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【書評】[新版]人材を逃さない見抜く面接質問50|要約と感想

【書評】[新版]人材を逃さない見抜く面接質問50|要約と感想

面接で何を聞けばいいのか分からない。話は聞けたはずなのに、終わってみると結局この人をどう見ればいいのか曖昧に残る。『新版 人材を逃さない見抜く面接質問50』は、そんな迷いに対して、質問と返答の読み取りを切り離さずに考えさせる本です。

この記事では、この本が質問集にとどまらず、面接という場をどう捉え直させるのかを見ていきます。実務でどこまで役立つのか、読んだあとに何が残るのかを確かめながら、自分に合う一冊かどうか判断しやすい形で整理します。


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もくじ
  1. 結論|この本はどんな人に向いている?
  2. 要約|この本の内容を3分でつかむ
  3. 内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ
  4. 感想|読んで印象に残ったことと注意点
  5. 実践編|この本を読んだあと、どう行動する?
  6. 比較|似ている本とどう違う?
  7. 著者はどんな人?|この本を書いた背景
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|結局、この本を読む価値はある?

結論|この本はどんな人に向いている?

結論|この本はどんな人に向いている?

この本をひとことで言うと

『[新版]人材を逃さない見抜く面接質問50』は、面接で何を聞くかだけでなく、返ってきた答えをどう読み、次の質問でどう深掘りするかまで一連で鍛えられる本です。質問例を増やすための本というより、面接を「質問→返答→追加質問→判断」という流れで捉え直し、見極めの精度を上げたい人に向いています。採用面接を感覚や印象で進めるのではなく、限られた時間で応募者の行動や資質をできるだけ客観的に把握したいときに役立つ一冊です。


向いている人

向いているのは、採用面接を担当している人事担当者や、現場で面接官を任されたマネージャーです。とくに、毎回似たような質問になってしまう人、応募者の本音や強みをうまく引き出せない人、面接後に「結局この人をどう評価すればいいのか」が曖昧になりがちな人には、役立つ場面が多いはずです。

質問例を増やすだけでなく、追加質問でどう深掘りするか、返答のどこを見れば危険信号に気づけるかまで意識したい人にも合っています。公式には、面接を受ける側が面接官の見方を知る本として読むことも想定されています。


向いていない人

一方で、採用活動全体を幅広く学びたい人には、この本だけでは足りません。中心にあるのは、あくまで面接の場でどう聞き、どう見抜くかです。採用広報、制度設計、法務、オンライン面接やAI選考のような近年の論点まで一冊で押さえたい人は、目的とのずれを感じる可能性があります。

また、すぐ使える質問だけを手早く拾いたい人にとっては、思っていたより評価の視点まで求められる本です。質問集として読むこともできますが、本来の価値は、返答の中にある手がかりや、話されていない部分にまで目を向けるところにあります。


先に結論(買う価値はある?)

結論から言えば、面接の精度を上げたい人には十分に買う価値があります。理由は明確で、質問例の豊富さだけでなく、追加質問の発想や返答の見方まで含めて学べるからです。とくに、面接で何を聞くかは決められても、その答えをどう評価すればよいか迷いやすい人には、実務の補助線として機能しやすい本だと思います。

逆に、採用全体の最新動向を広く追いたいなら優先順位は少し下がります。ただ、面接という場面に絞って実力を上げたいなら、単なる質問テンプレート集以上の価値を感じやすいはずです。




要約|この本の内容を3分でつかむ

要約|この本の内容を3分でつかむ

重要ポイント3つ

第一に、本書の中心にあるのは「質問の数を増やすこと」ではなく、「判断に必要な情報を引き出せる質問を設計すること」です。序盤では、経歴や強み、適性、意欲、離職リスクなど、採用判断の土台になる論点をどう聞くかが整理されています。面接が印象やその場の雰囲気で流れてしまう危うさを踏まえ、質問そのものの質を上げる方向に話が進んでいきます。

第二に、質問だけで終わらず、返答の読み方まで一体で扱っている点が本書の大きな特徴です。後半では、問題解決、対人対応、リーダーシップ、交渉、チームワークなどをめぐる返答から、応募者の行動特性や危険信号をどう見抜くかに焦点が移ります。表面的に整った受け答えをそのまま評価するのではなく、その奥にある過去の行動や考え方を見ようとする姿勢が一貫しています。

