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【書評】仕事のできる人を「辞めさせない」15分マネジメント術|要約と感想

【書評】仕事のできる人を「辞めさせない」15分マネジメント術|要約と感想

部下ときちんと向き合いたいのに、忙しさに追われて会話が後回しになり、気づけば優秀な人ほど先に辞めてしまう。『仕事のできる人を「辞めさせない」15分マネジメント術』は、そんな現場の悩みに対して、離職防止を短時間で回せる実務として考え直す本です。

この記事では、その「15分」という考え方がどこまで現実的なのか、対話だけでなく採用や育成まで広げた内容にどう読む価値があるのかを整理していきます。読み進めることで、自分の職場の悩みに本当に合う一冊かどうかが見えてくるはずです。


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もくじ
  1. 結論|この本はどんな人に向いている?
  2. 要約|この本の内容を3分でつかむ
  3. 内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ
  4. 感想|読んで印象に残ったことと注意点
  5. 実践編|この本を読んだあと、どう行動する?
  6. 比較|似ている本とどう違う?
  7. 著者はどんな人?|この本を書いた背景
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|結局、この本を読む価値はある?

結論|この本はどんな人に向いている?

結論|この本はどんな人に向いている?
ガイドさん
ガイドさん
忙しくて部下と向き合う時間が取れない管理職ほど、この本の狙いははっきり伝わります。長時間の面談を前提にしない点が、まず大きな特徴です。


この本をひとことで言うと

この本をひとことで言うなら、若手や優秀な人材の離職を防ぐために、対話・質問・個別ミーティング・採用・育成・任せ方を「15分単位」で実行可能な形に整理した、現場向けの人材マネジメント実務書です。ポイントは、離職防止を気合いや根性ではなく、短時間でも継続できる関わり方の設計として捉えていることにあります。部下と向き合う必要性はわかっていても、日々の業務に追われて後回しになりがちな管理職に対して、「その状況でも何をどう変えるか」を具体的に示す役割を持った本です。


向いている人

いちばん向いているのは、若手が定着しない、採用しても育たない、優秀な部下ほど先に辞めてしまう、といった悩みを抱える経営者・店長・マネージャーです。特に、1on1や個別面談の必要性は感じているのに、まとまった時間が取れず続かない人には相性がいいでしょう。

また、離職対策を入社後の声かけだけで終わらせず、採用、出勤初日、育成、仕事の任せ方まで一続きで見直したい人にも向いています。対話だけでなく、採用面接や教育設計、難しい部下への対応まで視野に入っているので、現場全体のマネジメントを立て直したい読者には使いやすい内容です。


向いていない人

一方で、人事制度や評価制度の設計を中心に学びたい人には、やや方向性が違うかもしれません。この本は制度論を深く掘るというより、現場で今すぐ回せる対話・採用・育成の実務に重心があります。

また、「15分で全部解決できる方法」を期待すると、読み方がずれる可能性があります。ここでいう15分は万能の時短術ではなく、忙しい現場でも継続しやすい実践単位です。理論の精密さや学術的な整理を求める読者より、まず行動の型をつかみたい読者のほうが受け取りやすい本です。


先に結論(買う価値はある?)

結論から言えば、部下の離職を「忙しいから仕方ない」で終わらせたくない人には、読む価値があります。理由は、離職防止を抽象的な理想論ではなく、対話、質問、採用、育成、任せ方という具体的な場面に落として考えさせてくれるからです。とくに、限られた時間の中で何を変えるべきかを整理したい管理職には相性がよく、まず一冊目の実務書として手に取りやすい内容です。




要約|この本の内容を3分でつかむ

要約|この本の内容を3分でつかむ

重要ポイント3つ

1つ目のポイントは、離職防止を「時間がある上司だけができること」にしない点です。本書は、部下との関わりを長時間の面談や根気論ではなく、15分単位で続けられる実践に置き換えています。序盤では、聞くことや質問の仕方、個別ミーティングの進め方が土台として扱われていて、まず日常の接点の質を変えるところから話が始まります。

2つ目のポイントは、離職対策を入社後のコミュニケーションだけで終わらせていないことです。中盤では採用にかなりの比重が置かれていて、求人の出し方、応募者対応、面接、出勤初日の受け入れまでがつながっています。辞めにくい人材を見極め、入社直後の不安を減らすことまで含めて、定着を考える構成です。

