
目標数字はあるのに、現場の行動につながらない。そんな違和感がある人にとって、『最高の結果を出すKPIマネジメント』は、KPIを「見る数字」ではなく、事業や組織を動かす仕組みとして捉え直すきっかけになる本です。
この記事では、本書の要点、章の流れ、読んで印象に残った点、実践時の注意点まで整理します。読み進めることで、この本が自分の課題に合うか、購入前に判断しやすくなるはずです。
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結論|この本はどんな人に向いている?

この本をひとことで言うと
『最高の結果を出すKPIマネジメント』は、KPIを「数字を眺めるための管理項目」ではなく、事業や組織を動かすための実践的なマネジメント手法として学び直す本です。KPI、KGI、CSFの関係を整理しながら、成果につながる最重要プロセスをどう見極め、どう運用・改善していくかを考える内容になっています。
単なる用語解説ではなく、KPIを設定したあとに現場で機能させることまで視野に入っているのが特徴です。「KPIを置いているのに、なぜ成果につながらないのか」と感じている人にとって、数字の見方そのものを見直すきっかけになる一冊です。
向いている人
この本が特に向いているのは、KPIを基礎から理解したいビジネスパーソンです。KPI、KGI、CSFの違いが曖昧なまま使っている人や、会議で数字は確認しているものの、日々の行動に落ちていないと感じている人には、整理しながら読み進めやすい内容です。
また、KPI設計や運用を任された管理職、リーダー、マネジャーにも合います。第1章で基礎を押さえ、第2章で実践時の注意点に進み、第4章・第5章で事例や作成手順に入る流れなので、理解だけで終わらせず、自分の組織や業務に引き寄せて考えやすい構成です。
事業計画、営業管理、採用、広報、スタッフ部門など、成果指標をどう設計するかに関わる人にも読みどころがあります。KPIを事業部門だけの話に閉じず、幅広い業務に応用できるものとして扱っている点も、本書の使いやすさにつながっています。
向いていない人
一方で、すぐに使えるテンプレートだけを探している人には、少し期待とずれるかもしれません。本書の中心は、表を埋めるための型ではなく、成果につながるプロセスを見極め、関係者で共有し、運用しながら改善していく考え方にあります。
また、高度な統計分析やデータサイエンスの手法を学びたい人、OKRやBSCなど他のフレームワークとの詳細な理論比較を期待する人にも、主目的は合いにくいです。あくまで、KPIを現場で機能させるための実践的なマネジメント本として読むほうが、得られるものは大きいはずです。
先に結論(買う価値はある?)
KPIを設定しているのに現場が動かない、数字を見ているだけで改善につながっていない、という課題があるなら、読む価値はあります。理由は、本書がKPIを単なる数値目標ではなく、KGI達成につながるCSFを数値化し、組織で実行・改善していく仕組みとして説明しているからです。
ただし、「読めばすぐ成果が出る本」として期待するより、いまのKPI設計や運用を点検するための本として読むのが適切です。KPIを増やすのではなく、何に集中すべきかをそろえたい人にとって、かなり実務に近い判断材料をくれる一冊です。
要約|この本の内容を3分でつかむ

重要ポイント3つ
1つ目の重要ポイントは、KPIを単なる数値目標ではなく、事業成功の鍵となるプロセスを動かすための仕組みとして捉えることです。本書では、KGI、CSF、KPIの関係を整理し、最終的なゴールに向かって何を最重要プロセスとして見るべきかを考えていきます。数字を置くこと自体が目的ではなく、その数字が現場の行動や改善につながるかどうかが重視されています。
2つ目は、「たくさんの数字を管理すること」と「KPIマネジメント」は違う、という点です。本書の出発点には、数値を眺めるだけで事業運営している状態から抜け出すという問題意識があります。特に、KPIは「信号」だから「1つ」という考え方は、何を優先すべきかが曖昧になりがちな組織にとって、大きな整理軸になります。
