![【書評】センスがUPする⤴ 動画編集の教科書 [カットつなぎ・構図・音・色・文字]【要約】](https://arasuji-book.com/wp-content/uploads/2025/09/image-2-725x1024.jpg)
動画編集を始めてみたものの、「なんとなくで切り貼りしてしまう」「仕上がった映像がいまひとつ伝わらない」――そんな経験はありませんか?
本当に人の心を動かす映像を作るためには、ソフト操作のテクニックだけでなく、映像をどう構成し、どう見せるかという“編集の本質”を理解することが欠かせません。

『センスがUPする⤴ 動画編集の教科書[カットつなぎ・構図・音・色・文字]』は、初心者でも体系的に学べるように設計された一冊。
カットのつなぎ方から構図、音や色の使い方、さらには文字のデザインまで、映像を魅力的に仕上げるための基礎知識を余すことなく解説しています。
しかも、特典として作例動画が用意されているので、読んだ内容を実際の映像で体感できるのも大きな魅力です。

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書籍『センスがUPする⤴ 動画編集の教科書』の書評

本書を理解するうえで重要なのは、著者の活動背景や発信スタンス、書籍の構成とねらい、そしてなぜ多くの人に支持されているのかを知ることです。特に初心者にとっては、ただ「良い本です」と言われても、その理由が分からなければ学ぶモチベーションにつながりません。
以下の観点を軸に読み解いていくことで、この一冊の価値がより明確になります。
- 著者:Rec Plusのプロフィール
- 本書の要約
- 本書の目的
- 人気の理由と魅力
これらを一つずつ深掘りしていくことで、「単なる入門書」ではなく、クリエイティブな表現力を養うための体系的な学習書であることがはっきりと見えてきます。
著者:Rec Plusのプロフィール
Rec Plusは、名前の由来が象徴するように「Recording=記録」と「Plus=付加価値」を組み合わせ、単なる情報提供にとどまらず「楽しさや学びを加えた発信」を続けているクリエイティブユニットです。彼らは映像編集の技術解説だけでなく、ガジェットやテクノロジーのレビュー、さらにはクリエイティブなライフスタイル提案まで幅広く手がけています。
活動の中心はYouTubeやWebで、視聴者や読者が「なるほど!」と感じられる情報を分かりやすい形で提供。現場の実務経験に裏打ちされた知識を体系化して届けるのが特徴で、単なるソフト操作の解説者にとどまらず「編集の本質を伝える存在」として認知されています。

映像編集教育において、現場経験を持つクリエイターの発信は理論を“生きた知識”に変換する力を持っています。
Rec Plusの強みはまさにここにあります。
本書の要約
この本は、動画編集の世界に足を踏み入れた人が必ず直面する「なぜ編集するのか?」という根源的な疑問を出発点にしています。単なる操作マニュアルではなく、映像表現の背景にある理論と実践の両方を体系的に学べる点が大きな特徴です。6つのレッスンでは、カットつなぎや構図といった映像の骨格をつくる要素から、音や色、文字といった視聴者の印象を左右するディテールまで幅広く解説されています。
さらに、各章で学んだ内容を確認できる作例動画が特典として用意されているため、読んで終わりではなく実際の映像を見ながら知識を整理できます。例えば「リズムよくカットをつなぐと映像が生き生きして見える」「構図のラインを意識すれば視線が自然に誘導される」といったことを、文字だけでなく映像体験を通じて納得できるように構成されています。これは初心者にとって理解を飛躍的に深める工夫となっています。

教育学の観点では、知識をインプットするだけでなく「マルチモーダル学習」と呼ばれる複数の感覚を使った学びが効果的とされています。
本書が特典動画を用意しているのはまさにこの学習理論を応用した形です。
本書の目的
著者が掲げる狙いは、読者を「なんとなく編集する人」から「意図を持って編集できる人」へと成長させることです。多くの初心者は、ソフトの使い方を先に覚えてしまい、映像をただ切り貼りするだけにとどまりがちです。しかし、映像は視聴者に何かを伝える手段であり、そこに目的や設計がなければ伝わり方が弱くなってしまいます。
この本では、モンタージュ理論のように映像を組み合わせることで生まれる意味やリズムの作り方、色彩心理を利用した印象操作、音による感情誘導など、映像が人の心に作用する仕組みを基礎から解説しています。これにより読者は「この編集はなぜ必要なのか」を説明できるようになり、作品づくりの根拠を持てるようになります。単なるスキル習得ではなく、表現をコントロールできる力を養うことが本書の本質的な目的なのです。

