悩み・目的から選ぶ 本の選び方

自信がないときの本の選び方|自己肯定感・スキル・人の評価から選ぶ

自分に自信がないと、「もっと自分を好きになれる本を読んだ方がいいのか」「行動すれば変わるのか」と迷うことがあります。仕事や人間関係、初めて挑戦することなど、場面が変わるたびに自信が揺れると、自己肯定感の本を選べばよいようにも思えます。

ただ、「自信がない」という感覚の中には、自分全体を低く見てしまう状態、特定のことだけできる見通しが持てない状態、人からどう見られるかで判断が揺れる状態があります。この記事では、原因を決めつけず、今どこで自信が止まっているかから、最初に何について学ぶ本を選ぶかを具体的な一冊とともに整理します。


自信がないときは、「何に対して自信がないか」を分ける

「自信がない」と感じても、同じ種類の本が合うとは限りません。うまくできないことが一つあるだけなのに「自分はだめだ」と自分全体まで低く見てしまう場合もあれば、仕事の説明や人前で話すことなど、特定の場面だけ「まだできる気がしない」と感じる場合もあります。さらに、自分ではできそうだと思っていても、人からどう評価されるかで急に不安になることもあります。

最初に確認したいのは、自分そのものを信じにくいのか、特定のことをできる見通しが持てないのか、人の評価によって自信が揺れるのかです。ここを分けると、「自信をつける本」という大きなくくりから、自分に必要な一冊へ近づきやすくなります。


できないことがあると、自分全体まで「だめだ」と感じるなら自己肯定感・自己受容を学ぶ

一つの失敗や苦手なことをきっかけに、「自分には価値がない」「何をやってもうまくいかない」と自分全体の評価まで下がるなら、特定の技能を増やすだけでは迷いが残ることがあります。この場合は、できる・できないとは別に、自分をどのように受け止めるかを学ぶ本が近くなります。

ここで目指すのは、根拠なく「自分は何でもできる」と思い込むことではありません。うまくいかない日や苦手な部分があっても、それだけで自分全体の価値を決めないための考え方を知ることです。

自己肯定感や自己受容の基本から確認したいなら、『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる 自己肯定感の教科書』へ進めます。自己肯定感の考え方に加え、自分を受け入れることや自己効力感など複数の側面を扱っているため、「何かができないと自分全体まで否定してしまう」という方向から読みたいときの候補になります。


特定のことだけ「できる気がしない」なら、能力・経験を増やす方向を確認する

普段は自分を強く否定していないのに、「人前で説明する自信がない」「初めての仕事を一人で進める自信がない」のように、特定の場面だけ不安になることがあります。その場合、自己肯定感を高めることより、その場面で何が足りないのかを具体化する方が本を選びやすくなります。

知識が足りないなら入門書、やり方が分からないなら実践書、経験が少なく見通しを持てないなら練習や試行を支える本というように、読む本は対象によって変わります。「自信がない」ことと、「その分野についてまだ知らない・やったことが少ない」ことは、同じとは限りません。

自信そのものがどのように育つのかを一度整理したいなら、シャルル・ペパンさんの『幸せな自信の育て方 フランスの高校生が熱狂する「自分を好きになる」授業』が選択肢になります。本書は自信を一つの気分としてではなく、他者との関係、自分の能力、人生への肯定といった複数の側面から扱い、技能を磨くことも自信を育てる一つの方向として説明しています。特定の技能が課題だと分かった後は、その技能を学ぶ本へさらに絞るのが自然です。


できるかどうかより、人からどう見られるかで自信が揺れるなら人の評価との距離を学ぶ

準備もしていて、自分ではある程度できそうだと思っている。それでも、相手に否定されたらどうしよう、期待を外したら恥ずかしい、と考えた途端に自信がなくなることがあります。この場合は、能力の不足よりも、人の評価をどこまで自分の判断材料にするかが本選びの中心になります。

相手の評価を完全に気にしなくなることを目標にする必要はありません。自分が決められることと、相手が決めることを分けたいなら、『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』のように、人との課題の境界を考えられる本が候補になります。

一方で、「人にどう思われるか」が日常の判断を広く止めているなら、それは今回の記事の一分岐よりも、人の評価そのものを中心に本を選ぶ方が近くなります。自信の量を増やそうとするより、評価との距離を学ぶ本へ方向を切り替えます。


「自信をつける本」だけに絞ると、本当に必要なテーマを見落とすことがある

感想|実際に読んで分かったこと

自信がないと感じると、「自信を高める」「自分を好きになる」と書かれた本だけを探したくなります。ただ、今困っていることが別のテーマなら、その選び方では遠回りになることがあります。

特定の技能が足りないのに気持ちだけを前向きにする本を読む、人の評価が怖いのに能力を高める本だけを読む、といったずれは避けたいところです。「自信」という言葉を、本を選ぶ前の入口として使い、その先で学習テーマを決めます。