第三に、全体が50問のクイズ形式で構成されているため、読むだけで終わらず、自分の面接力を点検しながら進められます。途中には、行動に基づく質問の重要性や、面接官が陥りやすいミスを整理したパートも挟まれており、単なる質問集ではなく、面接官向けのトレーニング本として設計されていることがわかります。


著者が一番伝えたいこと

本書が全体を通して伝えようとしているのは、面接を勘や第一印象で進めてはいけない、ということです。限られた時間のなかで応募者の人物像をできるだけ正確に把握するには、スキル、資質、過去の行動を具体的に引き出す質問が必要であり、その返答を丁寧に読み取らなければならない、という考え方が土台になっています。

そのため本書は、応募者の答えをそのまま受け取るのではなく、追加質問を重ねながら本質に近づいていくことを重視しています。話した内容だけでなく、話していないことにも目を向ける視点が繰り返し示されているのは、そのためです。採用ミスを防ぐという実務上の目的ははっきりしていますが、同時に、面接という場そのものを「評価の技術」として捉え直そうとしている本でもあります。


読むと得られること

この本を読むことで得られるのは、面接で使える質問例そのものよりも、質問と評価をつなげて考える感覚です。どんな能力や資質を見極めたいのかを整理し、それに合った質問を準備し、返答の中身をもとにさらに掘り下げる、という流れを具体的にイメージしやすくなります。面接のあとに判断材料が足りず迷ってしまう人にとっては、どこで情報が不足していたのかを見直す手がかりにもなるはずです。

読後の変化として大きいのは、面接をその場しのぎの会話ではなく、情報を取りにいく場として見られるようになることです。定番の質問を見直す、募集職種ごとに見極めたいポイントを絞る、答えの表面だけでなく過去行動まで確認する、といった実務上の改善にもつなげやすい内容です。採用全体を広く学ぶ本ではありませんが、面接の精度を上げたい人にとっては、読む前と後で面接の見え方が変わる一冊だといえます。


内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

内容の全体像|章(目次)の流れと読みどころ

全体の設計(章の流れをざっくり)

本書の設計はかなり明快で、面接官がつまずきやすい順番に沿って話が進みます。まず冒頭で、面接は短時間で人物像を見極めなければならない難しい仕事であり、訓練不足や先入観が採用判断をゆがめる危険がある、という問題意識が置かれます。そのうえで前半では「何を聞くか」を整え、後半では「返ってきた答えをどう読むか」に進むので、質問と評価が一続きの実務として理解しやすい構成です。

流れとしては、最初に面接の土台となる考え方を示し、次に応募者の経歴・強み・適応力・離職リスクなど、実際の面接で頻出の論点を質問ベースで押さえます。その途中に、行動ベースで聞く考え方や、面接官が陥りやすいミスを整理する補助パートが入るため、単なる質問集に終わりません。終盤では、応募者の返答に含まれる具体性や一貫性をどう見るかに重心が移り、最終的には「質問→返答→追加質問→判断」という流れが自然に頭に入るつくりになっています。


大見出し目次(短い目次)

  • 第1部 本音を引き出す質問をする
  • 第2部 返答から人材を見抜く


各章の要点

導入部の役割は、面接官の訓練不足や、第一印象に判断が引っぱられやすい危うさをはっきり示すことにあります。ここで「面接は短時間で人物像をつかむ仕事だ」という軸が置かれるため、後の設問群がただの質問例ではなくなります。

第1部前半は、応募者の土台をつかむパートです。経歴や経験、強み、コミュニケーション、意欲、ネガティブ要因、辞職リスクまで広く扱い、何を見極めるために質問するのかを整理していきます。ここが後半の深掘りに入る前の基礎固めです。

第1部後半は、より踏み込んだ評価軸に移ります。長所、リーダーシップ、適応力、専門性、問題解決、協調性、在職見込み、退職理由など、実際の採用判断で迷いやすい論点が並びます。途中の補足パートは、行動に基づく質問の考え方と、面接官側の失敗を意識させる橋渡しとして効いています。

第2部は、答えの読み方に軸足を移す章です。問題解決、対人対応、説得、交渉、チームワークなどの返答から、応募者の行動特性や危険信号をどう見抜くかを鍛える流れになっています。質問する力から、判断する力へと重心が移るので、全体の後半が本書のもう一つの山場です。


忙しい人が先に読むならここ

ガイドさん
ガイドさん
全部を通して読むのが理想ですが、時間が限られるなら「質問の考え方」と「返答の見方」がつながる部分から入ると、本書の価値がつかみやすいです。

