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【書評】失敗しない採用面接の極意 基礎編 本質を見極める心理学11の法則【要約】

【書評】失敗しない採用面接の極意 基礎編 本質を見極める心理学11の法則【要約】

採用がうまくいかない──応募は来るのに内定辞退が多い、人柄は良いのに戦力化できない、面接で見抜けたと思ったのにミスマッチが発生する。

そんな現場の悩みは、多くの場合「面接の技術」に原因があります。

履歴書や経歴では測れない”人の本質”に迫れなければ、優秀な人材を逃すだけでなく、企業の未来そのものを閉ざしてしまいます。

ガイドさん
ガイドさん

本書『失敗しない採用面接の極意 基礎編 本質を見極める心理学11の法則』は、8300名以上の面接経験を持ち、中小企業の採用支援で成果を出し続ける著者・内田多美子氏が、心理学に裏付けられた面接技術を体系化した一冊です。

「応募者を惹きつける印象づくり」「深掘りする質問の手順」「ミスマッチを防ぐ評価軸の整え方」など、現場でそのまま活用できる方法が具体的に解説されています。

採用を運や勘に頼らず、再現性あるプロセスへと変えるための知識が凝縮されています。


人材難の時代に必要なのは、応募者を見抜く”目”ではなく、互いに理解を深める”対話の力”。

面接の質が変われば、採用の結果が変わり、組織の未来も変わります。

この本は、中小企業が採用の迷いから抜け出すための強力な武器となるでしょう。

採用で「失敗しないための技術」を手にしたい方へ──読み始めた瞬間から、面接の見え方が変わります。

読者さん
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書籍『失敗しない採用面接の極意 基礎編 本質を見極める心理学11の法則』の書評

書籍『失敗しない採用面接の極意 基礎編 本質を見極める心理学11の法則』の書評

採用は企業にとって生命線であり、特に大企業ほど待遇で勝負できない中小企業にとっては「面接の質」が命です。どれほど魅力ある商品や技術を持っていても、それを扱う「人」がいなければ事業は前に進まない。この本はまさにその前提に立ち、 面接の在り方そのものを根本から見直すための教科書 といえる一冊です。

この書評では、以下の4点を取り上げていきます。

  • 著者:内田多美子のプロフィール
  • 本書の要約
  • 本書の目的
  • 人気の理由と魅力


これらを順に読み解いていくことで、本書がなぜ今、多くの企業に必要とされているのかが鮮明になります。


著者:内田多美子のプロフィール

内田多美子氏は、採用の現場と心理学の両面から「人の価値を見抜き活かす仕組みづくり」を探求してきた人材育成の専門家です。新卒2年目で採用部門に配属されて以降、人事・採用・育成に約18年間携わり、のべ8300人以上の面接を行ってきたという圧倒的な経験値を持ちます。さらに中小企業と大企業という異なる環境での採用活動を経験し、組織規模による課題の違いを理解しているため、「理論だけでなく現場に落とし込める採用」を設計できる実務家であることが大きな強みです。

とくに特徴的なのは、採用に心理学的アプローチを融合させている点です。心理学とは人の思考や行動の傾向を科学的に捉える学問であり、面接はまさに「人を見る場」である以上、心理の動きを理解できるかどうかは採用成功の鍵になります。内田氏はその重要性を早期に見抜き、NLPや脳科学、気質学を取り入れながら、曖昧になりがちな採用の基準を「再現性のある思考プロセス」に落とし込んでいきました。採用を感覚ではなく構造で捉えることができる人物であり、そこがhim or herを単なる人事経験者ではなく「採用設計の専門家」へと昇華させた理由と言えます。

また、独立後は多数の中小企業を支援しながら、採用成功率や定着率の向上といった数値改善にも貢献しています。採用のミスマッチは企業にとって大きな損失であり、単に採用できれば良いわけではありません。入社後に活躍し、会社と共に成長してくれる人材を採用できるかが重要です。内田氏のアプローチはまさにそこにフォーカスしており、候補者の見極めとファン化を同時に実現する採用を提唱しています。その姿勢には、人と組織の幸福を両立させたいという信念と、採用は未来への投資であるという価値観が根付いています。

ガイドさん
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単なる面接経験の豊富さではなく、その経験を分析し、理論化・体系化して他者に再現できる形にした点こそ著者最大の価値です。



本書の要約

本書は「中小企業が優秀な人材を惹きつけ、見極め、定着させるための面接技術」を心理学的手法で体系化した一冊です。従来の採用活動は、応募者に質問し回答を評価するという一方向的なプロセスになりがちでした。しかし著者が提唱する面接は、企業と求職者が互いに理解し合い、未来を共有する双方向のコミュニケーションです。そのため本書では、応募者のスキルや経歴だけに注目するのではなく、価値観や思考傾向、未来に向けた行動の意志を読み解く方法が詳細に解説されています。

特に核となるのは、面接を成功させるための「心理学11の法則」です。人は誰しも第一印象に影響されやすく、見た目や雰囲気だけで総面積の判断をしてしまうことがあります。これをアンカリング効果と呼び、本書ではその影響をどう制御し、より客観的に人材を評価するかが具体例付きで説明されています。また、質問を通じて応募者の内面にある価値観や行動原理を掘り出していくためのメタモデル(一般化・削除・歪曲のパターン)や、抽象と具体を行き来しながら深層の考え方を明らかにするチャンク手法など、実践的かつ高度な質問技術も学べます。

さらに本書の強みは、単なる評価のための質問設計ではなく、応募者のエンゲージメントを高めるコミュニケーションまで扱っている点です。好印象を与える質問、信頼関係の構築、面接官の振る舞いと返報性の関係など、候補者の心理に働きかける方法も解説されています。その結果、面接後に「この会社で働きたい」と思ってもらえる採用が実現します。

