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【書評】とにかく仕組み化 ── 人の上に立ち続けるための思考法|要約と感想

【書評】とにかく仕組み化 ── 人の上に立ち続けるための思考法|要約と感想

チームで同じミスが続く、ルールが守られない、誰かがいないと仕事が回らない。『とにかく仕組み化』は、そうした問題を個人の能力ややる気ではなく、責任・権限・評価・理念まで含めた「仕組み」から見直す本です。

この記事では、内容の要約だけでなく、章の流れ、読んで残った論点、実践しやすい行動、注意点まで整理します。読み終えるころには、この本が自分の悩みに合うか、購入前に判断しやすくなるはずです。


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結論|この本はどんな人に向いている?

結論|この本はどんな人に向いている?

この本をひとことで言うと

『とにかく仕組み化』は、組織の問題を「人のせい」で終わらせず、ルール・責任・権限・評価の設計として見直すためのマネジメント本です。業務を効率化するための小手先の仕組みづくりというより、チームが属人化せずに動く状態をどうつくるか、リーダーの思考を切り替える本だと考えると分かりやすいです。


向いている人

向いているのは、管理職、チームリーダー、経営者、人事担当者など、人の上に立つ立場にある人です。特に、部下が育たない、同じミスが繰り返される、仕事が特定の人に偏っている、責任の所在が曖昧になっていると感じている人には、かなり実用的な視点が得られます。

また、これからリーダーを目指す若手やプレーヤーにも向いています。本書は「頼られる人になる」こと自体を否定するのではなく、組織の中で自分の役割を果たし、さらに仕組みを変える側に回るための考え方を示しているからです。個人として頑張る段階から、チーム全体を前に進める段階へ視点を広げたい人に合います。


向いていない人

一方で、共感的なコミュニケーションや心理的ケアを中心にしたマネジメント論を読みたい人には、少し合わない可能性があります。本書では「歯車」「危機感」「比較」「降格」といった、読む人によっては強く感じる言葉も扱われます。

また、すぐに使えるテンプレートやマニュアル作成術だけを求めている人にも、期待とズレるかもしれません。この本の中心は、手順書の作り方ではなく、問題が起きたときに「誰が悪いか」ではなく「どの仕組みが機能していないか」と考えるための土台づくりにあります。


先に結論(買う価値はある?)

結論として、組織運営やチームマネジメントに悩んでいる人なら読む価値はあります。理由は、部下やメンバーを責める前に、責任の線引き、ルールの運用、評価の明確さ、属人化のリスクを点検する視点が得られるからです。

読んで楽になる本というより、リーダーとしての甘さや曖昧さを見直す本です。その分、組織を本気で前に進めたい人には、判断軸として残りやすい一冊だと思います。




要約|この本の内容を3分でつかむ

要約|この本の内容を3分でつかむ

重要ポイント3つ

1つ目のポイントは、組織の問題を「人の能力」や「やる気」のせいにせず、仕組みの不備として見直すことです。ミスや未達が起きたとき、本人を責めるだけでは同じ問題が繰り返されます。本書は、ルール、責任、権限、評価、役割のどこが曖昧だったのかを確認する視点を重視しています。

2つ目のポイントは、属人化を放置しないことです。特定の人に仕事や判断が集中している状態は、一見すると便利で頼もしく見えます。しかし本書では、それが組織の成長を止め、本人も次の役割へ進みにくくする危うい状態として扱われます。冒頭で「あなたがいないと困る」という言葉を危険なものとして置くのも、この問題意識につながっています。

3つ目のポイントは、仕組み化を単なるマニュアル作成に限定していないことです。本書は、責任と権限、危機感、比較と平等、企業理念、進行感という順で話を広げていきます。つまり、仕組み化とは手順を整えることだけではなく、人がどう動き、どう評価され、どこへ向かって進むのかまで含めた組織運営の考え方です。


著者が一番伝えたいこと

著者が一番伝えたいのは、人の上に立つ人は、感情や精神論ではなく仕組みで問題を解決する姿勢を持つべきだということです。部下に「もっと頑張れ」と言うだけでは、同じ問題は繰り返されます。必要なのは、なぜその行動が起きたのか、どの責任やルールが曖昧だったのかを見直す視点です。