映像編集の現場では「説明できる編集」が評価されます。
直感的にうまくいったものより、理論的な裏づけを持った手法の方が再現性が高く、プロジェクト全体で信頼されやすいのです。
人気の理由と魅力
この本が多くの人に支持されているのは、基礎を徹底的に重視しつつ、それを初心者でも理解できる言葉で解きほぐしているからです。ソフトの操作マニュアルのような断片的な知識ではなく、「なぜその編集が必要なのか」「その効果はどんな心理をもたらすのか」といった背景まで踏み込んで説明しているため、学習者はただ操作を真似するだけでなく、自分で判断して工夫できる力を養えます。
また、章ごとにテーマが明確に分かれているため、知識が自然と体系化されるのも大きな魅力です。映像のリズムを決めるカット、画面の安定感や迫力を左右する構図、視聴者の感情に直接作用する音や色、そして作品全体の印象を引き締める文字表現まで、ひと通り網羅することで「動画編集の全体像」が見えてきます。さらに、作例動画によって「理論と実践」をつなぐ橋渡しがされているため、学んだことをすぐに映像で確かめられるのも学習効果を高めています。
こうした工夫により、これまで独学で不安を抱えていた学習者や、もう一度基礎を固め直したい経験者からも高い評価を得ています。つまり本書は、初心者にとっては安心して学び始められる導入書であり、経験者にとっては理解を深め直す再入門書としての役割を果たしているのです。

人気の理由は“わかりやすさ”と“応用可能性”の両立にあります。
基礎を学ぶことで、自分の編集判断に一貫性と説得力が生まれるのです。
本の内容(目次)

この本は、動画編集の核となる考え方と技術を6つのテーマに整理して学べる構成になっています。各章は独立したテーマを扱いながらも、順番に読み進めることで自然と編集の全体像をつかめるようになっています。
扱われるテーマは以下の通りです。
- Lesson 1:なぜ動画を編集するのか
- Lesson 2:「カットつなぎ」でセンスを磨く
- Lesson 3:「構図」でセンスを磨く
- Lesson 4:「音」でセンスを磨く
- Lesson 5:「色」でセンスを磨く
- Lesson 6:「文字」でセンスを磨く
以下では、それぞれの章のポイントを詳しく見ていきましょう。
Lesson 1 なぜ動画を編集するのか
この章では、まず「編集とは何か」を根本から問い直します。単に映像をつなぎ合わせるだけではなく、伝えたいメッセージを整理し、受け手に分かりやすく届けるための作業であることが示されます。動画編集は「なんとなく」で行ってはいけないと強調され、目的やゴールを明確に設定することが重要だと解説されています。
次に、編集には「時間を操作する力」があることが紹介されます。例えば、撮影した1時間の映像を5分に圧縮して見せる場合、削除や圧縮だけでなく、リズムや間の取り方で視聴者の感覚を操作することができます。これは単に情報を短くする作業ではなく、受け手にとって心地よく、理解しやすい流れを作る高度な技術です。
さらに、良い編集の基盤となる「情報収集」の方法も触れられています。事前に素材や参考映像を調べることで、完成形のイメージが具体的になり、迷いなく編集作業を進められるようになります。情報収集の大切さを知ることで、編集前の準備段階からすでに作品の質が決まることに気づけるでしょう。