ガイドさん
ガイドさん
この本の本質は、人材の選別ではなく「共に働きたいと思われる組織になるための面接設計」を教える点にあります。



本書の目的

本書の中心目的は、採用の質を引き上げ、入社後に活躍し定着する人材を選び出せる企業を増やすことです。著者自身、採用がうまく機能しないことで企業が疲弊していく現実を数多く見てきたと語っており、面接の失敗は人材コストの無駄だけでなく、社員の教育の労力を奪い、組織文化の崩れにも繋がることを強く指摘しています。採用は成功すれば利益を生みますが、失敗すれば目に見えない損害が積み重なる、非常にリスクの大きな領域であると捉えています。

本書では、面接を“選別の場”ではなく“未来の仲間との対話の場”へと概念を変え、応募者が安心して本音を語り、自分の可能性を示したくなる面接を作ることが理想であると示されています。そのために必要なのが心理学の働きであり、応募者の緊張を緩める声かけ、曖昧な回答の奥にある価値観を引き出す質問、第一印象の偏りを避けて冷静な判断を行う技術など、意識ひとつで面接の成果を劇的に変える知識が紹介されています。

さらに著者が目指すのは、面接官一人が上手くなることではなく、企業として採用の再現性を持つ状態づくりです。評価基準や質問設計を共有し、属人化を防ぎ、誰が面接しても同じ判断ができる組織体制にすることが重要だと述べられています。採用を人事の仕事ではなく企業戦略として扱い、全社で取り組む文化を生み出すことこそが、本書が読者に届けたい変革です。

ガイドさん
ガイドさん

採用は「人を獲得する行為」ではなく「未来の事業基盤をつくる投資」である。

ここに気づいた企業から成長は始まる。



人気の理由と魅力

この本が広く支持される理由は、採用の常識を根本から更新する視点と、現場で即実践できる具体性を兼ね備えている点にあります。一般的な採用書は質問テンプレートや面接のマナーに焦点を当てることが多いのに対し、本書は「なぜその質問をするのか」「その質問が応募者の心理にどう作用するのか」まで踏み込んでいます。つまりテクニックではなく「原理」と「仕組み」を扱っているため、理解すれば状況に応じた応用が可能です。

さらに、本書は中小企業の採用に特化していることも大きな魅力です。知名度や待遇で大企業に勝ちにくい中小企業にとって、面接は数少ない競争優位の源泉です。本書はその前提を深く理解し、少ない応募でも良い採用を実現するための面接設計と候補者ファン化の仕組みを提示しています。「大量の応募を競う採用」ではなく、「少数精鋭を正確に見抜き惹きつける採用」を可能にする内容です。

また、心理学が骨組みとなっていることで、感覚任せの採用から脱却できる点も評価されています。よくある「面接官によって評価が変わる」「第一印象に引っ張られる」「話が上手い人が通過しやすい」といった問題を、理論的根拠をもとに改善できるのです。さらに成功事例が豊富に紹介されているため、読者は自社に置き換えながら読み進めることができ、再現性の高さが実感として掴めます。

総じて、本書は採用担当者だけでなく、マネジメント層、経営者にとっても学びが深い一冊です。「人が会社をつくる」という普遍的なテーマに対し、心理学という武器を持って実務へ落とし込み、採用を変革する力を与えてくれます。

ガイドさん
ガイドさん

読んで終わる本ではなく、導入すれば採用の質が変わる本。

理論と現場の両方に根ざしているからこそ読者の支持を集めています。




本の内容(目次)

本の内容(目次)

本書の核となるのは、「面接で応募者の本質を見抜き、相手に選ばれる会社として存在するための採用設計」を体系化している点にあります。前半では採用に対する視座を変え、中盤は心理学に基づく11の法則で“人を見る解像度”を高め、後半では現場で再現できる実践ノウハウと成功事例が展開されます。

構成は以下の7つです。

  • 第1章 「採用に対する考え方」を正そう
  • 第2章 面接力が「強い会社」をつくる
  • 第3章 面接の基本戦略
  • 第4章 信頼関係を構築する5つの法則
  • 第5章 本質を引き出す6つの法則
  • 第6章 面接の実践に必要なこと
  • 第7章 事例紹介


これらは単なる章立てではなく、採用力を強くするためのロードマップとして設計されています。

それでは、各章の内容を一つずつ丁寧に読み解いていきましょう。


第1章 「採用に対する考え方」を正そう

第1章では、これまで一般的とされてきた採用の常識をいったん解体し、今の時代に必要な視点へとアップデートしていくことから始まります。特に強調されているのは、採用における評価軸が「スペック(学歴・スキル・経験)」から「エンゲージメント(共感・関係性・価値観の一致)」へと移っている現状です。優秀な人材ほど企業を選ぶ側に回りやすいため、企業は応募者のモチベーションを高める働きかけを行う必要があります。つまり面接とは、企業が求職者を選ぶのではなく「求職者から選ばれる場」でもあるという認識への転換が求められます。

そのうえで、本章は面接の場における無意識の落とし穴についても警鐘を鳴らしています。特にありがちなのが、企業側のアピールばかりが先行し、応募者の理解や対話が置き去りになることです。この状態は知らず知らずのうちに圧迫的な雰囲気を生み、応募者が本音で話せない環境を作り出してしまいます。採用は「聞き出す」のではなく「引き出す」行為であるという視点で、まずは相手に話しやすい空気を用意することが第一歩になります。

また、第1章は採用において最初に整えるべき土台は技術ではなく姿勢だと説きます。応募者を評価する立場に立つのではなく、同じ未来をつくる仲間候補として向き合うこと。この視点に立ったとき、面接は選別の場から相互理解の場へと変わり、応募者は心を開き、本音を語りやすくなります。採用の成果はこの瞬間から変わり始めるというメッセージが込められています。

ガイドさん
ガイドさん

採用活動は企業側が選ぶ立場だという前提を手放すことで、初めて応募者との対等な対話が成立します。

相互理解を目的とした面接に切り替わった瞬間から、人材の見極め精度と信頼形成は大きく高まっていきます。


第1章 の小見出し

  • 採用の現状を知る
    時代は「スペック」から「エンゲージメント」 ヘ
    面接によって、応募者のエンゲージメントを高めよう
  • 「面接」を見直す
    「マーケットイン」の考え方で面接はうまくいく
    中小企業こそ、「面接力」 のアップが必要
  • 採用成功のカギは「相手目線」を持つこと
    自社アピールに走らず、相手目線を持つ
    自覚はなくても、圧迫面接になり得る