本書は、やさしく励ますタイプのマネジメント本ではありません。むしろ、属人化や曖昧な優しさ、評価を避ける空気に対して、かなり手厳しく切り込んでいきます。ただし、その厳しさは人を冷たく扱うためではなく、個人の頑張りや感情に頼りすぎない組織をつくるためのものです。人を責めないために、仕組みを見る。この姿勢が本書全体を貫いています。


読むと得られること

この本を読むと、問題が起きたときの見方が変わります。部下のミス、目標未達、責任の曖昧さ、仕事の偏りを前にしたとき、反射的に人を責めるのではなく、どの仕組みが機能していないのかを考える軸が得られます。

具体的には、業務ごとの責任者や権限範囲を明確にする、暗黙の了解をルールや基準に変える、属人化している仕事を洗い出す、評価が感情や印象に寄っていないか点検する、といった行動につなげやすくなります。企業理念やチームの進行感まで含めて考えられるため、単なる業務改善ではなく、組織全体をどう前に進めるかを見直すきっかけになります。


内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

全体の設計(章の流れをざっくり)

本書は、最初に「人ではなく仕組みを見る」という考え方を置き、そのあとで組織を動かすための要素を順番に分解していく構成です。いきなり具体的なマニュアル作成術に入るのではなく、まず属人化や「自分がいないと回らない状態」の危うさを示し、そこから責任、権限、危機感、評価、理念、進行感へと広げていきます。

読み進める流れとしては、前半で「仕組み化の土台」を固め、中盤で人間関係に直結する扱いにくい論点を整理し、後半で組織がどこへ向かうのかまで視野を広げる作りです。単にルールを作る本ではなく、リーダーがチームをどう設計するかを段階的に考えさせる本だと捉えると読みやすくなります。


大見出し目次(短い目次)

  • 第1章 正しく線を引く―「責任と権限」
  • 第2章 本当の意味での怖い人―「危機感」
  • 第3章 負けを認められること―「比較と平等」
  • 第4章 神の見えざる手―「企業理念」
  • 第5章 より大きなことを成す―「進行感」
  • 終章 「仕組み化」のない別世界


各章の要点

導入部は、承認や頼られることの裏にある属人化の危うさを示し、「仕組み化」を考える入口になっています。ここで本書の問題意識がかなりはっきりします。

序章は、個人を責める発想から仕組みを疑う発想へ切り替える章です。属人化のリスクも扱われるため、全体の前提をつかむうえで重要です。

第1章は、責任と権限の線引きを扱います。ルールが機能するかどうかは、誰が何を決め、何に責任を持つのかが明確かどうかに関わる、という土台の章です。

第2章は、危機感や緊張感をどう仕組みにするかを扱います。人格否定ではなく、成長に必要な制約や距離感をどう設計するかがテーマです。

第3章は、比較や平等、評価に踏み込みます。人間関係に直結するため読み手を選びやすい章ですが、仕組み化を評価制度まで広げる橋渡しになります。

第4章は、企業理念を現場の判断基準として扱う章です。単なるルール運用から、組織がどこへ向かうのかという方向性へ視野が広がります。

第5章は、組織が前に進んでいる感覚をどうつくるかを扱います。仕組み化を、会社の変化や成長実感につなげて考える後半の山場です。

終章は、仕組み化と人間性の折り合いを補う位置づけです。厳しい管理論として終わらせず、会社とは別の居場所や存在意義にも触れています。


忙しい人が先に読むならここ

全部を一気に読む時間がないなら、まずは導入部と序章を読むのがよいです。本書の核である「人を責めず、仕組みを疑う」という考え方と、属人化を避ける理由がここでつかめます。

次に読むなら、第1章と第2章です。責任と権限をどう線引きするか、危機感をどう仕組みに落とし込むかが分かるため、管理職やチームリーダーには実務に結びつけやすい部分です。

評価や人事、チーム内の納得感に悩んでいる人は第3章、理念が現場に浸透していないと感じる人は第4章、組織全体の停滞感をどう変えるかを考えたい人は第5章に進むと読みやすいです。読み順としては、導入部と序章で視点を切り替えたうえで、自分の課題に近い章を重点的に読むのが合っています。