編集とは“削る作業”ではなく“設計の作業”。
どんな映像体験を届けたいかを定義することが、すべての始まりです。
Lesson 2 「カットつなぎ」でセンスを磨く
ここでは、動画編集の基礎中の基礎である「カットのつなぎ方」がテーマになります。映像はひとつひとつのカットで成り立っていますが、その繋ぎ目に工夫があるかどうかで、映像の完成度が大きく変わります。連続性を意識しながら繋ぐと自然で見やすくなり、逆に唐突な繋ぎ方をすると違和感を与えてしまいます。
また、視聴者を惹きつけるには「変化」と「リズム」が欠かせないことも解説されています。単調なカットの連続は飽きにつながりますが、視点や画角、テンポを変化させることで、自然に視聴者の集中を維持できます。モンタージュ理論の考え方も紹介され、ただの切り貼りではなく「意味を持たせる編集」へとステップアップできるのです。
加えて、初心者がやりがちな「やってはいけないカットつなぎ」にも触れています。これにより、視聴者に違和感を与える典型的な失敗をあらかじめ避けられるようになります。具体的な成功例と失敗例を比較することで、読者は正しい判断基準を持ちながら編集に臨めるでしょう。

カットの繋ぎ方は“言葉の文法”に似ています。
正しく繋げばスムーズに伝わり、間違えると一気に意味不明になります。
Lesson 3 「構図」でセンスを磨く
この章では、画面をどう構成するかという「構図」が取り上げられています。構図は一枚の映像の中でどこに視線を集めるかを決定する重要な要素です。ラインや奥行きをどう配置するか、画面内の重さをどう調整するかで、同じ被写体でも伝わる印象は大きく変わります。
主役を強調する構図や動きを生み出すレイアウトの工夫も詳しく解説されています。例えば、主役を画面の中央から少し外した位置に置く「三分割法」や、奥行きを意識させるために前景・中景・背景を組み合わせる方法などが紹介されています。こうした基本を押さえることで、映像はただの記録から一気に“作品”へと変わります。
さらに、避けたいパターンやプロの映像から学べる事例も挙げられています。初心者がやりがちな平板で窮屈な構図を避け、ダイナミックで視覚的に訴える構図を作るコツを学ぶことができるのです。これにより「なんとなく撮った映像」から「意図を持った映像」へとステップアップできます。

構図は“視線の誘導装置”。
人の目がどこに向くかをデザインできれば、映像は説得力を持ちます。
Lesson 4 「音」でセンスを磨く
第4章では、映像と並ぶもうひとつの重要な要素「音」が扱われます。音は視覚を補い、映像全体の印象を大きく左右します。BGMや効果音の役割が解説され、映像に適切な音を加えることで視聴者の感情や理解を深める効果があることが紹介されています。
音の効果にはいくつかの種類があります。たとえば「イメージ誘導効果」では、音が映像の意味付けを助けます。静かな映像に不穏な音楽を加えると緊張感が高まるように、音は映像の解釈をコントロールできるのです。また「感情誘導効果」では、悲しい音楽で涙を誘ったり、明るい音楽で元気づけたりと、視聴者の心を動かします。
さらに、音は雑音を隠す「マスキング効果」としても役立ちます。現場で録音した環境音に余計な音が混ざっていても、BGMを加えることで自然に気にならなくすることが可能です。音源サイトの紹介もあり、実際の制作現場で役立つリソースまでカバーされています。

音は“感情の演出家”。
視覚だけでは伝えきれない雰囲気を音が補完し、映像の説得力を何倍にも高めます。
Lesson 5 「色」でセンスを磨く
第5章では、映像の雰囲気を根本から変える「色」の扱いが取り上げられています。色は単なる装飾ではなく、観る人の心理に直接作用する重要な要素です。ここでは、明度やコントラスト、彩度、色温度といった基本的なパラメータをどのように使うかが解説されています。
色の持つイメージ効果も丁寧に説明されています。たとえば、暖色は温かさや活気を連想させ、寒色は冷静さや静けさを表現します。こうした知識を理解すれば「なんとなく雰囲気が違う」という曖昧な違和感を理論的に解消できるようになります。また、トーンカーブやLUTの使い方を学ぶことで、映像全体に一貫した雰囲気を与えることが可能になります。
さらに、流行の色味を取り入れる方法や参考サイトも紹介されており、最新の表現にも対応できるようになっています。初心者でもすぐに使える調整方法からプロが使う高度なテクニックまで幅広くカバーされているのが特徴です。