先に読むなら、まず導入部と第1部の途中に挟まる補足パートをおすすめします。ここを押さえると、本書が単に質問のストックを増やす本ではなく、行動を引き出す質問へ軸足を置いた本だとわかるからです。面接官が先入観で判断しやすいという問題提起も、ここで全体の読み方を決めてくれます。

次に優先したいのは、第2部です。返答のどこを見るかという視点は、本書の独自性が最も出やすい部分で、表面的な受け答えに流されないための読み方が見えてきます。実際、質問と評価が一続きの実務だと感じやすいのもこのあたりです。

時間に余裕があれば、そのあと第1部を最初から通して読むのが自然です。前半で基本的な見極め項目を押さえ、後半でより深い評価軸へ進む流れがわかると、50問の配置にも意味が見えてきます。全部読むと、自分ならどこで情報を取りにいくか、どこで判断を急ぎすぎていたかまで振り返りやすくなります。


感想|読んで印象に残ったことと注意点

感想|読んで印象に残ったことと注意点

特に印象に残ったポイント

いちばん印象に残ったのは、この本が単なる面接質問集で終わっていないことでした。どんな質問をするかだけでなく、返ってきた答えをどう受け止めて、そこから何を問い直すかまで一続きで考えさせてくれます。読んでいて、面接をその場の会話や印象で進めるものではなく、限られた時間で相手の人物像をできるだけ正確に捉えるための技術として扱っていることがよく伝わってきました。

特に腑に落ちたのは、応募者が話した内容だけでなく、話していないことにも目を向ける姿勢です。表面的に整った受け答えに安心せず、その奥にある行動や考え方を見るという視点が本全体を通してぶれていません。第1部で質問の立て方を学び、第2部で返答の見方に進む流れも自然で、質問と評価が切り離されたものではないと実感しやすい構成でした。


すぐ試したくなったこと

すぐ試したくなったのは、自分が普段使っている定番質問を見直すことです。ありがちな質問では準備された答えしか返ってこない、という本書の問題意識はかなり現実的で、そのまま受け流せないものがありました。質問そのものを少し工夫するだけでなく、その質問で本当に知りたいことは何かを先に整理しておく必要があると感じました。

もう一つ試したいと思ったのは、応募者の答えを聞いたあとに、そのまま次の質問へ移らず、過去の行動を確かめる追加質問を重ねることです。クイズ形式で進むので、自分ならどこで掘り下げるかを考えながら読めるのですが、それがそのまま面接の準備にもつながる感覚がありました。面接中のメモも、話した内容だけでなく、話が曖昧だった点や触れなかった点まで意識して残したくなりました。


読んで気になった点

ガイドさん
ガイドさん
面接に絞った本としては実用的ですが、採用全体を広く学びたい人には少し範囲が狭く感じられるかもしれません。

気になったのは、守備範囲がかなりはっきりしていることです。採用広報や制度設計、最新の採用トレンドまでまとめて学べる本ではなく、あくまで面接の場に焦点を当てています。そのため、採用全体を広くつかみたい人が読むと、やや限定的に感じる可能性はあると思います。

また、クイズ形式は実践的で面白い反面、理論を順序立てて整理しながら読みたい人には、少し読み方を選ぶかもしれません。とはいえ、面接で何を聞けばよいのか迷っている人や、面接後の判断に確信を持ちにくい人には、この絞り込みがむしろ強みになっています。読み終えたあとに残ったのは、面接のうまさとは質問の数ではなく、相手の答えをどう読み取り、どう次につなげるかで決まるのだという感覚でした。




実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

実践編|この本を読んだあと、どう行動する?

今日からできること

本書は、読んで納得して終わるより、面接の準備や振り返りに差し込んで使うと価値が出やすい本です。今日からできることとしては、次のような動きが始めやすいと思います。

  • いつも使っている面接質問を3つ書き出し、抽象的すぎるものがないか見直す
  • その質問で本当に知りたいことが、経験・行動・資質のどれなのかを切り分ける
  • 募集職種ごとに、見極めたい能力や資質を3項目だけ先に決める
  • 応募者の主張をそのまま受け取らず、過去の行動を聞く追加質問を1つ添える
  • 面接メモを「話したこと」と「話していないこと」の2欄で取るようにする
  • 離職リスクや退職理由のような聞きにくい論点を、避けずに聞ける形へ言い換える
  • 面接前に、その回で何を判断したいのかを一文で整理してから入る
  • 面接後に、「印象で決めた部分がなかったか」を5分だけ振り返る

