
仕事を頑張りすぎて、休みの日まで「何か役に立つことをしなければ」と考え、心が休まらないことはありませんか。『がんばらないことをがんばるって決めた。』は、会社を休んだ日の戸惑いや、ゲームセンターで夢中になった出来事を通して、仕事への責任と自分を大切にする気持ちの間で揺れる心を描いたエッセイです。
この記事では、本書の具体的な内容と読後の感想から、頑張りすぎたときにどんな視点を持てるのかを読み解き、向いている人や似た本との違いも紹介します。
30秒で分かる、この本の結論
- この本を一言でいうと
仕事や他者評価に疲れたとき、日常の「好き」を取り戻すためのエッセイ - こんな人に向いている
責任感が強く、休むことに罪悪感を覚える人 - 読んで得られること
成果以外の物差しで自分の生活を見直す視点 - 本書ならではの強み
ぬいぐるみを取るまで36回挑戦した日と、研修後に食べた牛丼の実感 - 読む前に知っておきたい点
具体的な労務手続きや専門的な治療を解説した本ではないこと
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要約|どんな本か・何が学べるか

『がんばらないことをがんばるって決めた。』は、著者の考えるOLさんがSNSで発信してきた言葉と、書き下ろしのエピソードを中心に構成されたエッセイです。KADOKAWA刊で、イラストはおさつさんが担当しています。短い言葉から一つの出来事へ、また言葉へと戻る構成なので、一度にまとまった時間を取れない日でも読み進められます。
4つの章が扱うのは、仕事との距離、夢や憧れ、毎日のごきげん、自分と他人の関係です。理想の自分に近づく方法を積み重ねるより、いまの自分が何を無理しているのか、どんな瞬間にほっとできるのかを見つめることに重心があります。第1章の具体的な出来事を入口に、仕事以外の章で取り上げられるテーマにも目を向けていきます。
仕事との付き合い方|休みと責任
第1章では、仕事を休んだのに、その自由な時間をどう使えばよいのか分からない著者の戸惑いが描かれます。会社へ行くことが毎日の中心になっていると、突然予定がなくなっても、好きなことをすぐに思い出せるとは限りません。休みを取るという行動と、仕事から気持ちを離すことの間には距離がある。そのことを、部屋で天井を見つめて過ごした一日が伝えています。
翌日も会社へ向かえなかった著者は、散歩中に見つけたゲームセンターで、子どもの頃に思い描いていた小さな夢を思い出します。大人になったらUFOキャッチャーを好きなだけやってみたかったという願いです。ドラえもんのぬいぐるみを手に入れたのは36回目。仕事の成果になるわけでも、誰かに褒められるわけでもない時間に夢中になったことが、初日の何もできなかった感覚と対照的です。
その翌日、著者が会社へ戻ると、職場は変わらず動いていて、自分の席も残っていました。自分がいない間も仕事が進んでいたことを、必要とされていない悲しさではなく、誰かに代わってもらえる安心として受け止めた点が印象的です。真面目さや責任感を捨てようとする話ではなく、一人ですべてを背負わなくてもよいという考え方が、具体的な経験を通じて見えてきます。
夢と憧れ|大きな目標と小さな願い
第2章「夢と憧れの手放し方」は、将来の大きな目標を持つことだけが前向きな生き方なのか、考え直すきっかけになる章です。夢という言葉には、仕事で成功することや周囲から認められることが重なりやすく、何者かにならなければと思うほど、今の生活が物足りなく見える場合もあります。そんな大きな物差しとは別に、日々の中に残っている小さな願いにも目を向けられます。
唐揚げを食べたいというささやかな願いも、誰かのためでなく自分のために夢を持つことも、暮らしを支える大切な気持ちです。思いどおりにならなかった未来にも幸せを見つけられるなら、夢を変えた自分を失敗と決めつける必要はありません。夢を諦めるか追い続けるかという二択に閉じず、今の生活と将来への希望を両方大切にしてよいと考えられます。
