
就職活動の成否を分けるのは、学歴でも資格でもなく「面接で自分をどう伝えるか」。
『面接の達人 バイブル版』は、長年にわたって多くの就活生から支持を集めてきた面接対策書の決定版です。
本書は、面接で通る人と落ちる人の違いを、豊富な実例と鋭い分析で明らかにし、自己分析からエントリーシート、会社説明会、OB訪問に至るまで、“就職活動のすべて”を網羅的に解説しています。
著者である中谷氏は、博報堂でCMプランナーとして活躍した経歴を持ち、広告業界で培った「短時間で魅力を伝える技術」を面接術に応用しています。
彼が本書で伝えるのは、「面接は偶然ではなくプレゼンテーションである」という考え方です。
学生が本来持っている良さを、限られた時間の中で最大限に引き出すための具体的な方法が、章ごとに整理され、すぐに実践できる形で紹介されています。
『面接の達人 バイブル版』は、単なるマニュアルではなく、読む人の思考を変える“就職活動の哲学書”でもあります。
面接での受け答えの技術にとどまらず、「どう生きたいのか」「どんな社会人になりたいのか」を考えるきっかけを与えてくれる一冊です。
就活生はもちろん、転職者や人事担当者にとっても、“人を見抜き、自分を伝える力”を養うための貴重な指南書といえるでしょう。
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- 書籍『面接の達人 バイブル版』の書評
- 本の内容(目次)
- 第1章 面接は、ここで差がつく。
- 第2章 自己紹介で通る人、自己紹介で落ちる人。
- 第3章 志望動機で通る人、志望動機で落ちる人。
- 第4章 話し方で通る人、話し方で落ちる人。
- 第5章 エントリーシートで通る人、エントリーシートで落ちる人。
- 第6章 OB訪問で通る人、OB訪問で落ちる人。
- 第7章 インターンシップで通る人、インターンシップで落ちる人。
- 第8章 コネで通る人、コネで落ちる人。
- 第9章 会社訪問で通る人、会社訪問で落ちる人。
- 第10章 インターネットで通る人、インターネットで落ちる人。
- 第11章 作文で通る人、作文で落ちる人。
- 第12章 時事問題で通る人、時事問題で落ちる人。
- 第13章 服装で通る人、服装で落ちる人。
- 第14章 本番で通る人、本番で落ちる人。
- 第15章 内定で通る人、内定で落ちる人。
- 第16章 拝啓 人事部長様 面接のいい加減な会社はつぶれます。
- 第17章 拝啓 OB様 OB訪問で人脈が広がります。
- 対象読者
- 本の感想・レビュー
- まとめ
書籍『面接の達人 バイブル版』の書評

『面接の達人 バイブル版』は、就職活動の「聖書」とも呼ばれるロングセラーであり、発売から数十年経った現在でも多くの学生・転職希望者に支持されている面接対策書です。単なる面接ノウハウ本ではなく、“自分という商品をどう売るか”というマーケティング的視点から、就職活動全体を再構築している点が特徴です。
このセクションでは、書籍の本質を理解するために、以下の4つの観点から掘り下げていきます。
- 著者:中谷 彰宏のプロフィール
- 本書の要約
- 本書の目的
- 人気の理由と魅力
それぞれ詳しく見ていきましょう。
著者:中谷 彰宏のプロフィール
中谷彰宏(なかたに・あきひろ)は、1959年大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科を卒業後、広告代理店・博報堂に入社し、CMプランナーとして数多くの広告制作に携わりました。博報堂在籍時代は、テレビコマーシャルの企画・演出を担当し、限られた15秒から30秒の中で商品や企業の魅力を最大限に伝える技術を磨き上げました。この「短時間で核心を伝える構成力」こそが、後に『面接の達人』シリーズの根幹を成す思想につながります。広告制作の現場では、言葉の選び方・順序・タイミングが視聴者の印象を左右することを肌で学び、その経験が「面接もまた、一種のプレゼンテーションである」という発想を生みました。
独立後は、作家・講演家・教育者として活動の幅を広げ、ビジネス・就職・人生哲学・人材育成など幅広いジャンルで500冊を超える著作を刊行。特に1990年代初頭に出版された『面接の達人』シリーズは、日本の就職活動文化に革命を起こしたと言われるほどの影響力を持ち、以降の“就活本”のフォーマットを決定づけました。著書の累計発行部数は400万部を超え、大学のキャリアセンターや企業の人事担当者にも必携書として引用されることが多いのが特徴です。
また、講演活動やセミナー運営でも知られ、2000年代以降は「中谷塾」を主宰。若手社会人や就活生だけでなく、経営者・管理職・教育関係者までを対象に、伝える力・話す力・考える力のトレーニングを展開しています。その指導法は単なるテクニックではなく、「自分の中にあるストーリーを他者の心に届く言葉へ翻訳する」という“翻訳型コミュニケーション”の思想に基づいています。これは、広告・演劇・教育という三つの領域で培った独自の総合スキルの結晶です。
中谷氏の強みは「伝達設計力」と呼べます。
彼の理論では、伝える行為は情報の羅列ではなく“構造化された演出”です。
面接もまた、即興的なやり取りのようでいて、実は「設計されたプレゼンテーション」であるべきだという立場です。
本書の要約
『面接の達人 バイブル版』は、就職活動における「面接」を中心テーマとしながらも、自己分析、エントリーシート作成、会社説明会、OB・OG訪問、さらにはインターンや内定後の対応までを包括的にカバーした“就活全体設計の書”です。単なる面接テクニック本ではなく、「人に自分を正確に伝えるための技術書」として構築されています。
本書の中心思想は「面接は運ではなく技術である」という明確な立場です。著者は序章でこう述べています。「熱意があれば通じる」と考えるのは甘い。どんなに熱意があっても、それを相手に“伝わる形”で表現できなければ意味がない。だからこそ面接は“練習でうまくなる”。このシンプルな真理を、1,000人以上の学生との面接練習経験をもとに実証的に示しています。