3つ目のポイントは、育成と任せ方、さらに難しい部下対応まで視野に入っていることです。後半では、短時間で教え切る流れや、任せる前・任せるとき・任せた後の整理が示されます。最後には、Z世代との関わり方や、無反応なタイプ、自己肯定感が低いスタッフなど、現場で詰まりやすいテーマにも触れられていて、離職防止をかなり広い範囲で捉えていることがわかります。


著者が一番伝えたいこと

本書全体を通して一番強く伝わってくるのは、離職防止は特別な制度や長時間の面談だけで決まるものではなく、短くても質の高い関わりを継続できるかで変わる、ということです。人手不足の現場では、上司や経営者自身がプレイングマネージャーとして忙しく、部下にじっくり向き合う時間を取りにくい。その前提を踏まえたうえで、だからこそ15分という現実的な単位で実践を組み直そうとしています。

もう一つの核は、問題のある部下への対応ばかりに意識を向けるのではなく、組織の中で本当に失いたくない人材にきちんと目を向けるべきだという視点です。できる人ほど放っておいても大丈夫だと思われやすい一方で、その放置が離職につながる。本書はその見落とされやすい部分を、対話、質問、採用、育成、任せ方の各場面から立て直そうとしています。


読むと得られること

読んで得られるのは、離職防止を漠然とした理想論ではなく、日々の業務の中で何を変えるべきかに落とし込めることです。部下との1対1の接点をどう作るか、どんな質問が有効か、個別ミーティングをどう進めるか、採用段階で何を見直すか、育成や委譲をどう整理するかといった論点が、ばらばらではなく一本の流れとしてつながって見えてきます。

とくに役立つのは、「時間がないからできない」で止まっていた人が、「短時間ならどこから手をつけるか」に考えを切り替えやすくなるところです。読後には、部下と向き合うことを特別なイベントではなく、短くても質の高い接点の積み重ねとして捉え直しやすくなります。制度を大きく変える前に、まず現場の関わり方から整えたい人には、その最初の足場を作ってくれる一冊です。


内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

全体の設計(章の流れをざっくり)

本書は、いきなり採用や制度の話に入るのではなく、まず日常の関わり方から立て直す順番で進みます。冒頭で置かれているのは、若手離職が慢性的な課題になっていること、しかも忙しい管理職ほど部下と向き合う時間を失いやすいという現実です。そこを踏まえて、最初に「短時間でも質の高い対話をどう作るか」を押さえ、そのあとで採用、育成、任せ方、ケース対応へと広げていきます。

この順番がよくできているのは、離職防止を単発の声かけや面談術として扱っていないからです。日常の接点を整え、入口である採用を見直し、入社後の育成と委譲につなぎ、最後に難しい部下対応まで補う。全体として、現場で起きる順番に近い流れで読める構成になっています。


大見出し目次(短い目次)

  • Part1 15 minute meeting/15分ミーティング
  • Part2 adoption/採用
  • Part3 training/人材教育
  • Part4 case study/15分マネジメント応用編


各章の要点

最初のパートは、部下とどう話すか、どう聞くか、どう質問するかを整える章です。ここが土台になっていて、後の採用や育成の話を読む前に、上司側の関わり方を見直す入口になっています。

次のパートは、採用から初日までを扱います。離職の原因を入社後だけに求めず、募集の段階、面接での見極め、受け入れの準備まで視野に入れているのが橋渡しの役割です。ここで、定着しやすい入口をどう作るかが整理されます。

三つ目のパートは、教え方と任せ方の実務が中心です。仕事の意味をどう伝えるか、どう教え切るか、任せる前後に何を伝えるかまで具体化されていて、定着と成長をつなぐ中核になっています。全体の中でも、対話の章で作った関係を、育成と委譲へつなげる重要な位置です。

最後のパートは応用編で、世代差や反応の薄さ、自己肯定感の低さなど、現場でつまずきやすい相手別の対応がまとめられています。前半で学んだ考え方を、難しい場面でどう使うかを確かめる締めの章と言えます。


忙しい人が先に読むならここ

ガイドさん
ガイドさん
全部を一気に読めなくても、まずは対話の章と育成の章を押さえると、本書の核はつかみやすいです。採用や応用編は、その後に必要なところから拾っていく読み方でも十分役立ちます。