色彩は「映像の言語」とも言えます。
心理学的な効果を理解し活用することで、映像は言葉以上の説得力を持ちます。
Lesson 6 「文字」でセンスを磨く
最後の章では、テロップやタイトルといった文字表現について学びます。映像における文字は単なる補助ではなく、情報を的確に伝えるための強力なツールです。
フォントの選び方や有料・無料フォントの活用法、さらにデザインの基礎原則(コントラスト・反復・整列・グループ化)も紹介されています。こうした知識を身につけることで、文字は映像と一体化し、視聴者にわかりやすく情報を伝える役割を果たすようになります。
また、シーンに合わせたフォント選びや、テロップデザインの工夫が映像全体の印象を大きく左右することも解説されています。視聴者の視線を自然に誘導できるようになると、映像の完成度が一気に高まります。

映像における文字は「見えないナビゲーション」です。
適切なデザインと配置は、視聴者の理解を助けるだけでなく、作品のプロフェッショナル性を決定づけます。
対象読者

この本は、単なる動画編集の操作解説書ではなく、映像づくりの根本にある「なぜ編集するのか」という問いに応える内容です。そのため、幅広い層の読者に価値を提供できる設計になっています。
特に以下のような人たちにとって、本書は強力な学びのガイドとなるでしょう。
- 動画編集初心者(これから学びたい人)
- 将来動画編集を仕事・副業にしたい人
- 独学で編集ソフトは扱えるけど“なぜ編集”の理解が浅い人
- 一度学んだけれど基本を学び直したい人
- クリエイティブの“見る力”を高めたい方(編集の本質を知りたい人)
それぞれの立場に合わせて学べる内容が盛り込まれているため、自分がどの段階にいるのかを確認しながら読み進めることで、理解が一層深まります。
ここからは、上記の対象者ごとに詳しく解説していきます。
動画編集初心者(これから学びたい人)
初めて動画編集を学ぶ人にとっては、専門用語や複雑な操作に圧倒されてしまうことがよくあります。本書は「なぜ編集をするのか」という根本的な問いから始まるため、学習の出発点で迷子になりにくい設計になっています。さらに、どのソフトを使っても共通する普遍的な原理を扱っているので、ツールに左右されずに基礎を理解できるのが大きな魅力です。
加えて、レッスン形式で段階的に知識を積み重ねられる構成は、初学者にとって安心感があります。カット、構図、音、色、文字といった主要な要素を一つずつ学べるため、映像編集の全体像を短期間で把握でき、「編集を楽しい」と思えるように導いてくれるでしょう。

初心者に必要なのは“順番に理解できる環境”です。
本書は理論と実践を結びつけて、最初のつまずきを回避させます。
将来動画編集を仕事・副業にしたい人
動画編集を収入源にしたいと考える人にとっては、単なる操作スキルではなく「意図を持った表現力」が不可欠です。本書では、カットのリズムや構図の選択が視聴者にどのような心理的効果を与えるのかを解説しており、クライアントワークにそのまま応用できる知識が満載です。
さらに、ソフトに依存しない普遍的な知識を扱っているため、案件によって使う編集ツールが変わっても問題なく対応できます。副業やフリーランスを目指す人にとって、「誰にでも通用する基礎」を身につけられる本書は、まさに最初の投資にふさわしい一冊と言えるでしょう。

独学で編集ソフトは扱えるけど“なぜ編集”の理解が浅い人
独学で編集ソフトを使いこなしてきた人は、操作に慣れている一方で「なぜこの技術を使うのか」という理論を軽視しがちです。その結果、映像にまとまりがなく、視聴者に意図が伝わらないという壁に直面します。本書は、こうした「理由のない編集」から脱却するための指南書です。
カットの緩急や構図の安定感などを心理的効果と結びつけて解説しているため、自分が行ってきた操作の裏付けを理論的に理解できるようになります。その瞬間、独学で積み上げてきた感覚的な知識が整理され、より強固なスキルに昇華していきます。

独学者が伸び悩むのは“理由を知らずに真似している”から。
本書は理解の軸を与え、成長を加速させます。
一度学んだけれど基本を学び直したい人
すでに専門学校や教材で学んだ経験がある人でも、基礎を疎かにしたまま応用技術に進んでしまうと「どこか物足りない映像」になりがちです。本書は、そんな経験者にこそ役立つリセット教材です。最初に立ち返ることで、曖昧だった基礎を明確にでき、応用とのつながりを再確認できます。
とくに「目的意識を持った編集」という視点は、経験者が忘れがちな重要ポイントです。ゴールを見失ったまま編集してしまうと、映像は複雑でも伝わりにくいものになります。本書で改めて土台を固めることが、次のステージに進む最短ルートになるのです。