構成は17章。各章が「通る人」と「落ちる人」を対比する形で進行し、読者は自分の思考・発言・態度を具体的に修正しながら学べる仕組みになっています。たとえば「自己紹介で通る人は“自分の魅力を整理して語る”」「落ちる人は“エピソードを羅列して終わる”」という具合です。さらに志望動機の組み立て方、話し方のテンポ、表情の作り方、そして“たった0.1点の差”で明暗が分かれる面接現場のリアルまで踏み込んでいます。
重要なのは、本書が「面接はプレゼンテーションである」という観点から、構成・練習・改善の3ステップを体系化している点です。著者自身が広告プランナー出身であるため、相手の関心を引き、納得させ、行動を促すプロセスを、面接のフレームに置き換えて解説しています。このため、読者は面接を単なる「質疑応答の場」ではなく、「伝達のデザインの場」として再認識できるのです。
心理学的に言えば、この本は“メタ認知の訓練書”でもあります。
自分の話し方や表情を客観的に観察し、相手の立場から自分を見る――これを繰り返すことが、伝達力の向上に直結します。
本書の目的
『面接の達人 バイブル版』の目的は、「自分の魅力を100%伝えられる人材を育てること」です。著者は、就職活動を“自分という商品をどう売るか”という営業活動にたとえます。多くの学生が「良い商品(=自分)なのだから分かってもらえるはず」と考えますが、実際には伝え方を誤ることで評価されないケースが圧倒的に多い。中谷氏はそこに明確な答えを出します――「いい商品ほど、伝え方が難しい」のです。
面接で求められるのは「印象管理」と「構造的思考」です。印象管理とは、相手が自分をどう受け取るかをコントロールするスキルのこと。たとえば、同じ内容でも「堂々と話す」か「焦って早口で話す」かで、印象はまったく変わります。構造的思考とは、自分の経験や価値観を論理的な順序で整理し、相手が理解しやすい形で提示する力のことです。この2つを繰り返し訓練することで、“伝わる人”へと変わるのです。
また、中谷氏は“練習”の重要性を何度も強調します。「第1志望を練習台にしてはいけない」とはその象徴的な言葉です。面接はスポーツや演奏と同じく、本番でうまくやるためには事前の反復が欠かせません。著者自身が多くの学生の練習相手を務め、彼らが次々と内定を得た実績が、本書の根底にリアリティを与えています。つまり本書は、“面接を再現可能なスキルとして教える”という実証的な目的を持っているのです。
ビジネス心理学では、こうした訓練による成長を「経験学習(experiential learning)」と呼びます。
体験→振り返り→抽象化→再挑戦というサイクルを繰り返すことで、行動の質が高まっていく――本書はまさにその実践版なのです。
人気の理由と魅力
『面接の達人 バイブル版』が長年にわたって支持され続けている理由は、単なる就活マニュアルを超えた“人間教育書”としての側面にあります。読者は本書を通じて、「どう話すか」だけでなく「どう生きるか」を問われるのです。
まず第一の魅力は、再現性の高さです。Q&A形式という構成が、読者の思考と行動を具体的に導きます。難解な理論や専門用語を使わず、実際の面接現場で起こる状況を想定して答えを示すため、誰でも「今の自分の課題」を即座に理解できます。その構造は、教育心理学でいう「即時フィードバック学習」に近く、読むこと自体が訓練になる設計です。
第二の魅力は、圧倒的な網羅性です。面接のテクニックだけでなく、エントリーシート、OB・OG訪問、会社説明会、インターン、服装、ネットリテラシー、時事問題対策、さらには内定後の心構えまでがカバーされています。つまりこれは“就活プロセス全体のナビゲーションマップ”なのです。どの章から読んでも理解でき、必要な部分だけを実践に移せる柔軟さも支持の理由です。
第三の魅力は、著者の語り口にあります。中谷氏は説教や指導ではなく、“対話”で導くスタイルをとります。彼の言葉は決して押しつけがましくなく、むしろ読者が「自分の中に答えを見つける」よう促すものです。これは長年にわたり学生や社会人を直接指導してきた経験があるからこそ可能な表現法です。
注目すべきは、時間を経ても古びない普遍性です。
近年はAIによる採用やオンライン面接など、形式が変わっても、「伝える力」「自己理解」「練習の重要性」という本書の軸は一切揺らいでいません。
むしろ、情報があふれ自己表現が難しくなった現代だからこそ、この“原点に立ち返る一冊”として再評価されているのです。
本の内容(目次)

本書『面接の達人 バイブル版』は、就職活動の全工程を体系的にカバーする構成になっています。17章にわたり、面接の技術・思考法・実践・応用までを一貫して学べる内容です。「通る人」と「落ちる人」の違いを、Q&A形式で比較しながら明確化している点が特徴で、読者は自分の課題を具体的に照らし合わせながら読み進めることができます。
章の構成は次のようになっています。
- 第1章 面接は、ここで差がつく。
- 第2章 自己紹介で通る人、自己紹介で落ちる人。
- 第3章 志望動機で通る人、志望動機で落ちる人。
- 第4章 話し方で通る人、話し方で落ちる人。
- 第5章 エントリーシートで通る人、エントリーシートで落ちる人。
- 第6章 OB訪問で通る人、OB訪問で落ちる人。
- 第7章 インターンシップで通る人、インターンシップで落ちる人。
- 第8章 コネで通る人、コネで落ちる人。
- 第9章 会社訪問で通る人、会社訪問で落ちる人。
- 第10章 インターネットで通る人、インターネットで落ちる人。
- 第11章 作文で通る人、作文で落ちる人。
- 第12章 時事問題で通る人、時事問題で落ちる人。
- 第13章 服装で通る人、服装で落ちる人。
- 第14章 本番で通る人、本番で落ちる人。
- 第15章 内定で通る人、内定で落ちる人。
- 第16章 拝啓 人事部長様 面接のいい加減な会社はつぶれます。
- 第17章 拝啓 OB様 OB訪問で人脈が広がります。
この17章構成を通じて、中谷彰宏氏は「面接とは練習で上達するプレゼンテーションである」という理念を繰り返し示しています。
それでは、各章でどのような知見と学びが得られるのかを順に見ていきましょう。
第1章 面接は、ここで差がつく。
