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【書評】がんばらないことをがんばるって決めた。【要約・感想・レビュー】

【書評】がんばらないことをがんばるって決めた。【要約・感想・レビュー】

がんばることに、少し疲れていませんか?

誰かに認められたくて努力して、周りに遅れを取らないように走り続けて――気づけば、心も体も限界に近づいている。そんな現代の私たちに、「がんばらないことをがんばる」生き方をそっと差し出してくれるのが、本書『がんばらないことをがんばるって決めた。』です。

ガイドさん
ガイドさん

SNSで15万以上の「いいね」を集めた一文「今日も会社に行けなかった。まあいいか。生きてるし。」この言葉に救われた人はきっと少なくないはず。

著者・考えるOLさんは、自身の経験をもとに、「無理をしない」「自分を甘やかす」「理想に縛られない」ことの大切さを、等身大の言葉で語りかけてくれます。


読むたびに、心のどこかがふっとゆるむ。

がんばるのが当たり前になっていた毎日に、「それでもいいよ」と言ってくれるこの本は、あなたが自分を取り戻す小さな手がかりになるかもしれません。

読者さん
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書籍『がんばらないことをがんばるって決めた。』の書評

書籍『がんばらないことをがんばるって決めた。』の書評

本書は、日々の生活に疲れた心にそっと寄り添うような言葉が詰まった一冊です。SNSをきっかけに注目された作者が、自身の体験と想いをもとに、無理せず生きるためのヒントを綴っています。

以下の4つの観点から、この本の魅力を深掘りしていきます。

  • 著者:考えるOLのプロフィール
  • 本書の要約
  • 本書の目的
  • 人気の理由と魅力


著者がどんな思いや背景を持ってこの本を書いたのか、そして読者がこの本から何を受け取れるのかを知ることで、本書が単なる“共感エッセイ”ではなく、自己再生のヒントに満ちた一冊であることが見えてきます。


著者:考えるOLのプロフィール

「考えるOL」さんは、東京都内で働く20代の会社員。学生時代は広告を学び、現在は日系企業の営業職に就いています。一見すると「どこにでもいる普通のOL」に見えますが、彼女が発信する言葉の端々には、現代の社会を生きる中での葛藤や違和感がリアルに描かれています

活動の原点はTwitter。匿名で投稿を始めた言葉の数々が、多くの人の心に刺さり、「等身大のつぶやき」として共感を呼びました。とくに「今日も会社に行けなかった。まあいいか。生きてるし。」という投稿は15万以上の「いいね」を獲得し、一躍注目の存在に。

こうした発信がきっかけとなり、出版社の目に留まり書籍化。2021年には初著書『がんばらないことをがんばるって決めた。』が刊行され、「メンタル本大賞2022」で優秀賞(体験・エピソード部門)を受賞しました。

ガイドさん
ガイドさん
著者は心理カウンセラーでも哲学者でもないけれど、感情に正直であることの大切さを、生活者目線で伝えてくれる存在です。



本書の要約

本書は、SNS上で多くの反響を得た投稿を軸に、それぞれの投稿に関する背景や心の動きを書き下ろしのエッセイとして収録した構成です。全体は4章で構成されており、仕事との向き合い方、夢や目標への考え方、日常の過ごし方、人との関係など、幅広いテーマが扱われています。

たとえば「だるい出社も、美味しいカフェラテがあればウキウキする」という一文には、日常の面倒ごとを乗り越える“好き”の力が描かれています。ネガティブな感情を無理に抑えこまず、別の気持ちでやわらかく包むという視点は、多くの読者の心に残るでしょう。

文章のトーンはやさしく、過剰な励ましや厳しい指摘は一切ありません。読む側が自分を責めることなく、そっと気持ちを整える時間を持てるように構成されています。投稿が原点であるため、どこから読んでも理解できる点も、気負わず読み進められる大きな魅力です。

ガイドさん
ガイドさん
“自分を変える”ことを求められがちな時代に、この本は“今の自分をそのまま受け止める”ことを促してくれます。



本書の目的

この本が一貫して伝えているのは、「がんばらないことを、自分の意思で選ぶことも大切」というメッセージです。著者自身が、仕事や社会生活の中で無理を重ねた末に心身のバランスを崩し、休職を経験したことから、「努力」や「正しさ」について改めて考え直すようになったことが背景にあります。

