて目標を置き、その実現に向けて動かす力が求められます。

そのため本書は、プロジェクトマネジメントを難しい専門理論としてではなく、曖昧な仕事を形にしていくための実務的な考え方として伝えています。何を決めるのか、何を見える化するのか、どう管理するのか、そして人をどう動かすのか。そうした基本を順番に押さえることで、プロジェクトを前に進める土台を作る本だといえます。


読むと得られること

この本を読むと、まずプロジェクトを任されたときに「何から手をつければいいか」が整理しやすくなります。6W2Hで目標を明確にする、要求事項を確認する、WBSやガントチャートで作業とスケジュールを可視化する、リスクや変更への対応ルールを決める、といった基本行動が見えてくるからです。

また、プロジェクトを進めるうえでつまずきやすいポイントも把握しやすくなります。計画が曖昧なまま進む、関係者の要求がまとまらない、スケジュールが遅れる、変更に振り回されるといった問題に対して、どこを管理すればよいのかを考える視点が得られます。


内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

全体の設計(章の流れをざっくり)

本書は、プロジェクトマネジメントをいきなり専門用語や管理ツールから説明するのではなく、「そもそもプロジェクトとは何か」から始めて、目標設定、計画、実行、思考法、リーダーシップへと段階的に進みます。読者を、知識だけを覚える状態から、実際にプロジェクトを動かす視点へ導く構成です。

特徴的なのは、WBSやガントチャートのような道具に入る前に、6W2H、要求事項、プロジェクト憲章、ステークホルダー管理を扱っている点です。つまり、計画表を作る前に「何を達成するのか」「誰と合意するのか」を固める流れになっています。そのうえで、計画を見える化し、実行中のズレに対応し、最後に人を動かす力へ広げていくため、プロジェクト全体を順番に追いやすい設計です。


大見出し目次(短い目次)

  • はじめに
  • 第1章 プロジェクトの基本をおさえよう
  • 第2章 未来の目標を明確にしよう
  • 第3章 プロジェクトを計画しよう
  • 第4章 プロジェクト計画を実行しよう
  • 第5章 「戦略的思考」を身につけよう
  • 第6章 リーダーシップを発揮しよう


各章の要点

第1章は、プロジェクトを通常業務と分けて理解するための土台です。独自の目標、期限、制約、ステークホルダー、見える化といった基本語彙を押さえることで、以降の章で扱う計画や管理ツールの意味がつかみやすくなります。

第2章は、プロジェクトを始める前の目標整理にあたる章です。6W2H、要求事項、優先順位、プロジェクト憲章、ステークホルダー管理を扱い、「何を達成するのか」を曖昧にしないための橋渡しになっています。

第3章は、計画フェーズの中心です。WBS、ガントチャート、マイルストーン、バッファ、コスト、リスク、役割分担、変更対応まで扱うため、プロジェクトを頭の中だけで抱え込まず、見える形にするための章といえます。

第4章は、計画を実行に移したあとの運用を扱います。キックオフ、週次の進捗管理、是正措置、予防措置、変更要求、チーム育成、終了後の教訓化まで入っており、計画どおりに進まない前提で調整し続ける視点が得られます。

第5章は、管理ツールだけでは補えない判断力の章です。バックキャスティング、ボトルネック、クリティカルパス、目的と目標の違いなどを通じて、どこを見て判断するかを整理します。

第6章は、人を動かす側面に焦点を当てています。リーダーシップ、モチベーション、フォロワーへの対応、非公式のパワーまで扱うことで、プロジェクトは表やルールだけでは動かないという本書全体の着地点につながります。


忙しい人が先に読むならここ

ガイドさん
ガイドさん
全部を一気に読めない場合は、第2章、第3章、第4章を先に押さえると、プロジェクトを始める前後の流れがつかみやすくなります。

優先して読むなら、まず第2章です。プロジェクトでつまずきやすいのは、作業の遅れ以前に、目標や要求事項が曖昧なまま走り出してしまうことだからです。6W2H、要求事項、プロジェクト憲章、ステークホルダー管理は、後の計画づくりの前提になります。

次に読むべきなのは第3章です。ここではWBSやガントチャートをはじめ、コスト、リスク、役割分担、変更対応など、実務で必要になりやすい道具がまとまっています。プロジェクトを「見える化」する感覚をつかむなら、この章が最も実用的です。