この章では、面接で成功する人と失敗する人の「わずかな違い」を徹底的に解説しています。中谷氏は、面接は「運」ではなく「技術」であると明言し、たった0.1点の差が合否を決める現実を指摘します。つまり、ちょっとした言葉の選び方や姿勢、表情の違いが大きな結果の差となって現れるのです。特に強調されているのは「自己紹介」と「志望動機」の2つを正しく伝えること。著者は「この2点が話せれば、どんな人気企業でもトップで通る」と述べており、これは表面的な“好印象”ではなく、構造的に整理されたプレゼンテーション能力を意味しています。
さらに本章では、「面接を本番でうまくやろう」と考えることの危うさにも言及しています。著者は「なぜ第1志望を練習台にしてしまうのか」と問いかけ、練習不足が最大の失敗原因だと断言します。面接はスポーツや楽器演奏と同じく、繰り返しの訓練によってのみ上達するものであり、偶然に任せる余地はありません。中谷氏は、OB訪問で多くの学生を指導した経験から、「伝える力は鍛えられるスキル」であると証明しています。
この章は「再現可能な成功理論」を示しています。
行動科学では、パフォーマンスを支える要素を「知識」「技術」「態度」に分けます。本章はそのうち“技術”の習得を重視しているのです。
第2章 自己紹介で通る人、自己紹介で落ちる人。
本章では、面接の第一印象を決定づける「自己紹介」の重要性が解説されています。中谷氏は、自己紹介を“本番の序章”ではなく“本番そのもの”と位置づけ、最初の数十秒で勝負が決まると語ります。自己紹介でやってはいけないこととして、「話を詰め込みすぎる」「形式的すぎる」「他人の評価を借りる」などを挙げています。たとえば、「私は真面目だとよく言われます」といった他者依存の表現は、主体性の欠如としてマイナス印象につながるのです。
また、「自己紹介」と「自己PR」を混同してはいけないとも指摘します。前者は“概要を伝える導入”であり、後者は“実績で信頼を構築する段階”です。さらに、短所を聞かれた際には「正直に言う」だけでは不十分で、弱点をどのように克服しようとしているかを合わせて語ることが大切だと説きます。つまり、面接官が知りたいのは「欠点そのもの」ではなく、「成長力と自己修正の姿勢」なのです。
社会心理学では、自己紹介は“初頭効果”を引き起こす場面とされています。
最初の印象が後の評価を大きく左右するため、言葉の構成や順序を戦略的にデザインすることが求められます。
第3章 志望動機で通る人、志望動機で落ちる人。
志望動機の章では、学生が最もつまずく“自己の言語化”について深く掘り下げています。中谷氏は、「志望動機とは、企業をほめることではなく、自分の人生観と企業理念を接続することだ」と強調します。つまり、「なぜその企業なのか」という問いには、“自分の軸”と“組織の方向性”を一致させる説明が必要なのです。表面的なリサーチや「御社の社風に惹かれました」という曖昧な回答では、どの企業でも通用する“凡庸な動機”にしかなりません。
加えて、著者は「自己紹介と志望動機の一貫性」が最重要であると述べます。自己紹介で提示した価値観や得意分野が、志望理由の中でも同じ構造で展開されることが信頼につながるのです。特に、「会社のどこに共感したか」「自分の経験がどう役立つか」を筋道立てて説明する力が、面接官に「この人は仕事を構造的に理解できる」と印象づけます。
キャリア心理学でいう“自己概念の明確化”がここでの鍵です。
自分の価値観を企業の文脈に合わせて再構成する力は、将来のキャリア形成にも直結します。
第4章 話し方で通る人、話し方で落ちる人。
ここでは、「何を話すか」ではなく「どう話すか」に焦点が置かれます。著者は、話す技術ではなく“伝える設計”が評価を決めると説きます。印象に残る話の共通点は「結論から始まり、具体例で支え、再確認で締める」という三段構成。つまり、話の“形”を安定させることで、どんな内容でも信頼を得られるのです。中谷氏は「たいした経験がなくても、構成が整えば人は納得する」と述べ、話のフレームワークの重要性を強調しています。
さらに、ウソや誇張を避け、事実の中に「自分らしい切り口」を見つけることが鍵とされています。声のトーン、語尾、スピード、アイコンタクトといった非言語要素も含めて「話す=全身の表現」と捉え、バランス感覚を磨くことが推奨されます。学生の“饒舌さ”よりも“聴かせる姿勢”を重んじる著者らしい分析が光ります。
音声心理学では、声の高低・速度・間合いが「信頼感」「自信」「誠実さ」の判断要因とされています。
話し方の設計は、言葉の内容と同じくらいの説得力を持つのです。
第5章 エントリーシートで通る人、エントリーシートで落ちる人。
この章では、エントリーシート(ES)を単なる書類ではなく、“会話を誘発するシナリオ”として捉えています。中谷氏は「良いESとは、読んだ面接官が『この人に会ってみたい』と思う構成をしているもの」と説明します。つまり、内容の多さではなく“焦点の明確さ”と“物語性”が重要なのです。よくある失敗として、テーマが散漫で一貫性を欠く文章や、見た目を飾るだけの形式的な工夫を挙げています。
また、提出時期や使い回しの危険性にも具体的に触れています。早く提出すれば良いというものではなく、内容の完成度と自己理解の深さが最優先。特に「どんな行動をしたか」よりも「なぜその行動を選んだのか」という“判断基準”を示すことで、面接官に“思考の質”を伝えることができると強調します。
ES作成は“ロジカルライティング訓練”の一環です。
ビジネス文書の原則である「結論→理由→事例→再主張」の構造を身につけることで、思考の透明性が高まります。
第6章 OB訪問で通る人、OB訪問で落ちる人。
OB訪問の章では、面接前の「情報収集と関係構築の訓練」としての重要性が説かれます。著者は、「第1志望に行く前に、何社訪問したかで勝負が決まる」と強調し、OB訪問を“量と質の経験値トレーニング”と位置づけます。実際、複数の業界・企業を比較しながら訪問を重ねることで、言葉の使い方・質問の精度・企業研究の深度が格段に上がるといいます。単なる情報収集ではなく、「相手の立場に立って質問を設計する力」を磨く場なのです。
さらに、中谷氏は「OB訪問で社風を見抜く方法」「訪問後のフォロー」「第1志望を聞かれた時の対応」など、実践的な場面にも踏み込みます。特に、「訪問後に何をすべきか」という点では、“関係を終わらせない姿勢”が重要とされます。これは社会人としての礼節・誠実さの訓練でもあり、面接に直結する「印象管理」の第一歩です。
人は一度きりの接触よりも、継続的な関係から信頼を構築します。