タイトルにもなっている「がんばらないことをがんばる」という表現には、矛盾するようでいて深い意味があります。「がんばる」を美徳とする社会の中で、立ち止まることや休むことを選ぶのは、簡単ではありません。だからこそ、そこに意思を持つというのは一つの挑戦でもあり、自分を大切にする行動だと著者は語ります。

将来のため、周囲の評価のために自分をすり減らしてしまう人が少なくないなかで、この本は「好きなことを選び、無理をしない日々を生きることも立派な人生のあり方」と静かに伝えてくれます。

ガイドさん
ガイドさん
本書は、“こう生きるべき”から一歩離れ、“こう生きてもいい”を選び直す視点を与えてくれます。



人気の理由と魅力

この本が多くの人に支持されている理由は、大きく3つにまとめられます。ひとつは、内容そのものが読者の共感を得やすいこと。SNSから生まれた言葉だからこそ、「いま」の悩みや不安に寄り添う力があります。どのページにも、「これは自分のことかもしれない」と思える文章があります。

ふたつ目は、言葉の温度感。どの章も、必要以上にポジティブでもネガティブでもなく、ちょうどいい距離感で書かれています。無理をしない、背伸びをしない文体は、読む人の心のペースを乱さず、静かに気づきを促してくれます。

そして三つ目は、イラストレーター・おさつさんのやさしい挿絵の存在です。言葉だけでは受け止めきれない感情の余白を、視覚的なやわらかさで埋めてくれる役割を果たしており、「読むことで癒される」という体験がより深く印象づけられます。

ガイドさん
ガイドさん

この本は、“読むための本”というより、“手に取ると少しだけ楽になれる本”。

読書の価値を、あらためて思い出させてくれる作品です。




本の内容(目次)

本の内容(目次)

『がんばらないことをがんばるって決めた。』は、読者の心をそっと支えてくれるような4つのテーマで構成されています。それぞれの章は、無理をしない生き方を探している人に向けて、具体的で優しいメッセージが込められています。

取り上げる章は次の通りです。

  • 第1章 がんばりすぎない仕事との付き合い方
  • 第2章 夢と憧れの手放し方
  • 第3章 ごきげんな日常の歩き方
  • 第4章 自分と他人の見つめ方


この4つの観点から、自分らしく生きるヒントをやさしく導いてくれる構成となっています。


第1章 がんばりすぎない仕事との付き合い方

この章では、働くことに対するプレッシャーや義務感に悩む人に向けて、「がんばりすぎなくても大丈夫」という視点を提示しています。社会に出ると、「成果を出してこそ価値がある」「常に前向きでいるべき」といった無言の期待に囲まれがちです。そのような空気の中で、自分を守る方法について著者は丁寧に語ります。

「大人だからこそ、しっかりサボっていこう」という言葉は、真面目すぎる人ほど心に留めたい一言です。サボることは無責任ではなく、自分のパフォーマンスを維持するための必要な戦略だと受け取ることができます。

また、「会社という鎧はホンモノの自分を守る防具だ」や「猫をかぶって自分を守ることも立派なコミュ力だよ」といった言葉は、社会の中で無理に“素の自分”をさらけ出すことだけが正しいわけではない、という多様な生き方を認めています。

ガイドさん
ガイドさん
労働心理学では「戦略的適応」という概念があり、自分の心を守る行動は、長く働く上で必要なスキルとされています。


第1章 の小見出し

  • 大人だからこそ、しっかりサボっていこう
  • 誰かの特別になるよりも、自分の特別を大切にする
  • 「会社という鎧」はホンモノの自分を守る最強の防具だ
  • 猫をかぶって自分を守ることも立派なコミュ力だよ
  • 楽しくない仕事も、誰かの役に立てればそれでいい
  • ただ生きてるだけで人類みな100点満点



