ビジネス・経済・経営 ビジネスマナー

【書評】これ1冊でOK!社会人のための基本のビジネスマナー|要約と感想、向いている人を整理

ビジネスマナーを学びたいと思っても、敬語・電話・訪問・身だしなみまで何から手をつければよいか迷いがちです。『これ1冊でOK!社会人のための基本のビジネスマナー』は、社会人としての意識から電話・メール、訪問、冠婚葬祭まで、仕事で迷いやすい基本を一冊で見渡せる入門書です。

この記事を読むと、本書を実際の仕事でどう使えるのか、どこは現在の職場ルールと照合したいのかが分かり、自分に合う一冊か判断しやすくなります。


30秒で分かる、この本の結論

  • この本を一言でいうと
    Good/Badのイラストを見比べながら、社会人の基本マナーを広く学び、仕事の中で一つずつ行動へ落とし込める総合入門書です。
  • こんな人に向いている
    新社会人や、挨拶・敬語・電話・訪問など何から学べばよいか分からず、視覚的に全体像をつかみたい人に向いています。
  • 読んで得られること
    場面ごとの基本動作と、その行動が相手への配慮や信頼にどうつながるかを整理し、自分の勤務先ルールと照合して判断しやすくなります。
  • 本書ならではの強み
    失敗例と良い例を視覚で比較でき、文章だけでは分かりにくい姿勢・おじぎ・身だしなみも確認しやすく、別冊電話フレーズも付いています。
  • 読む前に知っておきたい点
    2019年刊なので、服装・スマホ・始業前準備など変化しやすい項目は、現在の勤務先ルールと照合して読む必要があります。


同テーマのおすすめ本ランキングを見る

ビジネスマナーのおすすめ本ランキング 14選【2026年】

続きを見る



もくじ
  1. 要約|どんな本か・何が学べるか
  2. 感想|実際に読んで分かったこと
  3. Good/Badで失敗の形から改善点を見つけやすい
  4. 注意点|読む前に知っておきたいこと
  5. 向いている人・向いていない人
  6. 似た本との違い|選び分けのポイント
  7. 次に読む本|次の課題から選ぶ
  8. このテーマの本をもっと探す

要約|どんな本か・何が学べるか

『これ1冊でOK!社会人のための基本のビジネスマナー』は、社会人としての意識から、身だしなみ、仕事の進め方、敬語、電話・メール、来客・訪問、人づき合い、冠婚葬祭までを広く扱う総合入門書です。ナツメ社から2019年に刊行され、オールカラーのイラストやマンガを使って場面ごとの振る舞いを確認できます。


マナーの根底は相手への配慮

冒頭で示されるのは、ビジネスマナーの根底にあるのは「相手を尊重し、思いやる心」だという考え方です。作法を形だけで覚えるのではなく、相手に不快な思いをさせないことが信頼につながり、仕事を進めやすくするという流れで説明されています。

法律や就業規則のような「ルール」と、礼儀作法としての「マナー」を分けている点も特徴です。何が罰則のある決まりで、何が相手への配慮として選ぶ行動なのかを分けると、細かな作法を絶対視しにくくなります。


社会人の基本を7領域+別冊で広くカバー

本編は「基本1」から「基本7」まであり、社会人としての意識とイメージ管理、会社での働き方、ビジネス会話、電話・メール・文書、来客・訪問、人づき合い、冠婚葬祭へと広がります。さらに、電話応対の基本フレーズをまとめた別冊も付いています。

一つのテーマを専門書のように深掘りするより、最初に社会人の基本を一通り見渡し、必要な場面で該当箇所へ戻る使い方に向く構成です。


目次|本書の構成を確認する


監修者について

浅井真紀子さんは、企業研修やビジネスマナー、人材育成に携わる研修講師です。学習院女子大学卒業後、日本航空の客室乗務員や研修会社の講師を経験し、その後は新入社員研修や接遇研修、管理職研修などを担当してきました。接客・接遇に加え、職場で必要となる幅広いビジネスマナーを教えてきた経験を持つ監修者です。




感想|実際に読んで分かったこと

送信前確認と画面ロックは「一つの動作」にすると続けやすかった

本書を読んで最初に仕事へ取り入れたのは、メールを送る直前に宛先・添付・本文の固有名詞を確認することでした。急いで送ろうとしたとき、添付予定のファイル名が似た別資料になっていることに気づき、「分かっている」だけではミスは防げないと実感しました。毎回すべてを長く点検すると続かないので、送信前は三点だけを見る形へ絞っています。

離席時の情報管理も同じでした。画面をロックしてから席を立つようにしたものの、最初は急いで立ったときに一度忘れ、戻ってから気づきました。そこで「気をつける」ではなく、「席を立つ=画面を閉じる」と一つの動作にまとめました。大きなルールを覚えるより、数秒の行動へ落としたほうが自分には残りやすかったです。