大事なのは、質問数を増やすことではなく、判断材料が増える質問に変えていくことです。本書が繰り返し示しているのも、質問と評価を切り離さない姿勢でした。


1週間で試すならこうする

一気に面接を変えようとすると続きません。1週間でやるなら、質問の準備、当日の観察、面接後の振り返りを順番につなげるほうが無理がありません。

  • Day1:次に面接する職種で、見極めたい行動や資質を3項目に絞る
  • Day2:その3項目に対して、それぞれ一つずつ質問候補を用意する
  • Day3:応募者が準備して答えやすい論点に対して、追加質問を一つずつ書き足す
  • Day4:本書の前半を使って、質問の聞き方が一言で終わる形になっていないか見直す
  • Day5:本書の後半を踏まえて、返答を見るときの観点をメモにしておく
  • Day6:実際の面接で、話された内容と話されなかった内容の両方を記録してみる
  • Day7:面接後に、自分の質問で十分な情報が引き出せたか、追加質問は機能したかを振り返る

この流れのよいところは、質問の準備だけで終わらず、評価のしかたまで一続きで試せることです。本書の強みはまさにそこにあるので、読む順番よりも、使う順番をつくる意識のほうが大切だと思います。


つまずきやすい点と対策

最初につまずきやすいのは、質問を変えれば面接がすぐ良くなると考えてしまうことです。本書を読んで残るのは、質問のうまさだけでは足りず、返ってきた答えをどう読み、どう次につなぐかまで含めて面接だという感覚でした。対策としては、質問文だけを増やすのではなく、「この質問で何を判断したいか」を先に決めておくことです。

もう一つの難しさは、整った受け答えに安心してしまうことです。表面的にはよく見える答えでも、その奥の行動や考え方まではまだ見えていないことがあります。ここでは、追加質問を前提に面接を組み立てることが対策になります。最初の答えをゴールにしないだけで、面接の深さはかなり変わります。

さらに、採用全体の本として読もうとすると、少し使いどころを外しやすいかもしれません。この本は面接の場に焦点を当てた一冊です。だからこそ、読むときも使うときも、「面接で何を聞き、どう判断材料を増やすか」に絞ると活きてきます。読んで終わりではなく、面接前の準備と面接後の振り返りに差し込む。その使い方がいちばん自然だと思います。


比較|似ている本とどう違う?

比較|似ている本とどう違う?

『改訂版 良い人材を見抜く採用面接ポイント』との違い

結論から言うと、『改訂版 良い人材を見抜く採用面接ポイント』と比べたとき、本書の特徴は「質問と返答をセットで鍛える」点にあります。どちらも面接の場で人材を見抜く実務に近い本ですが、本書は50問のクイズ形式を通して、質問の選び方だけでなく、返ってきた答えをどう読むかまで一続きで考えさせる構成です。

比較の軸で見ると、テーマはどちらも近接していますが、実用性の出し方に違いがあります。本書は、面接前に質問を準備し、面接中に返答を観察し、面接後に評価へつなげる流れが見えやすいのが強みです。読みやすさの面でも、クイズ形式で自分の判断を試しながら進められるため、受け身で読むより、面接官としての視点を鍛えたい人に向いています。

向いている人で分けるなら、質問例だけでなく「答えのどこを見るべきか」まで学びたい人は本書のほうが合いやすいはずです。反対に、比較候補の書名から受ける印象どおり、面接ポイントを整理して押さえたい人は『改訂版 良い人材を見抜く採用面接ポイント』を検討しやすいと思います。


『失敗しない採用面接の極意 基礎編 本質を見極める心理学11の法則』との違い

結論としては、本書は「質問と返答の実務」に重心があり、『失敗しない採用面接の極意 基礎編 本質を見極める心理学11の法則は、心理学の観点から面接を補助的に捉える本として位置づけられます。つまり、面接の場で何を聞き、どう見抜くかを具体的に詰めたいなら本書、面接を見る枠組みとして心理学的な視点を取り入れたいなら比較候補のほうが関心に近づきやすい、という整理になります。

比較の軸で言えば、テーマの切り口がまず違います。本書は、経歴、強み、適応力、離職リスク、志望動機など、面接で実際に出会う論点を幅広く扱いながら、質問から評価までをつないでいます。一方で、比較候補は書名からも分かるように、面接を心理学の法則で読む方向に重心があります。そのため、深さの出し方も異なり、本書は理論を広げるより、面接の現場でどう使うかに寄った深さを持つ本だと言えます。

向いている人で分けるなら、すぐに面接で使える質問や、返答の読み方を実務に落とし込みたい人は本書が選びやすいです。面接をもう少し心理学寄りの視点から補強したい人は、『失敗しない採用面接の極意 基礎編 本質を見極める心理学11の法則』のほうが関心に合う可能性があります。


迷ったらどれを選ぶべき?