忙しい人が最初に読むなら、優先したいのは最初のパートです。離職防止を考えるとき、つい採用や制度に目が向きますが、本書の出発点は日々の関わり方にあります。とくに、聞き方、質問の質、個別ミーティングの進め方は、その後の内容を理解する前提にもなっています。

次に読みたいのは三つ目のパートです。理由は、教え方と任せ方まで踏み込むことで、この本が単なる面談本ではないとわかるからです。仕事の意味を伝える順序、教え漏れを防ぐ考え方、任せた後の検証まで見ていくと、部下が辞めないための実務がかなり立体的に見えてきます。

時間に余裕があれば、その次に採用のパートを読むのが自然です。ここを読むと、離職は入社後の関係づくりだけでなく、採る段階から始まっていると理解しやすくなります。応用編は最後に回しても問題ありませんが、いま抱えている部下対応の悩みがはっきりしているなら、必要な項目から先に拾い読みする使い方とも相性がいい本です。


感想|読んで印象に残ったことと注意点

感想|読んで印象に残ったことと注意点

特に印象に残ったポイント

読んでいちばん強く残ったのは、離職防止を大きな理念ではなく、日々の現場で回る単位にまで落とし込もうとしている姿勢でした。部下と向き合うことの大切さは、多くの管理職が理解しているはずですが、実際には忙しさに押されて後回しになりやすい。その現実を前提にして、「15分」という具体的な区切りで考え直しているところに、机上の話ではない手触りがありました。

もうひとつ印象に残ったのは、問題の中心を「辞めやすい若手」ではなく、「放っておくと先に離れていく優秀な人材」に置いている点です。優秀な部下ほど大丈夫だと思ってしまうけれど、その放置が離職につながるという見方はかなり重く響きました。冒頭で語られる著者自身の失敗経験も含めて、単なるノウハウではなく、マネジメントする側の意識を問い直す本として読めたのが大きかったです。


すぐ試したくなったこと

いちばん試したくなったのは、部下との関わりを「まとまった時間が取れるときにやるもの」ではなく、短くても質の高い接点として組み直すことです。長い面談を特別なものとして構えるより、1回5分でも1日15分でも、まず接点を定例化する発想のほうが現実的で、続けやすいと感じました。

そのうえで、ただ話す時間を作るのではなく、質問の仕方や個別ミーティングの進め方まで意識して整えたくなります。本書は対話だけで終わらず、採用、育成、任せ方まで一続きの流れで描いているので、どこか一場面だけを直せば済む話ではないこともよくわかります。だからこそ、まずは日常の関わりを変えるところから着手したいと思わせる力がありました。


読んで気になった点

一方で、読んでいて感じたのは、この本はかなり実務寄りで、向く読者がはっきりしているということです。理論や制度の話を深く整理したい人には、少し物足りなく見えるかもしれません。評価制度や人事制度の設計を学ぶ本というより、現場で今すぐ何を変えるかに重心が置かれています。

また、「15分」という言葉だけを見ると、短時間で何でも解決できる本のように受け取る人もいそうですが、実際にはそういう軽い話ではありません。読後に残るのは、時短の便利ワザというより、限られた時間の中で関わりの質をどう高めるかという視点でした。その意味では、すぐ効く即効薬を探す人よりも、現場で続けられる形にマネジメントを組み替えたい人のほうが、この本の価値を受け取りやすいと思います。




実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

今日からできること

ガイドさん
ガイドさん
最初から全部やる必要はありません。まずは一つだけでも、部下との関わり方を意識的に変えるところからで十分です。

本書は、読んで納得して終わるより、短い時間の使い方を変えてこそ意味が出る本です。とくに印象に残るのは、長く話すことよりも、短くても質の高い関わりを積み重ねることの大切さでした。今日から動くなら、次のような小さな実践に落とすと始めやすいです。

  • 部下一人につき、5分でもいいので1対1で話す時間を予定表に入れる
  • 話す前に「今日は何を聞くか」を一つだけ決める
  • 自分が話しすぎていないかを意識し、まず相手の話を最後まで聞く
  • 部下が答えやすい問いかけになっているか、質問の言い方を見直す
  • 個別ミーティングで「特にありません」で終わらないように、聞く順番を考えておく
  • 採用や面接に関わっているなら、準備不足のまま場当たり的に進めていないか点検する
  • 新人を受け入れる場面では、初日に何を伝えるべきかを書き出しておく
  • OJTでは、最初に仕事の意味や全体の流れを伝えているか見直す
  • 仕事を任せる前に、なぜその人に任せるのかを言葉にして伝える
  • 任せっぱなしで終わらせず、結果を一緒に振り返る時間を短くても確保する