頑張る理由が分からなくなったとき、すぐに新しい壮大な目標を探す必要はないのかもしれません。好きな食べ物や週末にしてみたいことのような身近な希望も、自分の暮らしを支える大切な気持ちです。大きな成功を望むことまで否定せず、今の自分が何を楽しみにできるのかを確かめる。未来のために努力することと、今日の小さな喜びを大切にすることを両立させてよいのだと、この章は考えさせてくれます。
日常・他人との距離|好きや優しさと境界
第3章「ごきげんな日常の歩き方」は、特別な出来事がなくても毎日の中で自分の好きなものを見つけることに目を向けています。忙しい日には、何かを達成した時間だけを充実していたと考え、ぼんやり過ごした時間を無駄だったと評価してしまうことがあります。けれど、好きなものを味わったり、何気ない場面でほっとしたりする時間まで、何かの役に立つ理由を求める必要はないのでしょう。
意味のないように思える時間にも、自分を穏やかにする喜びがあります。誰かに説明できる立派な趣味を持つ必要はなく、好きだと思えるものを少しずつ増やすだけでも、日常の見え方は変わります。また、手を貸してくれた人の優しさや、目立たない贈り物を受け取ったことを忘れない姿勢も大切です。自分が何をできたかばかり数えるのではなく、すでに受け取っているものに気づく余白が生まれます。
第4章「自分と他人の見つめ方」は、家族との距離感や相手への期待、自分を守ることへと話題を広げます。誰かと仲良くするために、いつも自分の気持ちを後回しにする必要はありません。一方で、相手を一方的に遠ざけることだけが、自分を大切にすることでもないでしょう。好きなものを見つける話と、人に合わせすぎない話が続くことで、日常の楽しみと対人関係の負担をつながった問題として考えられます。
目次|本書の構成を確認する
著者について
考えるOLさんは、会社員として感じてきた迷いや日々の思いを、SNSなどで言葉にしてきた著者です。本書には、仕事の責任や周囲の評価に気を張る中で、自分の気持ちを見失いかけた出来事と、身近な幸せを思い出す場面が収められています。率直な言葉と具体的な生活描写が組み合わされているため、同じように忙しさや人への気遣いで疲れている読者にも届きやすいでしょう。挿画はおさつさんが担当しています。
感想|実際に読んで分かったこと

『がんばらない』という題名から、最初は仕事の責任まで投げ出すような印象を受けました。けれど著者の言葉を追ううち、頑張り続けることで見えなくなった気持ちを確かめるための表現なのだと感じました。読書のあと、仕事の区切り、休日の食事、人に頼ること、断ることという四つの場面で、自分が何を急いでいたのかを振り返りました。
休みを決めても仕事が頭から離れなかった
第1章で、会社を休んだ著者が誰かに仕事を代わってもらえることを安心として受け止めた場面が印象に残りました。以前の私は、仕事を終えても翌日の対応を頭の中で繰り返し、帰宅後まで気を張ってしまうことがありました。著者の経験に触れると、責任を持つことと、一日中仕事を気にし続けることは必ずしも同じではないと思えます。そこでまず、仕事を区切る時間をどう決めるかを考えました。
仕事の区切りが見えない夕方、急ぎでない返信を翌朝に回すと決め、残った作業を紙に書き出して帰りました。それでも家に着くと気になってスマホを一度確認してしまいます。やめようと決めただけで長い習慣は変わらず、かえってできなかった自分を責めそうになりました。
そこで次の日は、単に「明日でいい」と決めるのでなく、翌朝の何時に確認するかまで書いてみます。連絡を放置することと、決めた時間に対応することは同じではありません。気持ちが完全に切り替わったわけではないけれど、終わりを曖昧にしないための小さな手がかりになりました。急な連絡が絶えない職場なら、こうした個人の工夫だけでは足りないことも忘れないでいたいです。
好きな食事を選んだ後も罪悪感が残った
研修を終えた著者が、周囲と自分を比べて焦る中でも、昔から好きだった食事に心が動いた場面が残りました。誰かから認められたかどうかとは別に、自分が好きだと思う気持ちは失われていなかったのです。この場面を読んで、私も休日の楽しみを勉強や片づけを終えた後の「ご褒美」にしていると気づきました。好きだから選ぶはずの時間にまで、何かを達成したかという条件を付けていたのだと思います。
