立場・レベルから選ぶ 本の選び方

仕事と勉強を両立したい社会人に合う本は?資格・独学・時間管理で選ぶ

仕事と勉強を両立したい社会人に合う本は?資格・独学・時間管理で選ぶ

仕事を続けながら資格取得や学び直しに取り組みたいのに、どんな勉強法の本から読めばよいか迷っていませんか。資格試験の期限が迫っている人、学ぶ分野を探している人、勉強する時間を確保できない人では、役立つ本の内容や読む順番が変わります。

この記事では、仕事と勉強を両立したい社会人に向けて、今の目標や生活に合う一冊の選び方、購入前の確認事項と読んだ後の使い方を具体的に整理します。


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仕事と勉強を両立したい社会人は、どんな本を選ぶ?

似た本との違い|選び分けのポイント

社会人が勉強法の本を探すとき、最初に考えたいのは、今の仕事と学習の状況です。資格試験の受験予定日が決まっているなら学習の進め方、学ぶ分野がまだ定まらないなら独学の方法、教材はあるのに勉強する時間がないなら時間の使い方を優先して考えましょう。

「何のために学ぶか」「何を使って学ぶか」「いつ学ぶか」を分けると、本に期待する役割がはっきりします。まずは次の早見表から、一番近い状態を探してください。

現在の状況 最初に検討したい本 選ぶ理由
資格試験に合格したい。試験日や出題範囲が決まっている 『資格試験のための最短最速勉強法 速学のススメ』 試験を目標に学び方を組み立てる
仕事に必要な知識を学び直したいが、教材や学び方が決まらない 『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』 分野や資料の探し方を整理する
学ぶ内容や教材は決まっているが、仕事の後に時間が残らない 『時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」』 時間・集中・休息の使い方を考える


資格試験に向けて学習方法を整えたい

宅建や簿記など、試験日や出題範囲が明確な資格を目指す人には、努力する気持ちを高めるだけでなく、合格までの勉強の進め方を整える本が役立ちます。例えば、仕事の合間に勉強時間を確保できても、教材を何から始めるか、問題演習にいつ進むかが決まっていなければ、時間を有効に使いにくいでしょう。

勉強の進め方を見直したい人には、河野玄斗著『資格試験のための最短最速勉強法 速学のススメ』という選択肢があります。著者の資格試験経験を踏まえた勉強法を扱う2023年刊の本で、試験を目標にする人が学習の進め方を整理する入口として使えます。

勉強法を見直す前に、受験する資格の主催団体が公表する試験科目・申込期限・受験資格を確認し、対象の試験に対応した教材を用意しましょう。勉強法の本は学習計画を立てる助けになりますが、試験別のテキストや問題集の代わりにはなりません。勉強法は補助に使い、実際の問題演習と組み合わせることが大切です。

すでに問題集を解いている人は、得点が伸びない原因が知識不足なのか、問題文の読み違いなのか、時間配分なのかを確かめましょう。試験までの日数が少ない場合、新しい勉強法の本を読み込むよりも、解けなかった問題の復習を優先した方がよいこともあります。


学び直す分野や教材を決めたい

業務の幅を広げるために経済やITを学びたい、将来の転職に備えて基礎知識を身につけたい。こうした気持ちはあっても、まだ試験名も使う教材も決まっていないことがあります。この段階では、特定の資格の攻略法より、問いの立て方や資料の選び方を考える本が合います。

学ぶ対象を探すところから始めるなら、読書猿著『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が役立ちます。自分が何を知りたいのかを考える方法から、書籍や文献の探し方、学習を進めるための技法まで幅広く収録しており、関心分野から学習への道筋を作りたい人が参照できます。

仕事の知識を身につける目的なら、まず「用語や仕組みを理解したい」のか「業務で判断や説明までできるようになりたい」のかを分けて考えます。学ぶテーマが曖昧な場合は『独学大全』で資料の探し方を調べられますが、会計など必要な分野が決まっているなら、その分野の入門書や実務書を先に選ぶ方が適切なこともあります。

788ページある大部な本のため、最初から通読しようとすると、本来の学習が後回しになるおそれがあります。目次から今の疑問に関係する章だけ開き、紹介された技法を一つ試す使い方がおすすめです。方法を確かめたら、実際に必要な資料を読んだり調べたりする段階へ進みましょう。