第2章 面接力が「強い会社」をつくる

第2章は、「面接の質は組織の強さを決定する」という視点を中心に展開されます。面接は単なる選考ではなく、企業の魅力や理念を伝え、求職者をファンに変えるための場です。優秀な候補者ほど複数社からオファーを受けるため、面接の印象が選択の重要な基準になります。そしてその体験価値が高ければ、応募者は入社後の関わりにも前向きなエネルギーを持ち込みます。この好循環こそが「面接力=企業力」につながる根拠だと説明されています。

さらにこの章では、面接の質が社内のコミュニケーション改善にも波及することが示されています。傾聴・共感・価値観のすり合わせといった面接スキルは、1on1面談やマネジメントの場でも活きるため、採用という局所の取り組みが組織全体の関係性を変えていく力を持ちます。つまり、面接の質を高めることは採用担当者だけでなく組織文化に影響を与える投資でもあるのです。

また、採用は「入社させたら終わり」ではなく、戦力化と定着まで含めて成果です。この章ではその考え方も強く語られています。採用は未来の人的資本を築く活動であり、目先の充足ではなく長期的な成長を支える視点で行う必要があります。面接は採用プロセスの入口ではなく「未来の成果を生み出す装置」だと考えることが重要です。

ガイドさん
ガイドさん

採用は短期成果のためのイベントではなく、将来の組織価値を生み出す投資です。

面接の質を高めるという営みは、企業文化やコミュニケーションの基盤を強くし、結果として堅牢で持続的な組織形成へとつながります。


第2章 の小見出し

  • なぜ「いい面接」が必要なのか
    面接力は究極の営業力
    応募者を会社のファンにすることで、将来の採用につながる
    面接力が上がると、上司・部下のコミュニケーションの質も上がる
  • 面接力を上げるには
    面接は経験を積みにくいため、トレーニングが必須
  • 採用を採用だけで終わらせないために
    採用はゴールではない
    人的資本を増やす 「定着と戦力化」



第3章 面接の基本戦略

第3章では、成果に直結する採用を実現するための設計思想が語られます。採用活動は応募者の数を増やせば成功するわけではなく、自社と相性の良い人材を見つけ選ぶことに価値があります。そのためにはまず「求める人物像」を明確に定義し、曖昧な評価基準をなくすことが必須です。漠然と「優秀な人」と考えるのではなく、行動・価値観・成果の基準まで言語化しておくことで、面接の質問や判断が一貫性を持ちます。

また、採用は面接だけが要素ではなく、応募前〜内定後までのプロセス全体で設計すべきだと説明されています。本書では、新卒と中途で確認すべきポイントが異なることにも触れています。新卒には成長意欲や原動力を、中途には実績以上に価値観の一致を確かめる必要があります。同じ質問でも得たい情報が異なるため、対象に合わせた評価設計が求められます。

さらに、選考の各ステップに目的を持たせることが重要とされています。たとえば一次面接は価値観の確認、二次面接は能力や伸びしろの検証、最終は相互理解の最終調整という役割分担を設けることで、見落としが減りミスマッチを防げます。面接は偶然ではなく設計によって成功させるものだと本章は明確に教えています。

ガイドさん
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採用は偶然ではなく設計によって勝ちは作られます。

事前に基準と言語化が整っている企業は、面接の時点ですでに競争優位性を獲得していると言えます。

だからこそ、準備の緻密さが採用成果を分岐させる鍵なのです。


第3章 の小見出し

  • 「集める」「選ぶ」からの脱却
    数は少なくても、質の高い自社が求める人材を集めよう
    求める人材を明確化しよう
  • 面接の「やり方」を変革する
    「自社のファンづくり」のための面接を行おう
    ミスマッチングを減らそう
  • 採用までのステップをつくる
    つながりが増幅する 「効果的なステップ」をつくろう
  • 面接のステップ
    それぞれの面接の目的
    中途採用よりも新卒採用は時間をかけて確認するポイントが多い
  • 面接における評価ポイント
    新卒採用は、就活における成長度合いも確認ポイント
    中途採用で評価すべきは、実績やスキルよりも人柄や価値観



第4章 信頼関係を構築する5つの法則

第4章では、応募者との信頼を築くための心理学的アプローチが5つの法則として整理されています。最初に扱われるのは「アンカリング効果」。面接の冒頭で形成される第一印象がその後の評価に長く影響し続ける現象です。無意識の偏りに気づかないまま判断すると、優秀な人材を逃す可能性もあるため、印象に左右されない観察の姿勢が求められます。

続いて、「メラビアンの法則」によって、言葉よりも表情・声・態度など非言語情報が信頼に影響を与えることが示されます。人は話の内容より「どんな態度で接されたか」を強く記憶しやすいため、面接官の振る舞いは相手の心を開く鍵となります。同じリズムで会話を進めるペーシングや、相手の感情を受け止める共感は、本音を引き出すための前提条件です。

また、返報性の法則により、相手は温かく扱われるとそれを返したくなる心理が働きます。丁寧に話を聴かれた応募者は、安心して価値観や過去の経験を話すようになります。面接官の態度一つで、情報量も信頼の度合いも変わる——この章はその事実を明快に伝えています。