大切なのは、どれも大がかりな仕組みではなく、すぐ動ける単位にまで落とすことです。本書のよさは、離職防止を「いつか本腰を入れてやること」ではなく、今日の関わり方から変えられることとして示しているところにあります。


1週間で試すならこうする

1週間で試すなら、最初から完璧を目指すより、対話、質問、育成、任せ方を少しずつ触っていくのが無理のない進め方です。

Day1
まずは、いま気になっている部下を一人決めます。そのうえで、今週中に短い1対1の時間を取る日を予定に入れます。ここで重要なのは「時間ができたら話す」ではなく、先に時間を確保することです。

Day2
話すときの自分の癖を見直します。途中で話を奪っていないか、結論を急ぎすぎていないか、相手が答えやすい質問になっているかを整理しておくと、翌日の面談が変わりやすくなります。

Day3
実際に短い個別対話をしてみます。長く話す必要はなく、まずは相手の話を聞くことを優先します。この日は「うまく導く」より、「最後まで聞く」ことを意識するほうが本書の考え方に合っています。

Day4
対話の中で見えたことを振り返ります。部下が何に困っているのか、何を言いにくそうにしていたのか、自分の質問が広すぎなかったかをメモに残しておくと、次の面談が改善しやすくなります。

Day5
新人教育やOJTに課題があるなら、教える順序を見直します。いきなり作業だけを教えるのではなく、仕事の意味、全体像、期待していることをどう伝えるかを整理してみます。

Day6
誰かに任せている仕事があるなら、その任せ方を振り返ります。任せる前の説明が足りなかったのか、任せた後の確認が抜けていたのかを見て、次回の伝え方を決めます。

Day7
1週間の終わりに、続けることを一つだけ決めます。全部を一度に変えようとすると続きません。本書の考え方に沿うなら、短くても継続できる関わりを一つ残すことのほうが大切です。


つまずきやすい点と対策

いちばんつまずきやすいのは、「15分なら簡単そう」と思って始めるのに、実際には日々の忙しさの中で後回しにしてしまうことです。本書が扱っているのは手軽な裏技ではなく、短い時間でも質の高い関わりを続けるための実務です。対策としては、気合いで続けようとするのではなく、最初から予定に組み込んでしまうのが現実的です。

次に起こりやすいのは、対話だけを少し改善して満足してしまうことです。この本は、話し方の本であると同時に、採用、初日対応、育成、任せ方までを一つの流れで捉える本でもあります。部下との会話が少しよくなっても、教え方や任せ方が雑なままだと、結局は定着につながりにくい。だからこそ、会話だけで終わらせず、育成や委譲まで視野に入れることが必要になります。

もう一つは、理論や制度の話を期待して読むと、やや実務寄りに感じる可能性があることです。この本は、人事制度の設計を深く学ぶ本ではなく、いま現場で困っている人が動くための本です。逆に言えば、完璧な制度がなくても、上司側の関わり方は変えられるというメッセージがはっきりしている。読むだけで終わらせず、小さく試してみる前提で使うと、本書の価値がいちばん出やすいと思います。


比較|似ている本とどう違う?

比較|似ている本とどう違う?

『離職率ゼロ!部下が辞めない1on1ミーティング!』との違い

結論から言うと、本書は離職防止を人材マネジメント全体で捉える本であり、『離職率ゼロ!部下が辞めない1on1ミーティング!はその中でも1on1や個別ミーティングに軸足を置いて読みたい人向けの比較対象です。比較の軸で言えば、いちばん大きい違いはテーマの広さと深さにあります。

本書は、対話や質問だけでなく、採用、育成、任せ方、難しい部下対応までを一続きで扱っています。序盤で日常の接点の質を整え、中盤で採用と初期定着に広げ、後半で育成やケース対応に進むので、「辞めさせない」ための全体像をつかみやすい構成です。一方で比較対象は、個別ミーティングや1on1の実践により焦点を当てて読める本として位置づけられます。

そのため、向いている人も少し違います。離職対策を入口から出口まで見直したいなら本書、まずは部下との対話や1on1を集中的に整えたいなら『離職率ゼロ!部下が辞めない1on1ミーティング!』のほうが合いやすいでしょう。