迷ったときは、まず自分が知りたいのが「面接で何を聞き、どう判断するか」なのか、それとも「面接をどんな考え方で捉えるか」なのかで選ぶのが分かりやすいです。本書は、質問設計と返答読解を一体で学べる実務書です。とくに、面接後に評価が曖昧になりやすい人、表面的な受け答えの奥をどう見ればよいか迷っている人には、本書がいちばん合いやすいでしょう。

一方で、面接ポイントを整理して押さえたいなら『改訂版 良い人材を見抜く採用面接ポイント』、心理学の視点から補助線を引きたいなら『失敗しない採用面接の極意 基礎編 本質を見極める心理学11の法則』という選び方が自然です。実務の手触りを重視するなら、本書から入るのがもっとも判断しやすいと思います。


著者はどんな人?|この本を書いた背景

著者はどんな人?|この本を書いた背景

著者プロフィール

キャロル・マーティンは、プロの面接担当者であり、面接コーチとして紹介されている人物です。フォーチュン500社を含む多数の会社の人事に関わってきたとされており、採用面接の現場に近い立場から本書を書いていることがわかります。原題は「Boost your hiring IQ」で、面接力そのものを高める実務書として位置づけられる一冊です。

岡村桂は、企業内翻訳者を経て、現在はフリーランス翻訳者として活動している人物です。日本語版では、採用面接という実務的なテーマを、日本の読者が読み進めやすい形で受け取れるよう支える役割を担っています。


このテーマを書く理由

この本のテーマと著者の経歴は、かなり自然につながっています。キャロル・マーティンは面接担当者として実務に関わり、さらに面接コーチとして面接官・応募者の双方に接してきた立場にあります。そのため、面接官が何に迷い、応募者がどのように準備してくるのかを、現場感のある視点で扱いやすい土台があります。

一方で、日本語版では岡村桂が加わることで、実務書としての内容を日本語で読みやすく届ける形になっています。質問の作り方と返答の見方を往復する本書の構成は、単なる翻案ではなく、実践書としてきちんと読ませることが重要なので、この組み合わせには意味があります。


この本が信頼できる理由

本書が信頼しやすいのは、面接を抽象論ではなく、現場での判断技術として扱っているからです。著者は面接の実務に関わってきた立場にあり、本書でも「何を聞くか」と「返ってきた答えをどう読むか」を切り分けずに整理しています。質問例だけを並べるのではなく、返答の見極めや追加質問まで含めて組み立てている点に、実務書としての説得力があります。

また、内容の軸がぶれていないのも大きいところです。面接官の先入観や判断の偏りを避け、限られた時間の中で応募者の人物像をできるだけ正確に捉える。その一貫した問題意識が、本書全体の信頼感につながっています。


よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

要約だけ読めば十分?

結論から言うと、目的が「この本が自分に合うかを判断したい」だけなら、要約だけでも大まかな方向性はつかめます。面接で何を聞くかと、返答をどう見抜くかを一体で扱う本だという骨格は、要約でも把握しやすいからです。

ただし、実際に面接で使いたいなら、要約だけでは足りません。この本の価値は、質問の種類を知ることよりも、どこを深掘りし、何を見落とさないかまで考えられる点にあるので、構成に沿って読んだほうが活かしやすいです。


初心者向け? 中級者向け?

結論としては、初心者にも入りやすい一方で、中級者ほど使いどころが見えやすい本です。理由は、クイズ形式で進むため、面接経験が浅くても「自分ならどう聞くか」を考えながら読みやすいからです。質問と返答をセットで考える構成なので、面接官としての基本姿勢をつかむ入口としても機能します。

一方で、面接をある程度経験していて、「質問はしているのに評価が曖昧になる」「整った答えをどう見抜くかが難しい」と感じている人には、より実践的に刺さりやすいはずです。抽象論より現場での見極めに寄っているので、知識本というより訓練本に近い読み味だと考えるとわかりやすいです。


どこから読むべき?