ガイドさん
ガイドさん

応募者は「何を聞かれたか」より「どのように扱われたか」を鮮明に記憶します。

だからこそ、信頼と安心を感じられる対話を設計することが、本音を引き出し適正を見極めるための最も確かな手段になります。


第4章 の小見出し

  • 法則1 最初の印象が最終的な決定打になる
    「アンカリング」という概念を知ろう
    最初の印象が、優秀な人材の獲得を左右する
  • 法則2 「身だしなみ、表情、仕草、声」に内面があらわれる
    「メラビアンの法則」を知り、面接に活用しよう
  • 法則3 信頼関係構築の基本は 「相手に合わせること」
    「ペーシング」で応募者に親近感を持ってもらおう
    相手をよく見ながら、同じペースでコミュニケーションをとろう
  • 法則4 話す力よりも重要な 「聴く力」と「共感する力」
    傾聴と共感で相手の「他者受容感」を高めよう
  • 法則5 面接官の心と振る舞いが相手の反応を生む
    「返報性の法則」を意識しよう



第5章 本質を引き出す6つの法則

第5章は、応募者の内面を探り“表面情報の裏側”にある本質を見抜く質問技術にフォーカスしています。まず登場するのは「ハロー効果」。第一印象の良し悪しが全体評価に影響してしまう現象です。著者はそれを避けるために、履歴書や肩書きに過度な期待や先入観を持たず、事実を丁寧に掘り下げる姿勢の重要性を説きます。

次に紹介されるのは質問設計です。オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを適切に使い分けることで、相手の言語量や具体性が変わり、抽出できる情報の質が大きく変動します。特に序盤は「扉を開ける質問=オープン」が有効だとされています。これにより応募者は自己表現しやすくなり、自然な流れで深掘りが可能になります。

さらに、3つのメタモデル(一般化・削除・歪曲)とチャンク技法(抽象/具体の往復)によって、応募者の背景・思考・判断軸が立体的に浮かび上がります。「大変でした」「頑張りました」といった抽象表現を放置せず、具体行動や感情の根拠まで掘り下げることで、本当の強みや弱みを見抜けるのです。この章は最も実践的な技術が多く、採用精度を決める中枢となります。

ガイドさん
ガイドさん

面接における質問とは、情報を受け取る行為ではなく思考の構造を読み解くための技術です。

表層の言葉の背後にある価値観・感情・行動原理まで丁寧に掘り下げていくことで、人の本質は初めて明確に浮かび上がります。


第5章 の小見出し

  • 法則6 第一印象や履歴書の好印象には要注意
    「ハロー効果」による無意識の思い込みや前提を外そう
    第一印象に引っ張られすぎない
    履歴書の好印象・悪印象も、 思い込みの産物であると認識しよう
  • 法則7 レベルと価値観がわかる! 質問スキル
    「オープンクエスチョン」「クローズドクエスチョン」を理解しよう
    無意識に「クローズドクエスチョン」ばかりしていませんか?
    面接の最初はオープンクエスチョンがおすすめ
  • 法則8 本質が見えてくる! 深掘り質問①
    「メタモデル」を知ろう
    「一般化された言葉」を深掘りして明確にするメタモデル
  • 法則9 本質が見えてくる! 深掘り質問➁
    「歪曲された言葉」を深掘りして明確にするメタモデル
  • 法則10 本質が見えてくる! 深掘り質問③
    「削除された言葉」を深掘りして明確にするメタモデル
  • 法則11 行動と目的がわかる! 具体化と抽象化の質問
    「チャンクアップ」 「チャンクダウン」という手法を知ろう
    チャンクアップとチャンクダウンで応募者を深く理解できる



第6章 面接の実践に必要なこと

第6章では、前章までの心理法則と質問技術を現場で再現するための仕組み化が語られます。具体的には、質問例とその意図、評価基準を可視化し、採用担当者の判断を標準化することが重要だと示されています。これにより「面接官によって通過者が変わる」という最大のリスクを解消できるようになります。

面接評価シートの作成も、この章の大きなポイントです。選考段階ごとに見たい能力や質問テーマを整理することで、漏れや偏りが防げます。また、一次〜最終で求める情報を分離することで、選考全体に一貫性が生まれ、判断の質が高まります。採用は感覚ではなく設計だという考え方がここで明確に形になります。

さらに著者は、スキルよりも「素直さ」「人柄」が成長可能性を左右すると述べています。能力は後から伸びる可能性がありますが、人格的要素は根本の傾向として変化しにくいためです。面接において即戦力だけを求めるのではなく、未来の伸び率にも目を向けることが成功する採用の鍵になります。

ガイドさん
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採用の失敗は候補者の問題ではなく、多くの場合プロセスの曖昧さや評価基準の不統一によって生まれます。

仕組みとして採用を設計することで、属人的判断に依存しない安定的で再現可能な選考が実現します。


第6章 の小見出し

  • 面接の質問例と意図、評価基準を明確にする
    求める人材を明確に定義し、ツールに落とし込もう
    面接官によって採用する人が異なるのは、最大の弊害
  • 面接評価シート
    評価シートは選考段階で分け、質問を明確にしよう
  • 各選考で見るべき能力
    各ステップで行うべきことの詳細
    面接を通して成長の可能性を見る
  • 「人柄」や「素直さ」に優るスキルなし!
    人柄がよく素直な人は成長する



第7章 事例紹介

最終章では、これまでの理論が現実の企業で成果を生んだ事例が複数紹介されています。求人原稿の改善によって応募数が増えたケース、採用単価が7分の1に下がった成功例、内定辞退率や歩留まりが改善した企業など、数字で効果が確認できる内容が提示されています。抽象論ではなく実証データに基づいている点が説得力を高めています。

特に印象的なのは、小規模メーカーが東京大学大学院生を初採用した事例です。知名度や条件で大企業に劣る中小企業が優秀な学生を獲得できた理由は、「未来のビジョンを具体化し応募者に提示したこと」でした。選考設計の見直しやフォロー体制の強化により、応募者が入社後の姿を鮮明に描けるようになり、意思決定が後押しされました。

さらに、インターン活用によって採用難職種の人材確保に成功したケースも紹介されています。実務体験を提供することで、応募者が企業との相性を事前に判断でき、ミスマッチ減少と志望度向上の両方に寄与しました。第7章は「心理学×採用設計は成果に変換できる」という証明であり、読者が実装をイメージしやすい着地点になっています。