仕事の合間に勉強時間を確保したい

資格のテキストを購入して、今日取り組む範囲も決めている。それでも残業、家事、通知への対応で一日が終わってしまうなら、教材の選び直しより先に、学習に使う時間を確保できるかを考えたいところです。ただし、睡眠や休息を削って時間を生むことは、誰にでも勧められる方法ではありません。

ジェイク・ナップとジョン・ゼラツキーによる『時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」』は、一日の重要事項を選ぶことや、注意を奪うものを減らすこと、試して調整することを扱います。勉強法そのものの本ではありませんが、「勉強したいのに予定の中で後回しになる」という状況には、学習のための時間の作り方を考える材料になります。

本書では、最重要事項を選ぶ「ハイライト」、集中を妨げるものを減らす「レーザー」、心身のエネルギーを整える「チャージ」、試した方法を調整する「チューニング」という四つの段階を扱います。例えば、短い学習時間を一つ決めて通知を切り、休息も確保したうえで、その時間帯が実際に使いやすかったかを振り返る、といった使い方ができます。

87の方法を一度に取り入れる必要はありません。試す工夫は一つに絞り、仕事や家庭に支障が出ないかも確かめましょう。仕事量や家庭の事情で自由時間がほとんどない場合は、自己管理だけで解決できるとは限りません。学習目標を小さくする、期限を延ばす、周囲と役割を調整するといった選択肢も残してください。


勉強法の本を買う前に確認したいこと

どの本にも得意な役割と、扱わない範囲があります。試験勉強の本に仕事の時間管理をすべて任せたり、時間管理の本に科目別の解説を求めたりすると、本の内容が悪くなくても期待外れになりやすくなります。そこで、購入前には次の三つを確認してください。

第一に、目次に今の課題に対応する章があるかを確かめます。試験の学習計画、資料の探し方、時間管理のうち、必要な内容が収録されているかを見ましょう。第二に、今週実際に試せる方法が一つ見つかるかを確認します。第三に、その本とは別に、試験別の問題集や専門分野の入門書などが必要ではないかを考えます。

本の分量と、今の学習時間の釣り合いも大切です。必要な章を引いて使える本なら、厚くても通読する必要はありません。一方、試験直前に勉強法の本を読み始める場合は、問題演習に充てる時間が減らないかを確認しましょう。今週使いたい章と、別に必要な教材を一つずつ挙げられるかが購入前の最終チェックになります。


最初の一冊を選んだら、何を試せばいい?

自分に合いそうな本が決まったら、すぐに複数冊を買い足す前に、一冊から得た方法を一週間だけ試してみましょう。勉強法の本を読んだ時間と、実際に試験問題を解いたり新しい知識を使ったりした時間は別です。読んで満足することを避け、次の行動につながるかで判断します。

資格試験を目指す人なら、試験日と使う教材を確認し、学習範囲を小さく区切って予定に落とし込みます。分野を探している人なら、興味のある仕事上の疑問を一つ書き、対応する入門書や資料を調べます。時間が課題なら、仕事や家庭に無理がない範囲で短い学習枠を試し、確保できたかを振り返ります。

一週間後に、資格試験なら次に解く問題が明確になったか、独学なら必要な入門書を見つけられたか、時間管理なら無理なく学習時間を確保できたかを確かめます。読んだ量より、今の生活で次の行動につながったかが判断の目安です。

一週間で計画どおりに進まなかった場合も、自分の努力不足と決めつける必要はありません。学習量が現在の生活に合っていないのか、教材が難しすぎるのか、急な予定変更が重なったのかを確認し、本の使い方や学習計画を調整しましょう。

今の課題が学習の始め方ではなく、取り組みを続けることに変わったなら、継続力・仕組み化・省力化から努力の本を選ぶ記事が参考になります。一方、続けているのに結果が出ず、努力の方向や方法を見直したい場合は、努力しても結果が出ないときに読む本の選び方を確認してみてください。勉強法の本を増やすこと自体を目的にせず、現在の課題に合う一冊を選ぶことが大切です。


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兼松 学

書評サイト「本のものさし」運営者。ビジネス書・実用書を中心に年間約80冊を読み、採用・面接・人材育成に約9年携わった実務経験も踏まえて執筆しています。実際に読んだ本の要点だけでなく、向いている人や類書との違いまで整理し、自分に合う一冊を選ぶための判断材料を届けることを大切にしています。

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