結論から言えば、まずは導入部と、第1部の途中に入る補足パートから読むのがおすすめです。導入部では、面接官の訓練不足や、印象に引っぱられやすい採用判断の危うさが整理されていて、この本をどう読むべきかの前提がつかめます。そのうえで、行動に基づく質問の考え方を押さえると、後の設問がただの質問集ではなくなります。

次に読むなら、第2部に進むのが自然です。返答のどこを見て、どこを深掘りすべきかという視点は、本書の特徴が最も出やすい部分だからです。時間が取れるなら、その後に第1部を最初から通して読み、質問の立て方と返答の見方を一つの流れとしてつなげると理解しやすくなります。


忙しくても実践できる?

全部を読み切らなくても実践には移しやすい本です。すぐ試せるのは、定番質問の見直し、募集職種ごとの評価項目の整理、追加質問を一つ準備しておくこと、面接メモを「話したこと」と「話していないこと」で分けることあたりです。大がかりな仕組みづくりより、面接の一場面を少し変えるところから始めやすい内容になっています。

忙しい人ほど、この本は通読よりも「面接前に必要な箇所を読む」使い方が合っています。面接の前に質問の意図を確認し、終わった後に判断が印象に寄っていなかったか振り返るだけでも、使い方としては十分現実的です。読んで終わるより、準備と振り返りに差し込むと活きる本だと思います。


まとめ|結局、この本を読む価値はある?

まとめ|結局、この本を読む価値はある?

この本の価値を3つで言うと

第一に、面接で何を聞くかと、返ってきた答えをどう読むかを切り離さずに学べることです。質問集として便利なだけでなく、答えの受け止め方や次の問い方まで含めて考えられるので、面接を一つの流れとして捉え直しやすくなります。

第二に、感覚に寄りがちな面接を、観察と確認の技術として見直せることです。表面的に整った受け答えで終わらせず、相手の行動や考え方をどう確かめるかに重心があるため、面接後の評価が曖昧になりにくくなります。

第三に、守備範囲がはっきりしていることです。採用実務全体を広く学ぶ本ではありませんが、そのぶん面接の場面に集中して読めます。面接での見極め精度を上げたい人にとっては、この絞り込み自体が価値になります。


この本をおすすめできる人

おすすめできるのは、面接で毎回似たような質問になってしまう人、面接後に評価が曖昧になりがちな人、応募者の整った受け答えのどこを見ればよいか迷っている人です。人事担当者だけでなく、現場で面接を任されたマネージャーにも向いています。

反対に、採用広報、制度設計、採用戦略、最新トレンドまで一冊で広く押さえたい人には少し物足りないかもしれません。この本は、あくまで面接という場面をどう設計し、どう見極めるかに強みがある一冊です。


今すぐやること

ガイドさん
ガイドさん
まずは一つで十分です。質問を増やすより、いつもの質問を一つだけ深くするほうが、この本の使い方に合っています。

今日やるなら、次の面接で使う定番質問を一つだけ選び、10分で見直してみてください。やることは三つで、その質問で本当に知りたいことを書く、そこから過去の行動を聞く追加質問を一つ足す、面接メモに「話したこと」と「話していないこと」の欄を作る、この三つだけです。

本書の価値は、読んで満足することではなく、面接の一往復を変えるところにあります。読み終えたあとに残るのも、質問のうまさより、答えをどう読み、どう次につなげるかが大事だという感覚でした。


次に読むならこの本

改訂版 良い人材を見抜く採用面接ポイント』:面接質問の精度を上げたあと、応募書類の見極めやオンライン面接まで含めて採用実務を広げたい人向けです。

『「使える人材」を見抜く 採用面接』:面接官側の判断の癖や、面接設計の考え方を別の角度から補強したい人に合います。

失敗しない採用面接の極意 基礎編 本質を見極める心理学11の法則』:心理学を軸にした見極めの考え方を、近年刊の本で補いたい場合の候補です。




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カネマツ

年間約80冊の実用書・ビジネス書を読み、自己啓発、仕事術、採用・面接、人材育成、マーケティング分野を中心にレビューしています。採用や人材育成の実務経験をもとに、要約だけでなく、向いている人、実用性、類書との違いまで整理して紹介しています。記事は実読を前提に、必要に応じて出版社公式情報や改訂版情報も確認しながら執筆しています。

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