挨拶とおじぎは一度に完璧を目指さないほうが自然だった

挨拶は知っているつもりでも、実際に意識すると作業を続けたまま返事だけをしている瞬間がありました。そこで、声をかけられたらまず手を止めて相手を見ることだけを意識しました。最初は少し大げさに感じましたが、相手の表情が見えると、その後の用件へ入りやすくなりました。

おじぎも、鏡で腰から折る形を確認してから実際の挨拶で試しました。角度を気にしすぎるとかえって動作が硬くなったため、「首だけで下げない」「言葉を伝えるときは相手を見る」という二点へ戻しました。図解は完成形を知るために使い、現場では一要素ずつ直すほうが自然でした。


電話フレーズは台詞暗記より用件を聞く足場になった

別冊の電話応対基本フレーズは、電話に出る前に短く確認する使い方が合っていました。名乗り、相手の名前の確認、取り次ぎ、不在時の返答など、流れを数個だけ見てから実際の電話に出ると、次に何を言うか分からなくなる不安は減らしやすくなりました。

一方で、フレーズ通りに言おうとしすぎると、自分の台詞を思い出すことへ意識が向きます。何度か使ううちに、型は最初の足場として持ち、相手の用件を聞くことを優先したほうが自然だと分かりました。


仕事の直前に引き直すと行動へつながりやすい

本書は扱う範囲が広いため、一度読んで全部覚えるより、予定に合わせて該当箇所へ戻る使い方が向いています。訪問前なら席次や名刺交換、電話前なら電話応対、冠婚葬祭ならその章というように、実際の予定がある直前に確認したほうが、内容を具体的な行動へ結びつけやすくなりました。

仕事開始前の予定確認やデスク整理でも同じでした。「10分前」という数字を普遍的なマナーとして受け取るのではなく、自分の勤務ルールの範囲で、業務開始時に迷わない準備を整えると読み替えています。机上整理も、きれいにすること自体ではなく「次の作業に必要なものがすぐ取れるか」を基準にすると続けやすくなりました。


Good/Badで失敗の形から改善点を見つけやすい

本書を他の総合マナー本と分ける大きな特徴は、正しい作法だけを並べるのではなく、Bad例とGood例を視覚的に対比していることです。何をすべきかだけでなく、「自分はどこで崩れやすいか」を先に見つけやすい構成になっています。


Badから見ると自分の癖に気づきやすい

挨拶なら「作業をしながら顔を見ない」、情報管理なら「送信先を間違える」、立ち居ふるまいなら「ふんぞり返って座る」といった失敗の形が先に見えます。正解だけを読むより、自分の行動と照らし合わせやすく、直す場所を一つに絞りやすいのが利点です。

出版社の説明でも、GoodマナーとBadマナーという切り口で、よりよい印象につながるポイントをイラストとともに示す本として紹介されています。


図解で姿勢やおじぎの違いを確認しやすい

姿勢、おじぎ、身だしなみのように、文章だけでは「どの程度が違うのか」を想像しにくいテーマでは、図解との相性が特に良いです。会釈・敬礼・最敬礼、立ち方・座り方などは、文章を読むだけでなく形を見てから自分の動作を確認できます。

実践時に角度や細部を完全再現する必要はありませんが、まず完成形の差を知り、自分が直す一要素を決めるための基準として使いやすい構成です。


新人本人だけでなく基本を説明する側にも使いやすい

Good/Badの並びは、自分で確認するときだけでなく、新人研修やOJTで「なぜその行動を直すのか」を説明するときにも使いやすいと感じました。単に「こうしなさい」と示すのではなく、相手がどう受け取るか、信頼や仕事の進めやすさへどうつながるかまで説明しやすいからです。

細かな慣習は勤務先に合わせて更新する必要がありますが、「相手の負担を減らす」「信頼を損なわない」という理由まで共有できる点は、本書固有の選択価値です。


注意点|読む前に知っておきたいこと

2019年刊なので職場ルールと照合したい項目がある

本書は2019年刊です。挨拶、相手への配慮、情報管理、訪問時の基本など、今でも確認しやすい内容が多い一方で、服装、メイク、スマホ、始業前の準備といった項目は、会社や職種、働き方による違いが出やすい部分です。

本書自身にも「会社のルールがあれば従う」「職場によっては」といった説明があります。具体例を絶対的な正解として覚えるより、勤務先の就業規則やドレスコードを確認し、そのうえで清潔感や相手への配慮という考え方を使うのが安心です。


広いぶん一分野の深掘りには専門書が向く

敬語、電話、メール、来客応対、冠婚葬祭まで幅広く扱うことは本書の強みですが、一つひとつのテーマを専門書と同じ深さで練習する本ではありません。

敬語の言い換えを大量に練習したい、電話応対をケース別に徹底したいなど、課題がすでに絞れている人は、まず本書で全体像を確認したあと、必要な分野だけ専門書へ進むほうが効率的です。


デジタル・Web会議は新しい本で補いたい

2019年以降、チャット、オンライン会議、テレワークなど職場のコミュニケーション手段はさらに広がりました。これらを中心に学びたい場合は、本書だけで完結させず、後発のビジネスマナー本や勤務先の最新ルールを併用したほうがよいでしょう。