ガイドさん
ガイドさん

成功事例は理論の正しさを裏付ける証拠となり、実践への確かな確信を与えます。

実際に成果が生まれたプロセスを知ることで、自社でも応用可能な再現性ある採用ノウハウへと変換することができます。


第7章 の小見出し

  • 求人原稿の改善などによって採用効果がアップした事例
    新卒採用を低単価で成功
    内定辞退率や面接歩留まり率は、効果的な採用ができているかのチェックポイント
    中途採用は、ターゲットに合わせた打ち出し方が大切
  • 小規模のメーカーが東京大学大学院生をはじめて新卒採用できた事例
    入社後の未来図を応募者が思い描けるようにしたことが功を奏した
    選考設計の再構築と内定後のフォローで、優秀な学生の採用に成功 中途採用でも、無料媒体を活用してコスト削減に成功
  • ひとり当たりの採用単価が7分の1に減った事例
    応募者を増やし、採用までの導線をつくったことが、コスト大幅削減の要因
    「ひとり当たりの採用単価」を必ず把握しよう
  • インターンシップの活用で目標通りの新卒採用を達成した事例
    採用難易度の高い職種の人材を集めることに成功
    実際の現場を体験できるインターンシップで、面接に来る学生が増えた




対象読者

対象読者

採用活動の質を高めたいと感じている組織に向けて、この本は多角的なヒントを提供してくれます。面接の技術だけでなく、組織づくりや応募者との関係構築など、立場によって必要となる視点は異なります。

そこで、以下に挙げたような方々が特に恩恵を受けられる内容となっています。

  • 採用に悩む中小企業の経営者
  • 人事・採用担当者
  • 面接を担当する管理職・リーダー
  • 面接基準が曖昧で見極めに不安を感じている企業
  • 辞退率・定着率を改善したい組織


これらの立場で採用に向き合っている方々にとって、面接の精度を高めることは組織の未来を左右する重要なテーマです。

本書は、心理学的視点と具体的な手法を通じて、より良い意思決定につながる面接運用を実現する助けとなるでしょう。


採用に悩む中小企業の経営者

人材獲得の難易度が上がるなか、採用活動は中小企業にとって経営そのものに直結する重要なテーマです。本書では、応募者の本質を見極めるための心理学的アプローチが丁寧に解説されており、「なぜ優秀な人材を逃してしまうのか」「どうすれば魅力を感じてもらえるのか」といった根本的な悩みに明確な答えを示してくれます。経営者自身が面接に関わることが多い企業ほど、短時間で適切に判断する技術が必要となり、本書はその“面接力の底上げ”に役立ちます。

さらに、採用単価を劇的に下げた事例や内定辞退率を改善した取り組みが紹介されているため、現場で実際に成果が出ている再現性の高いノウハウを学ぶことができます。企業規模に左右されず、採用プロセスを最適化するための考え方が詰まっているため、限られたリソースで結果を出したい経営者にとっては必読の内容です。

ガイドさん
ガイドさん

中小企業は採用で失敗すると事業への影響が極めて大きいため、「構造化された見極めスキル」が経営リスクの低減に直結します。

本書はその基盤形成に最適です。



人事・採用担当者

採用の最前線に立つ担当者にとって、本書は「面接とは何を見ればよいのか」「どの質問が本質を引き出せるのか」といった基本的な疑問を解消してくれる実務的なガイドとなります。オープンクエスチョンや深掘り質問の技術、心理バイアスを排除する方法など、担当者がよく直面する課題を体系的に整理しており、日々の面接業務を自信を持って進められるようになります。

また、評価基準のズレをなくすための面接シートや、選考フロー全体の作り方など、面接以外の実務にも触れられているため、採用プロセス全体の質を改善できます。再現性のある採用体制を構築するための実践的な知識が充実しており、担当者のスキルアップと組織全体の採用力向上に直結します。

ガイドさん
ガイドさん

人事担当者が抱える「面接官間の評価のブレ」や「質問の偏り」は、採用の品質を大きく左右します。

本書はそれを構造的に改善するための武器となります。



面接を担当する管理職・リーダー

現場の管理職が面接に関わる企業では、面接の専門訓練を受けていないことが多く、「何を基準に判断すべきか分からない」という状態で面接が行われがちです。本書は、応募者の価値観を引き出す質問方法や、信頼関係を築くコミュニケーション技術を分かりやすく解説しているため、現場目線での採用判断を強化できます。面接が苦手な管理職でも実践しやすい内容で、自信を持って応募者と向き合えるようになります。

また、応募者との対話を通じて管理職自身の「傾聴力」や「共感力」も向上するため、入社後のマネジメントにも好影響を与えます。採用とマネジメント両方に役立つスキルが同時に身につくことは、管理職にとって大きなメリットであり、本書の価値をさらに高めています。

ガイドさん
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管理職面接では“圧迫と捉えられる態度”が無意識に起こりやすく、辞退につながる要因となります。

本書の心理学的手法はそのリスクを軽減します。



面接基準が曖昧で見極めに不安を感じている企業

面接官ごとに判断基準が異なる企業では、採用の再現性が低く、「なぜこの応募者を採用したのか」が曖昧になるケースが増えます。本書では、第一印象に左右されない見極め方や、心理バイアスを取り除く方法など、客観性を高めるための理論が明確に示されています。誰が面接を担当しても一定水準を保てるようにするための仕組みづくりに直結する内容です。

また、質問設計や深掘りの方法が具体的に紹介されているため、評価の軸を明確にしやすく、採用担当者間の認識のズレを防げます。面接プロセスの標準化を進めたい企業や、判断に一貫性を持たせたい組織にとって、本書のアプローチは非常に役立ちます。

ガイドさん
ガイドさん

採用の再現性を高めるためには、心理学を基盤とした“構造化面接”が重要です。

本書の手法はその第一歩となります。



辞退率・定着率を改善したい組織

辞退率や定着率に問題を抱える企業では、面接段階で応募者の価値観や期待値を十分に理解できていないことが多く見られます。本書では、「応募者が入社後の姿をイメージしやすい面接」を行うための方法が示されており、選考段階でのミスマッチを減らす具体的な対策が学べます。これにより、企業側も応募者側も納得感のある採用を実現でき、辞退や早期離職を防ぐ効果が期待できます。