感想|読んで印象に残ったことと注意点

感想|読んで印象に残ったことと注意点

特に印象に残ったポイント

読んでいていちばん残ったのは、問題が起きたときに、まず人ではなく仕組みを見るという姿勢です。部下のミスや目標未達を前にすると、つい本人の意識や能力に原因を求めたくなりますが、本書はそこで立ち止まり、責任の置き方やルールの運用に目を向けるよう促します。この視点は、単なる管理術というより、リーダーの反応そのものを変える考え方として印象に残りました。

特に強く残ったのは、「自分がいないと困る存在でありたい」という気持ちの扱い方です。普通なら承認として受け取りたくなる感情を、本書では属人化につながる危うさとして捉え直します。読み進めるうちに、これは人を冷たく扱う話ではなく、特定の個人に依存して組織が止まらないようにするための話なのだと受け取りました。

もうひとつ残ったのは、仕組み化を単なるルール作りで終わらせていないところです。責任と権限、危機感、比較と平等、企業理念、進行感へと話が広がるため、人が組織の中でどう動き、どう評価され、どこへ向かっていくのかまで考えさせられます。読み終えると、仕組み化という言葉の意味がかなり広くなりました。


すぐ試したくなったこと

すぐ試したくなったのは、何か問題が起きたときに、最初の問いを変えることです。誰が悪いのかではなく、どの仕組みが機能していなかったのかを確認するだけでも、会話の方向はかなり変わるはずです。感情的に反応する前に、責任範囲、権限、ルール、評価基準を点検する姿勢は、日々のマネジメントに取り入れやすいと感じました。

また、属人化している仕事を洗い出すことも、すぐにできる実践だと思います。特定の人だけが知っている作業、口頭でしか共有されていない期待、なんとなく守られている暗黙の了解は、放っておくと組織の弱点になります。本書を読むと、そうした曖昧さを責める材料ではなく、仕組みに変える材料として見られるようになります。

評価や理念の見直しも、単なる理想論ではなく実務につながる論点として受け取りました。評価が印象や感情に寄っていないか、企業理念が現場判断に結びついているか、チームに前へ進んでいる感覚があるか。こうした確認は、組織を大きく変える前の小さな点検として始めやすい部分です。


読んで気になった点

気になった点を挙げるなら、使われる言葉の強さです。歯車、危機感、比較、降格といったテーマには、読み手によって引っかかりがあると思います。共感や心理的ケアを中心にしたマネジメント論を期待して読むと、冷たく感じる場面があるかもしれません。

ただ、その引っかかりは本書の弱点というより、読む前に調整しておきたい期待値だと感じました。この本は、人間性を否定するための本ではなく、組織の中では役割や責任、ルール、評価を明確にしようとする本です。やさしい言葉で励ましてくれる本ではありませんが、曖昧なままにしていた問題を見直すには向いています。




実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

今日からできること

ガイドさん
ガイドさん
最初から組織全体を変えようとしなくて大丈夫です。まずは、目の前のミスや停滞を「人」ではなく「仕組み」から見直すだけでも十分な一歩になります。

本書を読んだあとにまずやりたいのは、問題が起きた瞬間の見方を変えることです。誰の能力不足か、誰の意識が低いのかに向かう前に、ルール・責任・権限・評価・役割のどこが曖昧だったのかを確認する。それだけで、同じ出来事の見え方がかなり変わります。

今日からできる実践候補は、次のようなものです。

  • ミスや未達が起きたとき、最初に「どの仕組みが曖昧だったか」と書き出す
  • チーム内で特定の人にしか分からない業務や判断を1つ洗い出す
  • その仕事の責任者、判断できる範囲、報告先を確認する
  • 守られていないルールについて、本人の意識ではなく運用方法を見直す
  • 形だけ残っているルールがないかを確認する
  • 評価や比較を避けている場面がないかを振り返る
  • 会社やチームの理念が、日々の判断にどうつながっているかを考える
  • チームに「前へ進んでいる感覚」があるかを確認する

大事なのは、いきなり完璧な制度を作ろうとしないことです。本書の仕組み化は、単なるマニュアル作成ではなく、組織の動き方を整える考え方です。まずは、自分の周りで繰り返し起きている小さな問題を、仕組みの視点で見直すところから始めるのが現実的です。