また、強い不安や落ち込みが続く、睡眠や食事など日常生活に大きな支障があるといった状態を、本だけで原因判断することはできません。本は学ぶテーマを整理する材料として使い、必要な医療や相談の代わりとは分けて考えます。


失敗することが怖くて始められないなら、失敗への不安を中心に選ぶ

「できる気がしない」という言葉が同じでも、実際には失敗したときの恥ずかしさや落ち込みが怖く、始める前から動けないことがあります。その場合は、能力を増やす本より、失敗への不安や完璧にやろうとすることとの付き合い方を学ぶ本が近くなります。

まだ行動していない段階で「失敗したらどうしよう」が一番大きいなら、失敗が怖くて動けないときの本の選び方で、自己肯定感だけに絞らず学ぶテーマを整理できます。今回の記事では、「自信がない」すべてを失敗恐怖へまとめません。


何をしたいか自体が分からないなら、自信より先に自己理解を考える

「自信がないから決められない」と思っていても、よく考えると、できるかどうか以前に自分が何をしたいのか、何を大切にしたいのかがまだ分からない場合があります。この状態では、自信を持つ方法を増やしても、選ぶ方向そのものが定まらないことがあります。

そのときは、自分の感情や価値観、望みを整理する本が先になる可能性があります。「できると思えるか」と「何をしたいか」は別の問いです。自分の希望がある程度見えてから、その実現に必要な能力や経験、自分の受け止め方を考える方が選書の順番として自然な場合もあります。


複数に当てはまるなら、今の判断を一番止めているところから読む

実際には、「自分を低く見てしまうし、人の評価も気になる」「経験が少ないうえ、失敗するのも怖い」というように、複数の方向が重なることがあります。その場合、一つだけが本当の原因だと決める必要はありません。

最初の一冊を決めるときは、すべての自信を一度に高める本を探すのではなく、今の自分の判断を最も直接止めているものは何かを見ます。読む目的を一つに絞ると、その本を読んだ後に何が変わり、何がまだ残っているかも確認しやすくなります。


知識や練習が増えれば見通しが変わりそうなら、具体的な分野の本を先に読む

たとえば、初めて担当する仕事の進め方が分からず不安なら、まずその仕事の基本を学ぶことで「次に何をすればよいか」が見えることがあります。人前で話す経験が少ないなら、話し方や練習方法を扱う本の方が、一般的な自己肯定感の本より直接役立つ場合があります。

ここでの基準は、「その分野について知識や練習が増えたら、自信のなさもかなり変わりそうか」です。YESなら、気持ちの問題と決めつけず、具体的な技能の本へ進みます。


できる見通しはあるのに、人の反応を考えると止まるなら、評価との距離から読む

自分では準備できていて、やり方もある程度分かっている。それでも「否定されたらどうしよう」「期待を外したら恥ずかしい」と考えると判断や行動が止まるなら、知識や練習を増やすことより、人の評価をどこまで自分の判断材料にするかを見直す方が近くなります。

この場合は、能力不足を埋める本を先に増やす必要はありません。自分が決められることと相手が決めることを分け、評価との距離を考える本から読む方が、今の迷いに直接つながります。反対に、評価を気にしなくても「やり方が分からない」なら、具体的な技能の本へ戻ります。


できるようになっても自分を認められないなら、自己肯定感・自己受容へ戻る

反対に、できることが増えても「まだ足りない」「これくらいできて当然」としか思えず、自分の評価がほとんど変わらないこともあります。その場合、次の技能を増やし続けるより、自分の価値を成果だけで決めていないかを考える本が近くなります。

一冊目を技能の本にしても、それで残った迷いが見えたなら本選びは失敗ではありません。読んだ結果、「足りなかったのは知識ではなく、自分の受け止め方だった」と分かれば、二冊目を自己肯定感・自己受容へ切り替えられます。


学ぶテーマが決まったら、そのテーマの中で一冊に絞る

ここまでで決めるのは、「自信がない人に一番おすすめの本」ではありません。自分の受け止め方を学ぶのか、特定の技能や経験を増やすのか、人の評価との距離を見直すのかという、最初の一冊の役割です。役割が違う本を同じ基準で比べても、自分に合うかは判断しにくくなります。

自己肯定感・自己受容を学ぶ方向に決まった後は、自己肯定感の本の選び方で、焦点や進め方、読みやすさなどを比べられます。具体的な候補を横並びで確認したい場合は、自己肯定感のおすすめ本ランキングも次の判断材料になります。

つまり、①何に対して自信がないのかを分ける、②今の判断を止めている学習テーマを決める、③同じ役割の本の中から一冊を選ぶという順番です。「自信がないから自己肯定感の本」と決めつけず、自分に足りない判断材料から本の役割を決めると、選書のずれを減らせます。


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兼松 学

書評サイト「本のものさし」運営者。ビジネス書・実用書を中心に年間約80冊を読み、採用・面接・人材育成に約9年携わった実務経験も踏まえて執筆しています。実際に読んだ本の要点だけでなく、向いている人や類書との違いまで整理し、自分に合う一冊を選ぶための判断材料を届けることを大切にしています。

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