第2章 夢と憧れの手放し方

この章では、「夢を追うこと」や「理想を持つこと」について、違った視点で語られています。多くの人が抱えがちな「夢を持たなければならない」「成功しなければ意味がない」といった焦りや重圧に対して、著者は「それでもいい」とやわらかく受け止めます。

「唐揚げが食べたいってだけで、今日も生きる」という一節は、小さな欲望や楽しみが“生きる意味”になり得るということを教えてくれます。「誰かのための夢ではなく、自分のための夢を持つ」という考え方も、他人と比べず自分のペースで生きることの大切さを伝えています。

「意図しなかった未来にも幸せはちゃんとあるよ」や「夢にしがみつかなくても、ちゃんと生きていけるよ」といった言葉には、努力が報われなかった経験を持つ人にも響く慰めと再出発の力があります。

ガイドさん
ガイドさん

臨床心理の世界では、“再定義”や“自己概念の再構築”が癒しの鍵となります。

この章はまさに、その実践的手がかりを提示しています。


第2章 の小見出し

  • 意図しなかった未来にも幸せはちゃんとあるよ
  • 唐揚げが食べたいってだけで、今日も生きる
  • 誰かのためじゃなく、自分のための夢を持ってみよう
  • 裏切られても、誰かを信じることができた「自分」を大切にね
  • 人生は思い通りにならないから、今ある幸せを見つめてみよ
  • 夢にしがみつかなくても、ちゃんと生きていけるよ



第3章 ごきげんな日常の歩き方

この章で取り上げられるのは、「特別なことがなくても気持ちよく生きるための視点」です。著者は、日常の中にある小さな“好き”や“ときめき”を見逃さず、大切にすることで暮らしを整える感覚を伝えています。

「ネガティブは小さな好きでごまかせばいい」や「誰かに“好き”でいられるより、自分の“好き”を増やしていこ」などの言葉は、外からの評価ではなく、自分の気持ちを基準にする大切さを教えてくれます。

また、「意味のない時間こそ愛せれば、世界は好きであふれていく」や「神頼みじゃなく、自分頼みで人生切り拓こうな」といったフレーズには、人生の主導権を自分に取り戻す前向きな力が宿っています。日々を“乗り切る”のではなく、“味わう”という視点が感じられる内容です。

ガイドさん
ガイドさん

ポジティブ心理学では「マイクロモーメント=ささいな喜びの瞬間」を積み重ねることが、幸福度を高めるとされています。

この章はそれを生活に落とし込んだ実例といえます。


第3章 の小見出し

  • ネガティブは小さな好きでごまかせばいい
  • 誰かに「好き」でいられるより、自分の「好き」を増やしていこ
  • 神頼みじゃなく、自分頼みで人生切り拓こうな
  • 意味のない時間こそ愛せれば、世界は好きであふれていく
  • 時には「甘やかされる」ことで人は救われる
  • 大切なプレゼントこそリボンは付いていないから見逃さないでね
  • 世界は変えられなくても、世界の見方を変えていく



第4章 自分と他人の見つめ方

最後の章では、自分自身との向き合い方、そして他者との関係性について語られます。特に、「人の気持ちがわからない」「他人と自分を比べてしまう」といった日常的な悩みに対して、無理に“正しい”答えを出そうとしなくても良いという姿勢が貫かれています。

「家族も他人、“普通”の押しつけはもうやめた」や「誰かに大切にされたいなら、まずは自分で自分を大切にね」といった言葉は、自分と他人との適切な距離感を取り戻すきっかけになります。「ひとりで生きられることだけが強さではない」もまた、弱さや依存を否定せず受け入れる柔らかさがにじんでいます。

他にも、「嫌なことは笑わなくていい、態度でたしなめよ」や「自分を大切にしてくれない人とはどんどん離れようね」など、我慢を美徳としがちな環境で育った人にとっては、自分を守る判断の後押しとなる言葉が多くあります。

ガイドさん
ガイドさん

対人関係の心理学では「自己境界(パーソナル・バウンダリー)」の概念が重視されます。

本章は、その線引きに悩む人への実践的なガイドとなるでしょう。


第4章 の小見出し

  • ひとの気持ちはわからない、だから都合よく解釈してみてもいい
  • 家族も他人、「普通」の押しつけはもうやめた
  • 年収より学歴より自分や大切な人を守ってくれるもの
  • ひとりで生きられることだけが強さではないよ
  • 誰かに大切にされたいなら、まずは自分で自分を大切にね
  • 嫌なことは笑わなくていい、態度でたしなめよ
  • 自分を大切にしてくれない人とはどんどん離れようね




