悩み・目的から選ぶ 本の選び方

勉強のやる気が出ないときの本は?授業・宿題・テスト勉強から選ぶ

授業中に集中できない、帰宅すると宿題に手が伸びない、定期テストが近づいても何から始めればよいか分からない。中学生が「勉強のやる気が出ない」と感じる場面は似ていても、授業への参加方法を知る本と、自宅での始め方やテスト対策を学ぶ本では役割が異なります。

この記事では、普段の学校生活で困っている場面から読む本の方向を整理し、3冊の特徴と注意点、内容が重なるときの選び分けまで紹介します。


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勉強のやる気が出ないときは、困っている場面で本を選ぶ

やる気が出ないからといって、どの生徒にも同じ励ましの本が必要とは限りません。授業では話を聞くことやノートの使い方、家では宿題に取りかかるきっかけ、テスト前には学ぶ順序や復習の方法が問題になることがあります。

まずは、ここ一週間で実際に困った場面に最も近い行を確かめてください。複数当てはまるときも、今すぐ変えたい場面を一つ選ぶと、読むべき部分が絞れます。

今、困っている場面優先して学びたいこと最初に検討する本
授業中、説明の聞き方やノートの取り方に迷う授業への参加・ノート術『中学生のための東大生の勉強法カタログ』
帰宅後、宿題に取りかかるまでが長い短時間で試せる勉強の工夫『ぜんぶ5分 中学からの最高にゆるい勉強法』
定期テスト前、勉強の順序や復習が定まらない学習サイクル・テスト戦略『13歳から身につけたい やる気アップ勉強法』

表にある書籍は、それぞれ一つの場面だけを扱うわけではありません。授業の本にも定期テストの工夫があり、テストの本にも学習を始める方法があります。それでも最初の一冊は、現在の困りごとに最も詳しい章があるかで判断します。


授業に集中できないなら、聞き方とノート術から選ぶ

授業に出ていても、板書を写すだけで精いっぱいだったり、先生が何を説明しているのか途中で分からなくなったりすることがあります。この場合は「やる気が出る言葉」より、授業中の行動を具体的に選べる本という発想が近いでしょう。家に帰ってから勉強を増やす前に、すでに学校で過ごしている時間をどう使うかを見直せます。

学研編集部編『中学生のための東大生の勉強法カタログ』(Gakken)は、8人の現役東大生が実践する100種類の勉強法を集めたカタログ形式の本です。目次は「暗記編」「演習編」「授業編」「定期テスト編」「高校受験編」に分かれています。授業編には、授業の受け方に加えてノート術も収められているため、授業中の過ごし方を変える方法を探すときに使いやすい構成です。

出版社が紹介する具体例の一つは「授業中はとりあえず手を挙げる」という工夫です。発言することに不安がある人が無理に実行する必要はありませんが、単に話を聞くだけでなく、自分から授業に関わる方法もあると分かります。ノートをきれいに書くことが目的になっている人なら、授業編のノート術を比べ、次の授業で無理なく試せる一つの工夫を選べるか確認してください。

この本は一つの方法を全員に勧めるというより、さまざまな工夫から選べることが強みです。反面、授業で習った数学の単元そのものが理解できない場合には、教科別の解説や先生への質問の代わりにはなりません。授業編だけでなく定期テスト編もありますが、長期的なやる気の維持や学習サイクルを中心に学びたい場合は、後ほど紹介する本と比べる余地があります。


宿題が後回しになるなら、短時間で始める工夫を学ぶ

学校で宿題の内容を聞いたときは分かっていたのに、帰宅後は机に向かう気になれない。そんな場合に、最初から長時間の勉強計画を立てると、始める前の負担がさらに大きくなることがあります。宿題のやり方や提出期限は分かっているなら、まず短い時間から勉強に触れる工夫を探す方向が合います。

学研プラス編、全教研監修『ぜんぶ5分 中学からの最高にゆるい勉強法』(Gakken発行)は、英語・数学・国語・理科・社会に実技教科を加えた122種類の勉強法を収めています。イラストを使った紹介が中心で、目次には「勉強タイミングさくいん」や「タイプ別 この本の使い方」もあります。勉強する教科から探すだけでなく、今の気分や時間に合わせてページを開ける点が特徴です。