『組織になじませる力 ~ オンボーディングが新卒・中途の離職を防ぐ』との違い

結論を先に言えば、本書は現場の管理職が日々の接点をどう変えるかに重心があり、『組織になじませる力 ~ オンボーディングが新卒・中途の離職を防ぐは採用後の受け入れと定着設計に、より焦点が寄る比較対象です。ここでの比較軸は、実用性の向き先と読者層です。

本書でも採用や出勤初日の重要性には触れられていますが、それはあくまで対話、質問、育成、任せ方まで含めた全体の一部として配置されています。つまり、特定の場面だけを深く掘るというより、現場のマネジメントを横断的に見直す本です。対して比較対象は、採用後にどう組織へなじませるか、どのように受け入れを設計するかという論点を補強する位置づけになります。

向いている人で分けるなら、部下との関わり方から採用・育成まで広く立て直したい人には本書が合います。逆に、新卒・中途の初期定着やオンボーディングの考え方を中心に整理したい人には、『組織になじませる力 ~ オンボーディングが新卒・中途の離職を防ぐ』のほうが目的に近いはずです。


迷ったらどれを選ぶべき?

迷ったときは、自分がどの場面でいちばん困っているかで選ぶのがわかりやすいです。1on1や個別ミーティングを中心に改善したいなら『離職率ゼロ!部下が辞めない1on1ミーティング!』、入社後の定着や受け入れを重点的に考えたいなら『組織になじませる力 オンボーディングが新卒・中途の離職を防ぐ』が合っています。

そのうえで、本書は「部下が辞めないために、現場全体のどこを見直すべきか」を広く整理したい人に向いています。とくに、忙しい管理職や店長のように、制度より先に日々の関わり方を変えたい人には、この本の立ち位置がいちばんはっきりしていると思います。


著者はどんな人?|この本を書いた背景

著者はどんな人?|この本を書いた背景

著者プロフィール

著者は岡本文宏です。アパレル専門店チェーン勤務を経て、セブンイレブンのFC店を経営し、その後2005年にメンタルチャージISC研究所(株)を設立しています。現在は、スタッフのやる気向上や離職率低減、人材採用・育成の実践法を伝える分野で活動しており、出版社側では10年以上にわたって年100本以上のセミナーや研修に登壇し、全国47都道府県で実施してきたと案内されています。現場運営と研修の両方を経験してきたことが、この本の土台になっています。


このテーマを書く理由

この本のテーマが離職防止と人材マネジメントに向かっているのは、著者の歩んできた仕事とそのままつながっています。現場で人を育て、任せ、成果を出すことを長く扱ってきた立場に加え、本書の冒頭では、研修やセミナーの受講者から集めた3万枚以上のアンケートを通して、経営者や上司の大きな悩みが若手人材の離職にあると捉えてきたことが語られています。

さらに、本書では、優秀な部下を「大丈夫だろう」と思っていた結果、突然辞めたいと言われた自身の経験も出発点になっています。離職を単なる人手不足の問題としてではなく、上司の関わり方の問題として捉え直そうとしているのは、こうした現場経験と支援活動の積み重ねがあるからです。


この本が信頼できる理由

この本が信頼しやすいのは、理論だけで組み立てられているのではなく、現場で人を動かしてきた経験と、管理職の悩みに継続して向き合ってきた活動の両方が土台になっているからです。扱っている内容も、対話や質問といったコミュニケーションだけにとどまらず、採用、育成、任せ方、難しい部下への対応まで広がっています。これは、離職を一場面の工夫で片づけず、現場のマネジメント全体として見ているからこその構成です。

また、本書が前面に出しているのは、忙しい管理職でも実行しやすい15分単位の実践です。長時間の理想論ではなく、限られた時間で何を変えるかに焦点を絞っているため、読む側も使いどころを想像しやすい。人材マネジメントを現場の行動に落とし込む本として、著者の立場と本の内容が無理なく結びついています。


よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

要約だけ読めば十分?

結論から言うと、「この本が自分に合うか」を判断したいだけなら、要約だけでも大枠はつかめます。離職防止を15分単位の対話、質問、個別ミーティング、採用、育成、任せ方に分けて考える本だとわかれば、読むべき方向性はかなり見えます。

ただ、「実際にどこから手をつけるか」まで考えたいなら、要約だけでは足りません。この本は考え方だけでなく、日常の接点、採用、育成、ケース対応までがつながっているので、具体的な進め方や自分の課題に近い章を読んだほうが使い道がはっきりします。


初心者向け? 中級者向け?