クリエイティブの“見る力”を高めたい方(編集の本質を知りたい人)
動画編集のスキルを伸ばす上で欠かせないのが「見る力」です。自分や他人の作品を分析し、なぜその構図や音が効果的なのかを理解できるようになると、表現の幅は飛躍的に広がります。本書はプロの映像を題材にした解説や「やってはいけない例」を豊富に盛り込み、この観察眼を磨くサポートをしてくれます。
また、色彩や音の心理効果など、映像の裏側にある理論を知ることで、ただ作品を「楽しむ」から「意図を読み取る」へと視点が進化します。これは動画制作者だけでなく、マーケティングや広告の分野に関わる人にも役立つ大きな武器となるでしょう。

“見る力”はクリエイティブの質を映す鏡。
本書はその鏡を磨く方法を体系的に教えてくれます。
本の感想・レビュー

いきなりプロ視点に触れた気になる!
最初の章を開いたときに驚いたのは、ただ編集の手順を学ぶのではなく、「なぜ編集をするのか」という問いから始まっている点でした。これまで自己流で動画をつくってきた自分にとっては、考えたことのない視点であり、同時にその問いがすべての基礎になると気づかされました。読み進めるうちに、プロが作品を組み立てるときの思考の一端を垣間見たような感覚になりました。
また、ページごとに「良い編集とは何か」や「全体像をどう描くか」といった考え方が整理されており、単なる知識ではなく視点そのものを学べる構成になっています。自分がこれまで曖昧に処理していた部分に光を当ててくれるため、「もっと映像を意識的につくっていこう」と自然に意欲が湧きました。
読後には、ただの初心者ではなく、一歩プロに近づいたような背筋の伸びる感覚がありました。本を読む前と後で、動画を見るときの解像度が明らかに変わり、日常の映像体験そのものが学びの場に変わったのです。
カットとリズムの感覚が掴みやすくて驚き
カットのレッスンを読み始めてすぐに感じたのは、「今まで何となくつないでいただけなんだな」ということでした。文章の流れで例えるなら、読点や句点のように、映像のカットにも意味やリズムがあると気づかされました。その説明がとても分かりやすく、すぐに映像を頭の中でイメージできる点が魅力でした。
特に印象に残ったのは、カットが生み出すテンポの変化です。同じ素材でも、つなぎ方次第で観る人の印象が大きく変わると知り、まるで魔法のように感じました。「リズムを操る」という意識を持つだけで、これほど映像の印象が変わるのかと新鮮な驚きがありました。
読み終えてみると、動画編集は単なる切り貼りではなく、時間と空間を自在に扱う行為なのだと実感しました。学んだ直後から映像の見え方が変わり、これまでの自分の作業を振り返るきっかけになったのです。
構図の読み方が写真にも応用できそう
構図の章を読みながら、映像をつくることが視覚のデザインでもあると強く感じました。線の流れや画面内の重さといった要素を意識すると、同じ映像でもまったく印象が変わります。単に「見栄えを良くする」だけでなく、観る人の視線を導く力があるのだと理解できました。
その解説が具体的で、ページごとに「安定感を与える」「主役を際立たせる」といった目的に応じたアプローチが紹介されており、自然と応用したくなる内容でした。これまで何気なく使っていた構図の選び方が、理論として裏付けられていく過程がとても刺激的でした。
この知識は動画だけにとどまらず、カメラを持って日常を撮影するときにも役立ちそうです。映像制作にとどまらず、視覚表現全般の理解を深められる点が、本書の大きな魅力だと思いました。
音の扱い方が“動画らしく”なって楽しい
これまでは、BGMを流す程度の意識しか持っていませんでしたが、音には視聴者の感情や行動にまで影響を与える力があることを知り、新鮮な驚きがありました。