中谷氏はOB訪問を「情報交換の場」ではなく「関係形成のリハーサル」として位置づけている点が革新的です。
第7章 インターンシップで通る人、インターンシップで落ちる人。
この章では、インターンシップを「採用の前哨戦」としてどう活かすかを明確に示しています。中谷氏は、「インターンをやっていない=不利」ではないと前置きしたうえで、本質は「どんな姿勢で臨むか」だと説きます。つまり、短期間の実践を通して“社会人としてのふるまい”をどこまで意識できるかが評価されるのです。企業は能力よりも「吸収力と適応力」を見ています。学生らしいフレッシュさに加えて、報告・連絡・相談の基本を守るだけでも印象は格段に変わります。
また、通過者と不合格者の差は「準備」と「観察」にあります。事前に業界の理解を深め、インターン中にどんな経験を得たいかを明確にしておく人は、自然と行動に目的意識が表れます。逆に、受け身で与えられた作業をこなすだけの人は、企業から“将来性が見えない”と判断されやすいのです。インターンは「自分を試す場」であると同時に、「企業が学生を観察する場」でもあることを忘れてはなりません。
インターンシップは「経験学習理論(Kolb’s Experiential Learning Theory)」に通じます。
行動→省察→概念化→実践というサイクルを回すことで、知識を“生きたスキル”に変えることができます。
第8章 コネで通る人、コネで落ちる人。
この章は、就職活動における「コネ」の実態を冷静に分析しています。中谷氏は、“コネがある=ズルい”という誤解を否定し、コネを「信頼の橋渡し」と定義します。つまり、血縁や地縁ではなく「日常の中で築いた人間関係や信頼」が、結果的に機会を生むということです。遠い関係でも、相手の信頼を得ていればそれは“人脈”として機能します。
一方で、“コネを頼りにする姿勢”が見透かされると逆効果になります。採用担当者は、本人の努力を見たいと考えています。したがって、紹介を受けたとしても、面接やESでの内容が伴わなければ、むしろ「中身のない人」と評価されてしまいます。著者は、「コネの本質は関係ではなく、信頼の継続性にある」と結論づけています。
社会資本理論(Social Capital Theory)によれば、真に価値を持つコネとは「信頼」と「相互支援」に基づく関係です。
形式的な繋がりよりも、行動の一貫性が人脈を形成します。
第9章 会社訪問で通る人、会社訪問で落ちる人。
第9章では、企業訪問や説明会をどのように活用すべきかが具体的に語られます。著者は、「会社訪問とは情報収集ではなく、“対話による発見”の場である」と述べています。多くの学生が数をこなすことに集中しがちですが、重要なのは量ではなく「質」。一社ごとに目的を明確にし、何を学びたいのか、どの視点で比較するのかを意識することが必要です。
さらに、志望順位や業種選びに関しても柔軟な考え方を提案しています。「最初に決めた業界に固執する必要はない」とし、実際に足を運んで“違和感”を感じたら、それは重要な発見だと説きます。また、会社説明会では“何を聞くか”よりも“何を観察するか”が大切だと強調します。社員の表情や言葉遣い、質問への対応から、社風を見抜く洞察力を磨くことができるのです。
組織行動学では、企業文化(Corporate Culture)は言葉よりも“非言語的行動”に現れるとされています。
観察力を養うことが、適職発見の第一歩なのです。
第10章 インターネットで通る人、インターネットで落ちる人。
この章では、インターネットを活用した情報収集と就活の落とし穴について述べられています。中谷氏は、「ネットは便利だが、情報の“鮮度と信頼性”を見抜けなければ危険」と警鐘を鳴らします。就職情報サイトやSNSには多くの意見や体験談が溢れていますが、それらを鵜呑みにすることで、自分の判断基準を失ってしまうのです。
また、ネット上で企業情報を得る際には、単一サイトに依存するのではなく、複数の媒体を比較することの重要性を説きます。さらに、企業から届くメールやニュースレターを軽視しないようにと注意を促します。中谷氏は「メールは企業のメッセージそのもの。返信や対応の仕方で印象が変わる」と述べ、デジタル時代のマナーをも強調しています。
メディアリテラシー(Media Literacy)の観点からも、本章は重要です。
情報を“選ぶ力”こそが、現代就活の競争力の源泉です。
第11章 作文で通る人、作文で落ちる人。
この章では、作文試験の本質が明らかにされています。中谷氏は、「作文は文章力を試す場ではなく、思考の筋道を試す場」であると指摘します。多くの学生が表現力に気を取られますが、企業が見ているのは“論理的に考え、順序立てて説明できるか”という構成力です。文章が上手でも、論点がずれていれば評価はされません。
また、国語の作文と就職作文の違いについても触れています。前者は感想や感情表現を重視しますが、後者は結論と理由の明確さが求められます。中谷氏は、「社説を書き写すより、自分の考えを自分の言葉で整理する練習をすべき」とアドバイスしています。重要なのは“型”ではなく、“内容を構造的に伝える力”なのです。
論理的思考を文章で表現する力は、クリティカルシンキング(Critical Thinking)の応用です。
採用担当者は「思考の筋道」を読み取ることで、仕事の再現性を評価します。
第12章 時事問題で通る人、時事問題で落ちる人。
第12章では、時事問題対策の意義と正しい準備法が取り上げられています。著者は、「時事問題とは知識の量ではなく、知識をどう使うかを問う試験だ」と述べます。単にニュースを暗記するのではなく、社会の動きを自分の視点で解釈できるかどうかが問われます。そのため、新聞やニュース番組を“情報収集”ではなく“思考訓練”として活用することが推奨されます。
さらに、グループディスカッションや筆記試験での対応法にも言及しています。「司会役をした方が有利か」「たくさん話す方が評価されるか」といった疑問に対し、中谷氏は「役割よりも、議論を前に進める力が評価される」と答えます。つまり、“まとめ役”よりも“思考を動かす人”が印象に残るのです。
時事問題は“社会的知性(Social Intelligence)”を測る指標です。
知識そのものより、複雑な情報を整理し、他者と共有できる能力が評価されます。