また、本書にある「7%・38%・55%」の数値は、一般的な第一印象の割合として広げず、言葉と表情・声が矛盾すると伝わり方が変わるという本書の説明範囲で読むのが適切です。




向いている人・向いていない人

向いている人

まず社会人の基本を広く見渡し、図や具体例を見ながら行動を整えたい人に合います。

  • 新社会人で、ビジネスマナーを最初から広く学びたい人
  • 文章中心の本より、イラストやGood/Bad例で理解したい人
  • 挨拶、敬語、電話、訪問など複数の不安を一冊で整理したい人
  • 一度読んだ後も、困った場面で引き直せる本がほしい人
  • 新人研修やOJTで、基本動作を理由と一緒に説明したい人

一冊で全体像をつかみ、必要な項目へ戻って使う読み方と相性がよい本です。


向いていない人

最新のデジタル環境や一分野の深掘りを最優先する場合は、別の本を先に選ぶ余地があります。

  • Web会議やチャットなど最新のデジタルマナーを中心に学びたい人
  • 敬語や電話応対など、一分野だけを深く練習したい人
  • 法制度や労務の最新情報を詳しく確認したい人
  • 勤務先独自のルールだけを最短で覚えたい人

本書は総合入門として使い、課題が明確な場合は専門書・後発本・勤務先ルールで補うのが向いています。


似た本との違い|選び分けのポイント

ビジネスマナーの総合本は扱う内容が重なりやすいため、紙面の見せ方、守備範囲、現在性で比べると選びやすくなります。

比較軸 これ1冊でOK!社会人のための基本のビジネスマナー 改訂新版 入社1年目ビジネスマナーの教科書 令和版 新社会人が本当に知りたいビジネスマナー大全
主な対象 新社会人〜基本を復習したい社会人 入社1年目を中心に基本を体系的に学びたい人 新社会人+現在の働き方まで広く確認したい人
紙面の特徴 Good/Bad、イラスト、マンガが豊富 教科書型で順序立てて確認しやすい 図解を使い、ICT・制度等まで広げる
守備範囲 対面マナーから冠婚葬祭まで幅広い 新人が最初に必要な基本を中心に整理 基本+Web会議・チャット・ICT・制度・お金
現在性 2019年刊。変化しやすい項目は確認が必要 改訂版として新人実務を確認しやすい 2023年刊でデジタル領域を比較しやすい
向いている使い方 失敗例から直す場所を見つけ、必要時に引き直す 一年目の基本を順番に学ぶ 現代的な仕事環境まで一冊で広げる


改訂新版 入社1年目ビジネスマナーの教科書

一年目に必要な基本を順序立てて学びたいなら、『改訂新版 入社1年目ビジネスマナーの教科書』が比較候補です。本書はBad→Goodの視覚差から改善点を見つけやすいのに対し、こちらは新人の一年目という現在地に沿って体系的に学びたい人と相性があります。


令和版 新社会人が本当に知りたいビジネスマナー大全

Web会議やチャット、ICTなど現在の働き方まで一冊で確認したいなら、『令和版 新社会人が本当に知りたいビジネスマナー大全』も比べたい一冊です。本書は対面の基本作法を視覚的につかむ入口として使いやすく、こちらはデジタル領域を含む現在性を優先したいときに選び分けやすくなります。


次に読む本|次の課題から選ぶ

本書で社会人の基本を一通り確認したあと、マナーだけでなく仕事の進め方や制度まで範囲を広げたいなら、次の一冊へ進む価値があります。


最新ビジネスマナーと 今さら聞けない 仕事の超基本

マナーから仕事術・制度・効率化まで視野を広げるなら、『最新ビジネスマナーと 今さら聞けない 仕事の超基本』が次読候補です。本書で「相手に配慮して基本動作を整える」土台を作ったあと、仕事そのものをどう進めるかへ学習範囲を広げやすくなります。

反対に、電話や敬語など苦手分野がすでに明確になった場合は、そのテーマの専門書を選ぶほうが目的に合います。




このテーマの本をもっと探す

おすすめ本ランキングで候補を比較する

自分に合う一冊を候補同士で比べたい方は、ビジネスマナーのおすすめ本ランキングから比較できます。


本の選び方から自分に合う本を探す

悩み・立場・比較基準から整理したい方は、ビジネスマナーの本の選び方から、自分の目的に近い選び方を確認できます。


同じテーマの書評をもっと見る

書評・ランキング・選び方をテーマ全体から見たい方は、ビジネスマナーカテゴリーへ進めます。


【公式情報・書誌を確認する】


  • この記事を書いた人
  • 最新記事

兼松 学

書評サイト「本のものさし」運営者。ビジネス書・実用書を中心に年間約80冊を読み、採用・面接・人材育成に約9年携わった実務経験も踏まえて執筆しています。実際に読んだ本の要点だけでなく、向いている人や類書との違いまで整理し、自分に合う一冊を選ぶための判断材料を届けることを大切にしています。

-ビジネス・経済・経営, ビジネスマナー