3つ目は、KPIを作って終わりにしないことです。本書は、KPIの基礎から始まり、設計ステップ、運用時の注意点、経営視点、事例、実際に作る流れへと進みます。営業、採用、広報、スタッフ部門、個人の成長や健康まで扱われるため、KPIを一部の事業部門だけのものではなく、さまざまな場面で使える考え方として捉えやすくなっています。
著者が一番伝えたいこと
著者が一番伝えたいのは、KPIマネジメントを「なんとなく数字を見る活動」で終わらせず、事業成果につながる現場の行動へ結びつけることです。本書は冒頭から、単に数値を眺めるだけのKPI運用への問題意識を置き、KPI・CSF・KGIを関係者全員で共有し、実行し、改善していくことを中心に据えています。
その背景には、リクルートグループで長く続いたKPI講座と、著者自身が事業責任者としてKPIマネジメントを実践してきた経験があります。理論をきれいに紹介するというより、現場で使える形に落とし込むことに重心があります。だから本書は、KPIの意味を説明する入門書であると同時に、すでにKPIを使っている人が自分たちの運用を見直すための実務書でもあります。
読むと得られること
この本を読むと、まずKPI・KGI・CSFの関係を整理できます。KPIという言葉は知っていても、実際の業務では「何を達成したいのか」「そのためにどのプロセスが重要なのか」「どの数字を見ればよいのか」が混ざりがちです。本書は、その順番を整理し、KPIを設定する前に考えるべきことを明確にしてくれます。
次に、今あるKPIが本当に機能しているかを見直す視点が得られます。自組織で追っている数字がKGIにつながっているか、CSFが絞れているか、運用性や事前対策まで考えられているかを確認できるようになります。KPI会議が単なる数字報告になっている場合にも、どこを見直すべきかの手がかりになります。
さらに、KPIを実際に作り、動かし、改善するための流れもつかめます。前半で基礎を押さえ、中盤で実践上の注意点を学び、後半で事例と作成手順に進む構成なので、理解だけで終わりにくい本です。読み終えたあとには、KPIを数字の一覧ではなく、組織が何に集中するかを決めるための道具として捉え直せるはずです。
内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

全体の設計(章の流れをざっくり)
本書は、KPIの意味を説明して終わるのではなく、実際に自分の組織や業務で使える状態まで読者を導く構成です。流れとしては、まずKPI・KGI・CSFの関係を整理し、次にKPIを機能させるための実践上の注意点を押さえ、そのうえで事業や会社全体の前提、具体的なケース、最後に自分で作る手順へ進みます。
特徴的なのは、いきなり指標の例を並べるのではなく、「何を達成したいのか」「どのプロセスが最重要なのか」「その進み具合をどう測るのか」という順番で考えさせる点です。KPIを数字の一覧ではなく、現場の行動を絞るためのマネジメント手法として理解できるように設計されています。
大見出し目次(短い目次)
- はじめに リクルートグループで10年以上教えてきた「KPI講座」
- 第1章 KPIの基礎知識
- 第2章 KIPマネジメントを実践するコツ
- 第3章 KPIマネジメントを実践する前に知っておいてほしい3つのこと
- 第4章 さまざまなケースから学ぶKPI事例集
- 第5章 KPIを作ってみよう
- おわりに
各章の要点
第1章では、KPIの基本から作成手順までを扱います。KPIを考える前に、プロセスを確認し、CSFを絞り、目標や運用性を確認する流れが示されるため、本書全体の土台になる章です。
第2章では、KPIを現場で使うための考え方が中心になります。特に、KPIを多く持ちすぎず、信号として機能するように絞る考え方や、PDDSによる検証が重要な橋渡しになります。
第3章では、KPIを設定する前提として、会社や事業の方向性、KGI、利益の考え方を確認します。KPIだけを切り出して考えないための章であり、事業全体とのつながりを整える役割があります。
第4章では、営業、採用、広報、スタッフ部門、個人目標など、複数のケースを通じてKPIの応用範囲を確認できます。KPIが特定の部門だけの話ではなく、目的に応じて設計されるものだと理解しやすいパートです。
第5章では、ここまでの内容を使って実際にKPIを作る流れに入ります。KGIの確認、ギャップ把握、プロセス確認、CSFの絞り込み、運用と改善まで進むため、読後に行動へ移しやすい章です。