対象読者

対象読者

『がんばらないことをがんばるって決めた。』は、「生きづらさ」や「がんばりすぎ」の中で、自分の気持ちを後回しにしてきた人に寄り添うエッセイ集です。読者は決して特別な境遇にいる人ばかりではありません。むしろ、日々を普通に生きる中でふと立ち止まってしまった人たちにこそ、必要とされる言葉が並んでいます。

特に次のような方にとって、本書は心の支えになるはずです。

  • がんばりすぎて心身が疲れている人
  • SNSや世間の目に息苦しさを感じる人
  • 働き方・生き方に迷っている人
  • 自分をもっと好きになりたい人
  • 共感できる言葉やエピソードに癒されたい人


では、それぞれどのような読者に響くのか、具体的に見ていきましょう。


がんばりすぎて心身が疲れている人

「がんばること」は美徳とされがちですが、それが行き過ぎると、心や体が悲鳴をあげ始めます。休んではいけない気がする、迷惑をかけたくない、結果を出さなきゃいけない——そんな思いに追われ続けて、いつの間にか疲れ果ててしまっている人は少なくありません。本書は、そうした“がんばり癖”にやさしくブレーキをかけてくれる一冊です。

たとえば「ただ生きてるだけで人類みな100点満点」という一文。成果を出していない自分に価値はあるのかと不安になる日も、この言葉に触れると「今、息をしているだけで十分なんだ」と心がほぐれていきます。実際、がんばりすぎによる疲労は単なる怠けではなく、真面目で責任感が強い人にこそ起こる“警告”のようなものです。この本は、「立ち止まってもいい」「休むことも努力のうち」と伝えてくれます。

ガイドさん
ガイドさん

バーンアウト(燃え尽き症候群)は、過剰な責任感や自己期待が引き金になります。

自分を守るための“意図的な脱力”が、長期的にはパフォーマンスを高めるという研究もあります



SNSや世間の目に息苦しさを感じる人

SNSでは、他人の人生の「いいところ」ばかりが目に入ります。楽しそうな休日、おしゃれな部屋、理想的な恋人。そうした投稿を見るたびに、自分と比べてしまい、知らず知らずのうちに息苦しさを感じている人は多いのではないでしょうか。本書は、そんな現代特有のプレッシャーから一歩引いて、「他人の基準ではなく、自分の基準で生きる」ことの大切さを思い出させてくれます

「夢ってそのくらいでも全然いい」「誰かのためにならなくてもそれでいい」という言葉に込められているのは、見栄えのする夢じゃなくてもいいというメッセージ。サイゼリアで食べ放題したい、無印のレトルトカレーを全制覇したい。そういうささやかな希望だって、生きる力になるのです。他人に見せるための生き方ではなく、自分のために日々を選んでいく——そんなスタンスが息苦しさをほどいてくれます。

ガイドさん
ガイドさん

SNSによる“社会的比較”が慢性化すると、自己肯定感や幸福感が著しく下がるという調査もあります。

自分にとってのリアルな幸せを再認識することが、ストレスの軽減に繋がります。



働き方・生き方に迷っている人

就職して数年が経ち、仕事にも慣れたけれど、どこか満たされない。このままでいいのか、自分は何をしたいのか、そもそも夢ってなんだったっけ——そんな風に、生き方や働き方に迷いを抱えている人にとって、本書は安心できる「考える時間」をくれます

著者の言葉は、「理想どおりに進まなくても、それは失敗ではない」とやさしく語ります。「意図しなかった未来にも幸せはちゃんとある」「夢にしがみつかなくても、ちゃんと生きていけるよ」という一節は、過去の選択を後悔していたり、これからの進路が見えずに不安になっている人の心を、そっと解きほぐしてくれます。迷っていること自体が、ちゃんと前を向いている証拠なんだと教えてくれるのです。