また、応募者が企業に魅力を感じるポイントは給与だけではなく、コミュニケーションの質や、面接での安心感、理解されているという感覚が大きく影響します。本書に収録されている成功事例では、面接体験を改善することで応募者の企業理解が深まり、その結果、定着率向上や採用単価の削減につながったケースが多数紹介されています。

ガイドさん
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定着率の改善は、面接での“価値観のすり合わせ”が土台となります。

対話の質が人材の活躍と継続につながります。




本の感想・レビュー

本の感想・レビュー

面接力の重要性に気付かされる

この本を読み進めながら、私は「面接」という行為をどれほど表面的に捉えていたのかを痛感しました。なんとなく会話をし、相手の印象で判断し、それを“経験”として積み上げてきたつもりでした。しかし本書では、面接は企業の未来を決める重要なプロセスであり、中小企業にとってはまさに生命線であると明確に示されています。この視点に触れることで、自分が抱いていた面接への甘さに気づき、気が引き締まる思いになりました。

読み進めるうちに特に印象深かったのは、条件面で大企業に勝てない中小企業こそ“面接力”が最大の競争力になるという考え方です。どれだけ良い商品やサービスがあっても、それを動かすのは結局“人”であり、その最初の入口が面接だという現実を改めて理解しました。この構造を知らずに面接をしている企業が多いという著者の指摘には、大いに共感しました。

本書が教えてくれるのは、面接は単なる会話ではなく、応募者の心を動かし、自社を選んでもらう“コミュニケーション戦略”そのものだということです。ここまで深く面接を捉えたことがなかった私は、新しい視点を得たと同時に、これから面接に臨む姿勢が変わることを強く感じました。

心理学的アプローチが面接に役立つ

本書を読みながら、私は心理学が面接と密接に関わっていることを初めて実感しました。これまで「心理学」と聞くと、専門家が扱う難しい学問だというイメージがあり、自分の面接業務にどう関係するのか想像できていませんでした。しかし著者は、アンカリングやメラビアンの法則など、日常のコミュニケーションにも深く影響する心理作用を、面接の判断にどう応用できるのかをとても分かりやすく解説してくれます。

特に印象的だったのは、人は最初に得た情報に強く引きずられるという「アンカリング」の概念です。面接官として、最初の数秒で抱いた印象を無意識に引きずり、その後の質問や評価にも影響を与えてしまうという仕組みは、自分の経験と重なる部分が多くありました。これを理解したことで、判断の偏りに気づきやすくなり、より客観的な姿勢で面接に臨めるようになりそうです。

また、非言語情報が相手の印象を左右するというメラビアンの法則も、面接の場で強い意味を持ちます。本書では、この法則を単なる知識として紹介するのではなく、応募者の様子をどう見取り、どのように信頼関係構築に活かすのかまで触れられており、心理学が“使える武器”になる感覚を得ることができました。

質問技術が具体的で実践しやすい

質問スキルに関する章は、まさに「こういう知識を求めていた」と感じる内容でした。面接で質問すること自体は誰でもできますが、本当に知りたい情報を引き出す質問となると話は別です。私はこれまで、質問が浅く、応募者の“本音”や“本質”に触れきれていないと感じることが多くありました。しかし本書では、その原因と改善方法が非常に明確に整理されています。

特に「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」の使い分けについては、面接の序盤から終盤までの流れに沿って適切な活かし方が説明されているため、実務でそのまま活用できるレベルです。形式的に「開かれた質問をしよう」といった一般論ではなく、応募者を話しやすくするための順番や、深掘りにつなげるための問いの組み立て方が丁寧に書かれており、面接官の思考が体系化されていきます。

さらに深掘り質問に役立つ「メタモデル」の説明は、応募者の言葉に隠れている曖昧さを見抜くために非常に有効だと感じました。一般化や歪曲、削除といった人の言葉のクセを捉え、そこから本音へ近づく手法は、面接だけでなく普段のコミュニケーションにも応用できそうです。本書を読んで初めて、質問には“技術”があるのだと理解することができました。

第一印象に左右されにくい視点が得られる

面接のたびに、私はどうしても第一印象に引っ張られてしまうことがありました。初対面で相手が柔らかい雰囲気だと「良い人そうだな」と思ってしまい、逆に緊張している応募者を見ると「不安があるのかな」と判断してしまう。そういった自分の癖を本書の中で指摘されているようで、思わずハッとしました。

著者は、第一印象に振り回される危険性を、心理学の「ハロー効果」を通して説明しています。これにより、印象が評価の大部分を支配してしまい、本来見るべき能力や価値観を見落とすリスクがあることを実感しました。この気づきは自分にとって大きく、今後は印象に左右されないよう、質問内容や評価基準を事前に整えて面接に臨もうと思えるようになりました。

また、本書では第一印象の偏りを補正するための具体的な工夫も紹介されています。質問の順番、評価ポイントの明確化、面接官同士のすり合わせなど、属人化しがちな面接を“仕組み化”する視点は、これまであまり意識してこなかった部分です。読後は、自分の主観に頼りすぎない面接をしたいと強く思わされました。

応募者の本質を見抜く技術が学べる

応募者の“本質”を見抜くというテーマは、面接を担当する人にとって常に難題だと思います。本書を読むまで、私自身も応募者の言葉を表面だけで受け取り、深い部分に触れられていないと感じることが多くありました。しかし本書で紹介される技術を読むうちに、応募者の内面に近づくための方法が確かに存在するのだと理解できました。

特に印象に残ったのは、「チャンクアップ」と「チャンクダウン」を用いた質問の手法です。応募者の価値観を抽象的な方向へ広げていくことで全体像をつかみ、逆に具体的な問いを重ねて行動レベルの理解につなげる。この二つの往復によって、応募者の考え方の癖や行動パターンが驚くほど見えてくるという構造は、面接の可能性を広げてくれる内容でした。