忙しい人が先に読むならここ
先に読むなら、まず第1章です。KPI・KGI・CSFの関係が曖昧なまま先へ進むと、本書の主張である「事業成功の鍵を数値化する」という考え方がつかみにくくなります。基礎を知っているつもりの人でも、ここで用語の意味をそろえておくと後半が読みやすくなります。
次に優先したいのは第2章です。特に、KPIをたくさん置けばよいわけではないという視点や、現場で機能するかどうかを見極める考え方は、本書の読みどころです。KPIを設定しているのに会議で数字を確認するだけになっている人は、この章から得られるものが多いはずです。
最後に第5章を読むと、理解した内容を自分の業務に移しやすくなります。KPIを作る前の準備から、KGIの確認、プロセスの整理、対策の事前検討、関係者との合意まで扱うため、実務で使うための道筋が見えます。時間に余裕があれば、第4章の事例をあわせて読むと、自分の部門に近いケースへ置き換えやすくなります。
感想|読んで印象に残ったことと注意点

特に印象に残ったポイント
読んでいていちばん印象に残ったのは、KPIを「見る数字」ではなく「組織を動かす仕組み」として捉え直している点です。KPIという言葉は仕事の中でよく出てきますが、本書が問題にしているのは、数字を設定しているかどうかではなく、その数字が本当に行動と成果につながっているかどうかです。この視点があるだけで、KPIを見る目がかなり変わります。
特に、「なんちゃってKPI」から脱却するという問題意識は、本書全体の軸として強く残りました。単に数値を眺めるのではなく、事業にとっての最重要プロセスを明確にし、それをどの程度実行すれば目標に近づくのかを関係者で共有し、改善していく。KPI・CSF・KGIの関係がこの流れの中で整理されているため、KPIを「目標数字の一覧」として扱ってしまう感覚にブレーキがかかります。
構成面でも、いきなり事例やテンプレートに入らず、基礎、運用のコツ、経営視点、事例、作成手順へと進む流れが実務寄りだと感じました。第1章で土台を作り、第2章で「KPIは1つ」という考え方やダメなKPIの見分け方に進み、最後に自分で作る流れへ移るので、理解だけで終わらせない設計になっています。著者がリクルートグループで長く講座を担当し、自身も事業責任者として実践してきた背景も、説明に現場感を与えています。
すぐ試したくなったこと
読んでまず試したくなったのは、今追っているKPIが本当にKGIにつながっているかを確認することです。数字を見ているつもりでも、その数字が事業計画の達成にどう関係しているのかが曖昧なままだと、現場の行動は変わりにくい。そう考えると、最初に見直すべきなのは新しい指標を増やすことではなく、既存の指標の意味を問い直すことだと感じました。
もうひとつ試したくなったのは、CSFを絞ることです。本書では、KPIをたくさん持つのではなく、信号として機能するように重要なものへ絞る考え方が重視されています。追う数字が多いほど管理できている気になりますが、実際には何に集中すべきかがぼやけることもあります。だからこそ、自分たちの事業にとって最重要のプロセスは何かを考えるところから始めたくなります。
また、KPIを作った後の扱い方も見直したくなりました。運用性の確認、事前対策、コンセンサス、PDDS、継続的な改善といった論点が並んでいるため、KPIは設定して終わりではないことがよく分かります。数字を決めることよりも、その数字を見ながら組織がどう動き続けるかが大事なのだと受け取りました。
読んで気になった点
気になった点を挙げるなら、出版社側の打ち出しはかなり力強い一方で、実際の読後感は派手な成功法則というより、地道にKPIを設計し直すための堅実な本だということです。「最強の手法」や「実践バイブル」のような印象で手に取ると、即効性のあるテンプレート集を期待する人もいるかもしれません。ただ、本書の重心は、成果につながるプロセスをどう見極め、組織でどう運用するかにあります。
もう一つ、人によって評価が分かれそうなのは、扱う範囲の広さです。営業、採用、広報、スタッフ部門、個人の成長や健康まで事例が広がるため、KPIを事業部門だけのものとして見ない助けになります。一方で、特定の業界や高度な分析手法を深く掘り下げたい人には、関心の中心と少しずれる部分もありそうです。