第13章 服装で通る人、服装で落ちる人。
この章では、服装を「外見の印象」ではなく、「自己理解の表現」として捉えています。中谷氏は、「あなたらしい服装で来てください」という企業のメッセージを文字通りに受け取ってはならないと指摘します。実際、リクルートスーツが多数派の中で、個性を出そうと奇抜な服装を選ぶと、かえってTPO(時と場所と場合)を理解できない人と見なされる危険があります。著者は、服装を通して“空気を読む力”を見られていると説明します。つまり、服装は“自分らしさ”よりも“場にふさわしい自分”を演出することが大切なのです。
一方で、「スーツで個性を出す方法」にも触れています。たとえば、シャツの色やネクタイのトーン、靴の手入れ、全体の清潔感と姿勢など、小さな要素で印象を変えられるのです。著者は、“服装の美意識=仕事の丁寧さの反映”と述べ、見た目の整え方がその人の“思考の整理力”を象徴すると強調しています。
社会心理学の「初頭効果」と「ハロー効果」はここに深く関係します。
服装の印象が他の能力評価に影響するため、見た目は単なる装飾ではなく戦略的要素なのです。
第14章 本番で通る人、本番で落ちる人。
この章では、実際の面接“本番”で起こる判断の瞬間を中心に解説しています。中谷氏は、「面接は座る前に勝負が決まる」と断言します。入室時の姿勢や表情、声のトーン、挨拶の仕方など、最初の十秒で印象が形成され、その後の内容を左右するのです。また、意図的に難しい質問を投げかける“困らせ質問”への対応も取り上げ、焦らずに「質問の意図を読み解き、冷静に返すこと」が鍵だと述べています。
本章の後半では、「緊張」と「失敗」への対処がテーマになります。著者は、緊張を否定せず、「緊張している=真剣に向き合っている証拠」と肯定的に捉える姿勢を推奨します。また、面接での“失敗”はむしろ貴重な学びとし、敗因を分析して次に生かすことが真の成長だと説きます。あがらない方法よりも、“あがっても動じない方法”を身につけることこそ、プロフェッショナルへの道です。
行動心理学における「認知再構成法」に近い発想です。
緊張を“敵”と捉えず“パフォーマンスの燃料”とすることで、身体反応を味方につけることができます。
第15章 内定で通る人、内定で落ちる人。
この章では、最終関門である「内定」のステージに焦点が当てられています。著者は、「内定はゴールではなく信頼契約の始まり」と述べ、最終面接で問われるのは“能力”よりも“相性と誠実さ”であると指摘します。他社の内定状況や、面接時間の重なりといった現実的なトラブルについても丁寧に言及し、「正直に、かつ相手を尊重して伝える姿勢が最も信頼を生む」とアドバイスします。
また、「不在で連絡が取れなかった場合に不合格になるか」という質問にも答え、「企業は“連絡が取れる人”を採用する」と明確に述べます。つまり、社会人としての基本行動──時間管理、報連相、誠実な対応──がこの段階で見られているのです。面接対策の延長ではなく、社会人としての“実践テスト”としての意味を理解する必要があります。
この章は「ビジネス・エチケット」と「社会的信頼形成」の要点を押さえています。
誠実な対応は、認知心理学でいう“信頼の一貫性効果”を生み出します。
第16章 拝啓 人事部長様 面接のいい加減な会社はつぶれます。
この章は、就活生への直接的アドバイスではなく、企業側への鋭いメッセージが込められています。中谷氏は、「面接とは企業の品格が最も現れる場所だ」と断言します。面接官の態度が傲慢だったり、対応が不誠実だったりする会社は、いずれ顧客からも信頼を失うと警告しています。つまり、面接は企業の“縮図”であり、“採用活動の姿勢”そのものが企業文化を映し出すというのです。
経営倫理学でいう「ステークホルダー理論」に通じます。
採用もまた、企業と候補者の信頼関係を築く社会契約の一部であるという視点です。
第17章 拝啓 OB様 OB訪問で人脈が広がります。
最終章では、OB訪問を通して形成される“キャリアネットワーク”の価値に焦点が当てられています。中谷氏は、「OB訪問は就活テクニックではなく、社会人としての出発点」と強調します。つまり、情報を得るための場ではなく、“関係を築く第一歩”なのです。訪問を通じて先輩から学ぶ姿勢は、そのまま社会での学習力を象徴します。
キャリア理論でいう“メンターシップ(Mentorship)”の概念です。
OB訪問は一時的な支援ではなく、長期的な学習関係を築く契機となります。
対象読者

本書『面接の達人 バイブル版』は、単なる就職マニュアルではなく、「自分を正しく伝えるための訓練書」として幅広い読者層に向けて書かれています。
それぞれの立場に応じて、読み取れる学びと実践ポイントが異なるため、以下のような読者に特におすすめです。
- これから就職活動を始める学生
- 面接に苦手意識がある就活生
- 転職・第二新卒で面接を控えている人
- 人事・採用担当として“学生目線”を知りたい企業側の人
- キャリア支援・就活支援を行う講師やアドバイザー
これらの読者が本書を手に取ることで、単なる「面接対策」ではなく、「自分の魅力をどう伝えるか」という本質的なスキルを学ぶことができます。
これから就職活動を始める学生
これから就職活動を始める学生にとって、『面接の達人 バイブル版』は“最初に読むべき一冊”といえます。なぜなら、本書は就活の最重要ステップである「面接」を中心に、自己分析・エントリーシート作成・OB訪問など、活動全体の流れを体系的に理解できる構成だからです。初めて就活に臨む学生は、何から手をつけていいのか分からず不安を抱えがちですが、本書では「面接とは何か」という根本的な問いから始まり、段階的に準備を進める方法を具体的に示しています。
また、中谷氏が説く「面接は練習で必ず上達する」というメッセージは、これから就活を迎える学生にとって大きな安心材料となります。暗記ではなく“考え方の習得”を重視する本書の内容は、初学者でも理解しやすく、自分の言葉で話す力を鍛えることができます。社会人としての基礎力を磨く導入書としてもふさわしい一冊です。
これから就職活動を始める学生にとって、本書は「不安を戦略に変える」ための道しるべです。
中谷氏の言葉を通して、面接とは恐れるものではなく、自分を理解してもらう機会だと気づけるでしょう。
面接に苦手意識がある就活生