たとえば音の役割を「感情を誘導する」「行動を促す」といった具体的な切り口で説明してくれるので、単なる知識ではなく実際の映像作りにどう活かせるのかがすぐに理解できます。さらに、BGMや効果音の選び方も理屈として整理されているので、自分の中で判断の基準が持てるようになりました。
音の扱いを学ぶことで、映像そのものがより立体的に感じられるようになりました。視覚と聴覚が重なり合うことで作品に命が宿る感覚を味わえたのは、本書を読んで得られた大きな喜びの一つです。
色のチューニングが直感的に理解できた
色に関する章を読み進めるうちに、これまで感覚で操作していた調整の裏に確かな理論があることに気づかされました。明度や彩度、色温度といった基本的なパラメータをどう捉えればよいかが整理されており、自分の作業が理屈として説明できる段階に進んだように感じました。
特に印象的だったのは、色が持つ心理的な効果に関する解説です。暖色や寒色の与える印象を理解することで、映像のテーマやメッセージをより適切に伝えられるようになると確信しました。ただ「きれいに見せる」だけでなく、「どう見せたいか」を自分でコントロールできるのは大きな進歩です。
この章を読んでからは、映像を見るときに色の選択に意識が向くようになり、普段の鑑賞体験さえも学びの場に変わりました。理論が理解できると同時に、色を扱う楽しさそのものを実感できる章でした。
文字デザインがセンスアップして見える
フォントの基礎や種類の説明が整理されていて、普段なんとなく選んでいた書体の意味や背景を知るだけで、画面全体の印象ががらりと変わるのを実感しました。
また、テロップの配置や整列のルールを理解すると、ただ情報を載せているだけの映像から、きちんとデザインされた作品へと変わるような感覚を覚えました。文字が単なる補助要素ではなく、映像そのものを彩る大切な要素であることに気づけたのです。
読み終えた後は、動画を再生したときに自然と文字の存在感に目が行くようになりました。映像と一体化したテロップが持つ力を知り、次に作品をつくるときにはもっと積極的に取り入れたいと思うようになりました。
動画と文字の融合を学べる良書だと思う
この本を手にして最も印象に残ったのは、文字と映像の関係性を深く考えさせられたことです。単純に情報を伝えるための字幕やテロップではなく、映像のリズムや色彩と調和しながら全体を引き立てる存在としての文字の扱い方が丁寧に説明されていました。
特にデザインの基礎知識と結びつけて解説されている部分が分かりやすく、映像編集の流れの中で文字がどのように活躍するのかがはっきりとイメージできました。映像と文字が調和すると、それぞれ単独では生み出せない表現が可能になるのだと実感しました。
振り返ってみると、この本のおかげで文字を“付け足し”ではなく“表現の一部”として捉えられるようになりました。動画と文字の関係を学べる一冊として、この内容は非常に価値があると感じています。
編集技術の土台がしっかり固まる構成
本書の構成は、とても論理的で一貫性があります。各レッスンが独立して学べる内容でありながら、読み進めるごとに自然と全体像が見えてくるため、初心者でも迷子にならずに学習を続けられました。これは、技術を習得する上で大きな安心感につながりました。
また、基礎から応用へと段階的に積み上げていく流れが整理されており、どの章を読んでも「次にこれを学ぶ意味」が分かるようになっています。単に情報を並べるのではなく、編集者としての思考回路を養うような意図を感じました。
読後には、技術の土台がしっかり固まったという感覚がありました。これから先、どんなジャンルの動画に挑戦しても、その基盤があるからこそ柔軟に対応できるだろうと強く思えます。
まとめ