例えば、帰宅後にすぐ宿題を全部終わらせる気力がない日には、自分が取りかかりやすい教科や短い勉強の工夫を探してみましょう。本書には5分でできる気分転換法も紹介されています。ただし休憩の方法を集めるだけでは宿題は終わらないため、勉強を始めるまでの負担を軽くする入口として使えるかを判断してください。

タイトルに「ぜんぶ5分」とあっても、学校の宿題や提出物がすべて5分で片づくという意味ではありません。これは宿題専用の解答書ではなく、勉強への入り方を工夫する本です。すでに宿題に取り組めていて、定期テストまでの予定が立たない人には、短時間のアイデアを集めるより次の学習サイクルの本の方が適する場合があります。宿題の解き方が分からないときは、課題の内容を質問することが先です。


テスト勉強が進まないなら、計画と復習の仕組みを学ぶ

定期テストの範囲表を受け取っても、どの教科を先に進めるか決められない。ワークを一度解いたものの、どこを復習すべきか分からなくなる。こうした悩みでは、勉強を一回始める方法だけでなく、学習を続けて見直す流れを扱う本が役立ちます。まずテスト日までの見通しが必要なのか、勉強しても内容が残らないことに困っているのかを分けて考えます。

佐々木快著『13歳から身につけたい やる気アップ勉強法 4コママンガですぐに成績の上げ方がわかる』(Gakken)は、4コマ漫画を各テーマの入口に置き、やる気タイプを考える診断シートや学習の仕組みを紹介しています。目次には「少しずつ始めて、続けられる自分に!」「成績を伸ばすサイクル」「長期戦を勝ち抜く 定期テスト勉強の戦略」「勉強を続けるための“やる気の仕組み”」が並びます。定期テストだけでなく、そこへ向かう日々の学習も扱う一冊です。

本書の特徴は、出版社が示す15分からのスモールステップと、段階的に学習を続ける構成です。最初から毎日何時間も頑張ることを前提にせず、短時間の学習を次の取り組みにつなげていきます。テスト範囲を見ても止まってしまう人は、第3章の対策だけでなく、第1・2章の着手や学習サイクルまで目を向けると、自分の困りごとに合う部分を探せます。定期テストまでの準備と日々の継続を一緒に考えたいなら、今回の三冊の中でも有力な候補です。

一方、勉強法の本を読んだだけで点数が上がるわけではありません。出版社の成果に関する表現を、すべての生徒への保証と受け取らないことが大切です。学校ごとにテスト範囲、課題、進度が違うため、何を勉強するかは学校配布の資料や教科書を基準にしてください。すでに計画があり、授業のノートだけ改善したい人には、前のカタログ型の方が探しやすい場合があります。


やる気の問題だけではないときに、本選びで注意したいこと

勉強を始められないと感じていても、つまずいているのが意欲とは限りません。教材が難しすぎる場合や、生活の負担が大きい場合は、どの本を読んでもすぐには解決しないことがあります。勉強法の本を買う前に、別の助けが必要な状況を分けて考えましょう。


解き方が分からないなら、教科別の教材を優先する

授業を聞いていても数学の式変形が追えない、英語の文法説明が分からない、理科で必要な用語を覚えていない。こうしたときは、勉強への入り方が改善しても、分からない内容が残ることがあります。どの単元の何が分からないかを言えるなら、教科書・学校のワーク・基礎から説明する参考書を確認したり、先生に質問したりする方が近道です。

反対に、解き方は分かるのに教科書を開くまでが重いなら、短時間で着手する工夫が参考になります。また、問題は解けるのに見直しをしないままテストを迎えるなら、学習サイクルを扱う本へ進む方が適しています。同じ「勉強できない」という言葉でも、必要な本の役割を取り違えないことが大切です。


疲れや不安が強いなら、本を増やすことを急がない

部活動や通学で疲れ切り、帰宅後は眠くて何も手につかない。テストの話を聞くと不安が強くなり、勉強を考えること自体がつらい。そうしたときに、もっと勉強するための方法を次々足すことが適切とは限りません。睡眠や休息、学校生活の負担を見直すことが先になる場合があります。