「KPIは1つ」という考え方も、読み方には注意が必要だと感じました。これは他の数字を一切見ないという話ではなく、最も重要なプロセスに集中するための考え方として受け取るほうが自然です。KPIマネジメントを万能薬とはせず、正しく理解して使うことを重視している点まで含めて読むと、本書の現実的な価値が見えやすくなります。
実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

今日からできること
本書は、読んで終わるよりも、自分の組織や仕事で使っている数字を見直すことで価値が出る本です。まずは新しいKPIを作る前に、今ある指標が本当に現場の行動につながっているかを確認するところから始めると取り組みやすいです。
- 自組織で現在追っているKPIをすべて書き出し、何のための数字かを確認する。
- そのKPIが、最終的に達成したいKGIとどうつながっているかを言葉にする。
- 追っている数字が多すぎないかを見直し、現場が迷わず見られる指標か確認する。
- 事業にとって今いちばん重要なプロセスは何かを、関係者と話してみる。
- KPIを決める前に、業務の流れを簡単に書き出してプロセスを見える化する。
- 既存のKPI会議が、数字報告だけで終わっていないか振り返る。
- KPIを見たあとに、次の行動や対策まで話せているかを確認する。
- 関係者がそのKPIの意味を同じように理解しているかを確かめる。
- KPIを設定した後に、振り返りや改善のタイミングが決まっているかを見直す。
最初から完璧なKPIを作ろうとするより、まずは「今のKPIは本当にKGIにつながっているか」を確認するだけでも十分です。そこから、CSFの絞り込みや運用の見直しへ進めると、本書の考え方を実務に移しやすくなります。
1週間で試すならこうする
Day1は、今見ているKPIを棚卸しします。部署やプロジェクトで使っている数字を並べ、どれが成果に直結する指標なのかを確認します。
Day2は、KGIを確認します。最終的に何を達成したいのかを言葉にし、KPIがその達成に向かう途中の指標になっているかを見ます。
Day3は、業務プロセスを簡単に書き出します。どの行動やプロセスが成果に影響しているのかを、流れとして見えるようにします。
Day4は、CSFを絞ります。すべてを重要と考えるのではなく、今の事業や業務で最も成果に効くプロセスは何かを考えます。
Day5は、KPIが「信号」として機能しているかを確認します。現場がその数字を見て、次に何をすべきか判断できる状態になっているかを見直します。
Day6は、関係者と認識を合わせます。KPIの意味、見方、目標、対策の方向性について、同じ理解で動けそうかを確認します。
Day7は、振り返りの仕組みを決めます。KPIを設定して終わりにせず、いつ確認し、どう改善するかまで小さく決めておきます。
つまずきやすい点と対策
まず起こりやすいのは、KPIを整理しようとして、逆に見る数字を増やしてしまうことです。KPI候補を出すこと自体は必要ですが、本書の軸は「たくさん管理すること」ではなく、最重要プロセスを見極めることにあります。小さく始めるなら、既存の数字を増やす前に「いまのKPIの中で、現場の行動を変える信号になっているものはどれか」を1つ選ぶところからで十分です。
次につまずきやすいのは、KGI、CSF、KPIを分けずに同じ「目標」として扱ってしまうことです。最終的な成果、成果に近づくための重要プロセス、そのプロセスを測る数字が混ざると、何を改善すべきかが曖昧になります。対策としては、まず1つの業務だけを題材にして、KGI、CSF、KPIを3行で書き分けるところから始めると整理しやすくなります。
また、KPIを決めたあとに、関係者との合意がないまま運用を始めてしまうこともあります。数字だけ決めても、誰が見て、どのタイミングで判断し、悪化したら何を変えるのかが共有されていなければ、会議で確認するだけになりがちです。小さく始めるなら、最初から大きな会議体を作るのではなく、関係者に「このKPIを見て何を判断するのか」を確認する場を1回設けるだけでも前進になります。
比較|似ている本とどう違う?