記事の締めくくりとして、この本を通じて得られる学びを振り返りつつ、次に進む道筋を整理しておきましょう。
理解を深めやすいように、以下の3つの観点から要点を整理します。
- この本を読んで得られるメリット
- 読後の次のステップ
- 総括
これらを踏まえることで、ただの読書で終わらず、日々の実践やキャリアの形成に活かせる指針が見えてきます。
それでは順番に確認していきましょう。
この本を読んで得られるメリット
ここでは、本書を読むことで得られる主な利点を紹介していきます。
基礎の理解が一気に深まる
最初に得られる大きな利点は、編集の基本を一気に体系的に学べる点です。特に「カットのつなぎ」や「構図」といった映像表現の根幹に関わる部分を段階的に学べるため、独学では見落としがちな要点をしっかり押さえることができます。単なるソフトの操作ではなく、映像をどう組み立てれば視聴者に伝わるのかを理解できるのは、初心者にとって大きな強みとなるでしょう。
実践で役立つ知識がすぐに活かせる
理論を学んだだけで終わらないのも、この本の魅力です。特典として付属する作例動画は、文章だけでは伝わりにくいニュアンスを直感的に理解させてくれます。そのため、本を閉じた直後に実際の編集作業で「こうすればよかったのか」と気づきを活かせるようになります。読んだ内容をすぐに試せることで、理解が定着しやすい構成になっています。
センスが磨かれ、作品の質が向上する
さらに注目すべきは、感覚に頼るのではなく理論に基づいて「センス」を磨ける点です。色や音、文字といった要素は主観的な判断に流されがちですが、本書ではそれぞれの役割や効果を解説しており、判断の根拠を持てるようになります。その結果、ただ「なんとなく良い」ではなく、「なぜ良いのか」が分かる作品づくりへとつながり、完成度が大きく高まります。

映像編集における「センス」とは生まれつきの才能ではなく、基礎理論を理解したうえでの積み重ねによって磨かれる技術です。
本書がその土台を築いてくれるのです。
読後の次のステップ
本書を読み終えた後は、知識として理解するだけで満足するのではなく、実際の編集作業に落とし込むことが何よりも重要です。
ここでは、学んだ内容を実践につなげ、さらに成長を促すための次の行動を整理しておきましょう。
step
1小さな作品をつくってみる
学んだ理論を自分の手で確かめる最初の一歩は、短い動画を編集してみることです。例えば、日常の風景や友人との会話を素材に、意識的にカットや構図を選んで編集してみましょう。短い時間でも自分の工夫が映像に反映されることで、学んだ内容が確かな実感へと変わります。
step
2他者の映像を分析する習慣を持つ
映画やCM、YouTube動画などを観るときに、「なぜこの場面でこのカットを選んだのか」「この音楽はどんな効果を狙っているのか」と考える癖をつけることが重要です。受け身で視聴するのではなく、制作者の意図を想像しながら観察することで、自分の編集にも応用できる“見る力”が育ちます。
step
3新しいテーマで挑戦を重ねる
一度基礎を実践したら、次は新しいジャンルやテーマに挑戦することをおすすめします。例えば、Vlogから商品紹介動画、イベント記録映像へと幅を広げることで、多様な文脈での編集力を磨けます。挑戦するたびに異なる課題に直面し、その都度学びが定着していくのです。

学習を「理解」で止めず、「行動」へと変換することは編集力を伸ばす最大の鍵です。
映像編集はスポーツや楽器演奏と同じで、繰り返しの実践こそが理論を血肉化させるのです。
総括
本書『センスがUPする⤴ 動画編集の教科書[カットつなぎ・構図・音・色・文字]』は、動画編集をこれから学ぶ人にとっての道標であり、また経験者にとっては自分の基礎を見直す貴重な機会を与えてくれる一冊です。単なる操作マニュアルではなく、なぜ編集が必要なのかという根本的な問いかけから始まり、視聴者に伝わる映像をつくるための本質を丁寧に解説しています。
内容は6つのレッスンに分かれており、カット、構図、音、色、文字といった要素を軸に体系的に学べるのが大きな特徴です。それぞれが単独で完結するのではなく、相互に作用し合うことで映像全体の完成度を高めていく構造になっています。これにより、断片的な知識を詰め込むのではなく、全体像を理解しながら自分の編集スキルを積み上げていけます。
さらに、特典として提供される作例動画によって、知識を実際の映像で確認できる点も見逃せません。書籍の学習にありがちな「理屈はわかったけれど実感がない」という壁を乗り越え、視覚と聴覚の両面から理解を深められるよう工夫されています。これは独学で学んできた人にとっても、新しい発見や納得感を得られるポイントとなるでしょう。

本書は、初心者から中級者まで幅広い層に応えられる汎用性の高いテキストです。
読後には、単なる技術習得を超えて「映像をどう設計し、どう人に伝えるか」というクリエイティブの本質に気づかせてくれるはずです。
その気づきこそが、次の成長につながる最大の価値であり、読者をより魅力的な映像制作者へと導く力になるのです。

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