そのうえで第4章を読むと、計画を立てた後に何を管理すればよいかが見えてきます。キックオフ、進捗確認、是正措置、変更管理、チーム育成、終了会まで扱うため、プロジェクトを最後まで動かすイメージが持てます。

時間に余裕があれば、第5章と第6章も続けて読む価値があります。特に、単なる進捗管理ではなく、ボトルネックを見抜く視点や、人を巻き込むリーダーシップまで考えたい人には、後半が本書らしい読みどころになります。


感想|読んで印象に残ったことと注意点

感想|読んで印象に残ったことと注意点

特に印象に残ったポイント

読んでいて一番印象に残ったのは、プロジェクトマネジメントを「管理」よりも「やりくり」として捉えているところです。プロジェクトというと、どうしてもスケジュール表や管理表をきれいに作るイメージが先に立ちますが、本書ではその前に、不確実な未来の目標に向かって、制約の中で何を見える化し、どう調整するかが大事だと伝わってきます。

この見方が腑に落ちたのは、本書の流れがいきなりWBSやガントチャートに入らないからです。序盤では、プロジェクトと通常業務の違い、制約、ステークホルダー、目標設定、要求事項、プロジェクト憲章といった土台から扱われます。読んでいると、計画を作る前に「そもそも何を達成する活動なのか」をはっきりさせることが、プロジェクトの出発点なのだと自然に理解できます。

もう一つ残ったのは、計画と実行を分けて終わらせない構成です。第3章でWBS、ガントチャート、コスト計画、リスク管理表などを扱ったあと、第4章でキックオフ、進捗管理、是正措置、変更要求、チーム育成、終了会まで進みます。最初にきれいな計画を立てることよりも、計画どおりに進まない状況を前提に、異変を見つけて調整し続けることが大事なのだと感じました。


すぐ試したくなったこと

まず試したくなったのは、プロジェクト開始前に6W2Hで目標や前提を整理することです。何となく始めてから細かいタスクを並べるのではなく、目的、関係者、期限、条件を先に言語化することで、後からのやり直しを減らせそうだと感じました。

次に使ってみたいと思ったのは、WBSやガントチャートを単なる管理表ではなく、プロジェクトを共有可能な形にする道具として使うことです。本書では、計画とはスケジュールを並べるだけではなく、成果物、予算、リスク、役割、変更への対応まで含めて整えるものとして扱われます。頭の中で抱え込まず、分解して見える形にするという考え方は、すぐ実務に持ち込みやすい部分です。

また、週1回の進捗管理や進捗レポート、終了後に教訓を残す流れも印象に残りました。プロジェクトは始める前の設計だけでなく、進んでいる途中の確認と、終わった後の振り返りまで含めて管理するものだと分かります。特に、異変があったときに是正措置や予防措置につなげる考え方は、計画を守るためというより、次の判断の質を上げるために試したくなりました。


読んで気になった点

気になった点を挙げるなら、扱う範囲がかなり広いことです。プロジェクトの基本から、目標設定、WBS、ガントチャート、コスト、リスク、変更管理、戦略的思考、リーダーシップ、モチベーションまで進むため、1つひとつを深く掘り下げる本というより、全体像をつかむための入門書として読むほうが合っています。

そのため、PMP試験対策のような詳細な体系知識を求める人や、大規模プロジェクトの高度な管理論を学びたい人には、少し物足りなく感じるかもしれません。また、本書の中心はウォーターフォール型、つまり予測型のプロジェクトマネジメントなので、アジャイルやスクラムを重点的に学びたい人も、期待値を調整しておいたほうがよさそうです。

ただ、この広さは弱点だけではありません。初めてプロジェクトを任された人にとっては、どこから考えればいいのか、どの道具がどの場面で必要になるのかを一冊で見渡せる安心感があります。読み終えて残ったのは、完璧な管理方法を覚えたというより、不確実な状況で何を決め、何を見える化し、どう調整していくかを考えるための地図を持てた感覚でした。




実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

今日からできること

この本は、読んで理解するだけでなく、今動いている仕事やこれから始まるプロジェクトに当てはめると価値が出やすい内容です。まずは大きな仕組みを作るより、目標・関係者・作業・リスクを見える形にするところから始めると取り入れやすくなります。