休日の朝、すべての用事を終えてから楽しむという予定を少し変え、昼には自分が食べたいものを選びました。食事中は落ち着いたものの、夕方になると片づけが終わっていないことが気になり始めます。せっかく自分の好みで選んだのに、また生産性の物差しでその時間を採点していました。
そこで次の週には、「何もしない一時間」も予定として書いてみました。予定どおりに休めない日もあり、休むことを成功・失敗で評価する癖は簡単に消えません。それでも、自分で食べたいものを決めたことまで無駄だったと思わないようにしたいです。好きなものを選ぶことは、立派な目標を達成するためのご褒美とは違うのだと感じました。
頼ってみたら説明する難しさが分かった
著者が「自分の代わりがいること」を安心として受け止める描写は、頼ることへのためらいを考えるきっかけになりました。私はそれまで、自分が全部できることこそ仕事への責任だと思いやすかったのです。でも誰かが代われるようにしておくことは、自分のためだけでなく、急な体調不良があったときに職場を支えることにもつながります。
そこで一人で抱えていた作業の一部を、同僚に確認してもらいました。初めは説明する方が手間で、相手の反応にも遠慮が残ります。全部自分でやった方が早かったのではと考えましたが、次は依頼の目的と期限を短いメモにして伝えてみました。すると、相手が引き受けられる範囲を一緒に相談しやすくなりました。
助けてもらった後も、慌ただしく礼を言うだけで済ませたことが気になります。帰ってから、忙しいなか代わりに確認してもらえたことを思い出し、短いお礼を伝えました。頼ることは一度で楽になる魔法ではありません。説明に迷ったり相手の手間を気にしたりしながら、助けを受け取る方法を少しずつ身につけていくことなのだと思います。
断れなかったとき、返答を保留するようにした
第4章で語られる、自分を守るために嫌なことまで笑って受け流す必要はないという考え方が心に残りました。頼る側の難しさを考えたあと、今度は頼まれる場面で自分が何をしているのかが気になりました。相手が困っているのを見ると、こちらの予定を確かめる前に「大丈夫です」と答えてしまうことがあるからです。
一度、返事をすぐに決めず保留しようとしました。でも相手との間が空くのが怖くなり、結局「できます」と付け足してしまいます。あとで予定を見直して、どうしてあのとき急いで答えたのだろうと落ち込みました。次は「今日中に確認して返します」と、期限を添えて伝えることにしました。
それでも、相手が困った顔をすると不安になります。無理なところは無理と伝えながら、できる条件を一つ添えるよう試しました。断ること自体が目的ではありません。自分の都合を確認する時間を持ち、できることとできないことを言葉にすることが目的です。一度うまくいけば終わりではなく、今も迷う場面があることごと、この本から持ち帰った問いだと思います。
成果にならない「好き」を大切にできる理由

会社を休んだ翌日にゲームセンターで夢中になった時間と、新入社員研修の後に好きな食事を選んだ時間。二つの出来事は違う場面ですが、他人に認められる成果がなくても、自分にとって大切なものがあるという点でつながっています。派手な成功談ではないからこそ、著者の気持ちの動きが細部から伝わり、読み終えてからも印象に残ります。
ぬいぐるみを取るまでの36回が教えてくれること
会社へ行けなかった初日、著者は空いた時間を何に使いたいのか分からず、ただ天井を眺めていました。翌日、ふらりと入ったゲームセンターで思い出したのは、子どもの頃に抱いた「大人になったらUFOキャッチャーを好きなだけやる」という小さな夢です。仕事を休めばすぐに元気になれるという話ではなく、自分の好きなものを思い出すまでにも時間が必要だったことが伝わります。
ドラえもんのぬいぐるみを手に入れたのは36回目。効率よく成果を得ることだけを考えたら、ずいぶん遠回りに見えるかもしれません。それでも著者にとって大切だったのは、仕事や周囲の評価から離れ、目の前のことに夢中になれた時間そのものです。何回で取れたかという具体的な数字が、上手か下手かではなく、久しぶりに楽しさを味わった時間の実感を強めています。