また、応募者の言葉をそのまま受け取るのではなく、背景や意図を丁寧に探ることで、本当の価値観が浮かび上がるという考え方は、面接が“見極め”と同時に“信頼づくり”でもあるという著者のメッセージにつながっています。読後、面接をまったく別の角度から捉え直すことができ、自分自身の面接に対する意識も大きく変わりました。

採用基準の明確化に役立つ

読んでいくうちに、面接がうまくいかない理由のひとつとして「採用基準が曖昧なまま面接に入ってしまうこと」が非常に多いのだと実感しました。本書では、求める人材像を定義し、それを面接質問や評価シートの形に落とし込む重要性が繰り返し語られています。そのプロセスを丁寧に説明してくれるため、自社でも明確に基準を整える必要性を強く感じるようになりました。

特に心に残ったのは、評価基準が統一されていないと、面接官ごとに採用の判断が変わってしまい、それが大きな弊害を生むという指摘です。これは現場で直面してきた課題だったため、「そういうことだったのか」と気づきに近い感覚がありました。誰が面接を担当しても同じ軸で判断できる状態が、組織としての採用力を高めることにつながるという考え方は、とても合理的で納得感があります。

短時間で効果的に見極めるコツが掴める

面接時間が限られている中で、どうすれば相手の本質に迫れるのかという課題は、多くの面接官が抱える悩みだと思います。私自身も、面接が終わるたびに「もっと深く確認しておけばよかった」と感じることが何度もありました。本書では、限られた時間で最大限の情報を引き出すための考え方や手法が整理されており、その内容が非常に実践的でした。

特に、質問の順序や深掘りのタイミングに触れた説明は、面接の効率を高めるうえで大きなヒントになりました。最初はオープンな質問で応募者の話を広げ、深掘りが必要な部分に対してメタモデルの手法を使って明確にしていくという流れは、短時間でも濃い対話ができる構造をつくっています。また、抽象度を調整するチャンクアップ・チャンクダウンの手法も、応募者の考え方の層を短時間で把握するのに非常に有効であると感じました。

短時間の面接は“浅くなるもの”だという思い込みを持っていた私にとって、本書の内容はその固定観念を大きく覆すものでした。時間の長さではなく、質問の質と構造が見極めの深さを決めるという考え方は、これからの面接に大いに役立つと思っています。

中小企業でも成果が出せる現実的ノウハウ

本書の中で特に響いたのは、「限られた予算と人員しかない中小企業でも、工夫によって採用成果を高められる」という現実的な視点です。著者自身が大企業と中小企業の双方で採用業務を経験し、さらにコンサルタントとして多くの企業を支援してきたことから、内容に現実味と説得力があります。中小企業の採用がどれほど厳しい状況にあるかを理解した上で書かれている点に、大きな安心感がありました。

成功事例が豊富に紹介されているのも魅力でした。求人原稿の改善による応募数の増加や、インターンシップ活用による採用成功、新卒採用の低単価化など、どれも中小企業が抱える課題と直結しています。これらの事例を読むことで、「うちの会社でもできるかもしれない」と思える現実的な希望を感じることができました。

また、採用単価の見直しや採用導線の改善といった施策は、規模に関係なく取り入れられる内容であり、実際の現場でそのまま応用しやすい印象があります。読み終えたときには、採用難の時代でも、考え方と工夫次第で結果を変えられるのだと前向きな気持ちになれました。本書は、中小企業の採用担当者にとって心強い味方になる一冊だと感じています。




まとめ

まとめ

この記事の締めくくりとして、本書の内容を最大限に活かすためのポイントを改めて整理します。最後に紹介する内容は、読後に「何を得られるのか」「どう実践につなげるのか」「どんな意義があるのか」を明確にし、あなたの採用活動をより前向きに進める助けとなるはずです。

  • この本を読んで得られるメリット
  • 読後の次のステップ
  • 総括


それぞれの項目を確認することで、本書があなたの企業にどんな変化をもたらすのかが、より立体的に理解できるでしょう。

では順番に解説します。


この本を読んで得られるメリット

ここでは、本書を手に取ることで得られる代表的な利点を整理してみましょう。

見極めの精度が大幅に向上する

本書の中心となるのは、11の心理学的アプローチによって応募者の内面を深く理解するための思考法です。人は第一印象や表面的な情報に引っ張られがちですが、そこには無意識の偏りが存在します。本書では、ハロー効果やアンカリングといった認知バイアスを取り除く方法が示され、応募者を正しく評価するための“思い込みを外す技法”が体系的に解説されています。これにより、職務適性だけでなく価値観や成長性といった長期的な視点での判断が可能になり、採用の質を大きく向上させることができます。

応募者のエンゲージメントが高まり辞退率が下がる

面接で企業側が一方的に選ぶ姿勢では、応募者との関係構築はうまくいきません。本書では、ペーシングや傾聴など心理学的なコミュニケーション技法を活用しながら、応募者が「この会社で働きたい」と感じるような体験を設計する方法が紹介されています。応募者が安心し、企業との距離を縮めることで、内定辞退率を下げるだけでなく、入社後の定着にも良い影響を与えます。採用が難しい時代だからこそ、応募者を“ファン化”する視点は企業に欠かせないものになっています。

採用単価を下げながら質を上げられる

採用がうまくいかない企業の多くは、応募者数を増やすことだけに注力しがちですが、本書では「集める前に選ばれる仕組みを整える」重要性が繰り返し説かれています。面接力を高めることでミスマッチが減少し、早期離職のリスクが下がるため、採用にかかる総コストを大幅に削減できます。また、求人原稿の改善、ステップ設計、インターン活用など、費用対効果の高い方法が具体的な成功事例とともに紹介されており、小規模企業でも実践しやすい点が魅力です。