ガイドさん
ガイドさん

“キャリアの偶発性”を重視する近年の理論では、計画外の出来事が新たな道を開く鍵になると考えられています。

焦って結論を出さず、迷う時間を大切にすることが、後悔のない選択につながります。



自分をもっと好きになりたい人

何かにつけて自分を責めてしまう、うまくいかなかったことばかり思い出してしまう、周囲の人はうまくやっているように見えて、自分だけが取り残されている気がする。そんな風に自分に対して厳しすぎる人は、この本を読むことで「そのままの自分を大切にしていい」と思えるようになるかもしれません

「誰かに大切にされたいなら、まずは自分で自分を大切にね」という言葉に込められたのは、外からの評価に頼らず、まずは自分が自分の味方になることの大切さ。完璧である必要も、誰かに認められる必要もなくて、弱さや不器用さも含めて自分自身を受け入れること。その姿勢こそが、人との関係を良くし、自信へとつながっていくのです。

ガイドさん
ガイドさん

心理学では“自己受容”こそが“安定した自己肯定感”の土台になるとされます。

無理に前向きにならなくても、まずは今の自分を「これでいい」と思うことから始めることが鍵です。



共感できる言葉やエピソードに癒されたい人

明確な理由があるわけじゃないけれど、なんとなく心が重い。誰にも言えないような悩みや寂しさを抱えているとき、必要なのは「問題解決」ではなく「共感の言葉」かもしれません。本書は、まるで友達と話しているような距離感で、読者の気持ちを言葉にしてくれるフレーズにあふれています

「大切なプレゼントこそ、リボンは付いていないから見逃さないでね」などのエピソードは、日常の中にある思いやりや小さな幸せを見逃さずに拾い上げてくれます。誰かが優しくしてくれたこと、自分が嬉しかった小さな出来事。それらを丁寧にすくい取って言葉にしてくれるこの本は、読むだけで心がじんわりと温まります。

ガイドさん
ガイドさん

言葉による“感情のラベリング”は、心理的ストレスの緩和に有効であると実証されています。

自分の気持ちを代弁してくれる本は、それだけで大きな癒しになります。




本の感想・レビュー

本の感想・レビュー

自分もこんな風に悩んでた

「がんばればがんばるほど空回っている」――この言葉を目にした瞬間、自分のことかと思いました。入社して数年、毎日遅くまで働いて、周りの期待にも応えようとしてきたつもりだったのに、成果が出ないことやミスが続くたびに、自分の存在価値を疑ってしまっていて。

この本を読みながら、ふと気が抜けるような瞬間が何度かありました。肩の力が入っていたことに気づいてなかったんです。夢を追って頑張ったはずなのに、心が疲れてしまう……そんな感情を、そのまま言葉にしてくれていることに、ものすごく安心しました。

誰かの役に立てていないと意味がない、と思っていた自分に、「まずは自分のために夢を持とう」と言ってくれる内容が、本当に救いでした。読んでいるうちに、「自分を責めなくていいのかもしれない」と、少しずつ考え方が変わっていった気がします。

無理しない自分を許せた

毎日、家事と育児と仕事に追われる中で、自分がどこにいるのか、正直わからなくなっていたんです。何をやっても完璧じゃない、もっとやらなきゃって焦る気持ちばかりが大きくなっていた頃、偶然この本と出会いました。

「疲れたら少し休んで、自分を見つめ直していくことも立派な努力」――この言葉に出会ったとき、張り詰めていた心がすっと緩んだのを感じました。休むことが悪だと思っていた私に、やさしくブレーキをかけてくれるような感覚でした。

すぐに何かが変わるわけではないけれど、自分をいたわることを少しずつ許せるようになった気がします。この本がくれたのは、がんばらなくても大丈夫だと思える“根拠のない安心感”でした。それが、いまの私にとってはとても大切な支えになっています。

日常のヒントがたくさん

この本は、優しいだけのエッセイじゃない。読んでみると、意外なほどに生活や思考に実際使えるヒントが詰まっていて、驚かされました。

「誰かのためにならなくても、それでいい」という言葉にハッとしました。いつの間にか、自分の行動すべてに“意味”や“成果”を求めていた自分に気づいたんです。がんばることそのものに理由が必要だと思い込んでいたのかもしれません。