面接に苦手意識を持つ就活生にとって、本書は“自信を取り戻すトレーニングブック”です。中谷氏は、面接で失敗する多くの人が「正解を探そう」とする思考に陥っていると指摘します。『面接の達人 バイブル版』では、完璧な回答を用意するのではなく、「自分の考えを相手に伝えること」に重点を置くことで、緊張や不安を減らす方法を丁寧に教えています。
特に、自己紹介や志望動機の構成例を豊富に挙げながら、「どうすれば自分らしく話せるのか」を実践的に解説している点が特徴です。読み進めるうちに、「面接=評価される場」ではなく「自分を表現する場」へと意識が変化していく構成になっています。苦手意識を抱えた就活生が、自信をもって自分を語れるようになるための一冊です。
転職・第二新卒で面接を控えている人
転職や第二新卒として再び面接を受ける人にとっては、「自分の過去をどう語るか」が課題になります。本書は学生向けでありながら、社会人経験者にも応用できる本質的なアドバイスを提供しています。中谷氏は、キャリアの転換期に必要なのは「過去の説明ではなく、未来の提案」だと説きます。これは、どの年代の面接にも通じる普遍的な視点です。
また、転職者が陥りやすい「前職批判」や「成果の羅列」ではなく、自分の成長や方向性を中心に語る方法が示されています。社会人としての経験をどう整理し、どのように企業に貢献できるかを論理的に伝える構成は、まさにキャリア再設計の指針になります。面接を“評価の場”から“プレゼンテーションの場”へと昇華させたい転職希望者に最適です。
転職・第二新卒にとって、本書は“過去の棚卸し”を通して未来を語る訓練書です。
キャリアを言葉で再構築する技術は、次のステップへの確かな土台となります。
人事・採用担当として“学生目線”を知りたい企業側の人
企業の採用担当者や面接官にとっても、『面接の達人 バイブル版』は貴重な一冊です。本書には、就活生がどのような意識で面接に臨んでいるのか、どんな言葉に敏感に反応するのかといった“学生心理”がリアルに描かれています。これにより、面接官自身が学生の立場を理解し、より対話的で誠実な選考を行えるようになります。中谷氏の「面接は選抜ではなく、プレゼンテーションの場」という考え方は、採用する側にも新しい視点を与えるでしょう。
また、面接の現場でよく見られる「印象評価の偏り」や「質問の形式化」についても、本書を通して見直すことができます。学生にとってどんな質問が本音を引き出すのか、どんな態度が信頼を生むのかといった点を、中谷氏の指摘をもとに再検討することで、面接の質そのものを高めることができます。
採用担当者がこの本を読むことで、面接が“選ぶ場”から“見つける場”へと変わります。
学生の本音を引き出す面接こそが、真に良い採用を生むのです。
キャリア支援・就活支援を行う講師やアドバイザー
キャリア支援者にとって、本書は“教育現場での指導理論のベース”となる内容を備えています。中谷氏の考え方は、学生の面接練習を指導する際に欠かせない「伝え方の教え方」を明確にしています。単に答えを指導するのではなく、学生自身が“自分で考え、表現する力”を引き出すための問いかけや練習法が具体的に紹介されています。
また、キャリア教育の現場で学生の意識改革を促すための「練習の設計」「自己分析の支援」「振り返りの方法」など、教育的な活用価値も非常に高い構成になっています。支援者が学生の発言の背景を理解し、指導に深みを持たせるための実践的な参考書です。
キャリア支援者にとって、この本は“就活を指導するための教科書”です。
中谷氏の哲学を理解すれば、学生を合格へ導くだけでなく、自信を取り戻させる支援ができるようになります。
本の感想・レビュー

実践的すぎて準備がはかどった
この本を手に取ったとき、最初に感じたのは「机上の空論ではなく、現場の空気を知っている人の言葉だ」ということでした。著者の中谷彰宏さんが、実際に何百人もの学生と面接練習を重ねてきた経験をもとに書いているため、アドバイスの一つひとつが生々しくリアルです。「面接は練習でうまくなる」という冒頭のメッセージに背中を押され、私は読み進めながら自分の準備不足を痛感しました。
本書は単に「こう答えると良い」という答え集ではなく、どのように自分の魅力を構築し、相手に伝えるかという“思考の筋道”を示してくれます。特に「面接はプレゼンテーションだ」という考え方は、私の就活の基準を根本から変えました。それまで“受け答えの正しさ”ばかりを意識していた私は、読後には“どう伝えるか”に焦点を置くようになり、準備の方向性が一気に明確になりました。
志望動機の深掘りが目からウロコだった
私はこの本を読む前、志望動機を作るのがとても苦手でした。どの企業にも似たような言葉を書いてしまい、自分の中でしっくりこないまま提出することが多かったんです。そんな私にとって第3章「志望動機で通る人、志望動機で落ちる人。」は衝撃的でした。中谷さんが語る“志望動機はオベンチャラではなく、自己理解の表現である”という一節が、心に刺さったのを覚えています。
彼は「会社を褒めるのではなく、自分がその会社で何を実現したいのかを語れ」と言います。この言葉を読んで、私はそれまでの“正解を探す”姿勢をやめ、自分の過去の経験と価値観を掘り下げるようになりました。その結果、企業に合わせて表面的に作っていた志望動機が、“自分の言葉”で語れるようになったのです。
Q&A形式で読み進めやすかった
私は就活の本を読むのがあまり得意ではなく、途中で飽きてしまうことが多いタイプです。ですが『面接の達人 バイブル版』は、そんな私でもスラスラ読めました。その理由は、全編が「疑問」と「答え」で構成されているからです。まるで自分の心の中の不安やモヤモヤを、そのまま中谷さんが言語化してくれているような感覚でした。
たとえば「面接で言うべきことはたったの2つ」「笑顔だったのに落ちたのはなぜ?」といった見出しが並ぶ章では、読むたびに“あ、これ自分のことだ”と思わされます。それぞれの回答も、短く鋭く、それでいてユーモアがある。堅苦しさがなく、電車の中やカフェで読んでも自然と頭に入ってきました。
また、Q&A形式は単なる読みやすさだけでなく、実践的な復習にも役立ちました。面接前日には「自分が今不安に思っていること」を目次から探し出し、該当ページを開いて読むという使い方ができるのです。何度読み返しても新しい気づきがある、そんな“手元に置いておきたい一冊”になりました。