組織全体で“人を軸にした経営”にシフトできる

本書を読むことで得られる最大の恩恵は、「採用は究極の営業であり、経営そのものである」という視点が腹落ちする点です。面接力の向上は採用成功にとどまらず、職場でのコミュニケーション改善、マネジメント向上、離職防止など、組織づくり全体に効果を広げます。つまり、本書で得られる知識は採用担当者だけでなく、経営者や管理職にとっても、自社の未来を左右する重要な意思決定の基盤となります。


ガイドさん
ガイドさん

心理学をベースにした面接手法は、採用の精度だけでなく組織の文化形成にも寄与します。

特に中小企業では、面接力の向上が企業成長の加速装置となるため、本書の内容は戦略的な価値を持ちます。



読後の次のステップ

本書を読み終えると、面接の本質だけでなく心理学的アプローチの重要性が強く実感できるはずです。しかし、知識を得ただけでは採用の課題は解決しません。大切なのは、学んだ内容を明日から職場で実践し、組織全体に“面接の成功循環”を生み出すことです。

ここでは、読後に取り組むべき具体的な次ステップをわかりやすく紹介します。


step
1
社内で評価基準を統一する

まず取り組むべきことは、面接官ごとに判断基準が異なる状態をなくすことです。本書で紹介されている心理学的な観点や質問設計をもとに、求める人物像を社内で明文化し、共通の評価シートを作成していく必要があります。面接で判断する軸が統一されれば、採用のブレが減るだけでなく、チーム全体のコミュニケーションも飛躍的に改善します。特に、多部署が連携して採用を行う企業ほど、評価項目の統一は早く取り組むほど効果が見えやすい作業です。


step
2
面接プロセスを一度すべて棚卸しする

次に、現在の採用フローを“ゼロベースで見直す”工程が重要になります。一次面接と二次面接で何を確認するのか、応募者にどんな体験価値を提供できているのか、辞退を防げる導線になっているのかなどを詳細に点検します。本書では、選考ステップの設計が応募者のエンゲージメント向上に大きな影響を与えると解説されています。したがって、現状を可視化した上で無駄なステップを減らしたり、説明不足の部分を補ったりすることで、応募者にとって“魅力的でわかりやすい選考”へと進化させられます。


step
3
深掘り質問の練習を繰り返す

心理学をベースにした質問技法は、読んだだけでは身につきません。オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの使い分け、メタモデルによる深掘り、チャンクアップ・チャンクダウンなど、本書が提示する技法は必ず“声に出して”練習する必要があります。複数の面接官でロールプレイングを行うことで、質問の意図や着眼点が共有され、実際の面接で自然に使えるレベルへと昇華されます。特に、新卒採用や未経験採用のように表面的な情報だけでは判断しづらい採用には、この練習が大きく効いてきます。


step
4
応募者に寄り添うコミュニケーションを徹底する

本書の中心メッセージでもある「応募者をファン化する」という視点は、読んだ直後から意識すべき重要項目です。面接では、企業が選ぶだけでなく“選ばれる側でもある”という認識を持ち、応募者が話しやすい空気をつくる姿勢が欠かせません。ペーシングや共感的傾聴といった心理学的アプローチを取り入れることで、応募者が安心し、自分自身をより深く語ってくれるようになります。こうした信頼関係の構築は、早期離職の防止や定着率向上にも直結します。


step
5
採用を「経営課題」として扱う意識を持つ

最後に、本書が繰り返し強調するのが“採用は経営そのものである”という視点です。面接力は人事部門だけの課題ではなく、経営層、管理職、現場スタッフすべてが関わるべき企業の生命線です。読後は、面接の成功が組織全体の業績や未来にどのように影響するかを再確認し、自社の採用戦略を経営課題の一部として捉え直すことが大切です。この意識改革が進むことで、採用活動が単独の作業ではなく、会社を強くする持続的な取り組みへと変化していきます。


ガイドさん
ガイドさん

面接力向上に必要なのは“知識の吸収”より“実践の継続”です。

特に心理学的アプローチは、使い続けるほど精度が高まり、組織文化に深く根づいていきます。

その意味で、読後のステップは単なる行動指針ではなく、企業成長を支える基盤づくりともいえます。



総括

本書『失敗しない採用面接の極意 基礎編 本質を見極める心理学11の法則』は、単なる面接ノウハウ本ではありません。採用が企業の未来を左右する「生命線」であるという前提に立ち、その中心に位置づけられる面接の在り方を科学的、かつ実務に落とし込める形で体系化した一冊です。特に、心理学をベースにした11のアプローチは、応募者を深く理解し、企業にふさわしい人材を見極めるための“確かな道具”として機能します。面接が苦手だと感じる人にとっても、何から改善すべきかが明確になる内容です。

また、本書は面接の技術だけでなく、採用全体を俯瞰する視点を持たせてくれます。応募者のエンゲージメントを高めること、選考ステップを適切に設計すること、企業側のコミュニケーションを見直すことなど、採用活動を成長戦略として捉える重要性が強調されています。採用は人事部だけの仕事ではなく、経営層、管理職、現場スタッフまでもが一体となって取り組むべき課題であるというメッセージは、多くの企業で見落とされがちな視点です。

さらに、豊富に掲載された成功事例は実務者にとって大きな助けとなり、机上の理論に留まらない“現場で使える知識”として読者の理解を深めます。応募者が東京大学大学院生のようなハイレベル層に広がった例や、採用単価が劇的に下がった事例などは、本書の手法が現場で確かな成果を生んでいることを証明しています。中小企業でも実践できる工夫が明確に示されている点は、本書の大きな魅力のひとつです。

ガイドさん
ガイドさん

総じて、本書は採用に悩む企業にとって、単なる参考書ではなく“組織改革の起点となる一冊”だといえます。

面接は企業が人材と向き合う最初の接点であり、そこでの姿勢が採用の成功、ひいては企業の成長を決定づけます。

本書を手に取ることで、自社にとって本当に必要な人材とは誰なのか、その人をどう迎え入れるべきなのかを再考する機会が得られ、採用を経営そのものとして捉え直すことができるでしょう。

企業文化を変え、未来をつくるための実践的な指南書として、多くの人に手に取ってほしい一冊です。




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