肩ひじ張らずに生きていくための“視点の持ち方”を教えてくれるような一冊です。仕事の忙しさに流されて、自分の気持ちを置き去りにしている人には、とても有効だと思います。読みやすいのに、実用的。いい意味でギャップのある本でした。

誰かに勧めたくなる本

読み終わったとき、思わず顔がゆるんでいました。声を張り上げるでもなく、強いメッセージを押しつけるでもなく、ただ淡々と、でもまっすぐに語りかけてくる言葉のひとつひとつが、とてもやさしくて。そんな空気に包まれた読書体験でした。

一番心に残ったのは、「リボンがついていないプレゼントを見逃さないでね」という言葉です。思いやりって、目立たないかたちで日常に紛れているんだなと、あらためて気づかされました。心がすさんでいたときには気づけなかった“やさしさ”が、この本にはたくさん詰まっているように思います。

だからこそ、これは誰かに手渡したくなる本です。今の自分にとってだけでなく、大切な人にそっと差し出したくなる、そんなやさしさをもった本。忙しさに流されて、つい他人にも自分にも厳しくなってしまう人へ、この静かなぬくもりが届いてほしいと思いました。

落ち込んだ時にまた読みたい

この本を最初に読んだとき、素直に「いい本だな」と感じたのですが、その後のある夜、仕事で大きな失敗をして気持ちが沈んでいたとき、ふと思い出して再び開いてみました。すると、以前読んだときには特に意識に残らなかった一文が、まるで今の自分のために書かれていたかのように胸に響いたのです。

「夢にしがみつかなくても、ちゃんと生きていけるよ。」この一言が、思いがけず心に深く沁みました。がんばることが前提のように生きてきて、知らず知らずのうちに自分を追い詰めていたのかもしれません。そんな自分を、誰かがそっと抱きしめてくれたような気がしました。

何度読んでも、読むたびに違う言葉が心に届く。人生の局面ごとに寄り添ってくれる本というのは、そう多くはありません。この本は、私にとってそうした「何度でも戻ってきたくなる場所」のような存在です。疲れたとき、迷ったときにまた開きたくなる――そんなふうに思える一冊に出会えたことが、今の私には何よりの救いです。

SNS世代にもぴったり

本を読むのは好きですが、難しい内容や長文になると、少し身構えてしまうこともあります。この本は、そんな私にもすっと入ってきました。文章はとてもやわらかく、短いながらも伝えたい気持ちがしっかり届いてくるので、まるで優しいつぶやきをそっと受け取っているような感覚になります。

一話一話の長さがコンパクトなので、通学の電車の中やお風呂上がりのリラックスタイムにも気軽に読み進めることができました。それでいて内容は深く、読み終わったあとに自分の心と静かに向き合いたくなるような、余韻の残る言葉がたくさんあります。

SNSで人気を集めた投稿から生まれた本らしく、現代の情報に慣れた私たちの読み方にとても合っているように思いました。誰かの押しつけではなく、そっと差し出される言葉たちが、今の時代を生きる私たちにちょうどいい距離感で寄り添ってくれる本でした。

一話ごとに心に刺さる

毎日が慌ただしくて、ゆっくり本を読む時間を持つのが難しい私にとって、この本の構成はとてもありがたいものでした。一つひとつの話が短くまとまっていて、それぞれが独立していながら、全体としても大きなメッセージを感じられるように丁寧に編まれていると思います。

仕事の合間や、家族が寝静まった後の静かなひとときに、1話ずつ読み進めることが私のささやかな癒しの時間になりました。「大人だからこそ、しっかりサボっていこう」といった言葉には、思わず頷いてしまいました。普段はなかなか言えないことを、代わりに口にしてもらえたような、そんな気持ちになります。

どの章にも、誰かの心に寄り添うやさしい視線が込められていて、どんな順番で読んでも気づきがあるというのが、この本の大きな魅力のひとつです。日々の暮らしにほんの少し心の余裕を持たせてくれる、そんな一冊として、これからも長くそばに置いておきたいと思っています。