この出来事の魅力は、遊べば疲れが消えるという単純な教訓ではありません。自分がやってみたかったことに、誰かに説明できる理由や将来の役立ち方を求めなくてもよいのです。その後、会社に戻って自分の席が残っていたことに安心した描写まで読むと、責任を放棄するのではなく、仕事の外にも自分の時間があると知ることの大切さが見えてきます。
380円の牛丼に残った「自分の特別」
新入社員研修の会議室には大勢の同期が集まり、著者は自分の知らなかった世界を次々と目にします。周囲の人たちが何者かに見えるほど、自分には誇れるものがないように感じ、これから新しい場所で認められなければならないという焦りが募ります。そんな二週間を過ごした研修最終日、著者が食べたいと思って向かったのは、華やかなレストランではなく牛丼店でした。
持ち帰った380円の牛丼をホテルの部屋でほおばり、著者は学生の頃から自分の好みが変わっていないことを思い出します。大勢の同期と比べて落ち込んでいた自分にも、変わらず好きだと思えるものがある。その実感は、人に認められる立場や肩書きとは関係ありません。安い食事だからこそ価値があるのではなく、自分にとって確かな喜びだったという点に意味があります。
誰かの特別になろうと努力することを、著者は否定しているわけではありません。ただ、他人からの評価だけを追いかけるうちに、自分が好きな自分を見失いたくないという思いが、この場面にはあります。小さなホテルの一室で食べた牛丼が、そのことを思い出すきっかけになりました。特別な成果がない日にも、自分らしさは身近な好みの中に残っていると感じさせる描写です。
注意点|読む前に知っておきたいこと

本書は気持ちに寄り添うエッセイであり、職場の制度や専門的な対策を詳しく説明する本ではありません。購入前に読みたい目的を確認してください。
仕事の対処法や専門的な支援は別に確認する
本書は、責任感の強さや周囲の評価に疲れたとき、いまの自分の気持ちを見つめるためのエッセイです。著者が会社を休んだ日の話は率直で印象に残りますが、その経験をすべての職場や働き方に当てはめることはできません。休暇や休職の手続き、職場との具体的な交渉方法、業務量を減らすための制度を知りたい人には、別の情報が必要になります。温かな言葉を受け取ることと、現実の問題をどう解決するかは分けて考えるべきでしょう。
職場との調整が必要なら、まず勤務先の規則や相談窓口などを確認し、必要に応じて信頼できる専門家の助言を受けることも選択肢です。体調が優れない状態が続いている人にとっても、読書だけが支えになるわけではありません。本書には、頑張りすぎている自分に気づくきっかけを与えてくれる良さがあります。その良さを生かしながら、実際の負担を減らすための対策は別に確保しておくと安心です。
休めばすぐ気持ちが変わる本ではない
仕事を休んだ著者は、空いた時間を前にしても、最初は何をしたいのか分からずに過ごします。翌日のゲームセンターで夢中になれる時間を見つけても、それを誰もが同じように経験できるとは限りません。長く続けてきた働き方や考え方を、一冊の本で簡単に変えることは難しいものです。本書が届けるのは、今日から必ず元気になれる方法ではなく、肩に力が入っていた自分を見つめ直すための言葉です。
仕事や人間関係の不安が残ったとしても、読書の時間が無意味だったわけではありません。疲れた気持ちをうまく説明できない日には、短い文章に触れるだけで、自分が何に無理をしていたのかを考える余地が生まれることもあります。一方、すぐに使える実践手順や体系的な研究の解説を求めているなら、本書だけでは物足りないでしょう。今は気持ちに寄り添う言葉が必要なのか、具体的な問題を解決する知識が必要なのかを見極めて選ぶとよいと思います。
向いている人・向いていない人

本書が合いやすいかどうかは、努力が足りないと感じているかより、今どんな種類の答えが必要なのかで変わります。感情に寄り添うエッセイを読みたいのか、実務的な対策を今すぐ必要としているのかを分けてみてください。