OB訪問やインターン章が意外と役立つ
正直に言うと、最初は「面接の本なのに、なぜOB訪問やインターンまで?」と不思議に思っていました。しかし読み進めていくうちに、これらの章こそが“面接を制するための前哨戦”だと気づかされました。中谷さんは、OB訪問や会社説明会を単なる情報収集の場ではなく、「実践の練習の場」として位置づけています。この発想の転換が、私の就活スタイルを大きく変えました。
OB訪問の章では、「君は第1志望の会社に行く前に何社回ったか」という問いが印象的でした。この一言に、自分がどれだけ行動していなかったかを思い知らされました。読後、私は積極的に他業界のOBにも会うようになり、その経験が志望動機の説得力を高めてくれました。インターンシップの章でも、“やっていないことを恐れる必要はない”というメッセージに救われました。
この章を読んで感じたのは、「面接力は、準備の総量に比例する」ということです。面接本なのに、面接以外の行動を促す――その広い視点が、この本を“就活のバイブル”たらしめているのだと思います。
話し方・表現の章で自分の弱点が見えた
『面接の達人 バイブル版』を読んで、一番自分に刺さったのは「話し方で通る人、話し方で落ちる人。」の章でした。これまでの私は、話す内容ばかりを意識していて、“どう話すか”を意識したことがありませんでした。ですがこの章を読むと、面接官が見ているのは「言葉の内容よりも伝わり方」だということがわかります。話すスピード、間の取り方、表情の作り方――それら一つひとつが印象を左右しているのです。
特に印象に残ったのは、「自己主張が強すぎると嫌われるわけではない。ただし“独りよがり”は伝わらない」という部分でした。この言葉で、自分がどれだけ“自分を見せよう”とすることに必死になっていたかを反省しました。読後は、“伝わる話し方”を意識するようになり、自然体で話せるようになった気がします。
分量が多くて少し圧倒されたが、その分充実していた
最初に本を開いたとき、その厚みに正直圧倒されました。見出しの多さ、章の多さ、そしてひとつひとつの質問の細かさ。軽い気持ちで読み始めたはずが、「これは本気で向き合う一冊だ」とすぐに気持ちを切り替えざるを得ませんでした。しかし、読み進めるうちにそのボリュームの理由がわかってきます。中谷氏が語るのは単なる“面接のコツ”ではなく、“人間としてどう伝わるか”という深いテーマであり、あらゆる角度から面接を解体していく姿勢が感じられました。
特に印象的だったのは、一見似たような質問が繰り返されているようで、実は少しずつ切り口が違う点です。これによって、自分の考えがどの質問にも一貫して答えられるかを確認できる構成になっています。まるで面接官がさまざまな角度から同じテーマを掘り下げてくるように、読者自身も自問自答を繰り返すことになるのです。その過程で、自分の思考の浅さや矛盾にも気づかされました。
社会人転職でも活かせる視点があった
私は社会人経験を経て転職活動をしている立場ですが、この本を読んで「学生向け」と決めつけていた自分を恥ずかしく思いました。中谷氏の言葉は、面接の場が違っても、人と人とのコミュニケーションに共通する本質を突いています。特に印象的だったのは、「面接とは、熱意を伝えるプレゼンテーションだ」という部分。社会人でもこの考え方を意識していない人は多く、私自身、転職面接でどう自分を“再定義”するかを見失っていた時期に大きなヒントをもらいました。
また、本書で繰り返される「面接は練習でうまくなる」という言葉は、転職者にも響きます。社会人になると“練習”という言葉から遠ざかりがちですが、むしろ経験を積んだ人こそ、意識的に自分を磨き直す必要があると痛感しました。中谷氏のメッセージは、単なる学生へのアドバイスではなく、どんな世代にも共通する“成長の哲学”として読めます。
就活環境が変わっても使える本だと思う
この本を読んで感じたのは、書かれている内容がまったく古びていないということです。刊行から年月が経っても、言葉の一つひとつに普遍的な説得力があります。中谷氏が描くのは、就活テクニックではなく、人が人に信頼されるための根本的な考え方です。そのため、どんな時代にも通じる“人間力”の書として読めました。
特に印象に残ったのは、「面接とは偶然ではなく必然で決まる」という考え方です。これを読んで以来、面接結果を運や相性のせいにするのをやめました。準備の差が結果を決める。そう信じて努力を重ねることで、面接に対する恐怖心が少しずつ薄れていきました。
この本の価値は、環境が変化しても変わらない「本質」にあります。社会がオンライン化しても、人が相手を選ぶプロセスは変わらない。読むたびにその言葉の重みを感じる一冊であり、“就活を超えた人生の指南書”としてこれからも読み返していきたいと思います。
まとめ

本記事の締めくくりとして、『面接の達人 バイブル版』を通じて読者が得られる価値を整理しておきましょう。この書籍は、単なる面接対策本ではなく、“自分という存在をどう伝えるか”を教えてくれる実践書です。
そのエッセンスを理解するために、以下の3つの観点から振り返ると、読後の行動に明確な指針が生まれます。
- この本を読んで得られるメリット
- 読後の次のステップ
- 総括
それぞれ詳しく見ていきましょう。
この本を読んで得られるメリット
ここでは、本書を手に取ることで得られる代表的な利点を整理してみましょう。
自己分析の精度が飛躍的に高まる
本書を通して最初に得られるのは、自分を深く理解する力です。中谷氏は「自己紹介が言えればトップ合格」と述べていますが、これは単なる言葉遊びではありません。面接の本質を「自己理解と他者理解の接点」として捉え、どのように自分の価値を相手に伝えるかを具体的に導いてくれます。多くの学生が陥る「何を話せばいいのかわからない」という迷いを、的確な質問と実践的な指導によって解消してくれるのです。自己分析の方向性を誤ると、どれだけ準備をしても成果に結びつきませんが、本書はその軌道修正をしてくれる貴重な指針になります。
面接の構造を理論的に理解できる