文章にハッとさせられた

普段はデザインやビジュアルからインスピレーションを受けることが多く、言葉にそこまで強く反応するタイプではないと思っていました。でも、この本の言葉には、何度も立ち止まらされるような瞬間がありました。

「世界は変えられなくても、世界の見方を変えていく」――この一文を読んだとき、自分の中にあった曖昧な不安が、少しずつ解けていくような感覚がありました。何かを変えなきゃと焦っていたけれど、まずは視点を変えることから始めてみればいいんだと、気づかせてもらった気がします。

派手な表現や、強いメッセージではなく、等身大の言葉で綴られているからこそ、読者の心にじんわりと染み渡っていく。この本には、そんな力があると思います。誰かに響かせようとするのではなく、自分の気持ちと静かに向き合っていく中で、自然と心の奥に言葉が届いてくる。まさに“言葉そのものの力”を感じられる一冊でした。




まとめ

まとめ

この本を読み終えた後、心にふわっと風が吹いたような、そんな感覚が残る人は多いはずです。特別な知識やスキルがなくても、ただ読むだけで「少し楽になれた気がする」――そんな言葉が自然にこぼれる一冊です。

その理由を、以下の3つの視点から整理してみましょう。

  • この本を読んで得られるメリット
  • 読後の次のステップ
  • 総括


一度読み終えたあとも、繰り返しページをめくりたくなる構成となっているため、今の自分に響く言葉を探しに戻ってくる“心の拠り所”のような存在になることでしょう。

以下で、それぞれ詳しく紹介していきます。


この本を読んで得られるメリット

この本を通じて得られる具体的な効果を、以下に4つの観点からご紹介します。

自分を責める思考から抜け出せる

「今日も会社に行けなかった。まあいいか。生きてるし。」という一文に象徴されるように、本書には“自分を許す力”が宿っています。多くの人が、予定どおりに動けなかったときや、誰かに迷惑をかけてしまったとき、自分を強く責めてしまいます。しかし本書を読むことで、そうした出来事に「それでも生きてる自分は偉い」と肯定の視点を持つことができるようになります。この感覚は、がんばり屋ほど陥りやすい“自己否定の無限ループ”から抜け出すきっかけになります。

人との比較から自由になれる

SNSや周囲との比較に疲れた心には、「夢ってそのくらいでも全然いい」という言葉が驚くほど深く染み込みます。本書は、他人の基準で自分の価値を決めるのではなく、自分が「明日も生きようと思えること」を大切にすることを教えてくれます。特別でなくてもいい、誰かに褒められなくてもいい、という価値観が、がんばりすぎていた読者の心をそっとほどいてくれるのです。読むことで、自分自身の“心地よさ”を人生の中心に据える視点が得られます。

日常の中にある幸せに気づけるようになる

「大切なプレゼントこそ、リボンは付いていないから見逃さないでね」など、本書には日常の小さな優しさや喜びに気づく視点がちりばめられています。私たちは忙しさのなかで、誰かがしてくれた気遣いや、自分の心がちょっと喜んだ瞬間を見過ごしてしまいがちです。この本を読むことで、「あの時のあの言葉、じつはすごく嬉しかったな」と、普段は意識しないような細やかな感情に目を向けられるようになります。それは、自分にも他人にもやさしくなれる変化の第一歩です。

「がんばらなくても大丈夫」という安心感が手に入る

本書が繰り返し伝えてくれるのは、「あなたはもう十分がんばっている」というメッセージです。何かを成し遂げなければいけない、強くならなければいけない、という焦りに駆られていた人ほど、この言葉にほっとするでしょう。特別な行動や成功体験がなくても、自分の気持ちを大事にしながら、ゆるやかに生きていくことを肯定してくれる一冊です。「がんばるのをやめること」に罪悪感を持たず、むしろそれが前向きな選択だと思えるようになります。