結論としては、マネジメント本に不慣れな人でも入りやすい一方で、すでに現場を持っている人ほど活かしやすい本です。理由は、制度論や抽象理論を深く掘るというより、短時間でどう関わるかという実務に重心があるからです。

そのため、1on1や育成に苦手意識がある管理職でも読みやすいはずです。反対に、人事制度や評価制度を体系的に学びたい人には少し実務寄りに映るかもしれません。


どこから読むべき?

最初に読むなら、やはり序盤の対話と質問のパートです。この本は、離職防止を日々の関わり方から立て直す構成なので、まず土台になる部分を押さえると全体が理解しやすくなります。

次に読むなら、育成と任せ方のパートが適しています。ここまで読むと、この本が単なる面談本ではなく、教え方や仕事の渡し方まで含めた実務書だとわかります。採用に課題がある人は採用パートを先に読んでもいいですが、迷ったら序盤から入るのが自然です。


忙しくても実践できる?

結論として、この本は忙しい人ほど使いやすいように作られています。もともと、部下とじっくり向き合う時間が取れない管理職を前提にしていて、長時間の面談ではなく、短い接点をどう積み重ねるかに焦点があります。

もちろん、15分で何もかも解決するという意味ではありません。ただ、5分の対話、質問の見直し、個別ミーティングの進め方の調整など、すぐ始められる単位に落ちているので、「時間がないから無理」で止まりにくい本です。


まとめ|結局、この本を読む価値はある?

まとめ|結局、この本を読む価値はある?

この本の価値を3つで言うと

一つ目は、離職防止を抽象論ではなく、現場で回せる行動にまで落としていることです。部下との対話や質問の質をどう変えるかが、15分という現実的な単位で整理されているので、忙しい管理職でも自分ごととして読みやすくなっています。

二つ目は、面談の本で終わっていないことです。本書は、採用、初日対応、育成、任せ方までを一つの流れとして扱っており、「なぜ人が辞めるのか」を部分ではなく全体で見直せます。読むほど、離職は退職の場面だけで決まるものではないとわかってきます。

三つ目は、手軽さを売りにしながら、安易な近道として書いていないことです。15分で何もかも解決するという話ではなく、短くても質の高い関わりを積み重ねることに意味がある。その現実的なバランスが、この本の信頼感につながっています。


この本をおすすめできる人

この本をおすすめしやすいのは、若手や優秀な部下の離職に悩んでいる経営者、店長、マネージャーです。とくに、1on1や面談の必要性はわかっていても、忙しくて続かない人には相性がいいはずです。

逆に、人事制度や評価制度の設計を中心に学びたい人には、少し方向が違うかもしれません。全体としては、理論を深く追うより、まず現場の関わり方を立て直したい人に向いた一冊です。


今すぐやること

ガイドさん
ガイドさん
まずは1つで十分です。全部を変えようとするより、短い対話を一度入れてみるほうが、この本の良さはつかみやすくなります。

今日やるなら、部下1人と5分だけ話す時間を予定に入れることです。終業前でも始業前でもよいので、5分だけ確保して、評価や指示を急がず、まず相手の話を聞くことに徹してみてください。

この本の核心は、長く話すことではなく、短くても質の高い接点を積み重ねることにあります。だからこそ、最初の一歩は大きな制度変更ではなく、今日の5分を意識して作ることがいちばん自然です。


次に読むならこの本

離職率ゼロ!部下が辞めない1on1ミーティング!』:本書で見えた対話と個別ミーティングの重要性を、1on1運用に絞ってさらに深めたい人向けです。

組織になじませる力 ~ オンボーディングが新卒・中途の離職を防ぐ』:本書の初日対応や定着の話を、オンボーディングの視点から補いたいときに自然につながります。

『リーダーの任せる技術 効率アップ!チーム力アップ!モチベーションアップ!』:本書後半の「任せ方」を、委譲の技術としてもう一段深く学びたい人に向いています。





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カネマツ

ビジネス書・実用書を中心に、年間約80冊を継続して読んでいます。採用・面接・人材育成に関わる実務経験をふまえ、実際に読んだ本をもとに要約・感想・比較レビューを執筆しています。本の内容だけでなく、向いている人、得られる学び、仕事や日常への活かし方まで伝わる記事を心がけています。

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