向いている人
次のような人には、短い言葉と身近なエピソードが特に届きやすいでしょう。
- 仕事への責任感が強く、休みの日にも次の連絡が気になる人
- 頑張れないときに罪悪感が残り、休む意味を考え直したい人
- 他人からの評価で自分の価値を測ってしまいがちな人
- 忙しい毎日の中で、自分が好きな食べ物や時間を見失っている人
- 疲れている日でも、短いエッセイを少しずつ読みたい人
何か大きく変わるためではなく、今まで見落としていた自分の気持ちを確かめたいときに向いています。特に第1章の具体的な場面が、読み始めるきっかけになりそうです。
向いていない人
一方で、次のような課題を解決したい場合は、本書だけでは材料が不足します。
- 仕事の効率や生産性を上げる具体的な手順を詳しく知りたい人
- 欠勤や休職など、職場の手続きと制度を調べる必要がある人
- 治療や専門的な心理支援について信頼できる情報を最優先したい人
- 研究・数値・理論から努力と成果の関係を体系的に学びたい人
本書が合わないのは読者の努力不足ではなく、欲しい答えの種類が異なるためです。こうした目的があるなら、専門書や公式情報を併用する方が納得しやすいでしょう。
似た本との違い|選び分けのポイント

「頑張りすぎて疲れた」という悩みが同じでも、その中心が仕事や生活の疲れなのか、人への気遣いなのか、努力そのものの価値観なのかで、適した本は違います。ここでは本書と、切り口の異なる二冊を五つの視点で比べます。
| 比較軸 | がんばらないことをがんばるって決めた。 | 「ひとりで頑張る自分」を休ませる本 | 努力不要論 |
|---|---|---|---|
| 悩みの中心 | 仕事や暮らしに疲れ、自分の好みが分からなくなる | 相手を優先し続けて負担が大きくなる | 努力の意味や社会的な評価への疑問 |
| 切り口 | 生活の言葉とエッセイ | 対人関係と快・不快の見直し | 努力観・才能・社会を問う説明 |
| 特徴的な内容・題材 | UFOキャッチャー36回と牛丼380円 | 「いい人」として振る舞う負担や罪悪感 | 努力信仰、才能、意志力をめぐる話題 |
| 特に向く読者 | 短い文章で気持ちを整理したい人 | 人間関係の負担を深掘りしたい人 | 努力の前提を理論から見直したい人 |
| 読む目的 | 成果以外の自分の価値を考える | 周囲に合わせすぎる癖を考える | 努力の必要性や方向を考える |
表だけでは、同じ「疲れ」がどこから来ているのかまでは分かりません。人との関係で消耗しているなら対人心理を掘り下げる本が近く、努力の考え方そのものに疑問があるなら理論的な本が近いでしょう。本書の強みは、難しい理論を理解する前に、毎日の小さな喜びを見つめ直す言葉を受け取れることです。
「ひとりで頑張る自分」を休ませる本
周囲から「いい人」と思われようとするほど、相手の期待を優先して自分の負担を後回しにしてしまう。そんな悩みを深く考えたいなら、『「ひとりで頑張る自分」を休ませる本』(大嶋信頼/大和書房)が候補になります。快・不快の感覚、罪悪感、人から嫌われることへの怖さなどを手がかりに、自分の本当の気持ちに目を向ける一冊です。人との関係で消耗している理由を考えたい人には、悩みの中心に近い内容でしょう。
仕事を頼まれると断れず、相手の表情が気になってしまう人は、大嶋さんの本から読み進めると、自分を後回しにする癖について考えやすくなります。反対に、仕事のことばかり考えて休みの日にも何をしたいか分からない人には、ゲームセンターや牛丼のエピソードから生活全体を見つめ直せる本書が近いでしょう。どちらも無理をしすぎる気持ちに関わりますが、対人関係を中心に考えるのか、毎日の楽しみや自分の好みまで広く考えるのかによって、読む順序は変わります。
努力不要論
頑張れば必ず報われるはずだと思うほど、結果が出ない自分を責めてしまうことがあります。そうした努力への価値づけそのものを考え直したいなら、『努力不要論』(中野信子/フォレスト出版)が候補です。日本人の努力観や才能と社会の関係、意志力などを扱い、なぜ努力を過大に評価してしまうのかという問題へ視野を広げられます。個人の気持ちだけでなく、社会の考え方にも疑問を向けたい読者に合うでしょう。