  • 進行中の仕事を1つ選び、それが「独自の目標」と「期限」を持つ活動か確認する。
  • そのプロジェクトの目的、期限、関係者、制約条件を6W2Hで書き出す。
  • 要求事項を整理し、「誰が何を望んでいるのか」を一度言葉にする。
  • 利害がぶつかりそうな要求に優先順位をつけ、後で迷う点を減らす。
  • 関係者を一覧化し、誰に何を共有すべきかを見えるようにする。
  • 成果物や作業をWBSの考え方で細かく分解してみる。
  • 分解した作業をガントチャートの形で並べ、期限とのズレを見る。
  • 予算や工数に不安がある箇所を洗い出し、コスト管理の対象にする。
  • 起こりそうなリスクを数個書き出し、発生時の対応を先に考える。
  • 週1回の進捗確認日を決め、異変を見つけるための場を作る。

最初からすべてを整える必要はありません。まずは6W2Hと関係者整理だけでも、プロジェクトの曖昧さを減らす入口になります。


1週間で試すならこうする

Day1は、対象にするプロジェクトを1つ決めます。新規事業や業務改善のような大きなものだけでなく、期限と成果物がある仕事なら練習対象にできます。

Day2は、6W2Hでプロジェクトの前提を書き出します。目的、期限、関係者、条件を言語化し、曖昧なまま進めている部分を見つけます。

Day3は、要求事項とステークホルダーを整理します。関係者ごとに期待していることを分け、優先順位をつける必要があるものを確認します。

Day4は、WBSの考え方で作業や成果物を分解します。大きなタスクをそのまま抱えず、管理できる単位まで細かくすることを意識します。

Day5は、分解した作業をガントチャートの形で並べます。締切に対して無理がある箇所、依存関係がありそうな箇所、バッファが必要な箇所を見ます。

Day6は、コストとリスクを確認します。予算や工数が膨らみそうな部分、遅延や変更が起きそうな部分を洗い出し、対応の優先順位を決めます。

Day7は、進捗確認のルールを決めます。週1回の確認タイミング、進捗レポートに入れる項目、変更要求が出たときの扱いを簡単に決めておくと、実行に移しやすくなります。


つまずきやすい点と対策

最初につまずきやすいのは、目標設定を急いでしまうことです。プロジェクトを早く進めたい気持ちが強いと、すぐに作業分解やスケジュール作成に入りたくなります。しかし、目的や目標、要求事項が曖昧なままだと、あとから「何を達成すればよかったのか」がずれやすくなります。まずは6W2Hを使って、関係者、期限、成果、条件を短く書き出すところから始めると、無理なく整理できます。

次につまずきやすいのは、WBSやガントチャートをきれいに作ること自体が目的になってしまうことです。本書で扱うツールは、計画を立派に見せるためではなく、未来の作業やリスクを見える化するためのものです。最初から完璧な表を作ろうとせず、まずは大きな成果物や作業を並べ、抜け漏れや順番の違和感に気づくために使うと実践しやすくなります。

リスク管理でも、すべての不安を細かく洗い出そうとして止まってしまうことがあります。リスクを考える目的は、不安を増やすことではなく、起こりやすい問題や影響が大きい問題に先回りすることです。まずは「遅れそうな作業」「関係者の合意が必要な部分」「変更が出ると影響が大きい部分」に絞って見るだけでも、計画の見通しは変わります。


比較|似ている本とどう違う?

比較|似ている本とどう違う?

まず違いを一覧で整理

『ポイント図解 プロジェクトマネジメントの基本が面白いほど身につく本』は、プロジェクトマネジメントを初めて実践する人が、目標設定から計画・実行・人間力までを一通り見渡すための入門書です。似たテーマの本でも、実践講座型で学ぶのか、より広いPMスキルまで広げるのかで選び方が変わります。

重心 向いている人
『ポイント図解 プロジェクトマネジメントの基本が面白いほど身につく本』 図解で全体像と基本ツールを押さえる 初めてPMを実践する人
『担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座』 目標設定・計画・実行を実践講座型で学ぶ 同じ著者の考え方を実務寄りに深めたい人
プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本 交渉・タスク・見積り・契約・要件定義まで広く扱う PMスキルを広めに補強したい人