中谷氏が強調する「面接はプレゼンテーションだ」という考え方は、就活本の中でも特に独創的です。面接官との会話を偶然のやりとりではなく、論理的な構成を持つ“伝達のデザイン”として扱う点にあります。たとえば、「エラーを減らす」や「0.1点の争い」という表現に象徴されるように、本書は細部の言葉選びや態度にまで焦点を当てています。読者は、面接官がどのような基準で評価しているかを知り、それに基づいて自分の表現を最適化する術を学べます。単なる“受け答え集”ではなく、面接という行為そのものの構造を理解できるのです。
実践を通じて“話す力”が鍛えられる
『面接の達人 バイブル版』の最大の特徴は、“読むだけでは終わらせない”構成にあります。中谷氏は、読者に対して「練習せよ」と繰り返し促します。それは単なる根性論ではなく、面接が技術であり、繰り返すほどに上達するという確信に基づくものです。自己紹介や志望動機を繰り返し声に出す練習法は、スピーチや営業など社会人生活にも応用できます。つまり、本書で学ぶ“伝える技術”は、就活を終えても生涯役立つコミュニケーションスキルへと発展します。
面接官の心理を読み取る視点が得られる
面接の現場では、質問に対して“正しい答え”を返すことよりも、面接官が何を知りたがっているのかを察する力が問われます。本書はその“読み取る技術”を磨くための思考法を提供します。中谷氏は面接官の視点から「なぜその質問をするのか」「どういう意図で反応を見るのか」を分析し、表面的なテクニックではなく“背景にある心理”を読み解かせます。これにより、読者は相手の意図を理解したうえで自分の言葉を選び、会話の主導権を握ることができるようになります。
中谷氏の理論は、単に“面接で受かる”ためのものではなく、“社会で生き抜くための伝達力”を育てる実践哲学です。
この本を読み終えたとき、面接が怖いものではなく、自分を語る最高の舞台に変わっているはずです。
読後の次のステップ
『面接の達人 バイブル版』を読み終えたあと、真の成長を実感するためには「知識を実践に変える」ことが不可欠です。中谷氏が繰り返し伝えているのは、面接は理論ではなく技術であり、練習を通して初めて体得できるということ。
ここでは、読後に取るべき具体的な行動を、段階的に解説していきます。
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1実践練習で「伝える技術」を定着させる
本書を読んで得た知識を自分の中に落とし込むためには、まず実際に“話してみる”ことが最初のステップです。自己紹介や志望動機は、頭の中で組み立てるだけでは不十分で、声に出すことで初めて「伝わるかどうか」が確認できます。特に録音して自分の声を聞く、鏡の前で表情を確認する、友人やOBに面接官役を頼むといった方法は、実践力を高めるうえで効果的です。面接とは、準備の段階で磨いた“プレゼンテーション能力”を発揮する舞台であり、繰り返すほど自然な表現が身についていきます。
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2言葉と行動を一致させて信頼感を築く
面接では、発言の内容と態度の一貫性が最も重視されます。中谷氏が説く「自己紹介と志望動機の整合性」は、まさにこの一貫性の象徴です。読後は、自分のエントリーシートや面接での発言を振り返り、「この会社で何をしたいのか」「どんな貢献ができるのか」を一貫したメッセージとして再構築してみましょう。実際に話すときの姿勢、視線、言葉遣いを整えることで、言葉に説得力が増し、面接官に安心感を与えることができます。こうした“言葉と態度の調和”こそが、面接を成功へ導く基礎力となります。
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3継続的なフィードバックで改善を積み重ねる
一度練習しただけで満足してしまうのではなく、実践の中で得たフィードバックを次に生かすことが重要です。たとえば、模擬面接で指摘された点をすぐに修正したり、面接官の反応を観察して自分の話し方を調整するなど、改善のサイクルを繰り返すことが上達への近道です。中谷氏は「面接は0.1点の争い」と述べていますが、この0.1点の差は、細やかな修正と意識の積み重ねによって生まれます。練習を重ねるうちに、自分の成長が実感でき、緊張よりも自信が勝る瞬間が訪れるでしょう。
中谷氏が伝えたいのは、“面接を通じて自分を磨け”ということです。
読むことで知り、練習で磨き、経験で深める──この循環を続けることこそ、真の「達人」への道です。
総括
『面接の達人 バイブル版』は、単なる就職活動のハウツー本ではなく、“自分という存在を社会に伝える方法”を教えてくれる一冊です。中谷氏が本書で伝えているのは、受け答えのテクニックではなく、「伝わるとはどういうことか」という本質的な問いへの答えです。どんなに能力が高くても、相手に正しく伝わらなければ評価されない。その現実を直視し、どうすれば自分の価値を100%伝えられるのかを、理論と実践の両面から導いてくれます。
また、本書の構成は、自己紹介から志望動機、話し方、エントリーシート、OB訪問、服装、そして本番の対応まで、就職活動の全過程を体系的にカバーしています。そのため、どの段階からでも読み始めることができ、自分の課題に合わせて必要な部分を重点的に学ぶことができます。読者が「なぜ通らないのか」という疑問を一つひとつ解消しながら、確実に成長できるように設計されている点が特徴です。
さらに中谷氏の経験に基づく現実的なアドバイスは、時代が変わっても通用する普遍性を持っています。たとえば「面接はプレゼンテーションである」という考え方は、就職活動だけでなく、ビジネスや人間関係、さらには自己表現そのものに応用できる考え方です。この一冊を読み込むことで、面接を通じて自分の軸を確立し、どんな場面でも自信を持って自分を語れるようになるでしょう。
総じて、『面接の達人 バイブル版』は、就職活動という一時的な試練を超え、社会人として生き抜くための“自己表現の基礎”を築く書です。
面接に挑む前に読むことで、単なる合格を目指すのではなく、自分の魅力を伝える力を磨くという本質的な成長が得られます。
この本を読み終えたとき、あなたは「面接に通る人」ではなく、「自分を活かせる人」へと変わっているはずです。
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