ガイドさん
ガイドさん

心理学では“自己受容”が幸福感やストレス対処能力の基盤になるとされます。

本書が与えてくれるのは、まさに「理想の自分」ではなく「今の自分」を大切にするという、自己受容の実践そのものです。



読後の次のステップ

本書は、読み終えてすぐに人生が劇的に変わるようなタイプの本ではありません。それでも、心のどこかに小さな“気づきの種”が植えられて、ふとしたときにその種が芽吹き、日々の過ごし方や物事の受け止め方が少しずつ変わっていく——そんな変化を後押ししてくれる一冊です。

読後の行動は、無理に大きなチャレンジを始めることではなく、生活の中にやさしい選択を増やしていくことから始まります。ここでは、そのために実践できるステップを紹介します。


step
1
無理をしている場面に気づく

まずは、これまで無意識に「がんばり続けていた自分」に気づくことが最初の一歩です。たとえば、本当は体が疲れているのに頼まれごとを断れない、少し休みたいのに予定を詰め込んでしまう。そういった場面に気づけるようになると、「もう少し自分にやさしくしてもいいかもしれない」と思えるようになります。この“気づき”が、自分を労わるスタート地点です。


step
2
ひとつだけ“やめてみる”習慣をつくる

変化を難しく感じる人こそ、何かを「始める」よりも「やめる」ことから取りかかるのがおすすめです。頑張りすぎていたこと、続けていてしんどかったことを一つだけ手放してみる。たとえば、苦手な人との無理な連絡を断つ、完璧な家事を一旦やめてみる、休日に予定を入れず寝坊してみる、など。自分にとって余計な負荷を減らすだけで、心がぐっと軽くなる実感が得られるでしょう。


step
3
気に入った言葉を手元に残す

本書には、心をなでるような言葉がたくさんあります。読んでいるうちに「これは今の自分に必要だった」と感じる言葉があれば、それを手帳に書き写す、スマホのメモに保存する、付箋をつけておく、というように“いつでも見返せる状態”にしておきましょう。気持ちが沈んだとき、その言葉が自分を引き上げてくれることがあります。小さな行動ですが、精神的なお守りのような効果があります。


step
4
がんばらない毎日を「選び直す」

一度の読書で完璧に生き方が変わるわけではありません。ただ、「がんばらない生き方を選んでいい」と思えたその日から、少しずつ選択が変わっていく可能性が生まれます。たとえば、明日の朝はゆっくり起きる、予定を詰め込まず気分に合わせて過ごす、疲れた日は冷凍パスタで済ませる——そうした小さな選択の積み重ねこそが、「自分を大切にする生き方」へとつながっていくのです。


ガイドさん
ガイドさん

心理学では「セルフ・コンパッション(自己への思いやり)」という考え方が注目されています。

これは、自分に優しい言葉をかけたり、苦しい時に自分を否定せず受け入れる力を指し、ストレス緩和やレジリエンス(回復力)の向上に大きく寄与するとされています。



総括

『がんばらないことをがんばるって決めた。』は、がんばることが正義のように語られる現代社会に、やさしい疑問を投げかける一冊です。仕事、夢、人間関係……どの場面でも「もっと努力しなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」と無意識のうちに自分を追い込んでしまう私たちに、「立ち止まることも、生きる力になる」と教えてくれます。

本書が語る“がんばらない”という姿勢は、決して怠けや逃げではありません。それは、「自分を守るための選択」であり、「自分らしく生きるための意志表明」です。周囲と比較して疲れたり、成果を出せない自分に焦ったりする日々のなかで、無理を手放すことの価値をこれほど丁寧に教えてくれる本はそう多くありません。

そして何より印象的なのは、この本が“癒し”と“自己肯定”をセットで届けてくれる点です。ただ優しい言葉を並べるだけでなく、読者自身が「これでいいのかもしれない」と少しずつ思えるように構成されており、その心の動きは確かに読後に残ります。SNSでの人気を超えて、個人の内面と深く向き合う時間を提供してくれる、静かで力強いエッセイです。

ガイドさん
ガイドさん

人生のどこかで、自分自身に疲れてしまったとき。がんばることに迷いを感じたとき。

この本を手に取ってほしいと思います。そして読み終えたあと、「今日もとりあえず生きてる、それで十分」と思えたなら、それはすでに大きな一歩です。

自分にとって必要なやさしさを、この一冊がきっとそっと届けてくれるはずです。


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