『担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座』との違い

本書は、プロジェクトマネジメントの基本を、プロジェクトの定義、目標設定、計画、実行、思考法、リーダーシップまで順に見渡す図解入門書です。一方で『担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座』は、同じ伊藤大輔氏の著作で、目標設定・計画・実行の3視点をより実践講座型に扱う本として整理できます。

最初に全体像をつかみたい人には本書が合います。WBSやガントチャートなどの基本ツールに触れながら、プロジェクトをどう前に進めるかを広く押さえられるからです。同じ著者の考え方を土台にしつつ、より実践講座として深めたい人は『担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座』を選ぶとつながりが作りやすいです。


『プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本』との違い

本書は、これからプロジェクトマネジメントを実践する人が、最低限押さえたい知識・技術・思考を84テーマで学ぶ本です。図解、見開き完結、基本ツール、人間力までの流れが特徴で、初めてプロジェクトを任された人が「何から考えるか」を整理しやすい構成になっています。

一方で『プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本』は、PMの基本スキルをより広く扱い、交渉、タスク、見積り、契約、要件定義などまで含めて学ぶ本です。まずプロジェクトの流れと道具を押さえたい人には本書、より広い実務領域まで視野に入れてPMスキルを補強したい人には『プロジェクトマネジメントの基本が全部わかる本』が合います。


迷ったらどれを選ぶべき?

本書を選ぶべきなのは、プロジェクトマネジメントを専門体系として深く学ぶ前に、まず仕事で使う基本の地図がほしい人です。目標設定、WBS、ガントチャート、進捗管理、リスク対応、リーダーシップまでを一冊で見渡せるため、プロジェクトを前にして何から手をつけるかを整理したい段階に向いています。


著者はどんな人?|この本の信頼性を確認する

著者はどんな人?|この本を書いた背景

著者プロフィール

伊藤大輔氏は、プロジェクトマネジメントの知識と技術を活用した教育研修事業、実務支援事業、システム開発・販売事業に関わる実業家です。日本PMO協会ではDaisuke Ito, MBA, PMP, CSMとして、会長・理事・Founderの肩書きで紹介されています。また、日本プロジェクトソリューションズの書籍紹介では、日本プロジェクトソリューションズ株式会社代表取締役社長等の肩書きで著者として扱われています。


著者の経験が本書にどう活きているか

本書の信頼性は、プロジェクトマネジメントを単なる知識としてではなく、教育研修や実務支援の文脈で扱ってきた著者の活動と結びついています。内容も、プロジェクトの定義から目標設定、WBS、ガントチャート、リスク管理、変更管理、進捗管理、リーダーシップまで、実務で必要になりやすい要素を順番に整理する構成です。

特に、プロジェクトを「未来の目標に向けて制約の中で進める活動」と捉え、知識・技術だけでなく人間力にも触れている点に、著者の専門領域との接点が出ています。高度な専門体系を網羅する本というより、これから実践する人に向けて、仕事で使う基本の道具と思考を渡す入門書として読むと位置づけが分かりやすいです。


よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

要約だけ読めば十分?

本の大枠を知りたいだけなら、要約でも「プロジェクトの基本から目標設定、計画、実行、リーダーシップまでを扱う入門書」という位置づけはつかめます。購入前に、自分の課題に合うかを判断する目的なら、章の流れや向いている読者を確認するだけでも十分参考になります。

ただし、実際の仕事に移したい人は本文まで読んだほうがよい本です。WBS、ガントチャート、リスク管理、変更管理、進捗レポートなどは、言葉を知るだけでは使いにくく、どういう順番で考えるかまで押さえる必要があります。特に、プロジェクトを初めて任された人は、要約で終わらせず、計画と実行に関わる中盤を読む価値があります。


初心者でも読める?

初心者でも読みやすい部類の本です。見開き完結、図解・イラスト、84テーマという形式で、プロジェクトマネジメントを初めて実践する人に向けて基本を整理しています。プロジェクトとは何か、目標をどう決めるか、進捗や変更をどう扱うかという順で進むため、最初から専門体系を深く学ぶ本より入りやすいです。

一方で、WBS、ガントチャート、ステークホルダー、プロジェクト憲章など、仕事で使う用語は多く出てきます。完全に何の関心もない状態で読むより、「計画が曖昧になりがち」「関係者の要求がまとまらない」「スケジュールが遅れる」といった実務上の悩みを持っている人のほうが、内容を自分ごとにしやすいです。


どこから読むべき?