まず違いを一覧で整理
『最高の結果を出すKPIマネジメント』は、KPIを単なる数字管理ではなく、事業や組織を動かす仕組みとして学ぶ本です。似た本として考えやすいのは、同じ著者の『「数字で考える」は武器になる』と、本書の実践編にあたる『最高の結果を出すKPI実践ノート』です。
| 本 | 重心 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 『最高の結果を出すKPIマネジメント』 | KPIの考え方と設計・運用 | KPIを基礎から実務に落としたい人 |
| 『「数字で考える」は武器になる』 | 数字の読み方・考え方 | KPI以前の数字思考を整えたい人 |
| 『最高の結果を出すKPI実践ノート』 | ワークやシートによる実践 | KPIを手を動かして作りたい人 |
『最高の結果を出すKPI実践ノート』との違い
『最高の結果を出すKPIマネジメント』は、KPI・KGI・CSFの関係を整理し、事業成功につながる最重要プロセスをどう見極めるかに重心があります。単に数字を読むだけではなく、その数字を現場の行動や改善につなげるためのマネジメント本です。一方で『「数字で考える」は武器になる』は、KPI設計の前提になる数字の読み方や考え方を補う本として位置づけやすい一冊です。
KPIを作る、運用する、会議や組織の判断に結びつけるところまで考えたいなら、本書のほうが目的に合います。逆に、そもそもビジネス上の数字をどう捉えればよいか、数字に強くなる入口を作りたい人には『「数字で考える」は武器になる』が合いやすいです。
『KPI大全 重要経営指標100の読み方&使い方』との違い
『最高の結果を出すKPIマネジメント』は、KPIとは何か、なぜ多くのKPIが機能しないのか、どう設計し運用するのかを段階的に理解する本です。基礎、実践のコツ、経営視点、事例、作成手順までを通して、KPIマネジメントの考え方をつかむ構成になっています。一方で『最高の結果を出すKPI実践ノート』は、本書の内容をより実践的なワークやシートに落とし込みたい読者向けです。
まず考え方を理解し、自分の組織で何をKPIにすべきかを判断できるようになりたいなら、本書から読むのが自然です。すでに本書の考え方を押さえていて、実際に書き出しながらKPIマネジメントを始めたい人には『最高の結果を出すKPI実践ノート』が向いています。
迷ったらどれを選ぶべき?
- KPIの考え方から設計運用まで学びたい:『最高の結果を出すKPIマネジメント』
- 数字への苦手意識を先に減らしたい:『「数字で考える」は武器になる』
- ワーク形式でKPI作成に進みたい:『最高の結果を出すKPI実践ノート』
迷った場合は、まず『最高の結果を出すKPIマネジメント』を選ぶのが使いやすいです。KPIを「見る数字」ではなく「組織が何に集中するかをそろえる道具」として理解できるため、数字思考の本や実践ノートに進む前の土台になります。KPIを任された人、KPIを置いているのに現場が動かないと感じる人には、最初の一冊として選びやすい本です。
著者はどんな人?|この本の信頼性を確認する

著者プロフィール
中尾隆一郎氏は、株式会社中尾マネジメント研究所(NMI)代表取締役社長です。大阪大学大学院工学研究科修士課程を修了後、1989年にリクルートへ入社し、2018年まで29年間勤務しました。リクルートテクノロジーズ代表取締役社長、リクルート住まいカンパニー執行役員、リクルートワークス研究所副所長などを歴任しています。
専門領域には、事業執行、事業開発、マーケティング、人材採用、組織創り、KPIマネジメント、管理会計などがあります。リクルートグループの社内勉強会では、約11年間にわたり「KPI」と「数字の読み方」の講師も担当していました。
著者の経験が本書にどう活きているか
本書の信頼性は、中尾氏がKPIを机上の理論としてではなく、事業運営や組織マネジメントの現場で扱ってきた点にあります。リクルートで長く事業や組織に関わり、さらに社内講座としてKPIや数字の読み方を教えてきた経験が、本書の「現場で使えるKPIマネジメント」という方向性につながっています。
また、本書はKPIを単なる数値管理ではなく、KGI、CSF、KPIを関係者で共有し、実行と改善につなげる仕組みとして扱っています。著者の専門領域である事業執行、マーケティング、組織創り、管理会計などは、このテーマと接点が大きい部分です。そのため本書は、KPIの用語解説だけでなく、事業成果につながるプロセスをどう見極めるか、現場でどう運用するかに重心を置いた内容になっています。
よくある質問(FAQ)

要約だけ読めば十分?
大枠をつかむだけなら、要約でも「KPIを数字管理ではなく、現場を動かすためのマネジメント手法として扱う本」だという方向性は分かります。購入前に自分に合いそうか判断したい人も、まずは要約で十分です。
ただし、実際にKPIを作る、既存の指標運用を見直す、KGI・CSF・KPIのつながりを整理する目的なら、本文まで読んだほうがよいです。本書の価値は、考え方だけでなく、運用性の確認、事前対策、コンセンサス、振り返りまで含めて扱っている点にあります。
初心者でも読める?