『努力不要論』は、努力することの必要性や意味を理論的に考えたい人に適しています。一方、『がんばらないことをがんばるって決めた。』は、仕事で疲れた日や、人の評価が気になった日にも、短い生活のエピソードを通して気持ちを確かめたい人に向いたエッセイです。「なぜ努力を求められるのか」という問いが強いなら前者、「自分は何を好きだと思えるのか」を見直したいなら後者。答えを得たい問いの違いから選ぶと、期待とのずれを減らせます。
次に読む本|次の課題から選ぶ

似た本との比較では、今の気持ちに合う一冊を選ぶことができます。一方、本書を読み終えたあとには、仕事で消耗する原因や、人の頼みを断れない理由など、もう少し具体的に考えたい課題が残るかもしれません。そのときは、気持ちに寄り添うエッセイから一歩進み、仕事のストレスや対人関係に焦点を当てた本を選ぶと、次の読書の目的が明確になります。
会社、仕事、人間関係で 心が疲れない仕事術
仕事を終えたはずなのに、帰宅後も翌日の対応が頭から離れない。そんなときに次の候補になるのが、『会社、仕事、人間関係で心が疲れない仕事術』(福山敦士/あさ出版)です。メンタルコントロール、人間関係、不安の解消、モチベーションの維持など、仕事で心を消耗しやすい場面を七つのテーマから扱います。著者の日常を描く主書とは異なり、働く場面でどう考え、どう行動するかを考えたい人に向いた実践的な内容です。
たとえば、仕事を頼まれたときに相手の期待を気にしすぎる人は、何を引き受けられて何が難しいのかを自分でも把握するところから考えられます。福山さんの本では、自分の不得意なことを知る重要性や、気持ちを行動に結びつける考え方も紹介されています。『がんばらないことをがんばるって決めた。』を読んで休むことへの思いを見直したあと、職場での不安やストレスとの向き合い方をさらに考えたい人に、読み進める理由がある一冊です。
人間関係に「線を引く」レッスン
相手の期待に応えようとして、頼みごとを断れずに疲れてしまう。そんな悩みが残るなら、『人間関係に「線を引く」レッスン 人生がラクになる「バウンダリー」の考え方』(藤野智哉/ディスカヴァー・トゥエンティワン)が候補です。自分の時間・感情・価値観と、相手のものを区別する「バウンダリー」を中心に、自分の状態を知ることから、相手の境界線を尊重することまでを扱います。自分を大切にするための距離感を、具体的に考えたい人向けの一冊です。
主書の第4章を読んで「嫌なことまで笑って引き受けなくてもよい」と感じても、現実の頼まれごとにどう向き合うかは次の課題として残ります。藤野さんの本では、まず自分の状態を知り、相手との関係の中で線を引くことを考え、境界線を越えてくる相手への対応にも話が進みます。書き込み式のワークもあるので、単に断る言い方を覚えるより、どこまでが自分の役割で、どこからが相手の領域なのかを整理したいときに役立つでしょう。
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もっと候補を探したくなったら、ランキングで広く比較する方法、悩みから選ぶ方法、書評一覧をたどる方法の三つがあります。今は努力の方法が知りたいのか、頑張りすぎて疲れた自分に合う一冊を探したいのかで入口を使い分けると選びやすくなります。
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努力のおすすめ本ランキングでは、努力観を見直す本から実践的な本まで、複数の候補を一度に見比べられます。テーマは近くても読む目的は異なるので、選択肢を広げたいときの入口にしてください。
本の選び方から自分に合う本を探す
努力の本の選び方では、「頑張りすぎて疲れた」「努力が報われない」「続けるか迷う」など、今の悩みや年代から本を探せます。本書のような気持ちに寄り添うエッセイを探している人にも役立つ入口です。
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