1週間で試すならこうする

1週間で試すなら、最初のゴールは「チームの問題を人ではなく設計で見直す習慣を作ること」に置くと取り組みやすくなります。

Day1は、最近起きたミスや未達を1つ選びます。その出来事について、誰が悪かったかではなく、どのルールや役割が曖昧だったのかを書き出します。

Day2は、責任と権限を確認します。その業務で誰が決めるのか、誰が実行するのか、どこまで任せてよいのかを整理します。

Day3は、属人化している部分を探します。特定の人がいないと進まない仕事、判断できない仕事、情報が出てこない仕事を1つ見つけます。

Day4は、ルールの運用を見直します。ルールがあるのに守られていないなら、伝え方、確認方法、評価とのつながりにズレがないかを点検します。

Day5は、評価や比較の扱いを確認します。頑張っている人や成長したい人が納得できる基準になっているかを考えます。

Day6は、理念や目的とのつながりを見ます。目の前の業務が、チームや会社の向かう方向とどう結びついているかを言葉にします。

Day7は、1週間で見えたことを1つだけ仕組みに落とします。新しいルールを作る、責任者を明確にする、確認タイミングを決めるなど、小さく運用できる形にするのがポイントです。


つまずきやすい点と対策

つまずきやすいのは、仕組み化を「冷たく管理すること」や「人の感情を無視すること」と受け取ってしまう点です。本書には、歯車、危機感、怖い人といった強い言葉が出てくるため、そこだけを切り取ると厳しい管理論に見えやすいところがあります。

ただ、実際に使うときは、人を責めないために仕組みを見る、という順番で考えると誤解しにくくなります。相手を追い込むためではなく、同じ問題が繰り返されない状態を作るために、責任やルールを明確にする。そう捉えると、仕組み化は人間関係を切り捨てる話ではなく、曖昧さに頼りすぎないための方法として使えます。

もう一つのつまずきは、すぐに細かいチェックリストや完璧なマニュアルを作ろうとすることです。本書が扱う仕組み化は、実務手順だけではありません。責任と権限、評価、危機感、企業理念、進行感まで含めた組織運営の見方です。

対策としては、まず1つの問題に絞ることです。チーム全体を一気に変えようとせず、「同じミスが繰り返される」「ルールが守られない」「特定の人に仕事が集中している」といった身近なテーマから始める。小さく仕組みに直す経験を積むことで、本書の考え方は読み物で終わらず、日々のマネジメントに使いやすくなります。


比較|似ている本とどう違う?

比較|似ている本とどう違う?

『リーダーの仮面』との違い

『とにかく仕組み化』は、属人化を壊し、問題を人ではなく仕組みで解決したい人に向く本です。比較軸を「テーマ」「読者層」に置くと、『リーダーの仮面』はプレーヤーからマネジャーへ頭を切り替えるための基本姿勢を扱う本で、本書はその先にある組織運営の設計に踏み込む本です。

『リーダーの仮面』が、マネジャーとしての距離感・責任・役割を整える入口だとすれば、『とにかく仕組み化』は、ミスの再発、未達、属人化、ルールの形骸化といった問題をどう直すかに重心があります。特定の優秀な人に仕事が集まっている、責任と権限の線引きが曖昧になっている、何度注意しても同じ問題が起きる。そうした悩みがあるなら、本書のほうが課題に直結しやすいでしょう。

一方で、まだマネジャーとしての立ち位置そのものに迷っている段階なら、『リーダーの仮面』から読むほうが入りやすいです。まず管理職としての基本姿勢を整えたい人は『リーダーの仮面』、チームの仕組みを見直したい人は『とにかく仕組み化』という選び方ができます。


『Googleで学んだ 圧倒的成果を出し続けるマネジャーの最優先事項』との違い

Googleで学んだ 圧倒的成果を出し続けるマネジャーの最優先事項』との違いは、「マネジメントの重心」で見ると分かりやすいです。本書は、ルール・責任・権限・評価を明確にし、属人化を避けながら組織を動かす考え方を扱います。一方で『Googleで学んだ 圧倒的成果を出し続けるマネジャーの最優先事項』は、チームが自走する環境づくりやエンパワメント型マネジメントを考えたい人に合う本です。