基本的には通読向きです。本書は、プロジェクトとは何かを押さえたあと、目標設定、計画、実行、思考法、人間力へ進む流れになっているため、前から読むとプロジェクト全体のつながりを理解しやすくなります。

忙しい人は、まず第2章と第3章を優先するとよいです。第2章では6W2H、要求事項、プロジェクト憲章、ステークホルダー管理を通じて「何を達成するのか」を整理できます。第3章ではWBS、ガントチャート、コスト、リスク、役割分担など、実務で使う管理ツールがまとまっています。すでに計画が動いている人は、第4章の進捗管理や変更対応から読むのも現実的です。


読む前に注意点はある?

本書は、プロジェクトマネジメントの高度な専門体系を網羅する本ではなく、入門者・実践開始者に向けて基本を絞った本です。PMBOKのような詳細な理論を深く学びたい人や、すでに大規模プロジェクトを複数経験している人には、基礎的に感じられる可能性があります。

もう一つの注意点は、主にウォーターフォール型、つまり予測型を中心に扱う本だということです。アジャイル型やスクラムを深く学びたい人は、期待する内容と少しずれるかもしれません。万能の成功マニュアルとしてではなく、不確実な仕事を前に進めるための基本の道具と思考を整理する本として読むと、強みが見えやすくなります。


まとめ|結局、この本を読む価値はある?

まとめ|結局、この本を読む価値はある?

この本の価値を3つで言うと

1つ目の価値は、プロジェクトマネジメントを「難しい専門理論」ではなく、不確実な仕事を前に進めるための基本動作として捉え直せることです。プロジェクトの定義から、目標設定、計画、実行、人を動かす力まで順番に整理されているため、初めてプロジェクトを任された人でも全体像をつかみやすくなっています。何から考えればよいか分からない状態から、まず見るべき地図を持てるのが大きな利点です。

2つ目の価値は、実務で使う道具を一通り見渡せることです。6W2H、要求事項、WBS、ガントチャート、マイルストーン、コスト管理、リスク管理、変更管理、進捗レポートなど、プロジェクトがつまずきやすい場面に関わる項目がまとまっています。専門体系を深く掘る前に、最低限どんな道具と思考を持っておけばよいかを確認できます。

3つ目の価値は、プロジェクトを表やスケジュールだけで終わらせず、人を通じて成果を出す視点まで扱っていることです。後半では戦略的思考やリーダーシップ、モチベーションにも話が広がります。管理ツールを覚えるだけでなく、曖昧な仕事を言語化し、可視化し、関係者を巻き込みながら進める姿勢まで持ち帰れる本です。


この本をおすすめできる人・合わない人

おすすめできるのは、初めてプロジェクトを任された人、WBSやガントチャートなどの基本ツールを整理したい人、DX・新規事業・業務改善のように不確実性の高い仕事を進める人です。専門体系に入る前に、プロジェクトの全体像をつかむ入口として相性がよい本です。

一方で、PMP試験対策やPMBOKの網羅的な解説を求める人には、目的が少し違います。また、本書の中心はウォーターフォール型、つまり予測型のプロジェクトマネジメントです。アジャイルやスクラムを重点的に学びたい人は、その期待で読むとズレを感じやすいでしょう。


読むならどう活かす?

ガイドさん
ガイドさん
全部を一度に実践しようとしなくて大丈夫です。まずは今の仕事に近い項目を1つだけ選ぶと使いやすい本です。

読むなら、最初の一歩は「いま抱えている仕事をプロジェクトとして見える化すること」です。今日の会議後に5分だけ、目標、関係者、期限、制約、決まっていないことを書き出してみるだけでも、本書の考え方を仕事に接続しやすくなります。

次に、WBSやガントチャートの考え方を使って、成果物と作業を分けて整理するとよいでしょう。さらに、変更要求やリスクが起きたときに場当たり的に動くのではなく、影響を確認してから判断する癖をつけると、本書の実務的な価値が見えやすくなります。


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兼松 学

ビジネス書・実用書を中心に、年間約80冊を継続して読んでいます。採用・面接・人材育成に関わる実務経験をふまえ、実際に読んだ本をもとに要約・感想・比較レビューを執筆しています。本の内容だけでなく、向いている人、得られる学び、仕事や日常への活かし方まで伝わる記事を心がけています。

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