初心者でも読める本です。KPI・KGI・CSFの違いを基礎から整理し、そこから設計や運用に進む流れになっているため、KPIという言葉は知っているけれど自信がない人にも入りやすい構成です。
一方で、完全にビジネス経験がない人よりは、目標数字や会議での数値確認に少しでも関わったことがある人のほうが読みやすいはずです。自分の業務や組織に置き換えながら読む場面が多いため、具体的な仕事上の課題があるほど得るものも増えます。
どこから読むべき?
基本は通読向きです。序盤でKPI・KGI・CSFの関係を押さえ、中盤で運用の考え方を学び、後半で事例と実践手順に進むため、流れに沿って読むと本書の狙いがつかみやすくなります。
忙しい場合は、まず第1章でKPIの基本と作成ステップを確認し、第2章で「KPIは絞って使うもの」という実践上の考え方を押さえるとよいです。そのうえで、自分の業務に近い事例を第4章から拾い、実際に作る段階で第5章に進む読み方が使いやすいです。
読む前に注意点はある?
この本は、KPIを設定すれば必ず成果が出ると約束する本ではありません。著者もKPIマネジメントを万能薬とはしておらず、正しく理解したうえで適用範囲を見極める姿勢を重視しています。
また、すぐ使えるテンプレートだけを求める人や、高度な統計分析、データサイエンス、OKRやBSCとの細かな理論比較を期待する人には、少し目的がずれるかもしれません。本書の重心は、数字を増やして管理することではなく、成果につながる最重要プロセスを見極め、関係者で運用していく考え方にあります。
まとめ|結局、この本を読む価値はある?

この本の価値を3つで言うと
1つ目の価値は、KPIを「数字を見るための指標」ではなく「現場の行動を絞るための道具」として捉え直せることです。KGI・CSF・KPIの関係を整理しながら、事業成果につながる最重要プロセスに目を向けていくため、数字を追うだけの管理から一歩進めます。すでにKPIを運用している人ほど、自分たちの指標が本当に行動につながっているかを見直しやすくなります。
2つ目の価値は、KPIを作って終わりにしない設計が学べることです。本書は、運用性の確認、事前対策、関係者のコンセンサス、PDDS、振り返りまで扱っており、指標を決めた後にどう機能させるかへ重心があります。KPI会議が単なる数字報告になっている組織には、見直しの材料になります。
3つ目の価値は、基礎から事例、実践手順までを一冊でつなげて読めることです。序盤で考え方を押さえ、中盤で実践上の注意点を学び、後半でケースと作成の流れに進む構成なので、知識だけで終わりにくい作りです。KPIを初めて任された人にも、既存の指標運用を改善したい人にも、全体像をつかむ入口になります。
この本をおすすめできる人・合わない人
おすすめできるのは、KPIを初めて任された人、KGI・CSF・KPIのつながりを整理したい人、指標は追っているのに現場が動かないと感じているマネジャーや事業責任者です。特に、数字を増やすことではなく、組織が何に集中すべきかを考えたい人には相性がよい本です。
一方で、KPIの意味だけを短く知りたい人や、すぐにそのまま使えるテンプレートだけを探している人には、少し実務寄りに感じるかもしれません。また、本書はKPIマネジメントを万能薬として扱っていないため、読むだけでどんな組織にも必ず成果が出ると期待するとズレが出やすいです。
読むならどう活かす?
読むなら、まず自組織のKGI、CSF、KPIを分けて書き出すところから始めると使いやすいです。今日の会議後に5分だけ、いま追っている数字が「事業成功の鍵」になっているかを確認してみると、本書の考え方を自分の仕事に引き寄せられます。
そのうえで、KPIが多すぎる場合は最重要プロセスに絞れているか、悪化したときの対策が事前に決まっているか、関係者の合意が取れているかを見直すとよいでしょう。本書は読むだけで成果を約束する本ではありませんが、数字管理を行動管理へ変えるための問いを持ち帰れる本です。
次に読むならこの本
- 『最高の結果を出すKPI実践ノート』:本書で得た考え方を、より実践的な手順やワークへつなげたい人向け
- 『KPI大全 重要経営指標100の読み方&使い方』:KPI設計の考え方を学んだ後、マーケティング、営業、組織、会計などの具体指標を広げたい人向け
- 『KPIで必ず成果を出す目標達成の技術』:KPIを継続的な目標達成の仕組みとして運用する観点を補強したい人向け
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