本書は、やさしく寄り添うマネジメント論というより、曖昧さや属人的な優しさに頼りすぎる危うさをはっきり突いてきます。失敗や目標未達に対して、精神論ではなくルールで問題解決を図る姿勢が中心にあります。まずは責任範囲をはっきりさせたい、評価や比較を避けずに成長の仕組みを作りたい、ルールが機能しない原因を見直したい。そういう場面では、本書の視点が使いやすいです。

一方で、仕組みや責任の土台がある程度整っていて、次にメンバーの自走やエンパワメントを考えたいなら、『Googleで学んだ 圧倒的成果を出し続けるマネジャーの最優先事項』が合います。どちらが優れているかではなく、今のチームに必要なのが「曖昧さの解消」なのか、「自走する環境づくり」なのかで選ぶと判断しやすくなります。


迷ったらどれを選ぶべき?

迷ったら、いま抱えている悩みで選ぶのが分かりやすいです。部下のミス、目標未達、属人化、責任の曖昧さに困っているなら、まず『とにかく仕組み化』を選ぶ価値があります。読み終えたあとに残るのは、「誰が悪いか」ではなく「どの仕組みが機能していないのか」と考える視点です。

悩み・目的 選びたい本
組織の属人化や責任不在を見直したい 『とにかく仕組み化』
プレーヤーからマネジャーへ意識を切り替えたい リーダーの仮面
チームが自走する環境づくりを学びたい Googleで学んだ 圧倒的成果を出し続けるマネジャーの最優先事項

本書は、優しい言葉で背中を押すタイプのマネジメント本ではありません。むしろ、曖昧なままにしていた責任や評価、ルールを直視させる本です。だからこそ、組織を本気で前に進めたい人、感情や属人的な判断に頼るマネジメントから抜け出したい人には、最初に読む一冊として選びやすい内容です。


著者はどんな人?|この本の信頼性を確認する

著者はどんな人?|この本を書いた背景

著者プロフィール

安藤広大氏は、株式会社識学の代表取締役社長です。1979年に大阪府で生まれ、2002年に早稲田大学を卒業後、NTTドコモなどを経て現職に至っています。プレイングマネジャーとしてチームの問題に直面していた時期に、識学というマネジメント法に出会いました。

その後、2013年に独立し、2015年に株式会社識学を設立。2019年には識学が東証マザーズに上場し、現在は東証グロース市場へ移行しています。著書には『リーダーの仮面『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』などがあります。


著者の経験が本書にどう活きているか

本書は、安藤氏が代表を務める識学のマネジメント法を背景に、組織の問題を「人」ではなく「仕組み」から捉え直す考え方を整理した一冊です。著者自身が識学を事業として展開してきたことが、責任と権限、評価、ルール、属人化といった本書の中心テーマにつながっています。

特に本書では、部下のミスや目標未達を精神論で片づけるのではなく、ルールや責任設計の問題として見直す姿勢が重視されています。これは、組織内の誤解や錯覚を扱う識学の考え方と接点がある部分です。著者の経験は、個人の努力論ではなく、組織を動かす仕組みそのものに目を向ける構成に活きています。


よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

要約だけ読めば十分?

大枠を知りたいだけなら、要約でも本書の中心にある「人ではなく仕組みを見る」という考え方はつかめます。属人化を避けること、責任と権限を明確にすること、精神論ではなくルールで問題を解決することが、本書の核です。

ただし、実際にチーム運営へ活かしたい人は本文まで読んだほうがよいです。序章から第5章にかけて、責任と権限、危機感、比較と平等、企業理念、進行感へと話が広がるため、「仕組み化」が単なるマニュアル作成ではないことが立体的に分かります。


初心者でも読める?

マネジメントの専門書を読み慣れていない人でも、チームの属人化、ルールが守られない、同じミスが繰り返されるといった悩みがあれば読みやすい本です。具体的な組織課題を入り口にしているため、経営者や管理職だけでなく、将来リーダーを担う若手にも関係する内容があります。

一方で、内容はやや厳しめです。「歯車」「危機感」「降格」「比較」といった言葉に抵抗がある人は、冷たく感じる部分があるかもしれません。共感や寄り添いを中心にしたマネジメント本を期待すると、読み味にギャップが出やすいです。


どこから読むべき?