保護者が本を勧めるときも、本人の気持ちを聞かずに「これを読んだら頑張れるはず」と押しつけないようにしたいものです。本人が困っているのは学習方法なのか、疲れなのか、学校での人間関係なのかによって必要な支援は変わります。不眠や強い不安、落ち込みが続く場合は読書だけで何とかしようとしないと考えて、保護者や担任、スクールカウンセラーなどに相談することも大切です。


買う前に、目次と試し読みで使える一冊か確かめる

授業・宿題・定期テストという場面で候補を絞れても、実際の本には共通するテーマがあります。書名の「やる気」や「勉強法」という言葉だけで決めず、目次のどの章を使うのか、説明形式が合うのかを確認してください。似た内容に見える本ほど、どこまで学びたいかで選択が変わります。


似た内容の本で迷ったら、学べる範囲と使い方を比べる

『中学生のための東大生の勉強法カタログ』にも定期テスト編があり、『13歳から身につけたい やる気アップ勉強法』にも勉強への着手が登場します。定期テストの見直し方法など、必要なテクニックを一項目ずつ探したいならカタログ型が便利です。一方、学習を始めてから振り返るまでの流れや、テストまで継続する仕組みを学びたい場合は、後者の章立てが合います。

『ぜんぶ5分 中学からの最高にゆるい勉強法』と『13歳から身につけたい やる気アップ勉強法』の両方が気になる場合は、小さな方法を拾い読みしたいのか、学習の流れを順に整えたいのかで比べます。前者は122種類のアイデアから手軽に試す工夫を探し、後者は15分からの段階的な着手と定期テストまでの流れを考えられます。始める前の負担を減らしたいのか、始めた後の継続まで整えたいのかによって、最初に読むべき本は変わります。

授業用のカタログ型と短時間学習の本で迷ったら、学習する場所を考えましょう。学校の授業中にノートや発言の仕方を工夫したいなら前者、帰宅後や隙間時間に取りかかる方法を探したいなら後者です。試し読みでは、本文の長さや漫画・イラストの量だけでなく、今の学校生活に合う説明があるかを確かめてください。


読んだ後に試せることがあるか確認する

買うか迷ったら、目次を見て「今週のいつ、どの部分を使うか」が思い浮かぶか確認します。授業でノートの使い方を変えたいなら授業編、宿題の最初の一歩に困るなら短時間の工夫、定期テストへの準備が長続きしないなら学習サイクルの章が入口です。目次で近いテーマが見つからなければ、その本は今の目的に合わない可能性もあります。

最初から全部読んだり、紹介されている方法をすべて取り入れたりする必要はありません。一つ試した後に、まだ授業の内容が理解できないなら教科別教材へ、学習に入れるようになったのに計画が続かないなら継続の本へと判断を変えられます。努力そのものや学ぶ意味を考えたい人には中学生が努力について学ぶ本の選び方、高校の授業や大学受験までの計画を考えたい人には高校生の努力に役立つ本の選び方という別の入口もあります。


まとめ|授業・宿題・テストのどこで止まるかから選ぼう

授業での聞き方やノート術を選びたいなら『中学生のための東大生の勉強法カタログ』、帰宅後の勉強の入口が重いなら『ぜんぶ5分 中学からの最高にゆるい勉強法』、定期テストまでの学習を続ける仕組みがほしいなら『13歳から身につけたい やる気アップ勉強法』が候補です。同じ「やる気が出ない」でも、使いたい場面と学ぶ範囲を合わせて選ぶことが大切です。

分からない単元がはっきりしているなら教科別教材や先生への質問を優先し、疲れや不安が大きいときには無理に本を増やさない選択もあります。学校の勉強以外にも意欲の悩みが広がっているならやる気が出ないときの本の選び方も参考になります。まずは今週困った場面を一つ思い出し、該当する本の目次から実際に読みたい章を確かめてみてください。


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兼松 学

書評サイト「本のものさし」運営者。ビジネス書・実用書を中心に年間約80冊を読み、採用・面接・人材育成に約9年携わった実務経験も踏まえて執筆しています。実際に読んだ本の要点だけでなく、向いている人や類書との違いまで整理し、自分に合う一冊を選ぶための判断材料を届けることを大切にしています。

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