基本的には、冒頭から読むほうが理解しやすい本です。序盤で「替えの利かない人」への欲望や属人化のリスクを扱い、その後に責任と権限、危機感、比較と平等、企業理念、進行感へと話が広がっていくためです。

忙しい人は、まず序章と第1章を優先するとよいです。ここで、本書全体の土台になる「人ではなく仕組みを見る」「責任と権限の線を引く」という考え方がつかめます。そのうえで、評価や人事に悩んでいるなら第3章、組織の方向性まで考えたいなら第4章・第5章に進むと読みやすいです。


読む前に注意点はある?

注意したいのは、本書がマニュアル作成術や業務効率化ツールの本ではないことです。仕組み化という言葉から、手順書づくりや自動化のノウハウを期待すると、内容の中心とは少しズレます。

また、本書は人間性を否定する本ではありませんが、組織内では役割、責任、ルール、評価を明確にすることを強く重視します。個人の自己実現や心理的ケアを中心に読みたい人よりも、同じミスが繰り返される、仕事が特定の人に偏る、責任の所在が曖昧になっていると感じている人のほうが、得るものは多いはずです。


まとめ|結局、この本を読む価値はある?

まとめ|結局、この本を読む価値はある?

この本の価値を3つで言うと

1つ目の価値は、問題が起きたときの視点を「人」から「仕組み」へ切り替えられることです。ミスや未達を、性格・やる気・能力だけで片づけるのではなく、責任の所在やルールの不備として見直す考え方が身につきます。部下を責める前に、どこを設計し直せばよいかを考えやすくなります。

2つ目の価値は、属人化の危うさをかなり具体的に捉え直せることです。「あなたがいないと困る」という状態を承認ではなく、組織が止まるリスクとして見直す点は、本書の大きな特徴です。特定の人に仕事が偏っているチームほど、自分たちの弱点を点検するきっかけになります。

3つ目の価値は、仕組み化を単なるマニュアル作成や効率化に閉じないところです。本書は、責任と権限、危機感、比較と平等、企業理念、進行感まで含めて組織運営を扱います。ルールを整えるだけでなく、組織が前に進み続けるために何を明確にすべきかを考えられます。


この本をおすすめできる人・合わない人

この本は、経営者、管理職、チームリーダー、人事担当者など、人の上に立つ立場の人におすすめできます。特に、部下が育たない、同じミスが繰り返される、仕事が特定の人に偏っている、責任の所在が曖昧になっていると感じている人には、判断軸として役立つ内容です。

一方で、個人の自己実現や寄り添いを中心にしたマネジメント論を期待して読むと、合わない可能性があります。「歯車」「危機感」「降格」「比較」といった言葉には、人によって引っかかりがあるはずです。ただし、本書が扱っているのは人間性の否定ではなく、組織の中で役割・責任・ルール・評価を明確にする考え方です。


読むならどう活かす?

ガイドさん
ガイドさん
全部を一度に変えようとしなくて大丈夫です。まずは、目の前の1つの問題を「人」ではなく「仕組み」から見直すだけでも十分です。

読むなら、最初の一歩は「最近起きたミスや未達を1つだけ書き出すこと」です。そのうえで、「誰が悪かったか」ではなく、「どのルールが曖昧だったか」「責任と権限の線引きは明確だったか」「評価や共有の仕組みは機能していたか」を確認すると、本書の考え方をすぐ使えます。

もう一つ持ち帰りたいのは、属人化している仕事の棚卸しです。特定の人しか判断できない業務、情報がその人にしか集まらない仕事、暗黙知のまま進んでいる作業を見つけるだけでも、チームの改善点が見えやすくなります。


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兼松 学

ビジネス書・実用書を中心に、年間約80冊を継続して読んでいます。採用・面接・人材育成に関わる実務経験をふまえ、実際に読んだ本をもとに要約・感想・比較レビューを執筆しています。本の内容だけでなく、向いている人、得られる学び、仕事や日常への活かし方まで伝わる記事を心がけています。

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